JPH0747563B2 - ビニルエステルの合成 - Google Patents

ビニルエステルの合成

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JPH0747563B2
JPH0747563B2 JP60090772A JP9077285A JPH0747563B2 JP H0747563 B2 JPH0747563 B2 JP H0747563B2 JP 60090772 A JP60090772 A JP 60090772A JP 9077285 A JP9077285 A JP 9077285A JP H0747563 B2 JPH0747563 B2 JP H0747563B2
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デイビツド・フアラー
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アライド・コロイド・リミテツド
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07FACYCLIC, CARBOCYCLIC OR HETEROCYCLIC COMPOUNDS CONTAINING ELEMENTS OTHER THAN CARBON, HYDROGEN, HALOGEN, OXYGEN, NITROGEN, SULFUR, SELENIUM OR TELLURIUM
    • C07F7/00Compounds containing elements of Groups 4 or 14 of the Periodic System
    • C07F7/003Compounds containing elements of Groups 4 or 14 of the Periodic System without C-Metal linkages

Description

【発明の詳細な説明】 発明の分野 本発明はビニルエステルの合成に関する。
発明の背景 カルボン酸のエステルは反応式: RCOOR1+R2OH=RCOOR2+R1OH に従うエステル交換反応によって製造できることが知ら
れている。この反応式において、代表的にはRは脂肪族
または芳香族基、R1はメチルまたはエチル、R2はR1より
も多くの炭素原子を有する脂肪族基である。一般的に
は、触媒が所望の交換反応の促進に用いられ、種々の化
合物が触媒として提案されている。例えば、英国特許明
細書第1573071号にはベータ・ジケトンとジルコニウム
またはカルシウムまたはカルシウムのキレートの使用が
提案されており、かかるキレートの混合物が例示されて
いる。しかし、通常触媒には金属アルコラートが用いら
れ、エステル交換反応中に反応するアルコールからアル
コラートを形成することが提案されている。エステルが
不飽和である場合、先行技術の方法はしばしば不純物の
形成をもたらし、困難な分離工程を包含しうる。
本発明者らのヨーロッパ特許出願公開第0118639号(本
件出願の優先権主張日において未公表)において、本発
明者らはこのようなエステル交換反応に関連する先行技
術を記載し、金属アルコラートの存在下に行なわれるビ
ニルエステルの製法を開示している。この方法では金属
アルコラートが所望のエステルに組み込まれる基を提供
し、該反応は遊離のアルコールの不存在下で行なわれて
いる。とくにその方法を用い、本発明者らは式:R4OHの
アルコール〔R4は後記と同じ〕から形成された金属アル
コラートの存在下に式:R3COOR1の化合物〔R1は炭素数
1〜3のアルキル、R3は後記と同じ〕を反応させて式:
R3COOR4のエステル〔R3はCH2=CH−またはCH2=C(C
H3)−、R4は少なくとも4個の炭素原子を有し、アルキ
ル、シクロアルキルまたはアミノアルキルから選ばれ
る。〕を製造している。この方法では、金属アルコラー
トが所望のエステル形成に用いられるR4基を提供し、
式:R3COOR1の化合物と反応しており、該反応は水また
は反応性アルコールが実質的に存在しない条件下で行な
われ、金属はチタン、アルミニウム、ジルコニュウム、
カルシウムおよびマグネシュウムが選択されている。本
発明者らは金属の混合物を用いることができる旨記載
し、チタンとジルコニウムの混合物を用いた方法を例示
している。
アルコラートの金属としてマグネシウムまたはカルシウ
ムを用いる方法は比較的低い温度、例えば10〜50℃で行
なうことができ、所望の生成物を良好な収率で得ること
ができる。しかしながら、これらの金属アルコラートは
反応混合物中に溶けることができない固体であって、実
際には該アルコラートは半コロイド状混合物の形成が生
じる傾向を示し、該混合物はヨーロッパ特許出願公開第
0118639号に記載されている金属アルコラートの分離、
反応および再循環が商業的方法では困難となるような物
性を有している。
金属がチタン、アルミニウムまたはジルコニウムである
アルコラートはそれらが反応混合物と混和することがで
きる液体であってそのため取り扱いの困難性が避けられ
る利点を有している。しかしながら、これらのアルコラ
ートは反応性が低く、そのためその方法は高温、一般的
には70℃以上の温度で行なわなければならず、このよう
な高温でもその反応速度を、低温で例えばマグネシウム
アルコラートを用いて達成することができる速度ほどに
は速くすることができない。また、高温の使用は不要な
ポリマーの形成を促進する傾向にあるので経済的な反応
およびビニルエステル製造の環境の両面に望ましくな
い。例えば、長い操作の間に反応混合物の粘度は高分子
生成物の形成によって徐々に増加しうる。これらの生成
物には重合したビニルエステルが包含され、特に金属が
アルミニウムである場合に金属を含むポリマーが包含さ
れうる。アルコラートの金属がチタン単独からなる場
合、アルミニウムをベースとする無機架橋生成物が工程
中に形成する傾向がある。
これらの困難にもかかわらず、ヨーロッパ特許出願公開
第0118639号に記載された方法は先行するいずれのエス
テル交換法に対しても非常に大きな改良点を有する。
また、金属アルコラートが反応性アルコールの存在下に
行なわれるエステル交換反応に触媒として用いられる場
合にも、ほぼ同様な困難に出会う。
本発明者らによれば、ある種の新規な金属アルコラート
がエステル交換反応、とくにビニルエステルの製造に対
し特有の効果を有することが判明した。本発明の金属ア
ルコラートは少なくとも2つの金属を含み、30℃で液体
であって、エステル交換反応に関与するエステルと混和
することができる。
本発明の新規なアルコラートは式: [M1(OR42-aR6a]x[M2(OR4)n−bR6b]y 〔I〕 〔式中、M1はMg、CaおよびBaから選ばれる金属、 M2はTi、ZrおよびAlから選ばれる金属、 nはM2の原子価であって、3または4、 aは0〜1.5、 bは0〜0.75n、 xおよびyは、x+y=1であって式〔I〕で示される
物質が30℃で液体であるように選んで各々0.005〜0.995
の数、 R4は少なくとも4個の炭素原子を有するアルキル、少な
くとも4個の炭素原子を有するシクロアルキルおよびア
ミノアルキルから選ばれる基、および 各R6基は各々独立して炭素数1〜3のアルコキシおよび
エステル交換反応においてOR4基よりも活性が実質的に
低い保護基から選ばれる基を意味する。〕 で示される。
保護基は通常長鎖のアルコキシまたは炭化水素基であ
る。好ましい保護基は炭素数8〜30のアルコキシおよび
アルキルであって、しばしば炭素数8〜30のアルキルで
ある。好ましい保護基は炭素数18のアルコキシである。
該アルコラートは2つ以上の異なるR6基を含むことがで
き、例えば該アルコラートは保護基および炭素数1〜3
のアルコキシの両方を含むことができるが、使用前の該
触媒は、好ましくは炭素数1〜3のアルコキシを含ま
ず、R6基を全く含まないか(aおよびbが共に0である
場合)、または保護基を含むか(一般的にはaおよびb
が各々1までの場合)のいずれかである。該触媒は一般
的には同じR4基を包含する。なぜならば、該触媒が異な
るR4基を含むと、エステルの混合物の製造につながるか
らである。
R4は、一般的には炭素数5〜8のシクロアルキル、炭素
数5〜30のアルキルまたは好ましくはアミノアルキルで
ある。R4基が長鎖のアルキルである場合、該基はしばし
ば炭素数15〜30のアルキル、好ましくは炭素数20〜24の
アルキルである。R4基が短鎖のアルキルである場合、該
基はしばしが炭素数6〜15のアルキル、一般的には炭素
数7〜10のアルキルである。好ましくは、R4はアミノア
ルキル基であって、このアミノアルキル基のアルキルは
一般的には少なくとも2個の炭素原子を有し、アミノア
ルキル基は好ましくは式:(R52N−CnH2nのジアルキ
ルアミノアルキル〔nは2〜3、R5基は、同一または異
なってよく炭素数1〜3のアルキル〕である。好ましく
は、アミノアルキル基はジメチルアミノエチルである。
xおよびyの数値は該触媒が30℃で液体であるように選
択されねばならないない。一般的には、xは約0.5以下
であって、しばしば約0.3以下である。一般的には、x
は0.01以上である。最も良好な結果は、一般的にはxが
約0.02〜約0.1または0.2である場合に得られる。触媒が
形をなす場合、すなわち固体である場合には、xの数値
を減少させてそれを変形させる必要がある。例えば、M1
がCaまたはBaである場合、xを約0.1または0.2以下にす
ることがしばしば好ましい。
本発明の新規なアルコラートはX成分が2価の金属から
形成され、Y成分が3価または4価の金属から形成され
る2つの成分からなる実験式を有するものと記載してき
たが、該アルコラートのこの表示は簡単にするために用
いたものであって、基相互間の正確な構造的関係は現在
明確には明らかでないものと理解すべきである。
該アルコラートは成分XとYの単なる物理的混合物であ
ってよく、又、化学的に結合されていてもよい。例え
ば、該アルコラートはチタンアルコラートとマグネシウ
ムアルコラートの混合物とすることができる。該アルコ
ラートは単独の金属よりもむしろ複数の金属を用いて変
性された金属アルコラート製造用の常法で製造すること
ができる。例えば、式:R4OHのアルコールを金属M1とM2
の適当な混合物と反応させてもよいし、また、該アルコ
ールを各金属と各々別々に反応させて、2つの反応生成
物を混合することもできる。金属M1および/またはM2
らなる化合物は該金属の代わりに用いることができる。
該アルコラートの好ましい製法はアルコールの交換反応
によるもので、式:R4OHのアルコールを金属M1とM2の混
合物のアルコキシドと反応させるか、または該アルコー
ルを金属M1およびM2と各々別々に反応させ、得られたア
ルコラートを組み合わせる。一般に、反応が完了する
と、最終生成物にはR6基としての低級アルコキシが存在
しないが、常法で保護基を導入しておくこともできる。
M1およびM2は、それ自体各々前記した2つ以上の金属の
混合物とすることができる。M1は好ましくはマグネシウ
ムまたはカルシウムである。好ましいアルコラートはM1
がマグネシウムで、M2がチタンまたはチタンよりも劣る
が好ましいジルコニウムのアルコラートである。
本発明の新規なアルコラートはエステル交換法において
触媒成分としてか、または工程中にアルコキシを供給す
る反応体としてか、あるいはその両方として用いること
ができる。本発明の方法は、式:R4OHのアルコール[R4
は前記と同じ]から誘導されたアルコラートの存在下で
あって、さらに所望により式:R4OHのアルコール[R4
前記と同じ]の存在下に、式:R3COOR1の化合物[R1
炭素数1〜3のアルキル、R3は非置換または置換された
炭化水素基、一般的には脂肪族炭化水素基]をエステル
交換させて式:R3COOR4の化合物[R3およびR4は前記と
同じ]を製造するにあたり、該アルコラートが反応混合
物中に溶液として存在し、前記式〔I〕で示されるアル
コラートの混合物であることを特徴とする方法である。
該アルコラートは、一般にエステル交換反応混合物中へ
のその導入前に形成されるが、該アルコラートは反応混
合物内で形成することもできる。例えば、金属アルコラ
ート成分のいずれか一方または両方を反応混合物内で、
例えば、式:R4OHのアルコールを金属M1および/M2ある
いはそれらの化合物と反応させて形成することができ
る。金属アルコラートの化合物がOR4基を反応系に与え
るプロセスは、該アルコラートのマグネシウム、カルシ
ウムまたはバリウム成分がこれらの基を式:R3COOR1
出発エステルとのエステル交換に与え、一方チタン、ジ
ルコニウムまたはアルミニウムのアルコラートが代表的
には式:M1(OR12で示されるマグネシウム、カルシウ
ムまたはバリウムアルコラート生成物と反応して所望の
成分M1(OR42に変換するプロセスであると考えられ
る。したがって、本発明は、該アルコラートが各金属ア
ルコラートの物理的混合物であるか、両方の金属を含む
結合したアルコラートであるかにかかわりなく、また、
結合したアルコラートまたはアルコラートの物理的混合
物の各成分を反応混合物に供給する方法にかかわりな
く、式〔I〕のアルコラートの存在下に行なわれるいず
れのエステル交換法も包含する。
本発明の方法はビニルエステル、とくにR3がCH2=CH−
またはCH2=C(CH3)−であるビニルエステルの製造に
特有な効果を有する。R1は一般的にはメチルで、したが
って出発エステルは、好ましくはメチルアクリレートま
たはメタクリレートであるが、他の適当な出発エステ
ル、例えばエチルアクリレートおよびエタクリレートも
包含される。
反応は、一般的には水の不存在下で行なわれる。
反応は式:R4OHのアルコールの存在下で行なって最終エ
ステルにOR4基のいくつかまたは全てを与えることがで
き、したがって式〔I〕のアルコラートをかかる方法に
単にまたは主として触媒として触媒量で存在させること
ができる。しかしながら好ましくは、エステル交換法は
水または反応性アルコールの不存在下に行ない、式
〔I〕の金属アルコラートの混合物が最終エステルにOR
4基の全てを提供する。これは、R3が、前記のような不
飽和基の場合には二重結合にアルコラートが付加して不
要な副生成物を形成する傾向を有するのでこのような場
合に特に有用である。したがって、好ましい方法は、前
記ヨーロッパ特許出願公開第0118639号の広範な方法を
該アルコラートの使用によって改良した方法である。
かかる方法において、該アルコラートは出発エステルに
基づき過剰に存在させることができるが、好ましくは、
反応は出発エステルを過剰に、例えばアルコラート1モ
ルに付き、1.0〜10モル用いて行なう。反応混合物は出
発アルコールまたは一般に行なわれている工程条件下で
反応する他のいずれのアルコールも含むべきでなく、一
般的にはいかなるアルコールも含まない。反応混合物は
実質的に無水とすべきである。ごく小量の水またはアル
コールは許容できるが、このようなものでもある種の副
生成物形成につながりうる。
本発明のエステル交換法は出発エステルを選択したアル
コラートと混合することによって簡単に行なうことがで
きる。反応は95℃ほどの高温で行なうことができるが、
最も良好な結果は60℃以下の温度、例えば10〜50℃で達
成される。一般に、反応は20〜40℃、代表的には約30℃
で行なわれる。
反応を平衡に向けて進行させると、しばしば実際に平衡
に達する。工程中、該アルコラートのOR4基のいくつか
または全てがOR1基と置換する。最終の平衡に達するに
要する時間は金属アルコラートおよび反応温度による
が、通常10分〜2時間である。金属アルコラートが金属
M1単独から形成される場合に平衡に達するに要する時間
は通常同様であるが、しばしば、30〜75分またはそれ以
下の時間である。
該方法はバッチ方式で行なって所望のエステルおよび得
られた金属アルコラートを各バッチの終了時に分離する
ことができるが、好ましくは連続方式で行ない、工程中
に連続的に分離する。
本発明の好ましい方法はビニルエステル製造用の循環法
であって、この方法では反応混合物中でエステル交換に
よって形成された金属アルコラートを該反応混合物から
分離し、式:R3COOR1のエステルが実質的に存在しない
条件下で過剰の式:R4OHのアルコールと反応させ、得ら
れた式〔I〕の金属アルコラートを反応混合物中に再循
環させる。この方法は実質的に全ての金属の再生使用が
可能となり、一方出発エステルと式:R1OHのアルコール
のアゼオトロープの形成を回避する利点を有する。
本発明の好ましい方法は以下に示す連続的な工程を行な
うことを包含する。工程Aでは、式:R4OHのアルコール
から形成された金属アルコラートと過剰の式:R3COOR1
のエステルの間にエステル交換反応を行なって式:R3CO
OR4のエステル、未反応の式:R3COOR1のエステルおよび
式:R1OHのアルコールから形成されたアルコラートに少
なくとも一部が変換された金属アルコラートを含む混合
物を形成する。工程Bでは、このアルコラートを反応混
合物から分離し、式:R3COOR4のエステルを該反応混合
物から回収し、式:R3COOR1のエステルを工程Aに用い
て再循環する。工程Cでは工程Bで分離したアルコラー
トを式:R3COOR1のエステルが実質的に存在しない条件
下で、過剰の式:R4OHのアルコールと反応させて式:R1
OHのアルコール、および式:R4OHのアルコールから形成
されたアルコラートを生成する。工程Dでは、工程Cで
得たこのアルコラートを分離し、工程Aに用いて再循環
し、式:R4OHのアルコールを回収して工程Cに用いて再
循環する。式:R1OHのアルコールは最終生成物として除
去する。
一般的には、工程Bは該アルコラートをエステルから分
離し、ついで該エステルを分別蒸留で分離して行ない、
一方工程Cは該アルコラートをアルコールから分離し、
ついで該アルコールを分別蒸留で分離して行なう。
金属アルコラートの反応混合物からの分離は、通常、揮
発性がより高い有機成分を揮発生がより低い金属アルコ
ラートから蒸発させて達成される。長期間の加熱を避け
るために、この蒸発は好ましくはフラッシュ蒸発で行な
う。分離したアルコラートは式〔I〕の化合物である。
式:R4OHのアルコールとの反応が完了すると、該化合物
には低級アルコキシ基であるR6基が存在しなくなる(し
かし、保護基R6基は存在してもよい)が、反応が不完全
な場合再循環した金属アルコラートには少量の低級アル
コキシR6基が含まれる。
本発明の方法はヨーロッパ特許出願公開第0118639号の
方法の利点(所望の生成物が高収率で得られること、不
純物が少ないこと、使用する金属アルコラートがわずか
であることおよび先行技術の方法よりも分離工程が容易
であること)と共に、さらに大きな利点を有する。
金属アルコキシドおよびそれと接触するビニルエステル
が安定なので、出発メチルアクリレートまたは他のエス
テルで希釈された本発明の再生金属アルコキシドの混合
物を、適当な低温で、金属アルコキシドの重合の危険を
招くことなく貯蔵することができる。本発明の方法は均
一系の方法のように低温で行なうことができ、その反応
速度は従来からの不均一系の方法がまたは均一系の方法
が高温でやっと達成できた速度と同様であるかより良好
である。該金属アルコラートは従来の方法において可能
であった期間よりも長い期間、副生成物の許容できない
堆積が生じることなく、分離することが困難になること
なく、また活性が低下することなく再生使用することが
できる。また、均一系の反応混合物中に含まれるメチル
アクリレートまたは他のビニルエステルの重合の危険が
減少した。さらに、従来からの不均一系の方法に伴なう
困難な分離および再循環ならびに従来からの均一系の方
法におけるチタンベースポリマー形成の危険を減少する
か、または排除した。
実施例 つぎに実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明する。
実施例1 過剰のジメチルアミノエタノール(DMAE)をマグネシウ
ムジイソプロポキシドおよびチタンテトライソプロポキ
シドの混合物(モル比5:95)と反応させてM1がMg、M2
Ti、aおよびbが0、xが0.05およびR4がジメチルアミ
ノエチルである式〔I〕の触媒を製造した。該アルコー
ルを該イソプロポキシドと共に、分別カラムおよび還流
スプリッターを備えた撹拌反応器中で加熱して反応させ
た。イソプロパノールをカラムの頂部から除去し、反応
終了時に真空にして残った痕跡量のイソプロパノールを
除去した。反応器は所望の式〔I〕のアルコラートを、
沈殿の徴候を全く示さない流動する液体として含む。分
析すると該生成物はアルコールおよびイソプロポキシド
基が存在しないことを示し、モル分析はMg=0.05、Ti=
0.95、ジメチルアミノエトキシ=3.9であって対応する
式は [Mg(DMAE)20.05[Ti(DMAE)40.95 である。
同様な方法により、例えば、カルシウムとチタン、マグ
ネシウムとジルコニウム、マグネシウムとアルミニウム
およびバリウムとチタンの対応するアルコラートを生成
することができる。同様な方法により、xの数値が0.5
までのマグネシウム・チタンおよび他の金属のアルコラ
ートを形成することができる。
同様な方法により、R4が、例えば、2−エチルヘキシル
または高分子量のアルキルまたはシクロアルキル基のア
ルコラートを形成することができる。
チタンテトライソプロポキシドの代わりに、例えばチタ
ンC18アルコキシドトリイソプロポキシドを出発物質と
して用いて保護基R6を含むアルコラートを製造すること
ができる。
実施例2 金属アルコラート300gをメチルアクリレート344gと種々
の温度で反応させた。アルコールはDMAEである。メチル
アクリレート対ジメチルアミノエタノールリガンド(DM
AE)のモル比は4:3である。ジメチルアミノエチルアク
リレート(DMAEA)の形成を反応の間中ガスクロマトグ
ラフィーでモニターした。ついで、結果をプロットし、
一次反応であるとみなして速度定数を得た。速度定数が
高くなると反応はより速くなる。
反応は各温度で2回行なった。反応系Aでは金属アルコ
ラートとしてTi(DMAE)4を用い、反応系Bでは金属ア
ルコラートとして実施例1で製造、分析したチタン・マ
グネシウムアルコラートを用いた。結果を第1表に示
す。
この結果は、同じ温度においてMg/Ti試薬がチタン単独
よりも速い反応速度をもたらすことを示す。Mg/Ti化合
物は30℃ほどの低温でもDMAEAに対し反応を誘発するこ
とができる。
TiとTi0.95Ca0.05、ZrとZr0.95Mg0.05、AlとAl0.95Mg
0.05を各々比較すると同様に明確な傾向が観察された。
DMAEに代えて2−エチルヘキサノールがアルコールであ
る場合にも同様な傾向が観察された。
実施例3 メチルアクリレートおよびジメチルアミノエチルリガン
ド(モル比、5/3)を用い、Ti(DMAE)4および実施例1
で製造したTiMgのアルコラートの反応速度を、2つの室
温(20℃)での反応において種々の反応時間経過後に反
応混合物中のDMAEAの割合を測定して判定した。反応B
ではアルコラートの混合物30gをメチルアクリレート43g
と反応させ、反応AではTi(DMAE)450gをメチルアクリ
レート71.6gと反応させた。結果を第2表に示す。
この結果は、マグネシウムおよびチタンを用いた反応速
度がチタン単独での使用に比してより速いことを示す。
実施例4 メチルメタクリレート(MA)とジメチルアミノエタノー
ル(DMAE)の3:1(モル比)混合物をTi(DMAE)4(A)
およびTi0.5Mg0.5(DMAE)3(B)の存在下、DMAEに基
づき2.6モル%触媒のレベルにて40℃で反応させた。
反応混合物の試料を所定の時間で採取し、DMAEのDMAEA
への変換モル%を記録した。得られた結果をつぎの第3
表に示す。
この結果は、反応性アルコールを用いて行なうエステル
交換において本発明の触媒が有利であることを明確に示
す。
実施例5 反応Aにおいては、Zr(DMAE)487.2gを、撹拌機を備え
た3頸丸底フラスコ中にはかりこみ、40℃に保持した水
浴に入れた。MA112.8gを加えた(モル比、MA:DMAE=5:
3)。この時点を0時として記録し、反応混合物の試料
を種々の時間で採取し、GLCで分析して反応混合物中のD
MAEAの割合を測定した。反応Bにおいては、アルコラー
トとしてZr0.95Mg0.05(DMAE)3.9を用いる以外、Aの
方法を繰返した。結果を第4表に示す。
この結果は、小量のマグネシウムを組込むことにより、
DMAEAの形成速度が著しく改善されたことを示す。
実施例6 金属アルコラート中のチタンおよびマグネシウムの割合
を変化させた効果を示すために、実施例2の一連の反応
を行ない、反応混合物中のDMAEAの割合を、反応の出発
時点から5、30、60および180分以上で記録した。結果
を第5表に示す。
実施例7 メチルアクリレート5モルを実施例1で製造、分析した
チタン・マグネシウムアルコラート1モルと反応させ
た。反応体を約40℃に保持した反応容器に充填した。約
60分後平衡に達し、DMAEAを含む揮発分を、120℃、20mm
Hgで急速に蒸留して除去し、液体残渣を得た。揮発分か
ら分離したDMAEAは実質的に純粋であることが判明し
た。液体残渣を該残渣中のメトキシド1モル当り、DMAE
1〜2モルで再生し、メタノールおよびDMAEをロータリ
ー・エバポレータでゆっくり蒸留して除去した。残渣を
再循環させてメチルアクリレートとさらに反応させた。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式:R4OHのアルコール〔R4は後記と同
    じ。〕から誘導されたアルコラートの存在下に、式:R3
    COOR1の化合物〔R1は炭素数1〜3のアルキル、R3はCH2
    =CH−またはCH2=C(CH3)−である。〕をエステル交
    換させて式:R3COOR4の化合物〔R3は前記と同じ、R4
    少なくとも4個の炭素原子を有するアルキル、少なくと
    も4個の炭素原子を有するシクロアルキルおよびアミノ
    アルキルから選ばれる基である。〕を製造するにあた
    り、 当該方法を反応性アルコールの不存在下に行なうこと、 上記金属アルコラートと式:R3COOR1の化合物とを反応
    させること、 当該アルコラートが、反応混合物中に溶液として存在
    し、かつ 式〔I〕:[M1(OR4)2-aR6a]x[M2(OR4)n−bR
    6b]y 〔式中、M1はMg、CaおよびBaから選ばれる金属、 M2はTi、ZrおよびAlから選ばれる金属、 nはM2の原子価であつて、3または4、 aは0〜1.5、 bは0〜0.75n、 xおよびyは、x+y=1であって式〔I〕で示される
    物質が30℃で液体であるように選んで各々0.005〜0.995
    の数、 R4は前記と同じ、および 各R6基は、各々独立して炭素数1〜3のアルコキシおよ
    びエステル交換反応においてOR4基よりも活性が実質的
    に低い保護基から選ばれる基を意味する。〕 で示されること、および 反応混合物中に形成された金属アルコラートを、当該反
    応混合物から分離して式:R3COOR1のエステルの実質的
    に不存在下に、過剰の式:R4OHのアルコールと反応さ
    せ、これにより得られた式〔I〕の金属アルコラートを
    反応混合物に再循環させる ことを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】金属アルコラートの上記分離を、反応混合
    物中のエステルを金属アルコラートから蒸発させること
    による特許請求の範囲第1項記載の方法。
  3. 【請求項3】不活性溶媒の不存在下であつて、過剰の
    式:R3COOR1のエステルの存在下に行なう特許請求の範
    囲第1項または第2項記載の方法。
  4. 【請求項4】当該方法の出発時点において、金属アルコ
    ラートのaおよびbが共に0である特許請求の範囲第1
    項〜第3項の1つに記載の方法。
  5. 【請求項5】M1がMgであって、M2がTiおよびZrから選ば
    れる特許請求の範囲第1項〜第4項の1つに記載の方
    法。
  6. 【請求項6】xが0.01〜0.5、好ましくは0.02〜0.2であ
    る特許請求の範囲第1項記載の方法。
  7. 【請求項7】R4が、炭素数5〜30のアルキル、炭素数5
    〜8のシクロアルキルおよび式:(R52N−CnH2nのジ
    アルキルアミノアルキル〔nは2または3、R5は同一ま
    たは異なって炭素数1〜3のアルキル〕から選ばれる特
    許請求の範囲第1項記載の方法。
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