JPH0747591B2 - トランス−4−置換−s−プロリン類の中間体 - Google Patents

トランス−4−置換−s−プロリン類の中間体

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JPH0747591B2
JPH0747591B2 JP5281058A JP28105893A JPH0747591B2 JP H0747591 B2 JPH0747591 B2 JP H0747591B2 JP 5281058 A JP5281058 A JP 5281058A JP 28105893 A JP28105893 A JP 28105893A JP H0747591 B2 JPH0747591 B2 JP H0747591B2
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    • C07D207/10Heterocyclic compounds containing five-membered rings not condensed with other rings, with one nitrogen atom as the only ring hetero atom with only hydrogen or carbon atoms directly attached to the ring nitrogen atom having no double bonds between ring members or between ring members and non-ring members with hetero atoms or with carbon atoms having three bonds to hetero atoms with at the most one bond to halogen, e.g. ester or nitrile radicals, directly attached to ring carbon atoms
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  • Plural Heterocyclic Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はトランス−4−置換−S
−プロリン類の中間体、更に詳しくは、式、
【化4】 で示される4−置換プロリン誘導体の合成中間体に関す
る。
【0002】
【発明の構成と効果】上記4−置換プロリン誘導体[V
I]の製造法は、式、
【化5】 で示される化合物を、式、
【化6】 で示される化合物と反応させて式、
【化7】 で示される化合物(本発明に係る新規中間体)を得、該化
合物[III]をアルキル化して式、
【化8】 で示される化合物(本発明に係る新規中間体)を得、該化
合物[IV]を変換して式、
【化9】 で示される化合物(新規中間体)とし、該化合物[V]を酸
化して、上記式[VI]の4−置換プロリン誘導体を得る
方法である。かかる4−置換プロリン誘導体[VI]は、
式:
【化10】 および
【化11】 で示されるアンギオテンシン変換酵素抑制剤の製造に有
用な中間体である。
【0003】かかる製造法を工程式で示すと、以下の通
りとなる。
【化12】
【化13】
【0004】上述の各式において、および本明細書を通
じて各種記号の定義は以下の通りである。R1はアルキ
ル、シクロアルキル、アリールまたはアリールアルキ
ル、R1'はアルキル、シクロアルケニル、アリールまた
はアリールアルキル、R2はアルキル、アリール、アリ
ールアルキルまたはシクロアルキル、R3は水素、アル
キル、アリール、アリールアルキルまたはシクロアルキ
ル、Y1は水素またはアルキル、Y2はアルキル、アリー
ル、アリールアルキル、シクロアルキルまたは(シクロ
アルキル)アルキル、Y3は水素、アルキル、アリールア
ルキル、または
【化14】 (Y4は水素、アルキルまたはフェニル、およびY5は水
素、アルキル、フェニルまたはアルコキシ、またはY4
とY5が合して−(CH2)2−、−(CH2)3−、−CH=
CH−または
【化15】 )、およびnは0または1である。
【0005】本明細書で用いる語句の定義を以下に示
す。これらの定義は、他の特別な限定がなければ、本明
細書を通じて個別的にまたはより大なる基の一部として
使用される語句に適用される。「アルキル」および「アル
コキシ」とは、直鎖および分枝鎖基の両方を指称する。
炭素数1〜10の基が好ましい。
【0006】「シクロアルキル」および「シクロアルケニ
ル」とは、炭素数3〜7の基を指称する。「アリール」と
は、フェニルおよび置換フェニル(置換基としてハロゲ
ン、アルキル、アルコキシ、アルキルチオ、ヒドロキ
シ、アルカノイル、ニトロ、アミノ、ジアルキルアミ
ノ、またはトリフルオロメチル基)を指称する。「アルカ
ノイル」とは、炭素数2〜9の基を指称する。「ハロゲ
ン」とは、弗素、塩素、臭素および沃素を指称する。
【0007】すなわち、かかる方法は、5−ヒドロキシ
メチル−2−ピロリドン(即ち、化合物[II])をプロリ
ン化合物[VI]に変換させる方法である。式[VI]のプ
ロリン類は上述の如く、式[Ia]および[Ib]のアンギオ
テンシン変換酵素抑制剤の製造の中間体として有用であ
る。従来技術、例えば米国特許第4105776号(1
978年8月8日特許)、同第4168267号(197
9年9月18日特許)および同第4337201号(19
82年6月29日特許)に記載の如く、アンギオテンシ
ン変換酵素抑制剤[Ia],[Ib]はヒトの高血圧症の治療
に有用である。これらの化合物は、これを必要とする患
者に対し、1日1回または好ましくは2〜4回に分与し
て投与することができる。
【0008】式[II]の出発5−ヒドロキシメチル−2
−ピロリドンは公知である[例えばシルバーマンら著
「J.Org.Chem.(45:815、1980年)および
サイゴら著「Chem.and Pharm.Bull.」(28(5):
1449、1980年)参照]。これらの文献に記載の如
く、化合物[II]はL−ピログルタミン酸から、先ずカ
ルボキシル基をエステル化し、次いで該化合物を例えば
ホウ水素化ナトリウム、ホウ水素化リチウムまたは塩化
リチウムおよびホウ水素化ナトリウムで化学的に還元す
ることにより、得ることができる。
【0009】この方法は、5−ヒドロキシメチル−2−
ピロリドン[II]を式:
【化16】 の化合物に変換することから出発する。変換は、化合物
[II]を酸(好ましくはp−トルエンスルホン酸などの
有機酸)の存在下、式:
【化17】 のケトンまたはアルデヒドと反応させることにより行な
う。他の方法も利用でき、これは後記実施例で示されて
いる。
【0010】化合物[III]を塩基、例えばアミドリチ
ウム(ジイソプロピルアミド・リチウムなど)またはヘキ
サメチルジシラジド・カリウムおよび塩化リチウムで処
理し、次いで式: R1'−X [VIII] (Xはハロゲン、メタンスルホニルオキシまたはトルエ
ンスルホニルオキシなどの脱離可能な基)の化合物でア
ルキル化して、式:
【化18】 のアルキル化化合物を得ることができる。
【0011】かかる製造法の一例において、化合物[I
V]を単離し、これを水素化リチウム・アルミニウム、
ジボラン、水素化ジイソブチルアルミニウムなどの還元
剤で処理して、オキソ基を還元し、オキサゾール環を開
環する。またR1'がシクロアルケニルである場合、該基
を飽和にするため、接触水素添加(例えば触媒としてパ
ラジウム/活性炭を使用)が必要である。得られる化合
物は、式:
【化19】 で示される。
【0012】他の具体例において、化合物[IV]を単離
せず、そのまま還元剤で処理し、必要に応じて接触水素
添加に付し、化合物[V]を得る。
【0013】更に他の具体例において、化合物[IV]を
加水分解して、式:
【化20】 の化合物を得る。化合物[IX]のオキソ基の還元は、
水素化リチウム・アルミニウム、ジボラン、水素化ジイ
ソブチルアルミニウムなどの還元剤を用いて行う。これ
もR1'がシクロアルケニルである場合、該基を飽和にす
るため、接触水素添加(例えば触媒としてパラジウム/
活性炭を使用)が必要であり、これによって化合物[V]
が得られる。水素添加は、加水分解の前あるいは後で行
なうことができる。
【0014】式[V]のアルコールの式:
【化21】 のプロリン誘導体への変換は、酸化によって行うことが
できる。好ましい酸化反応はジョーンズ(Jones)酸化で
ある。この反応は、アルコール[V]のアセトン溶液に希
硫酸中の無水クロム酸を添加することからなる。ジョー
ンズ酸化を始める前に、化合物[IV]のピロリジン環の
窒素原子を通常の窒素保護基(例えばホルミル、クロロ
アセチル、アセチル、ベンジルオキシカルボニル、また
はt−ブトキシカルボニル)で保護しておくことが好まし
い。保護反応および脱保護反応(ジョーンズ酸化後)は、
通常の操作で行われ、これらは当然に、選択した個々の
保護基に左右される。
【0015】アルコール[V]をカルボン酸[VI]に変換
するのに使用しうる酸化操作としては、i)例えば触媒と
してプラチナを用いる接触水素添加、ii)該アルコール
を塩化オキサリルおよびジメチルスルホキシド処理した
後次亜塩素酸カルシウムなどの次亜塩素酸塩による処
理、およびiii)アルコール[V]の重クロム酸ピリジニウ
ム/ジメチルホルムアミドによる処理が包含される。
【0016】
【実施例】次に挙げる実施例は、本発明の特定の具体例
である。 実施例1 (トランス)−4−シクロヘキシル−L−プロリンの製造
法:− A) (R)−テトラヒドロ−3−フェニル−3H,5H−
ピロロ[1,2−c]オキサゾール−5−オン 5−ヒドロキシメチル−2−ピロリドン(85.0g)、
ベンズアルデヒド(98.0g)、p−トルエンスルホン酸
(1.6g)およびトルエン(500ml)の混合物を激しく
撹拌下、ディーン−スターク水分離器およびオイルバス
を用いて、加熱還流する。9時間後水の収集を止め、反
応混合物を冷却し、これを5%重炭酸ナトリウム溶液
(50ml×2)、飽和重亜硫酸ナトリウム溶液(50ml×
4)、水(50ml×2)および塩水(50ml×1)で洗う。
トルエン溶液を無水硫酸マグネシウム上で乾燥し、溶媒
を回転エバポレータで除去する。得られる残渣を蒸留
(145〜150℃/0.1mmHg)し、標記化合物を油
状物で得る(129.0g)。[α]D=+269.6°(ク
ロロホルム、C=1)。TLC(シングルスポット),Rf
=0.5(シリカゲル、酢酸エチル:ヘキサン=4:1、
UVおよび沃素)。 元素分析(C21132Nとして) 計算値:C70.92、H6.45、N6.89 実測値:C70.97、H6.64、N6.72
【0017】B) (2S−トランス)−4−シクロヘキ
シル−2−ピロリドンメタノール 乾燥テトラヒドロフラン(500ml)中のジイソプロピル
アミン(68.2ml)を−20℃に冷却し、これに撹拌下
温度を約−20℃に保持しながらn−ブチルリチウム(1
78.6ml、2.73モル)を加える。添加後溶液を−
20℃で15分間撹拌し、−30℃に冷却する。テトラ
ヒドロフラン(200ml)中の(R)−テトラヒドロ−3−
フェニル−3H,5H−ピロロ[1,2−C]オキサゾール
−5−オン(100g)の溶液を加え、その間内部温度を
約−30℃に維持し、溶液を30分間撹拌する。反応フ
ラスコに約−20℃にて3−ブロモシクロヘキセン(8
2.0ml)を整然状態で滴下し、反応混合物を上記温度
で2.5時間撹拌する。TLCによりその後の変化のな
いことが認められる(シリカゲル、酢酸エチル:ヘキサン
=4:1)。かかる反応混合物をトルエン中の水素化リチ
ウム・アルミニウム(23.5g)の激しく撹拌した懸濁
液に−10℃にて、二重エンド針(double ended need
le)で移す。移した後、−10℃で15〜20分間撹拌
して反応をコントロールし、冷却浴を取除き、混合物を
30分間還流する。反応混合物を−20℃に冷却し、飽
和硫酸ナトリウムをゆっくりかつ極めて注意深く滴下
し、灰色の粒状沈澱物が形成するまで続ける(40ml溶
液)。反応混合物をトルエン(600ml)で希釈し、無水
硫酸ナトリウム(100g)を加え、十分に撹拌し、セラ
パッドで濾過する。濾液をどろっとした油状物に濃縮
し、これを500mlのトルエンで希釈し、水(300ml
×2)および塩水(300ml×1)で洗う。有機相を濃縮
し、減圧乾燥して130gを淡黄色のどろっとした油状
物を得る。残渣の一部(123g)を酢酸エチル(150m
l)に溶解し、300mlの酢酸で希釈する。酢酸溶液にパ
ラジウム/活性炭(10%、20g)を加え、混合物をパ
ール振とう器にて45psiおよび室温で約2時間水素添
加する。反応混合物を濾過し、回転エバポレータで濃縮
し、残渣を500mlの水に溶解し、激しく機械撹拌しな
がら、30%水酸化ナトリウム溶液で塩基性化する。沈
澱物(綿状物質)を濾取し、200mlの水で洗い、風乾し
て69gの粗標記化合物を得る。濾液および水洗液をト
ルエンで抽出して、別途6gの標記化合物(同品質)を得
る。コンバインした物質をトルエン/ヘキサンより結晶
化して、50gの標記化合物を得る。融点98〜100
℃。TLC(シングルスポット),Rf=0.5(シリカゲ
ル、酢酸エチル:アセトニトリル:水:酢酸=4:4:1:
1)。[α]D=+12.85°(クロロホルム、C=1)。 元素分析(C1121ONとして) 計算値:C72.08、H11.55、N7.64 実測値:C71.87、H11.26、N7.32
【0018】C) (2S−トランス)−1−[(ベンジル
オキシ)カルボニル]−4−シクロヘキシル−2−ピロリ
ジンメタノール テトラヒドロフラン(400ml)中の(2S−トランス)−
4−シクロヘキシル−2−ピロリジンメタノール(45
g)の溶液に、炭酸カリウム溶液(18.7g、水120m
l)を加え、−2℃に冷却する。反応混合物を十分に撹拌
し、これに内部温度を−2〜0℃に保持しながら、(ベ
ンジルオキシ)カルボニルクロリド(37.7ml)を滴下
する。滴下(20分)後、反応混合物を0℃で15分間撹
拌し、粉砕氷/水(500ml)に注ぐ。塩化ナトリウムで
飽和後、有機層を分離し、水性相を酢酸エチル(100m
l×3)で抽出する。集めた有機相を5%塩酸(100ml
×2)、水(100ml×1)および塩水(100ml×1)で
洗う。無水硫酸ナトリウム上で乾燥後、溶媒を蒸発して
無色のどろっとした油状物を得る(78.1g)。TLC
によりRf=0.7のシングルスポットが認められ、原
点(origin)および溶剤前(solventfront)に非常にかすか
な陰影が見られる(シリカゲル、酢酸エチル:ヘキサン=
4:1、UVおよび沃素)。[α]D=−21.0°。 元素分析(C19273Nとして) 計算値:C71.89、H8.57、N4.41 実測値:C71.88、H8.58、N4.37
【0019】D) (トランス)−4−シクロヘキシル−
L−プロリン方法I 粗(2S−トランス)−1−[(ベンジルオキシ)カルボニ
ル]−4−シクロヘキシル−2−ピロリジンメタノール
(78.1g)を400mlのアセトンに溶解し、これをア
セトン(500ml)中でジョーンズ試薬(190ml、2
6.7gのCrO3を23mlの濃H2SO4に溶解し、水で
100mlに希釈して製造)の撹拌溶液に−5℃で滴下す
る。滴下(3時間)後、反応混合物を更に−5℃で3時間
撹拌し、イソプロパノール(30ml)を加え、30分間撹
拌する。上のアセトン層をデカントし、回転エバポレー
タにて30℃で蒸発してどろっとした油状物とし、これ
をフラスコの残渣とミックスし、水で希釈して1500
mlとし、酢酸エチル(200ml×4)で抽出する。集めた
有機相(この時点で有機相が褐色である場合、有機相が
無色になるまで飽和重亜硫酸ナトリウム溶液で洗うべき
である)を塩水で洗い、無水硫酸マグネシウム上で乾燥
し、回転エバポレータにて溶媒を除去し、粗標記化合物
をガラス状固体で得る(78.4g)。このようにして得
られる生成物をメタノール(600ml)に溶解し、パラジ
ウム/活性炭(10%、10g)を加え、周囲温度および
大気圧で2時間水素添加する。濾過および蒸発で得られ
る白色固体を粉末化し、200mlの温酢酸エチルに懸濁
し、濾過し、200mlの酢酸エチルで洗う。このように
して得られる白色固体を減圧乾燥して、41.8gの生
成物を得る。融点250〜253℃。TLCによりRf
=0.3のシングルスポットが認められる(シリカゲ
ル、酢酸エチル:アセトニトリル:酢酸:水=4:4:1:
1、UVおよび沃素およびリドンス(Rydons)試薬)。
[α]D=30.3°(酢酸、C=1)。 元素分析(C11192N,0.35モル水の部分水和物
として) 計算値:C64.92、H9.75、N6.88 実測値:C64.92、H9.55、N6.71 2gの生成物を10mlのメタノールに溶解し、エタノー
ルで100mlに希釈し、白色固体が沈澱しはじめるまで
濃縮する(20ml)。冷凍器にて2時間冷却後、結晶を濾
取し、50mlの酢酸エチルで洗い、減圧乾燥して1.8
gの生成物を得る。融点265〜267℃。[α]D=−3
2.0°(酢酸、C=1)。 元素分析(C11192N,0.18モル水の部分水和物
として) 計算値:C65.87、H9.76、N6.98 実測値:C65.87、H9.76、N6.71
【0020】方法II (2S−トランス)−1−[(ベンジルオキシ)カルボニル]
−4−シクロヘキシル−2−ピロリジンメタノール
(0.65g)、重炭酸ナトリウム(0.5g)、ジオキサン
(20ml)および水(20ml)の混合物に、新たに作ったプ
ラチナブラック(0.3gの酸化プラチナを水素添加して
調製)を加える。溶液に激しく撹拌しながら、室温で酸
素を16時間通す。濾過および酸性化した後、抽出でワ
ークアップを行い(トランス)−1−[(ベンジルオキシ)
カルボニル]−4−シクロヘキシル−L−プロリンをガ
ラス状固体で得る。この化合物は、上記方法Iに記載の
接触水素添加で脱保護することができる。
【0021】方法III ジメチルホルムアミド(10ml)中の(2S−トランス)−
1−[(ベンジルオキシ)カルボニル]−4−シクロヘキシ
ル−2−ピロリジンメタノール(0.65g)の溶液に、
重クロム酸ピリジニウム(2.1g)を加える。混合物を
室温で16時間撹拌し、粉砕氷/塩酸(25ml)に注ぐ。
酢酸エチルで抽出後、溶媒蒸発を行い、0.4gの(トラ
ンス)−1−[(ベンジルオキシ)カルボニル]−4−シク
ロヘキシル−L−プロリンをどろっとした油状物で得
る。化合物は上記方法Iに記載の接触水素添加で脱保護
することができる。
【0022】実施例2 (トランス)−4−シクロヘキシル−L−プロリンの他の
製造法:実施例1において、(R)−テトラヒドロ−3−
フェニル−3H,5H−ピロロ[1,2−C]オキサゾール
−5−オンから(2S−トランス)−4−シクロヘキシル
−2−ピロリジンメタノールを製造する代わりに、以下
に示す方法を用いる以外は、実施例1に記載の操作を用
いて5−ヒドロキシメチル−2−ピロリドンから(トラ
ンス)−4−シクロヘキシル−L−プロリンを製造す
る。乾燥テトラヒドロフラン(250ml)中のジイソプロ
ピルアミン(12.9ml)を−20℃に冷却し、撹拌下温
度を約−20℃に保持しながら、n−ブチルリチウム(3
7.2ml、2.73モル)を加える。溶液に50mlのテ
トラヒドロフラン中の(R)−テトラヒドロ−3−フェニ
ル−3H,5H−ピロロ[1,2−C]オキサゾール−5−
オン(18.7g)を−78℃で加え、30分間撹拌す
る。3−ブロモシクロヘキセン(15.3ml)を−78℃
にて整然状態で加え、温度を−20℃とし、この温度で
2.5時間保持する。反応混合物を粉砕氷/水(約30
0ml)に注ぎ、塩化ナトリウムで飽和にし、酢酸エチル
(100ml×3)で抽出する。集めた有機相を氷冷2%塩
酸(50ml×2)、水(50ml×2)および塩水(50ml×
1)で洗い、硫酸ナトリウム上で乾燥する。回転エバポ
レータで溶媒を除去して、27.0gの(3R−シス)−
6−(2−シクロヘキセニル)−テトラヒドロ−3−フェ
ニル−3H,5H−ピロロ[1,2−c]オキサゾール−5
−オンをどろっとした油状物で得る。TLC(シリカゲ
ル、酢酸エチル/ヘキサン)によりRf=0.65の主要
スポットが認められ、上下に陰影が見られる。この粗物
質をそれ以上精製せずに、次工程に使用する。テトラヒ
ドロフラン(5ml)中の(3R−シス)−6−(2−シクロ
ヘキセニル)−テトラヒドロ−3−フェニル−3H,5H
−ピロロ[1,2−C]オキサゾール−5−オンの溶液
を、テトラヒドロフラン(15ml)中の水素化リチウム・
アルミニウム(0.2g)の懸濁液に加え、添加後混合物
を30分間還流する。反応混合物を氷冷し、激しく撹拌
しながら、これに飽和硫酸ナトリウム溶液を灰色の粒状
沈澱物が形成するまで(約1ml)、ゆっくりかつ極めて注
意深く加える。反応混合物をテトラヒドロフラン(25m
l)で希釈し、無水硫酸ナトリウム(約10g)を加え、十
分に撹拌し、セライトパッドで濾過する。溶媒を蒸発し
てどろっとした油状物(0.95g)を得、これを10ml
の酢酸エチルに溶解し、20mlの氷酢酸で希釈する。パ
ラジウム/活性炭(10%、0.2g)を加え、パール振
とう器にて45psiで水素添加する。使用するワークア
ップは実施例1と同じで、これによって0.34gの分
析上純粋な(2S−トランス)−4−シクロヘキシル−2
−ピロリジンメタノールが得られる。
【0023】実施例3 (トランス)−4−シクロヘキシル−L−プロリンの他の
製造法:−実施例1において、(R)−テトラヒドロ−3
−フェニル−3H,5H−ピロロ[1,2−c]オキサゾー
ル−5−オンから(2S−トランス)−4−シクロヘキシ
ル−2−ピロリジンメタノールを製造する代わりに、以
下に示す方法を用いる以外は、実施例1に記載の操作を
用いて5−ヒドロキシメチル−2−ピロリドンから(ト
ランス)−4−シクロヘキシル−L−プロリンを製造す
る。乾燥テトラヒドロフラン(10ml)中の塩化リチウム
(0.21g)の懸濁液に−30℃で、ヘキサメチルジシ
ラザン・カリウム(7.6ml、0.656モル)を加え、
10分間撹拌し、これによって全ての固体は溶解する。
テトラヒドロフラン(10ml)中の(R)−テトラヒドロ−
3−フェニル−3H,5H−ピロロ[1,2−c]オキサゾ
ール−5−オン(1.0g)の溶液を加え、−30℃で3
0分間撹拌する。3−ブロモシクロヘキセン(0.9ml)
を加え、反応混合物を−20℃で2時間撹拌せしめ、出
発物質の全てを消費する。実施例2と同じ抽出ワークア
ップを行い、1.40gの(3R−シス)−6−(2−シク
ロヘキセニル)テトラヒドロ−3−フェニル−3H,5H
−ピロロ[1,2−c]オキサゾールを得、これをそれ以上
精製せずに次工程に使用する。(3R−シス)−6−(2
−シクロヘキセニル)テトラヒドロ−3−フェニル−3
H,5H−ピロロ[1,2−c]オキサゾールから実施例2
に記載の方法を用いて、(2S−トランス)−4−シクロ
ヘキシル−2−ピロリジンメタノールを製造する。
【0024】実施例4 (トランス)−4−シクロアルキル−L−プロリンの他の
製造法:− A) (R)−テトラヒドロ−3,3−ジメチル−3H,5
H−ピロロ[1,2−c]オキサゾール−5−オン方法I ジクロロメタン中の5−ヒドロキシメチル−2−ピロリ
ドン(0.3g)および2,2−ジメトキシプロパン(2ml)
の混合物を、p−トルエンスルホン酸の結晶(約10mg)
の存在下で20時間還流する。水抽出ワークアップ後、
溶媒を蒸発して0.18gの(R)−テトラヒドロ−3,3
−ジメチル−3H,5H−ピロロ[1,2−c]オキサゾー
ル−5−オンを油状物で得る。TLCによりRf=0.
6のシングルスポットが認められる(酢酸エチル)。
【0025】方法II 5−ヒドロキシメチル−2−ピロリドン(0.4g)、ア
セトン(5ml)およびp−トルエンスルホン酸(約10mg)
の混合物を20mlのベンゼン中、ディーン−スターク水
分離器を用いて20時間還流する。反応混合物をワーク
アップ後、蒸留(沸点70〜75℃/0.5mmHg)し
て、0.2gの(R)−テトラヒドロ−3,3−ジメチル−
3H,5H−ピロロ[1,2−c]オキサゾール−5−オン
を油状物で得る。
【0026】方法III 100mlのジクロロメタン中の5−ヒドロキシメチル−
2−ピロリドン(3.0g)の溶液を氷浴に冷却し、粉末
臭化第二銅(0.1g)を加える。10mlのジクロロメタ
ン中の2−ジメトキシプロペン(2.0g)を滴下し、滴
下後冷却浴を取除き、反応混合物を室温で1時間、還流
温度で3時間撹拌する。抽出ワークアップ、次いで蒸留
を行って、2.8gの(R)−テトラヒドロ−3,3−ジメ
チル−3H,5H−ピロロ[1,2−c]オキサゾール−5
−オンを油状物で得る。
【0027】B) (3R)−6−(2−シクロヘキセニ
ル)−テトラヒドロ−3,3−ジメチル−3H,5H−ピ
ロロ[1,2−c]オキサゾール−5−オン ジイソプロピルアミド・リチウム溶液(350mlのテト
ラヒドロフラン中、24.45mlのジイソプロピルアミ
ンおよび70.5mlのn−ブチルリチウムから調製)に、
撹拌および−78℃で冷却しながら50mlのテトラヒド
ロフラン中の27.0gの(R)−テトラヒドロ−3,3−
ジメチル−3H,5H−ピロロ[1,2−c]オキサゾール
−5−オンを加える。0.5時間撹拌後、3−ブロモシ
クロヘキセン(29ml)を滴下し、滴下後反応温度を−1
0℃に上げる。反応が終わるまで撹拌を続ける(約0.
5時間)。水抽出ワークアップを行って、4.15gの
(3R)−6−(2−シクロヘキセニル)−テトラヒドロ−
3,3−ジメチル−3H,5H−ピロロ[1,2−c]オキサ
ゾール−5−オンを粘稠油状物で得、これをTLCに付
すと、Rf=0.7のシングルスポットが認められる(酢
酸エチル:ヘキサン=4:1)。
【0028】C) (2S−トランス)−4−シクロヘキ
シル−5−オキソ−2−ピロリジンメタノール方法I (3R)−6−(2−シクロヘキセニル)−テトラヒドロ−
3,3−ジメチル−3H,5H−ピロロ[1,2−c]オキサ
ゾール−5−オン(5.8g)を100mlの酢酸エチルに
溶解し、0.5gの5%パラジウム/活性炭を加え、混
合物を水素添加して(3R)−6−(シクロヘキシル)−テ
トラヒドロ−3,3−ジメチル−3H,5H−ピロロ[1,
2−c]オキサゾール−5−オンを得る。これを50mlの
テトラヒドロフランに溶解し、20mlの20%塩酸を加
える。室温で1時間撹拌後、抽出ワークアップ次いで結
晶化を行い、4.0gの(2S−トランス)−4−シクロ
ヘキシル−5−オキソ−2−ピロリジンメタノールを得
る。
【0029】方法II (3R)−6−(2−シクロヘキセニル)−テトラヒドロ−
3,3−ジメチル−3H,5H−ピロロ[1,2−c]オキサ
ゾール−5−オンを20mlの20%塩酸で加水分解し
て、(2S−トランス)−4−(2−シクロヘキセニル)−
2−ピロリジンメタノールを得、これを水素添加(方法
Iと同じ)に付し、4.0gの(2S−トランス)−4−シ
クロヘキシル−5−オキソ−2−ピロリジンメタノール
を得る。融点96〜97℃。[α]D 25=+35.5°(c
=1、クロロホルム)。 元素分析 計算値:C67.01、H9.64、N7.11 実測値:C66.76、H9.74、N7.04
【0030】D) (2S−トランス)−4−シクロヘキ
シル−2−ピロリジンメタノール方法I 50mlのテトラヒドロフラン中の水素化リチウム・アル
ミニウム(0.8g)の溶液に、20mlのテトラヒドロフ
ラン中の(2S−トランス)−4−シクロヘキシル−5−
オキソ−2−ピロリジンメタノール(2.0g)を加え
る。添加後、混合物を24時間還流し、0℃に冷却し、
酢酸エチル、ついで飽和硫酸ナトリウム溶液で反応を抑
え、濾過し、濾液を無水硫酸マグネシウム上で乾燥す
る。溶媒を除去した後結晶化を行い、0.7gの(2S−
トランス)−4−シクロヘキシル−2−ピロリジンメタ
ノールを白色結晶で得る。融点98〜99℃。
【0031】方法II 10mlのテトラヒドロフラン中の(2S−トランス)−4
−シクロヘキシル−5−オキソ−2−ピロリジンメタノ
ール(0.25g)の溶液に、0.37mlのボランメチル
スルフィドを加え、反応混合物を24時間撹拌する。冷
却した反応混合物を希塩酸でワークアップした後、水酸
化ナトリウムを再生し、0.2gの粗生成物を得る。
【0032】E) (トランス)−4−シクロヘキシル−
L−プロリン ジョーンズ試薬の溶液(2ml)に硫酸(0.5ml)および酢
酸(2.5ml)を加える。かかる溶液に5mlの酢酸中の
(2S−トランス)−4−シクロヘキシル−2−ピロリジ
ンメタノール(0.5g)を加え、添加後室温で15分間
撹拌する。反応混合物をセライトパッドで濾過し、10
mlの酢酸で洗う。濾液にイソプロピルアルコール(2ml)
を加え、十分に撹拌し、透明溶液をデカントし、濃縮し
てどろっとした油状物とする。油状物を5mlの水に溶解
し、濃水酸化アンモニウムを加えてpHを6.0に調整
する。生成する沈澱物を濾取し、5mlの水および過剰の
エーテルで洗い、減圧乾燥して0.42gの(トランス)
−4−シクロヘキシル−L−プロリンをピンク色固体で
得、これをメタノールより晶出させて、無色結晶を得
る。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式、 【化1】 [式中、R1'はアルキル、シクロアルケニル、アリール
    またはアリールアルキル、R2はアルキル、アリール、
    アリールアルキルまたはシクロアルキル、およびR3
    水素、アルキル、アリール、アリールアルキルまたはシ
    クロアルキルである]で示される化合物。
  2. 【請求項2】 式、 【化2】 で示される請求項1記載の化合物。
  3. 【請求項3】 R2がフェニル、R3が水素である請求項
    2記載の化合物。
  4. 【請求項4】 式、 【化3】 で示される請求項1記載の化合物。
  5. 【請求項5】 R1'がシクロアルケニル、R2がフェニ
    ル、R3が水素である請求項4記載の化合物。
  6. 【請求項6】 R1'が2−シクロヘキセニル、R2がフ
    ェニル、R3が水素である請求項4記載の化合物。
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