JPH0747573Y2 - ユニットルームの側壁構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 【産業上の利用分野】

本考案は一般にユニットバスと呼ばれる組立式浴室やカ
ラオケボックスとして使用れれる種類のユニットルーム
の側壁構造に関するものである。

【従来の技術】

この種のユニットルームとして例えば組立式浴室では、
例えば実開平１−105584号公報に開示されているよう
に、床パンの周囲から立ち上げられる側壁パネルは縦方
向に分割して構成された側壁パネルを立設し、側壁パネ
ルの上端部分に天井パネルを取付けるように構成する所
謂“縦割り方式”と、側壁パネルを上下方向に分割して
これを積み重ねて側壁パネルを形成する所謂“横割り方
式”の二つの方式が知られているが、“横割り方式”は
最近開発されたもので一般的には、“縦割り方式”が実
施されている。

【考案が解決しようとする課題】

床パンの周囲から立ち上げられる側壁パネルを縦方向に
分割する“縦割り方式”では、各分割体の高さが床パン
から天井に至る長さとなっていることから、天井の高さ
が一定なものとなり、施工現場に合わせて天井の高さを
選択することが出来ないという問題があった。 しかも、分割体の高さが床パンから天井に至る長さの長
いものであることから、ユニットルームを組立てる場合
に複数の作業者を要し、組立作業コストが高く成ってし
まうと言う問題があった。 また、上記公報に記載された“横割り方式”における各
分割体は略等しい形状の２分割で構成されており、上部
に重ねる分割体はその位置も高く、且つ重量も比較的重
いことから、組立作業も難しく作業能率を充分に向上さ
せることが出来ないと言う問題があった。 本考案は上記問題点に鑑み提案されたもので、側壁パネ
ルを上下方向に分割する“横割り方式”を採用するとと
もに、各分割体の重量乃至は横幅のを減少させることに
より組立作業性を向上できるようにすることを目的とす
るものである。

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために本考案にかかるユニットルー
ムの側壁構造は、上部に位置させる分割体の重量を軽減
させる手段として、先ず、床パンの周囲から側壁パネル
を立設し、側壁パネルの上端部分に天井パネルを取付け
るようにしてなるユニットルームにおいて、少なくとも
一側方の側壁パネルを上下に分離可能な分割体で形成
し、上部に位置させる分割体の高さ寸法をその下部に位
置させる分割体の高さ寸法より小さい寸法にした構造で
あり、次に、床パンの周囲から側壁パネルを立設し、側
壁パネルの上端部分に天井パネルを取付けるようにして
なるユニットルームにおいて、少なくとも一側方の側壁
パネルを上下に分離可能な分割体で形成し、上部に位置
させる分割体の厚さをその下部に位置させる分割体の厚
さより薄くした構造にすることを特徴とするものであ
る。 そして、上部に位置させる分割体の重量の軽減と横幅を
減少させる手段は、床パンの周囲から側壁パネルを立設
し、側壁パネルの上端部分に天井パネルを取付けるよう
にしてなるユニットルームにおいて、少なくとも一側方
の側壁パネルを上下に分離可能な分割体で形成し、上部
に位置させる分割体をこれに当接する下部の分割体の個
数より多くの個数となるように左右に分割可能に構成し
たことを特徴とするものである。

【作用】

床パンの周囲から側壁パネルを立設する側壁パネルを上
下に分離可能な分割体で形成し、上部に位置させる分割
体の高さ寸法を下部に位置させる分割体の高さ寸法より
小さい寸法にした構造や上部に位置させる分割体の厚さ
を下部に位置させる分割体の厚さより薄くした構造のも
のでは、上部に位置させる分割体の重量が高さ寸法や厚
みを減少させた分、その重量も軽くなり、作業者は分割
体の中央部分を軽く持ち上げて搬送したり、下方の分割
体の上面に載置する作業を行えるのである。 また、上部に位置させる分割体をこれに当接する下部の
分割体の個数より多くの個数となるように左右に分割可
能に構成したものでは、左右に分割された分、各分割体
の重量が軽く成るとともに横幅も狭くなり、各分割体は
１人の作業者でも簡単に持ち運べ、組み立ても楽に行え
るようになるのである。

【実施例】

以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説明する。 〈実施例１〉 第１図はユニットルームの一例である組立式浴室の側壁
構造の概略構成を示す一部切欠き分解斜視図であって、
図中符号１は組立式浴室を全体的に示す。 この組立式浴室１は、一側方にバスタブ２が一体に形成
された床パン３と、床パン３の周囲にその下端部が連結
されて立設される側壁パネル４と、側壁パネル４の上端
に連結される天井パネル５とから成る。 側壁パネル４のそれぞれは上下方向に分割可能な分割体
6a・6b・6cで形成されており、各側壁パネル４を形成す
る分割体6a・6b・6cの高さＨは上方の分割体ほど低くな
るようにしてある。 これらの各分割体6a・6b・6cは、第２図に示すように、
角筒形のパイプ７を枠組みしてパネルフレーム８を形成
し、このパネルフレーム８の前面に板状の基材９を貼着
して構成されている。 また、パネルフレーム８の左右の縦桟部分の上下の端部
が連結口10として開口させてある。 上記のように構成された分割体6a・6b・6cを用いて浴室
を組み立てる場合を次に説明する。 先ず、浴室を設ける場所に床パン３を設置し、側壁パネ
ル４を構成する分割体6a・6b・6cのうち下部に位置させ
る分割体6aの下端部を床パン３の周縁部分に固定して立
ち上げる。 次に、床パン３の周縁部分から立ち上げられた下部に位
置させる分割体6aの左右の上端部に開口する連結口10に
ジョイントピース11を上半部が突出する状態に挿入した
のち、中間位置の分割体6bを載せ、その左右の下端部に
開口する連結口10を上記ジョイントピース11の上半部に
嵌合させると、下部に位置させる分割体6aと中間に位置
させる分割体6bとが正確に位置合わせされた状態で固定
されるのである。 然る後、中間に位置させる分割体6bの左右の上端部に開
口する連結口10にジョイントピース11を上述したのと同
様に上半部が突出する状態に挿入してから、上部に位置
させる分割体6cを載せ、その左右の下端部に開口する連
結口10を中間に位置させる分割体6bから突出するジョイ
ントピース11の上半部に嵌合させると、中間に位置させ
る分割体6bと上部に位置させるする分割体6cとが正確に
位置合わせされた状態で固定されるのである。 ここで、本実施例のように、上部に位置させる分割体6b
・6cの高さをこれより下部に位置させる分割体6a・6bの
高さより低くくすると、上部に位置させる各分割体6b・
6cの重量がその分軽減されるので、例えば１人または２
人の極少数の作業者で各分割体6b・6cの持ち運びや上方
へ載置する施工作業を楽に行え、その作業性を向上させ
ることが出来るのである。 こうして、分割体6a・6b・6cが組み立てられて側壁パネ
ル４が形成された後、側壁パネル４の上端部に天井パネ
ルの周縁部が固定されると浴室１が組み立てられるので
ある。 尚、本実施例では各側壁パネル４を構成する分割体を上
部・中間・下部の３分割としたが、これを２分割や４つ
以上に分割することが出来るのは勿論のことである。 〈実施例２〉 本実施例に係る組立式浴室の側壁構造は第３図に示すよ
うに、各側壁パネル４を上下に分割するとともに、各分
割体6a・6bを左右にも分割可能に構成したもので、上部
に位置する分割体6bの左右へ分割される数を下部に位置
する分割体6aのよりも多くなるように分割して、上部に
位置する分割体6bを下部に位置する分割体6aよりも小形
になるようにしたものである。 こうした場合、上下の分割体6a・6b同士の連結は、第４
図に示すようにして行われる。 即ち、下部に位置させる分割体6aの左右の上端部に開口
する連結口10にジョイントピース11を上半部が突出する
状態に挿入するとともに、パネルフレーム７の上部横縦
桟部分の中央より部に２個のジョイントピース11・11を
ビス12で固定して並設する。 然る後、上部に位置させる分割体6bを下部に位置させる
分割体6aに載置し、上部に位置させる分割体6bの下端部
に開口する連結口10をジョイントピース11・11に嵌合さ
せると、上下の各分割体6a・6bは正確に位置合わせされ
た状態で固定されるのである。 その他の構成及び作用は上記実施例１と同様である。 〈実施例３〉 この実施例に係る組立式浴室の側壁構造は第５図に示す
ように、各側壁パネル４を上下に分割するとともに、各
分割体6a・6b・6cの厚みＴを上部に位置する分割体6b・
6cほど薄くなるようにして分割体6b・6cの重量を軽量に
したものである。 上記各分割体6b・6cの厚みを薄くする場合、前記パネル
フレーム７の厚みを薄くしたり、または／及び基材９の
厚みを薄くして行うのであり、その他の構成・作用は上
記実施例１と同様である。 この実施例の場合、下部に位置する分割体6a・6bに作用
する上部の分割体6b・6cの重量も軽くなることから、そ
の分下部の分割体6a・6bの強度を低くすることが出来、
構造を簡素化して、軽量化と耐久性の向上とを向上させ
ることが出来るのである。 尚、上記各実施例では組立式浴室を例に説明してある
が、この他に例えばカラオケボックス等のユニットルー
ムにも実施することが出来るのは言うまでも無いことで
ある。

【考案の効果】

本考案は以上に説明したように、床パンの周囲から側壁
パネルを立設する側壁パネルを上下に分離可能な分割体
で形成する“横割り方式”を採用することにより“縦割
り方式”の欠点である、施工現場に合わせて天井の高さ
を選択することが出来ないという問題やユニットルーム
を組立てる場合に複数の作業者を要し、組立作業コスト
が高く成ってしまうと言う問題を解消するとともに、上
部に位置させる分割体の高さ寸法を下部に位置させる分
割体の高さ寸法より小さい寸法にした構造や上部に位置
させる分割体の厚さを下部に位置させる分割体の厚さよ
り薄くし、更に、上部に位置させる分割体をこれに当接
する下部の分割体の個数より多くの個数となるように左
右に分割可能に構成するようにしたものでは、各分割体
の重量が大幅に軽減されるので、例えば１人または２人
の少数の作業者で各分割体の持ち運びや載置して施工す
る作業を楽に行え、その作業性を大幅に向上させること
が出来るという利点がある。 特に、上部に位置させる分割体の厚さを下部に位置させ
る分割体の厚さより薄くして上部の分割体の重量を軽減
するようにしたものでは下部の分割体に作用する上部の
分割体の荷重も少なくなり、その分下部の分割体の強度
を低くすることが出来、構造を簡素化して、軽量化と耐
久性の向上とを向上させることが出来るという利点もあ
る。 加えて、上部に位置させる分割体をこれに当接する下部
の分割体の個数より多くの個数となるように左右に分割
可能に構成するようにしたものでは、左右に分割された
分、各分割体の重量が軽く成るとともに横幅も短くな
り、各分割体は１人の作業者でも簡単に持ち運べ、ま
た、組立をも楽に行えるので、その作業性を尚一層向上
させることが出来るという利点がある。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図は実施例
１にかかる浴室の側壁の概略構成を示す１部切欠き分解
斜視図、第２図はその側壁パネルを構成する分割体の分
解斜視図、第３図は実施例２にかかる浴室の側壁の概略
構成を示す１部切欠き分解斜視図、第４図はその側壁パ
ネルを構成する分割体の分解斜視図、第５図は実施例３
にかかる側壁パネルの縦断側面図である。 １……組立式浴室（ユニットルーム）、３……床パン、
４……側壁パネル、５……天井パネル、6a・6b・6c……
分割体、Ｈ……分割体の高さ、Ｔ……分割体の厚さ。

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】床パンの周囲から側壁パネルを立設し、側
   壁パネルの上端部分に天井パネルを取付けるようにして
   なるユニットルームにおいて、少なくとも一側方の側壁
   パネルを上下に分離可能な分割体で形成し、上部に位置
   させる分割体の高さ寸法をその下部に位置させる分割体
   の高さ寸法より小さい寸法にしたことを特徴とするユニ
   ットルームの側壁構造。
2. 【請求項２】床パンの周囲から側壁パネルを立設し、側
   壁パネルの上端部分に天井パネルを取付けるようにして
   なるユニットルームにおいて、少なくとも一側方の側壁
   パネルを上下に分離可能な分割体で形成し、上部に位置
   させる分割体の厚さをその下部に位置させる分割体の厚
   さより薄くしたことを特徴とするユニットルームの側壁
   構造。
3. 【請求項３】床パンの周囲から側壁パネルを立設し、側
   壁パネルの上端部分に天井パネルを取付けるようにして
   なるユニットルームにおいて、少なくとも一側方の側壁
   パネルを上下に分離可能な分割体で形成し、上部に位置
   させる分割体をこれに当接する下部の分割体の個数より
   多くの個数となるように左右に分割可能に構成したこと
   を特徴とするユニットルームの側壁構造。