JP2014043418A - 非対称マロン酸ジエステル類の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】非対称マロン酸ジエステル類を簡便かつ高い収率で製造する方法を提供する。
【解決手段】一般式R1 2C(COOR2)2(I)(式中、R1は、水素原子、ハロゲン原子および炭素数1〜12の有機基から選ばれるいずれか一種であって、二つのR1は互いに同一であってもよいし異なっていてもよく、R2は炭素数1〜10の有機基である。)で表されるマロン酸ジエステル類と、一般式Mg(OR3)2(II)(式中、R3は、炭素数2〜12の直鎖状アルキル基または炭素数3〜12の分岐鎖状アルキル基である。)で表されるジアルコキシマグネシウムとを、前記R3の炭素数が前記R2の炭素数よりも大きくなるように各々選択した上で、20℃における誘電率が2〜3である非極性有機溶媒中で両者を接触させる接触反応工程を含む非対称マロン酸ジエステル類の製造方法である。
【選択図】なし
【解決手段】一般式R1 2C(COOR2)2(I)(式中、R1は、水素原子、ハロゲン原子および炭素数1〜12の有機基から選ばれるいずれか一種であって、二つのR1は互いに同一であってもよいし異なっていてもよく、R2は炭素数1〜10の有機基である。)で表されるマロン酸ジエステル類と、一般式Mg(OR3)2(II)(式中、R3は、炭素数2〜12の直鎖状アルキル基または炭素数3〜12の分岐鎖状アルキル基である。)で表されるジアルコキシマグネシウムとを、前記R3の炭素数が前記R2の炭素数よりも大きくなるように各々選択した上で、20℃における誘電率が2〜3である非極性有機溶媒中で両者を接触させる接触反応工程を含む非対称マロン酸ジエステル類の製造方法である。
【選択図】なし
Description
本発明は、非対称マロン酸ジエステル類の製造方法に関する。
相異なる2種のエステル基(エステル残基)を含有する、マロン酸ジエステルや置換マロン酸ジエステル(以下、「非対称マロン酸ジエステル類」と称する)は、医薬や農薬などの原料として、また工業化学の分野において非常に有用な物質である。
例えば、本出願人は、先に、特許文献1(国際公開WO08/120795号パンフレット)において、非対称マロン酸ジエステル類の一種である特定の置換マロン酸非対称ジエステルが、オレフィン重合用触媒の電子供与体として有用であり、上記置換マロン酸非対称ジエステルを電子供与体として含むことにより、重合活性および対水素活性が良好で、立体規則性の高いポリマーを高収率で得られるオレフィン類重合用触媒を提供できることを提案している。
上記非対称マロン酸ジエステル類を製造する方法として、マロン酸ジエステルとアルコールとを反応させて、部分エステル交換する方法等が知られているが、多段階の反応工程を必要としたり、反応時に耐圧反応槽や蒸留塔等の特殊な設備を必要とするため、工業的には、より簡便かつ高い収率で非対称マロン酸ジエステル類を製造し得る方法が求められるようになっている。
このような状況下、本発明は、反応時に耐圧反応槽や蒸留塔等の特殊な設備を用いなくても、非対称マロン酸ジエステル類を簡便かつ高い収率で製造し得る新規な製造方法を提供することを目的とするものである。
上記技術課題を解決すべく、本発明者が鋭意検討を重ねた結果、一般式R1 2C(COOR2)2(I)(式中、R1は、水素原子、ハロゲン原子および炭素数1〜12の有機基から選ばれるいずれか一種であって、二つのR1は互いに同一であってもよいし異なっていてもよく、R2は炭素数1〜10の有機基である。)で表されるマロン酸ジエステル類と、一般式 Mg(OR3)2(II)(式中、R3は、炭素数2〜12の直鎖状アルキル基または炭素数3〜12の分岐鎖状アルキル基である。)で表されるジアルコキシマグネシウムとを、前記R3の炭素数が、前記R2の炭素数よりも大きくなるように各々選択した上で、20℃における誘電率が2〜3である非極性有機溶媒中で両者を接触させる接触反応工程を含む非対称マロン酸ジエステル類の製造方法により、上記技術課題を解決し得ることを見出し、本知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)二種の異なるエステル基を含む非対称マロン酸ジエステル類を製造する方法であって、下記一般式(I)
R1 2C(COOR2)2 (I)
(式中、R1は、水素原子、ハロゲン原子および炭素数1〜12の有機基から選ばれるいずれか一種であって、二つのR1は互いに同一であってもよいし異なっていてもよく、R2は炭素数1〜10の有機基である。)
で表されるマロン酸ジエステル類と、
下記一般式(II)
Mg(OR3)2 (II)
(式中、R3は、炭素数2〜12の直鎖状アルキル基または炭素数3〜12の分岐鎖状アルキル基である。)
で表されるジアルコキシマグネシウムとを、
前記R3の炭素数が、前記R2の炭素数よりも大きくなるように各々選択した上で、
20℃における誘電率が2〜3である非極性有機溶媒中で両者を接触させる接触反応工程を含む
ことを特徴とする非対称マロン酸ジエステル類の製造方法、
(2)前記接触反応工程を、金属ハロゲン化剤の不存在下に行う上記(1)に記載の非対称マロン酸ジエステル類の製造方法、
(3)該接触反応工程で得られた生成物を、固相と液相に分離する固液分離工程をさらに含む上記(1)または(2)に記載の非対称マロン酸ジエステル類の製造方法、
(4)前記液相が、下記一般式(III)
R1 2C(COOR2)(COOR3) (III)
(式中、R1は、水素原子、ハロゲン原子および炭素数1〜12の有機基から選ばれるいずれか一種であり、二つのR1は互いに同一であってもよいし異なっていてもよく、R2は炭素数1〜10の有機基であり、R3は炭素数2〜12の直鎖状アルキル基または炭素数3〜12の分岐鎖状アルキル基であり、R3の炭素数はR2の炭素数よりも大きい。)
で表わされる非対称マロン酸ジエステル類を含む上記(3)に記載の非対称マロン酸ジエステル類の製造方法、
(5)前記固液分離工程で得られた液相を、精製処理する精製工程をさらに含む上記(1)〜(4)のいずれかに記載の非対称マロン酸ジエステル類の製造方法、および
(6)得られる非対称マロン酸ジエステル類が、下記一般式(III)
R1 2C(COOR2)(COOR3) (III)
(式中、R1は、水素原子、ハロゲン原子および炭素数1〜12の有機基から選ばれるいずれか一種であり、二つのR1は互いに同一であってもよいし異なっていてもよく、R2は炭素数1〜10の有機基であり、R3は炭素数2〜12の直鎖状アルキル基または炭素数3〜12の分岐鎖状アルキル基であり、R3の炭素数はR2の炭素数よりも大きい。)
で表わされる非対称マロン酸ジエステル類である上記(1)〜(5)のいずれかに記載の非対称マロン酸ジエステル類の製造方法、
を提供するものである。
(1)二種の異なるエステル基を含む非対称マロン酸ジエステル類を製造する方法であって、下記一般式(I)
R1 2C(COOR2)2 (I)
(式中、R1は、水素原子、ハロゲン原子および炭素数1〜12の有機基から選ばれるいずれか一種であって、二つのR1は互いに同一であってもよいし異なっていてもよく、R2は炭素数1〜10の有機基である。)
で表されるマロン酸ジエステル類と、
下記一般式(II)
Mg(OR3)2 (II)
(式中、R3は、炭素数2〜12の直鎖状アルキル基または炭素数3〜12の分岐鎖状アルキル基である。)
で表されるジアルコキシマグネシウムとを、
前記R3の炭素数が、前記R2の炭素数よりも大きくなるように各々選択した上で、
20℃における誘電率が2〜3である非極性有機溶媒中で両者を接触させる接触反応工程を含む
ことを特徴とする非対称マロン酸ジエステル類の製造方法、
(2)前記接触反応工程を、金属ハロゲン化剤の不存在下に行う上記(1)に記載の非対称マロン酸ジエステル類の製造方法、
(3)該接触反応工程で得られた生成物を、固相と液相に分離する固液分離工程をさらに含む上記(1)または(2)に記載の非対称マロン酸ジエステル類の製造方法、
(4)前記液相が、下記一般式(III)
R1 2C(COOR2)(COOR3) (III)
(式中、R1は、水素原子、ハロゲン原子および炭素数1〜12の有機基から選ばれるいずれか一種であり、二つのR1は互いに同一であってもよいし異なっていてもよく、R2は炭素数1〜10の有機基であり、R3は炭素数2〜12の直鎖状アルキル基または炭素数3〜12の分岐鎖状アルキル基であり、R3の炭素数はR2の炭素数よりも大きい。)
で表わされる非対称マロン酸ジエステル類を含む上記(3)に記載の非対称マロン酸ジエステル類の製造方法、
(5)前記固液分離工程で得られた液相を、精製処理する精製工程をさらに含む上記(1)〜(4)のいずれかに記載の非対称マロン酸ジエステル類の製造方法、および
(6)得られる非対称マロン酸ジエステル類が、下記一般式(III)
R1 2C(COOR2)(COOR3) (III)
(式中、R1は、水素原子、ハロゲン原子および炭素数1〜12の有機基から選ばれるいずれか一種であり、二つのR1は互いに同一であってもよいし異なっていてもよく、R2は炭素数1〜10の有機基であり、R3は炭素数2〜12の直鎖状アルキル基または炭素数3〜12の分岐鎖状アルキル基であり、R3の炭素数はR2の炭素数よりも大きい。)
で表わされる非対称マロン酸ジエステル類である上記(1)〜(5)のいずれかに記載の非対称マロン酸ジエステル類の製造方法、
を提供するものである。
本発明によれば、反応時に耐圧反応槽や蒸留塔等の特殊な設備を用いなくても、非対称マロン酸ジエステル類を簡便かつ高い収率で製造し得る新規な非対称マロン酸ジエステル類の製造方法を提供することができる。
本発明に係る非対称マロン酸ジエステル類の製造方法は、二種の異なるエステル基を含む非対称マロン酸ジエステル類を製造する方法であって、下記一般式(I)
R1 2C(COOR2)2 (I)
(式中、R1は、水素原子、ハロゲン原子および炭素数1〜12の有機基から選ばれるいずれか一種であって、二つのR1は互いに同一であってもよいし異なっていてもよく、R2は炭素数1〜10の有機基である。)
で表されるマロン酸ジエステル類と、
下記一般式(II)
Mg(OR3)2 (II)
(式中、R3は、炭素数2〜12の直鎖状アルキル基または炭素数3〜12の分岐鎖状アルキル基である。)
で表されるジアルコキシマグネシウムとを、
前記R3の炭素数が、前記R2の炭素数よりも大きくなるように各々選択した上で、
20℃における誘電率が2〜3である非極性有機溶媒中で両者を接触させる接触反応工程を含む
ことを特徴とするものである。
R1 2C(COOR2)2 (I)
(式中、R1は、水素原子、ハロゲン原子および炭素数1〜12の有機基から選ばれるいずれか一種であって、二つのR1は互いに同一であってもよいし異なっていてもよく、R2は炭素数1〜10の有機基である。)
で表されるマロン酸ジエステル類と、
下記一般式(II)
Mg(OR3)2 (II)
(式中、R3は、炭素数2〜12の直鎖状アルキル基または炭素数3〜12の分岐鎖状アルキル基である。)
で表されるジアルコキシマグネシウムとを、
前記R3の炭素数が、前記R2の炭素数よりも大きくなるように各々選択した上で、
20℃における誘電率が2〜3である非極性有機溶媒中で両者を接触させる接触反応工程を含む
ことを特徴とするものである。
本発明の製造方法においては、原料として、下記一般式(I)
R1 2C(COOR2)2 (I)
(式中、R1は、水素原子、ハロゲン原子および炭素数1〜12の有機基から選ばれるいずれか一種であって、二つのR1は互いに同一であってもよいし異なっていてもよく、R2は炭素数1〜10の有機基である。)
で表されるマロン酸ジエステル類を使用する。
本発明の製造方法においては、原料として、一般式(I)で表わされるマロン酸ジエステル類から選ばれる、一種または二種以上を使用することができる。
R1 2C(COOR2)2 (I)
(式中、R1は、水素原子、ハロゲン原子および炭素数1〜12の有機基から選ばれるいずれか一種であって、二つのR1は互いに同一であってもよいし異なっていてもよく、R2は炭素数1〜10の有機基である。)
で表されるマロン酸ジエステル類を使用する。
本発明の製造方法においては、原料として、一般式(I)で表わされるマロン酸ジエステル類から選ばれる、一種または二種以上を使用することができる。
一般式(I)で表わされるマロン酸ジエステル類において、R1は、水素原子、ハロゲン原子および炭素数1〜12の有機基から選ばれるいずれか一種である。
R1がハロゲン原子である場合、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子等を挙げることができる。
R1が炭素数1〜12の有機基である場合、該有機基としては、炭素数が1〜8であるものが好ましく、炭素数が1〜6であるものがより好ましい。
R1が炭素数1〜12の有機基である場合、該有機基としては、直鎖状または分岐鎖状アルキル基、ビニル基、直鎖状または分岐鎖状アルケニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、フェニル基等を挙げることができる。
R1として、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t-ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、n−ヘプチル基、イソヘプチル基、n−オクチル基、イソオクチル基、n−ノニル基、イソノニル基、n−デシル基、イソデシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基、フェニル基、フェニルメチル基、フェニルエチル基、クロロメチル基、クロロエチル基、ブロモメチル基、ブロモエチル基等から選ばれる一種以上を挙げることができ、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、フェニル基、フェニルメチル基、フェニルエチル基から選ばれる一種以上が好ましく、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、フェニル基から選ばれる一種以上がより好ましい。
R1がハロゲン原子である場合、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子等を挙げることができる。
R1が炭素数1〜12の有機基である場合、該有機基としては、炭素数が1〜8であるものが好ましく、炭素数が1〜6であるものがより好ましい。
R1が炭素数1〜12の有機基である場合、該有機基としては、直鎖状または分岐鎖状アルキル基、ビニル基、直鎖状または分岐鎖状アルケニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、フェニル基等を挙げることができる。
R1として、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t-ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、n−ヘプチル基、イソヘプチル基、n−オクチル基、イソオクチル基、n−ノニル基、イソノニル基、n−デシル基、イソデシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基、フェニル基、フェニルメチル基、フェニルエチル基、クロロメチル基、クロロエチル基、ブロモメチル基、ブロモエチル基等から選ばれる一種以上を挙げることができ、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、フェニル基、フェニルメチル基、フェニルエチル基から選ばれる一種以上が好ましく、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、フェニル基から選ばれる一種以上がより好ましい。
一般式(I)で表わされるマロン酸ジエステル類において、二つのR1は互いに同一であってもよいし異なっていてもよい。
一般式(I)で表わされるマロン酸ジエステル類において、R2は炭素数1〜10の有機基であり、炭素数1〜8の有機基であることが好ましく、炭素数1〜4の有機基であることがより好ましい。
R2としては、アルケニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、アリール基等を挙げることができる。
R2として、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、n−ヘプチル基、イソヘプチル基、n−オクチル基、イソオクチル基、n−ノニル基、イソノニル基、n−デシル基、イソデシル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、メチルシクロペンチル基、エチルシクロペンチル基、メチルシクロヘキシル基、エチルシクロヘキシル基、メチルシクロペンテニル基、メチルシクロヘキセニル基、エチルシクロヘキセニル基、フェニル基、フェニルメチル基、フェニルエチル基から選ばれる一種以上を挙げることができ、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、n−ヘプチル基、イソヘプチル基、n−オクチル基、イソオクチル基、n−ノニル基、イソノニル基、n−デシル基、イソデシル基から選ばれる一種以上であることが好ましく、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基から選ばれる一種以上であることがより好ましい。
R2としては、アルケニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、アリール基等を挙げることができる。
R2として、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、n−ヘプチル基、イソヘプチル基、n−オクチル基、イソオクチル基、n−ノニル基、イソノニル基、n−デシル基、イソデシル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、メチルシクロペンチル基、エチルシクロペンチル基、メチルシクロヘキシル基、エチルシクロヘキシル基、メチルシクロペンテニル基、メチルシクロヘキセニル基、エチルシクロヘキセニル基、フェニル基、フェニルメチル基、フェニルエチル基から選ばれる一種以上を挙げることができ、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、n−ヘプチル基、イソヘプチル基、n−オクチル基、イソオクチル基、n−ノニル基、イソノニル基、n−デシル基、イソデシル基から選ばれる一種以上であることが好ましく、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基から選ばれる一種以上であることがより好ましい。
なお、一般式(I)で表わされるマロン酸ジエステル類において、二つのR2は互いに同一である。
一般式(I)で表わされるマロン酸ジエステル類として、具体的には、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、マロン酸ジイソプロピル、マロン酸ジ−n−プロピル、マロン酸ジイソブチル、マロン酸ジ−n−ブチル等のマロン酸ジエステルや、エチルマロン酸ジメチル、n−プロピルマロン酸ジメチル、イソプロピルマロン酸ジメチル、ジエチルマロン酸ジメチル、ジ−n−プロピルマロン酸ジメチル、ジイソプロピルマロン酸ジメチル、ジ−n−ブチルマロン酸ジメチル、ジイソブチルマロン酸ジメチル、ジ−sec−ブチルマロン酸ジメチル、t−ブチルメチルマロン酸ジメチル、t−ブチルエチルマロン酸ジメチル、ジ−n−ブチルマロン酸ジ−n−ブチル、ジイソブチルマロン酸ジイソブチル等のアルキル置換マロン酸ジエステルや、クロロマロン酸ジメチル、ジクロロマロン酸ジメチル、ブロモマロン酸ジメチル、ジブロモマロン酸ジメチル、ジブロモマロン酸ジ−n−ブチル等のハロゲン置換マロン酸ジエステルや、クロロメチルマロン酸ジメチル、クロロメチルマロン酸ジ−n−ブチル等のハロゲン化アルキル置換マロン酸ジエステル等を挙げることができる。
上記マロン酸ジエステル類の中でも、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、マロン酸ジイソブチル、マロン酸ジ−n−ブチル、ジ−n−プロピルマロン酸ジメチル、ジ−n−ブチルマロン酸ジメチル、ジイソブチルマロン酸ジメチル、ジイソブチルマロン酸ジエチル、ジブロモマロン酸ジメチル、ジブロモマロン酸ジ-n-ブチル等が、入手が容易でありかつ工業的汎用性が高い等の理由から好適に使用することができる。
本発明の製造方法においては、原料として、下記一般式(II)
Mg(OR3)2 (II)
(式中、R3は、炭素数2〜12の直鎖状アルキル基または炭素数3〜12の分岐鎖状アルキル基である。)
で表されるジアルコキシマグネシウムを使用する。
本発明の製造方法においては、原料として、一般式(II)で表わされるジアルコキシマグネシウムから選ばれる、一種または二種以上を使用することができる。
Mg(OR3)2 (II)
(式中、R3は、炭素数2〜12の直鎖状アルキル基または炭素数3〜12の分岐鎖状アルキル基である。)
で表されるジアルコキシマグネシウムを使用する。
本発明の製造方法においては、原料として、一般式(II)で表わされるジアルコキシマグネシウムから選ばれる、一種または二種以上を使用することができる。
一般式(II)で表されるジアルコキシマグネシウムにおいて、R3は、炭素数2〜12の直鎖状アルキル基または炭素数3〜12の分岐鎖状アルキル基である。
R3が直鎖状アルキル基である場合、その炭素数は2〜12であり、2〜8であることが好ましく、2〜6であることがより好ましい。
R3が分岐鎖状アルキル基である場合、その炭素数は3〜12であり、3〜8であることが好ましく、3〜6であることがより好ましい。
R3が直鎖状アルキル基である場合、その炭素数は2〜12であり、2〜8であることが好ましく、2〜6であることがより好ましい。
R3が分岐鎖状アルキル基である場合、その炭素数は3〜12であり、3〜8であることが好ましく、3〜6であることがより好ましい。
R3が直鎖状アルキル基である場合、具体的には、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、ビニル基、アリル基、1−ブテニル基 n−オクチル基等を挙げることができる。
R3が分岐阜鎖状アルキル基である場合、具体的には、イソプロピル基、イソブチル基、t−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、2−エチルヘキシル基等が好ましい。
R3が分岐阜鎖状アルキル基である場合、具体的には、イソプロピル基、イソブチル基、t−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、2−エチルヘキシル基等が好ましい。
R3としては、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基またはイソブチル基が好ましく(一般式(II)で表わされるジアルコキシマグネシウムとしては、ジエトキシマグネシウム、ジ−n−プロポキシマグネシウム、ジイソプロポキシマグネシウムまたはジイソブトキシマグネシウムが好ましく)、一般式(II)で表わされるジアルコキシマグネシウムが上記何れかの基を有するものであることにより、一般式(I)で表わされるマロン酸ジエステル類との反応性を容易に向上させることができるとともに、反応生成物から容易に分離することができる。
一般式(II)で表わされるジアルコキシマグネシウムは、通常、顆粒または粉末の形態をとり、上記顆粒または粉末を構成する粒子の形状が、不定形状あるいは球状であるものが好ましい。
本発明の製造方法においては、一般式(I)で表わされるマロン酸ジエステル類と、一般式(II)で表わされるジアルコキシマグネシウムとを、一般式(II)で表わされるジアルコキシマグネシウムを構成するR3の炭素数が、一般式(I)で表わされるマロン酸ジエステル類を構成するR2の炭素数よりも大きくなるように、それぞれ選択する。
一般式(II)で表わされるジアルコキシマグネシウムを構成するR3の炭素数と、一般式(I)で表わされるマロン酸ジエステル類を構成するR2の炭素数との差は、特に限定されないが、両炭素数の差が1〜6であることが好ましく、1〜4であることがより好ましい。
一般式(II)で表わされるジアルコキシマグネシウムを構成するR3の炭素数と、一般式(I)で表わされるマロン酸ジエステル類を構成するR2の炭素数との差が上記範囲内にあることにより、得られる非対称マロン酸ジエステル類の収率を効果的に向上させることができる。
一般式(II)で表わされるジアルコキシマグネシウムを構成するR3の炭素数と、一般式(I)で表わされるマロン酸ジエステル類を構成するR2の炭素数との差が上記範囲内にあることにより、得られる非対称マロン酸ジエステル類の収率を効果的に向上させることができる。
一般式(I)で表わされるマロン酸ジエステル類を構成するR2と、一般式(II)で表わされるジアルコキシマグネシウムを構成するR3との具体的な組み合わせとしては、以下の組み合わせを例示することができる。
R2がメチル基である場合、R3としては、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、ビニル基、アリル基又は1−ブテニル基等が好ましい。
また、例えば、R2がエチル基である場合、R3としては、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基等が好ましい。
さらに、例えば、R2がブチル基である場合、R3としては、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基等が好ましい。
R2がメチル基である場合、R3としては、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、ビニル基、アリル基又は1−ブテニル基等が好ましい。
また、例えば、R2がエチル基である場合、R3としては、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基等が好ましい。
さらに、例えば、R2がブチル基である場合、R3としては、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基等が好ましい。
上記組み合わせの中でも、特に、R2がメチル基であるともに、R3がエチル基、n−プロピル基、イソプロピル基またはイソブチル基のいずれかであることが、非対称マロン酸ジエステル類の生成速度をコントロールし、生成反応を穏やかに進行させ、かつ反応生成物の中から非対称マロン酸ジエステル類を効率的に分離する上で好適である。
従来より、フタル酸ジエステル等のカルボン酸ジエステルとジアルコキシマグネシウムとを、四塩化チタンなどハロゲン化剤の存在下に接触させると、カルボン酸ジエステルを構成するエステル残基のアルキル鎖と、ジアルコキシマグネシウムを構成するアルコキシ基のアルキル鎖が入れ替わる「エステル交換反応」が起こることが知られている。
しかしながら、上記エステル交換反応は、通常、上記ジアルコキシマグネシウムを構成するアルコキシ基の炭素数が上記カルボン酸ジエステルのエステル残基を構成するアルキル基の炭素数がよりも小さい場合(上記アルコキシ基の炭素数<上記エステル残基を構成するアルキル基の炭素数である場合)にのみ進行するとされている。
これに対して、本件発明者等が鋭意検討したところ、上記技術常識とは全く反対に、カルボン酸ジエステルとして一般式(I)で表わされるマロン酸ジエステル類および一般式(II)で表わされるジアルコキシマグネシウムにおいて、上記ジアルコキシマグネシウムを構成するアルコキシ基の炭素数が、上記マロン酸ジエステル類を構成するエステル残基の炭素数よりも大きくなるように(上記ジアルコキシマグネシウムを構成するアルコキシ基の炭素数>上記マロン酸ジエステル類を構成するエステル残基の炭素数となるように)両者を選択した上で、特定の誘電率を有する非極性溶媒中で両者を接触させることにより、反応時に耐圧反応槽や蒸留塔等の特殊な設備を用いることなく、また、四塩化チタンなどハロゲン化剤を使用することなく、非対称マロン酸ジエステル類を簡便かつ高い収率で製造し得ることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
しかしながら、上記エステル交換反応は、通常、上記ジアルコキシマグネシウムを構成するアルコキシ基の炭素数が上記カルボン酸ジエステルのエステル残基を構成するアルキル基の炭素数がよりも小さい場合(上記アルコキシ基の炭素数<上記エステル残基を構成するアルキル基の炭素数である場合)にのみ進行するとされている。
これに対して、本件発明者等が鋭意検討したところ、上記技術常識とは全く反対に、カルボン酸ジエステルとして一般式(I)で表わされるマロン酸ジエステル類および一般式(II)で表わされるジアルコキシマグネシウムにおいて、上記ジアルコキシマグネシウムを構成するアルコキシ基の炭素数が、上記マロン酸ジエステル類を構成するエステル残基の炭素数よりも大きくなるように(上記ジアルコキシマグネシウムを構成するアルコキシ基の炭素数>上記マロン酸ジエステル類を構成するエステル残基の炭素数となるように)両者を選択した上で、特定の誘電率を有する非極性溶媒中で両者を接触させることにより、反応時に耐圧反応槽や蒸留塔等の特殊な設備を用いることなく、また、四塩化チタンなどハロゲン化剤を使用することなく、非対称マロン酸ジエステル類を簡便かつ高い収率で製造し得ることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
本発明の製造方法は、一般式(I)で表わされるマロン酸ジエステル類と、一般式(II)で表わされるジアルコキシマグネシウムとを、20℃における誘電率(比誘電率)が2〜3である非極性有機溶媒中で両者を接触させる接触反応工程を含む。
上記接触反応工程においては、一般式(I)で表わされるマロン酸ジエステル類1モルに対して、一般式(II)で表わされるジアルコキシマグネシウムを0.5モル以上接触させることが好ましく、一般式(II)で表わされるジアルコキシマグネシウムを1〜10モル接触させることがより好ましく、一般式(II)で表わされるジアルコキシマグネシウムを2〜10モルで接触させることがさらに好ましい。
一般式(I)で表わされるマロン酸ジエステル類1モルに対して、一般式(II)で表わされるジアルコキシマグネシウムを上記のモル量接触させることにより、非対称マロン酸ジエステル類を高収率で得易くなる。
一般式(I)で表わされるマロン酸ジエステル類1モルに対して、一般式(II)で表わされるジアルコキシマグネシウムを上記のモル量接触させることにより、非対称マロン酸ジエステル類を高収率で得易くなる。
本発明の製造方法において、接触反応工程で使用する20℃における誘電率が2〜3である非極性有機溶媒としては、一般式(I)で表わされるマロン酸ジエステル類を溶解し、一般式(II)で表わされるジアルコキシマグネシウムを溶解しないものであることが好ましい。
20℃における誘電率が2〜3である非極性有機溶媒として、具体的には、ノナン(20℃における誘電率が2.0)、デカン(同2.0)等の脂肪族炭化水素化合物、シクロペンタン(20℃における誘電率が2.0)、シクロヘキサン(同2.0)、メチルシクロヘキサン(同2.0)、エチルシクロヘキサン(同2.1)等の脂環式炭化水素化合物、ベンゼン(20℃における誘電率が2.3)、トルエン(同2.4)、エチルベンゼン(同2.4)、クメン(同2.4)、キシレン(同2.3〜2.4)、テトラリン(同2.7)等の芳香族炭化水素化合物等から選ばれる一種以上を挙げることができる。
本発明の製造方法においては、接触反応工程において、20℃における誘電率が2〜3である非極性有機溶媒を使用することにより、一般式(I)で表わされるマロン酸ジエステル類と、一般式(II)で表わされるジアルコキシマグネシウムとの接触効率が向上し、得られる非対称マロン酸ジエステル類の収率を容易に向上させることができる。
なお、本出願書類において、20℃の誘電率は、JIS C2101に規定されている液体の誘電率測定方法(常温)により求めた値を意味する。
なお、上記方法において、20℃における誘電率は、電極間のギャップが1mmの同心円筒形構造の電極に試料を入れ,シェーリングブリッジなどの静電容量測定器により、一定の周波数において一定の交流電圧を印加して誘電正接及び比誘電率を規定の温度で測定する、いわゆるブリッジ法(JIS C2101−1999)により測定される。
なお、上記方法において、20℃における誘電率は、電極間のギャップが1mmの同心円筒形構造の電極に試料を入れ,シェーリングブリッジなどの静電容量測定器により、一定の周波数において一定の交流電圧を印加して誘電正接及び比誘電率を規定の温度で測定する、いわゆるブリッジ法(JIS C2101−1999)により測定される。
上記20℃における誘電率が2〜3である非極性有機溶媒としては、さらに大気圧下における沸点が80〜180℃であるものが好ましい。
20℃における誘電率が2〜3であるとともに、大気圧下における沸点が80〜180℃である非極性有機溶媒としては、ノナン(大気圧下における沸点150.8℃)、デカン(同174.2℃)などの脂肪族炭化水素化合物、シクロヘキサン(大気圧下における沸点80.7℃)、メチルシクロヘキサン(同101℃)、エチルシクロヘキサン(同130〜132℃)などの脂環式炭化水素化合物、ベンゼン(大気圧下における沸点80.1℃)、トルエン(同110.6℃)、エチルベンゼン(同136℃)、クメン(同152〜153℃)、キシレン(同130.9℃)等の芳香族炭化水素化合物等から選ばれる一種以上を挙げることができる。
20℃における誘電率が2〜3であるとともに、大気圧下における沸点が80〜180℃である非極性有機溶媒としては、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、クメン、キシレン等が、工業的汎用性が高いことから、好適に使用することができる。
20℃における誘電率が2〜3であるとともに、大気圧下における沸点が80〜180℃である非極性有機溶媒としては、ノナン(大気圧下における沸点150.8℃)、デカン(同174.2℃)などの脂肪族炭化水素化合物、シクロヘキサン(大気圧下における沸点80.7℃)、メチルシクロヘキサン(同101℃)、エチルシクロヘキサン(同130〜132℃)などの脂環式炭化水素化合物、ベンゼン(大気圧下における沸点80.1℃)、トルエン(同110.6℃)、エチルベンゼン(同136℃)、クメン(同152〜153℃)、キシレン(同130.9℃)等の芳香族炭化水素化合物等から選ばれる一種以上を挙げることができる。
20℃における誘電率が2〜3であるとともに、大気圧下における沸点が80〜180℃である非極性有機溶媒としては、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、クメン、キシレン等が、工業的汎用性が高いことから、好適に使用することができる。
本発明の製造方法において、20℃における誘電率が2〜3であるとともに、大気圧下における沸点が80〜180℃である非極性有機溶媒を用いることにより、接触反応後に溶媒を容易に除去することができ、目的とする非対称カルボン酸ジエステル類を効率的に製造することができる。
接触反応工程において、20℃における誘電率が2〜3である非極性有機溶媒の使用量は、特に制限されないが、通常は、一般式(II)で表わされるジアルコキシマグネシウム1gに対し、3ml〜100mlであることが好ましく、4〜80mlであることがより好ましく、4〜50mlであることがさらに好ましい。
本発明の製造方法において、接触反応工程における非極性有機溶媒の使用量が上記範囲内にあることにより、一般式(I)で表されるマロン酸ジエステル類と、一般式(II)で表されるジアルコキシマグネシウムとを好適に分散させた低粘度の懸濁液を得ることができることから、該懸濁液の撹拌が容易になり、一般式(I)で表されるマロン酸ジエステル類と、一般式(II)で表されるジアルコキシマグネシウムとの接触効率を向上させて、目的とする非対称マロン酸ジエステル類を効果的に作製し易くなる。
本発明の製造方法において、接触反応工程における非極性有機溶媒の使用量が上記範囲内にあることにより、一般式(I)で表されるマロン酸ジエステル類と、一般式(II)で表されるジアルコキシマグネシウムとを好適に分散させた低粘度の懸濁液を得ることができることから、該懸濁液の撹拌が容易になり、一般式(I)で表されるマロン酸ジエステル類と、一般式(II)で表されるジアルコキシマグネシウムとの接触効率を向上させて、目的とする非対称マロン酸ジエステル類を効果的に作製し易くなる。
本発明の製造方法において、接触反応工程における反応は、金属ハロゲン化剤の不存在下に行うことが適当である。
上記金属ハロゲン化剤としては、周期表第1族〜第13族に属する金属原子、ホウ素原子又はケイ素原子等の金属原子と、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子とからなる金属ハロゲン化合物が挙げられる。
具体的には、リチウム、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属とハロゲンとからなるアルカリ金属ハロゲン化合物、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウムなどのアルカリ土類金属とハロゲンとからなるアルカリ土類金属ハロゲン化合物、チタン、ジルコニウム、バナジウム、ニオブ、クロム、モリブデン、タングステン、マンガン、鉄、ルテニウム、オスミウム、コバルト、ロジウム、イリジウム、ニッケル、パラジウム、銅、亜鉛、カドミウム、水銀などの遷移金属とハロゲンとからなる遷移金属ハロゲン化合物、アルミニウムとハロゲンとからなるハロゲン化アルミニウム化合物、ホウ素とハロゲンとからなるハロゲン化ホウ素化合物、ケイ素とハロゲンとからなるハロゲン化ケイ素化合物等を挙げることができる。
上記金属ハロゲン化剤としては、周期表第1族〜第13族に属する金属原子、ホウ素原子又はケイ素原子等の金属原子と、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子とからなる金属ハロゲン化合物が挙げられる。
具体的には、リチウム、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属とハロゲンとからなるアルカリ金属ハロゲン化合物、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウムなどのアルカリ土類金属とハロゲンとからなるアルカリ土類金属ハロゲン化合物、チタン、ジルコニウム、バナジウム、ニオブ、クロム、モリブデン、タングステン、マンガン、鉄、ルテニウム、オスミウム、コバルト、ロジウム、イリジウム、ニッケル、パラジウム、銅、亜鉛、カドミウム、水銀などの遷移金属とハロゲンとからなる遷移金属ハロゲン化合物、アルミニウムとハロゲンとからなるハロゲン化アルミニウム化合物、ホウ素とハロゲンとからなるハロゲン化ホウ素化合物、ケイ素とハロゲンとからなるハロゲン化ケイ素化合物等を挙げることができる。
本発明の製造方法において、接触反応工程を金属ハロゲン化剤の不存在下で行うことにより、一般式(I)で表わされるマロン酸ジエステルと金属ハロゲン化剤との錯体形成を抑制し、目的とする非対称マロン酸ジエステル類を高い収率で作製し易くなる。
本発明の製造方法において、一般式(I)で表されるマロン酸ジエステル類と、一般式(II)で表されるジアルコキシマグネシウムと、20℃における誘電率が2〜3である非極性有機溶媒とを混合、接触させる順序や方法は特に制限されず、例えばフラスコ中で任意の順序で混合、接触させることにより反応させることができる。
本発明の製造方法において、接触反応工程における反応温度は、特に制限されないが、溶媒の過剰な蒸発を抑えるために、上記非極性有機溶媒の沸点以下の温度であることが好ましい。
また、上記接触反応工程において、目的とする非対称マロン酸ジエステル類の収率は、所定時間反応させた時点で最大となった後、減少に転ずる傾向にあり、また、上記非対称マロン酸ジエステル類の収率が最大となるまでに要する時間は、反応温度が高温になるに従って短期化する傾向にある。このため、非対称ジエステル類の収率が最大になるように、反応温度および反応時間を適宜調整することが好ましい。
上記観点から、一般式(I)で表されるマロン酸ジエステル類と、一般式(II)で表されるジアルコキシマグネシウムとを接触反応させる反応温度は30〜150℃が好ましく、反応時間は1〜50時間が好ましい。また、一般式(I)で表されるマロン酸ジエステル類と、一般式(II)で表されるジアルコキシマグネシウムとを接触反応させる反応温度は80〜120℃がより好ましく、反応時間は6〜36時間がより好ましい。
上記反応温度および反応時間を採用することにより、目的とする非対称マロン酸ジエステル類を高い収率で効率よく作製することが可能になる。
上記反応温度および反応時間を採用することにより、目的とする非対称マロン酸ジエステル類を高い収率で効率よく作製することが可能になる。
本発明の製造方法において、接触反応工程は、窒素、アルゴン等の不活性ガスの雰囲気下で行うことが好ましく、接触反応工程を不活性ガス雰囲気下で行うことにより、一般式(I)で表されるマロン酸ジエステル類、一般式(II)で表されるジアルコキシマグネシウムおよび20℃における誘電率が2〜3である非極性有機溶媒の加水分解や、酸化、蒸発を抑制して、得られる非対称マロン酸ジエステル類の収率を容易に向上させることができる。
本発明の製造方法においては、接触反応工程後、反応液中に、原料として使用した上記一般式(I)で表されるマロン酸ジエステル類の未反応物や、原料として使用した上記一般式(II)で表わされるジアルコキシマグネシウムの未反応物以外に、以下の(1)〜(4)の生成物を含み得る。
(1)(製造目的物である)下記一般式(III)
R1 2C(COOR2)(COOR3) (III)
(式中、R1は、水素原子、ハロゲン原子および炭素数1〜12の有機基から選ばれるいずれか一種であり、二つのR1は互いに同一であってもよいし異なっていてもよく、R2は炭素数1〜10の有機基であり、R3は炭素数2〜12の直鎖状アルキル基または炭素数3〜12の分岐鎖状アルキル基であり、R3の炭素数はR2の炭素数よりも大きい。)
で表わされる非対称マロン酸ジエステル類。
(2)(副生成物である)下記一般式(IV)
R1 2C(COOR3)2 (IV)
(式中、R1は、水素原子、ハロゲン原子および炭素数1〜12の有機基から選ばれるいずれか一種であって、二つのR1は互いに同一であってもよいし異なっていてもよく、R3は炭素数2〜12の直鎖状アルキル基または炭素数3〜12の分岐鎖状アルキル基である。)
で表わされるマロン酸ジエステル類。
(3)(副生成物である)下記一般式(V)
Mg(OR2)(OR3) (V)
(式中、R2は炭素数1〜10の有機基であり、R3は炭素数2〜12の直鎖状アルキル基または炭素数3〜12の分岐鎖状アルキル基である。)
で表わされるジアルコキシマグネシウム。
(4)(副生物である)下記一般式(VI)
Mg(OR2)2 (VI)
(式中、R2は炭素数1〜10の有機基である。)
で表わされるジアルコキシマグネシウム。
R1 2C(COOR2)(COOR3) (III)
(式中、R1は、水素原子、ハロゲン原子および炭素数1〜12の有機基から選ばれるいずれか一種であり、二つのR1は互いに同一であってもよいし異なっていてもよく、R2は炭素数1〜10の有機基であり、R3は炭素数2〜12の直鎖状アルキル基または炭素数3〜12の分岐鎖状アルキル基であり、R3の炭素数はR2の炭素数よりも大きい。)
で表わされる非対称マロン酸ジエステル類。
(2)(副生成物である)下記一般式(IV)
R1 2C(COOR3)2 (IV)
(式中、R1は、水素原子、ハロゲン原子および炭素数1〜12の有機基から選ばれるいずれか一種であって、二つのR1は互いに同一であってもよいし異なっていてもよく、R3は炭素数2〜12の直鎖状アルキル基または炭素数3〜12の分岐鎖状アルキル基である。)
で表わされるマロン酸ジエステル類。
(3)(副生成物である)下記一般式(V)
Mg(OR2)(OR3) (V)
(式中、R2は炭素数1〜10の有機基であり、R3は炭素数2〜12の直鎖状アルキル基または炭素数3〜12の分岐鎖状アルキル基である。)
で表わされるジアルコキシマグネシウム。
(4)(副生物である)下記一般式(VI)
Mg(OR2)2 (VI)
(式中、R2は炭素数1〜10の有機基である。)
で表わされるジアルコキシマグネシウム。
上記一般式(III)で表わされる非対称マロン酸ジエステル類、一般式(IV)で表わされるマロン酸ジエステル類、一般式(V)で表わされるジアルコキシマグネシウム、一般式(VI)で表わされるジアルコキシマグネシウムにおいて、R1、R2、R3の詳細は、いずれも上述したとおりである。
なお、一般式(IV)において二つのR3は互いに同一であり、一般式(VI)において二つのOR2は互いに同一である。
なお、一般式(IV)において二つのR3は互いに同一であり、一般式(VI)において二つのOR2は互いに同一である。
上記一般式(III)で表わされる非対称マロン酸ジエステル類は、本発明の製造方法における製造目的物であり、本発明の製造方法によれば、一般式(III)で表わされる非対象マロン酸ジエステル類を簡便かつ高い収率で製造することができる。
上記一般式(IV)で表わされるマロン酸ジエステル類は、原料となる一般式(I)で表わされるマロン酸ジエステル類を構成する2つのアルコキシ基がいずれも一般式(II)で表わされるジアルコキシマグネシウムのアルコキシ基によって置換されてなる副生成物であり、一般式(V)で表わされるジアルコキシマグネシウムおよび一般式(VI)で表わされるジアルコキシマグネシウムは、原料となる一般式(II)で表わされるジアルコキシマグネシウムの2つのアルコキシ基の片方または両方が一般式(I)で表わされるマロン酸ジエステル類を構成するアルコキシ基によって置換されてなる副生成物である。
上記一般式(IV)で表わされるマロン酸ジエステル類は、原料となる一般式(I)で表わされるマロン酸ジエステル類を構成する2つのアルコキシ基がいずれも一般式(II)で表わされるジアルコキシマグネシウムのアルコキシ基によって置換されてなる副生成物であり、一般式(V)で表わされるジアルコキシマグネシウムおよび一般式(VI)で表わされるジアルコキシマグネシウムは、原料となる一般式(II)で表わされるジアルコキシマグネシウムの2つのアルコキシ基の片方または両方が一般式(I)で表わされるマロン酸ジエステル類を構成するアルコキシ基によって置換されてなる副生成物である。
本発明の製造方法は、接触反応工程で得られた生成物を、固相と液相に分離する固液分離工程をさらに含むことが適当である。
上記固液分離工程における固相と液相への分離は、濾過法、デカンテーション法、遠心分離法等の公知の方法により行うことができる。
上記固液分離工程における固相と液相への分離は、濾過法、デカンテーション法、遠心分離法等の公知の方法により行うことができる。
本発明の製造方法が固液分離工程をさらに含むことにより、反応液中に存在する固体成分(原料として使用した一般式(II)で表わされるジアルコキシマグネシウム、副生成物である一般式(V)で表されるジアルコキシマグネシウム、同じく副生成物である一般式(VI)で表わされるジアルコキシマグネシウム)を除去し、製造目的物である一般式(III)で表わされる非対称マロン酸ジエステル類を含む液相を得ることができる。
固液分離して得られる液相中には、製造目的物である一般式(III)で表わされる非対称マロン酸ジエステル類の他に、原料として用いた一般式(I)で表わされるマロン酸ジエステル類、副生成物である一般式(IV)で表わされるマロン酸ジエステル類が含まれ得る。
本発明の製造方法は、固液分離工程で得られた液相を、精製処理する精製工程をさらに含むことが好ましい。
精製工程における精製方法としては、カラム精製法や蒸留法等の公知の方法を挙げることができる。
精製工程における精製方法としては、カラム精製法や蒸留法等の公知の方法を挙げることができる。
上記固液分離工程で得られた液相が、製造目的物である一般式(III)で表わされる非対称マロン酸ジエステル類以外の成分を含む場合であっても、精製工程を含むことにより、製造目的物である非対称マロン酸ジエステル類を高濃度化物を得ることができる。
本発明の製造方法においては、上記精製された非対称マロン酸ジエステル類を例えばオレフィン類重合用固体触媒の調製に供してもよいし、上記固液分離工程や精製工程を施すことなく、得られた反応液や液相を例えばオレフィン類重合用固体触媒の調製にそのまま供してもよい。
本発明の製造方法において得られる非対称マロン酸ジエステル類は、上述したように、下記一般式(III)
R1 2C(COOR2)(COOR3) (III)
(式中、R1は、水素原子、ハロゲン原子および炭素数1〜12の有機基から選ばれるいずれか一種であり、二つのR1は互いに同一であってもよいし異なっていてもよく、R2は炭素数1〜10の有機基であり、R3は炭素数2〜12の直鎖状アルキル基または炭素数3〜12の分岐鎖状アルキル基であり、R3の炭素数はR2の炭素数よりも大きい。)
で表わされるものである。
R1 2C(COOR2)(COOR3) (III)
(式中、R1は、水素原子、ハロゲン原子および炭素数1〜12の有機基から選ばれるいずれか一種であり、二つのR1は互いに同一であってもよいし異なっていてもよく、R2は炭素数1〜10の有機基であり、R3は炭素数2〜12の直鎖状アルキル基または炭素数3〜12の分岐鎖状アルキル基であり、R3の炭素数はR2の炭素数よりも大きい。)
で表わされるものである。
上記一般式(III)で表わされる非対称マロン酸ジエステル類としては、例えば、マロン酸メチルエチル、マロン酸メチルプロピル、マロン酸エチルブチル等の非対称マロン酸ジエステル類、ジイソブチルマロン酸メチルエチル、ジイソブチルマロン酸メチル(n−プロピル)、ジイソブチルマロン酸メチルイソプロピル、ジイソブチルマロン酸メチル(n−ブチル)、ジイソブチルマロン酸エチル(n−プロピル)、ジイソブチルマロン酸エチルイソブチル、ジイソブチルマロン酸エチル(n−ブチル)、ジ−n−ブチルマロン酸メチルエチル、ジ−n−ブチルマロン酸エチルブチル、t−ブチルメチルマロン酸エチルブチル、シクロヘキシルマロン酸メチルエチル、シクロヘキシルマロン酸エチルブチル等のアルキル置換された非対称マロン酸ジエステル、ジクロロマロン酸メチルエチル、ジブロモマロン酸メチルエチル、クロルメチルマロン酸メチルエチル等のハロゲン置換された非対称マロン酸ジエステル類等を挙げることができる。
本発明の製造方法により得られる非対称マロン酸ジエステルは、医薬品や農薬などの原料、ポリエステルの原料、可塑剤成分、オレフィン重合用触媒の一成分として、好適に使用することができる。
本発明によれば、反応時に耐圧反応槽や蒸留塔等の特殊な設備を用いなくても、非対称マロン酸ジエステル類を簡便かつ高い収率で製造し得る新規な非対称マロン酸ジエステル類の製造方法を提供することができる。
以下、本発明の実施例および比較例と対比しつつ具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例および比較例により制限されるものではない。
(実施例1)
(1)接触反応工程
攪拌装置を備え、窒素ガスで充分に置換された内容積500mlのフラスコに、ジエトキシマグネシウムを20g(175ミリモル)分取した後、トルエン(20℃における誘電率2.4)80mlを加えて懸濁状態とした。次いで該懸濁液に、攪拌下にジイソブチルマロン酸ジメチル(市販品)11.2ml(46ミリモル)を添加した後、112℃まで昇温し、同温度で還流下に24時間攪拌して反応させた。
(1)接触反応工程
攪拌装置を備え、窒素ガスで充分に置換された内容積500mlのフラスコに、ジエトキシマグネシウムを20g(175ミリモル)分取した後、トルエン(20℃における誘電率2.4)80mlを加えて懸濁状態とした。次いで該懸濁液に、攪拌下にジイソブチルマロン酸ジメチル(市販品)11.2ml(46ミリモル)を添加した後、112℃まで昇温し、同温度で還流下に24時間攪拌して反応させた。
(2)固液分離工程
接触反応工程終了後、得られた反応液を室温まで冷却し、固体成分を窒素雰囲気下でろ過し、液相(ろ液)を分離した。
接触反応工程終了後、得られた反応液を室温まで冷却し、固体成分を窒素雰囲気下でろ過し、液相(ろ液)を分離した。
(3)精製工程
固液分離工程で得られたろ液を加熱減圧蒸留することにより溶媒を留去し、液状のマロン酸ジエステル混合物(M-1)を得た。
得られたマロン酸ジエステル混合物(M-1)を、カラム充填剤として球状シリカゲル(和光純薬(株)製ワコーゲル(登録商標)C−300)を用い、展開溶媒として10体積%の酢酸エチルと90体積%のヘキサンからなる混合液を用いて、カラム分離を行なうことにより、主生成物を精製分離した。
得られた主生成物をガスクロマトグラフ質量分析計((株)島津製作所製 GC/MS QP−5000)を用いて分析したところ、ジイソブチルマロン酸メチルエチルであることを確認することができた。
固液分離工程で得られたろ液を加熱減圧蒸留することにより溶媒を留去し、液状のマロン酸ジエステル混合物(M-1)を得た。
得られたマロン酸ジエステル混合物(M-1)を、カラム充填剤として球状シリカゲル(和光純薬(株)製ワコーゲル(登録商標)C−300)を用い、展開溶媒として10体積%の酢酸エチルと90体積%のヘキサンからなる混合液を用いて、カラム分離を行なうことにより、主生成物を精製分離した。
得られた主生成物をガスクロマトグラフ質量分析計((株)島津製作所製 GC/MS QP−5000)を用いて分析したところ、ジイソブチルマロン酸メチルエチルであることを確認することができた。
得られたジイソブチルマロン酸メチルエチルの収率を以下の方法で確認したところ、収率は44.0モル%であった。結果を表1に示す。
(収率測定方法)
ガスクロマトグラフィー((株)島津製作所製、GC-14B)を用いて、接触反応工程で得られた混合物中に含まれる非対称マロン酸ジエステル類の含有モル量を、下記測定条件により求めた上で、以下に示すとおり、得られた非対称マロン酸ジエステル類の合計モル量を、原料として用いたマロン酸ジエステル類の合計モル量で割ることにより、非対称マロン酸ジエステル類の収率(モル%)を算出した。
非対称マロン酸ジエステルの収率(モル%)=(得られた非対称マロン酸ジエステル類の合計モル量/原料として用いたマロン酸ジエステル類の合計モル量)×100
なお、各成分のモル量は、ガスクロマトグラフィーの測定結果より、予め既知濃度において測定した検量線を用いて算出した。
<測定条件>
カラム:パックドカラム(φ2.6×2.1m、 Silicone SE-30 10%、Chromosorb WAN DMCS 80/100、ジーエルサイエンス(株)製)
検出器:水素炎イオン化型検出器(FID)
キャリアガス:ヘリウム、流量40ml/分
測定温度:気化室265℃、カラム180℃、検出器265℃
(収率測定方法)
ガスクロマトグラフィー((株)島津製作所製、GC-14B)を用いて、接触反応工程で得られた混合物中に含まれる非対称マロン酸ジエステル類の含有モル量を、下記測定条件により求めた上で、以下に示すとおり、得られた非対称マロン酸ジエステル類の合計モル量を、原料として用いたマロン酸ジエステル類の合計モル量で割ることにより、非対称マロン酸ジエステル類の収率(モル%)を算出した。
非対称マロン酸ジエステルの収率(モル%)=(得られた非対称マロン酸ジエステル類の合計モル量/原料として用いたマロン酸ジエステル類の合計モル量)×100
なお、各成分のモル量は、ガスクロマトグラフィーの測定結果より、予め既知濃度において測定した検量線を用いて算出した。
<測定条件>
カラム:パックドカラム(φ2.6×2.1m、 Silicone SE-30 10%、Chromosorb WAN DMCS 80/100、ジーエルサイエンス(株)製)
検出器:水素炎イオン化型検出器(FID)
キャリアガス:ヘリウム、流量40ml/分
測定温度:気化室265℃、カラム180℃、検出器265℃
(比較例1)
実施例1において、トルエン80mlに代えてエタノール80ml(20℃における誘電率33)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、(1)接触反応工程、(2)固液分離工程、(3)精製工程を順次実施することにより、ジイソブチルマロン酸メチルエチルを精製分離した。
得られたジイソブチルマロン酸メチルエチルの収率を実施例1と同様の方法で算出したところ、24.1モル%であった。結果を表1に示す。
実施例1において、トルエン80mlに代えてエタノール80ml(20℃における誘電率33)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、(1)接触反応工程、(2)固液分離工程、(3)精製工程を順次実施することにより、ジイソブチルマロン酸メチルエチルを精製分離した。
得られたジイソブチルマロン酸メチルエチルの収率を実施例1と同様の方法で算出したところ、24.1モル%であった。結果を表1に示す。
(比較例2)
実施例1において、ジエトキシマグネシウムを添加せず、トルエン80mlに代えてエタノール80ml(20℃における誘電率33)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、(1)接触反応工程、(2)固液分離工程、(3)精製工程を順次実施したが、ジイソブチルマロン酸メチルエチル等の非対称マロン酸ジエステル類を得ることはできなかった。
実施例1において、ジエトキシマグネシウムを添加せず、トルエン80mlに代えてエタノール80ml(20℃における誘電率33)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、(1)接触反応工程、(2)固液分離工程、(3)精製工程を順次実施したが、ジイソブチルマロン酸メチルエチル等の非対称マロン酸ジエステル類を得ることはできなかった。
(実施例2)
実施例1において、ジイソブチルマロン酸ジメチルの添加量を21.3ml(87ミリモル)に変更した以外は、実施例1と同様の方法で、(1)接触反応工程、(2)固液分離工程、(3)精製工程を順次実施することにより、ジイソブチルマロン酸メチルエチルを精製分離した。
得られたジイソブチルマロン酸メチルエチルの収率を実施例1と同様の方法で算出したところ、46.7モル%であった。結果を表1に示す。
実施例1において、ジイソブチルマロン酸ジメチルの添加量を21.3ml(87ミリモル)に変更した以外は、実施例1と同様の方法で、(1)接触反応工程、(2)固液分離工程、(3)精製工程を順次実施することにより、ジイソブチルマロン酸メチルエチルを精製分離した。
得られたジイソブチルマロン酸メチルエチルの収率を実施例1と同様の方法で算出したところ、46.7モル%であった。結果を表1に示す。
(実施例3)
実施例1において、ジイソブチルマロン酸ジメチルの添加量を42.6ml(175ミリモル)に変更した以外は、実施例1と同様の方法で、(1)接触反応工程、(2)固液分離工程、(3)精製工程を順次実施することにより、ジイソブチルマロン酸メチルエチルを精製分離した。
得られたジイソブチルマロン酸メチルエチルの収率を実施例1と同様の方法で算出したところ、51.8モル%であった。結果を表1に示す。
実施例1において、ジイソブチルマロン酸ジメチルの添加量を42.6ml(175ミリモル)に変更した以外は、実施例1と同様の方法で、(1)接触反応工程、(2)固液分離工程、(3)精製工程を順次実施することにより、ジイソブチルマロン酸メチルエチルを精製分離した。
得られたジイソブチルマロン酸メチルエチルの収率を実施例1と同様の方法で算出したところ、51.8モル%であった。結果を表1に示す。
(実施例4)
実施例1において、ジイソブチルマロン酸ジメチル11.2ml(46ミリモル)に代えてジイソブチルマロン酸ジエチル31.7ml(117ミリモル)を用いるとともに、ジエトキシマグネシウム20g(175ミリモル)に代えてジイソプロポキシマグネシウム20g(139ミリモル)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、(1)接触反応工程、(2)固液分離工程、(3)精製工程を順次実施することにより、ジイソブチルマロン酸エチルイソプロピルを精製分離した。
得られたジイソブチルマロン酸エチルイソプロピルの収率を実施例1と同様の方法で算出したところ、41.7モル%であった。結果を表1に示す。
実施例1において、ジイソブチルマロン酸ジメチル11.2ml(46ミリモル)に代えてジイソブチルマロン酸ジエチル31.7ml(117ミリモル)を用いるとともに、ジエトキシマグネシウム20g(175ミリモル)に代えてジイソプロポキシマグネシウム20g(139ミリモル)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、(1)接触反応工程、(2)固液分離工程、(3)精製工程を順次実施することにより、ジイソブチルマロン酸エチルイソプロピルを精製分離した。
得られたジイソブチルマロン酸エチルイソプロピルの収率を実施例1と同様の方法で算出したところ、41.7モル%であった。結果を表1に示す。
(実施例5)
反応温度を112℃から100℃に変更した以外は実施例1と同様の方法で、(1)接触反応工程、(2)固液分離工程、(3)精製工程を順次実施することにより、ジイソブチルマロン酸メチルエチルを精製分離した。
得られたジイソブチルマロン酸メチルエチルの収率を実施例1と同様の方法で算出したところ、39.4モル%であった。結果を表1に示す。
反応温度を112℃から100℃に変更した以外は実施例1と同様の方法で、(1)接触反応工程、(2)固液分離工程、(3)精製工程を順次実施することにより、ジイソブチルマロン酸メチルエチルを精製分離した。
得られたジイソブチルマロン酸メチルエチルの収率を実施例1と同様の方法で算出したところ、39.4モル%であった。結果を表1に示す。
(実施例6)
反応温度を112℃から80℃に変更した以外は実施例1と同様の方法で、(1)接触反応工程、(2)固液分離工程、(3)精製工程を順次実施することにより、ジイソブチルマロン酸メチルエチルを精製分離した。
得られたジイソブチルマロン酸メチルエチルの収率を実施例1と同様の方法で算出したところ、32.9モル%であった。結果を表1に示す。
反応温度を112℃から80℃に変更した以外は実施例1と同様の方法で、(1)接触反応工程、(2)固液分離工程、(3)精製工程を順次実施することにより、ジイソブチルマロン酸メチルエチルを精製分離した。
得られたジイソブチルマロン酸メチルエチルの収率を実施例1と同様の方法で算出したところ、32.9モル%であった。結果を表1に示す。
(実施例7)
実施例1の(1)接触反応工程において、反応時間を24時間から16時間に変更した以外は、実施例1と同様にして、(1)接触反応工程、(2)固液分離工程、(3)精製工程を順次実施することにより、ジイソブチルマロン酸メチルエチルを精製分離した。
得られたジイソブチルマロン酸メチルエチルの収率を実施例1と同様の方法で算出したところ、31.6モル%であった。結果を表1に示す。
実施例1の(1)接触反応工程において、反応時間を24時間から16時間に変更した以外は、実施例1と同様にして、(1)接触反応工程、(2)固液分離工程、(3)精製工程を順次実施することにより、ジイソブチルマロン酸メチルエチルを精製分離した。
得られたジイソブチルマロン酸メチルエチルの収率を実施例1と同様の方法で算出したところ、31.6モル%であった。結果を表1に示す。
(実施例8)
実施例1において、ジイソブチルマロン酸ジメチル11.2ml(46ミリモル)に代えてジ−n−ブチルマロン酸ジメチル12.5ml(46ミリモル)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、(1)接触反応工程、(2)固液分離工程、(3)精製工程を順次実施することにより、ジ−n−ブチルマロン酸メチルエチルを精製分離した。
得られたジ−n−ブチルマロン酸メチルエチルの収率を実施例1と同様の方法で算出したところ、42.7モル%であった。結果を表1に示す。
実施例1において、ジイソブチルマロン酸ジメチル11.2ml(46ミリモル)に代えてジ−n−ブチルマロン酸ジメチル12.5ml(46ミリモル)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、(1)接触反応工程、(2)固液分離工程、(3)精製工程を順次実施することにより、ジ−n−ブチルマロン酸メチルエチルを精製分離した。
得られたジ−n−ブチルマロン酸メチルエチルの収率を実施例1と同様の方法で算出したところ、42.7モル%であった。結果を表1に示す。
(実施例9)
実施例1において、ジイソブチルマロン酸ジメチル11.2ml(46ミリモル)に代えて、t−ブチルマロン酸ジメチル46ミリモルを用いた以外は、実施例1と同様の方法で、(1)接触反応工程、(2)固液分離工程、(3)精製工程を順次実施することにより、t−ブチルマロン酸メチルエチルを精製分離した。
得られたt−ブチルマロン酸メチルエチルの収率を実施例1と同様の方法で算出したところ、40.6モル%であった。結果を表1に示す。
実施例1において、ジイソブチルマロン酸ジメチル11.2ml(46ミリモル)に代えて、t−ブチルマロン酸ジメチル46ミリモルを用いた以外は、実施例1と同様の方法で、(1)接触反応工程、(2)固液分離工程、(3)精製工程を順次実施することにより、t−ブチルマロン酸メチルエチルを精製分離した。
得られたt−ブチルマロン酸メチルエチルの収率を実施例1と同様の方法で算出したところ、40.6モル%であった。結果を表1に示す。
(比較例3)
実施例8において、トルエン80mlに代えてn−ヘプタン(20℃における誘電率1.9)80mlを用いた以外は、実施例8と同様の方法で、(1)接触反応工程、(2)固液分離工程、(3)精製工程を順次実施することにより、ジ−n−ブチルマロン酸メチルエチルを精製分離した。
得られたジ−n−ブチルマロン酸メチルエチルの収率を実施例1と同様の方法で算出したところ、24.7モル%であった。結果を表1に示す。
実施例8において、トルエン80mlに代えてn−ヘプタン(20℃における誘電率1.9)80mlを用いた以外は、実施例8と同様の方法で、(1)接触反応工程、(2)固液分離工程、(3)精製工程を順次実施することにより、ジ−n−ブチルマロン酸メチルエチルを精製分離した。
得られたジ−n−ブチルマロン酸メチルエチルの収率を実施例1と同様の方法で算出したところ、24.7モル%であった。結果を表1に示す。
(比較例4)
実施例8において、ジ-n−ブチルマロン酸ジメチル12.5ml(46ミリモル)に代えて、ジ−n−ブチルマロン酸ジ−n−ブチル46ミリモルを用いた以外は、実施例8と同様の方法で、(1)接触反応工程、(2)固液分離工程、(3)精製工程を順次実施することにより、ジ−n−ブチルマロン酸エチルブチルを精製分離した。
得られたジ−n−ブチルマロン酸エチルブチルの収率を実施例1と同様の方法で算出したところ、40.6モル%であった。結果を表1に示す。
実施例8において、ジ-n−ブチルマロン酸ジメチル12.5ml(46ミリモル)に代えて、ジ−n−ブチルマロン酸ジ−n−ブチル46ミリモルを用いた以外は、実施例8と同様の方法で、(1)接触反応工程、(2)固液分離工程、(3)精製工程を順次実施することにより、ジ−n−ブチルマロン酸エチルブチルを精製分離した。
得られたジ−n−ブチルマロン酸エチルブチルの収率を実施例1と同様の方法で算出したところ、40.6モル%であった。結果を表1に示す。
表1より、実施例1〜実施例9においては、マロン酸ジエステル類とジアルコキシマグネシウムとを、上記ジアルコキシマグネシウムを構成するアルコキシ基の炭素数が上記マロン酸ジエステル類を構成するエステル基の炭素数よりも大きくなるように各々選択した上で、20℃における誘電率が2〜3である非極性有機溶媒中で両者を接触させることにより、反応時に耐圧反応槽や蒸留塔等の特殊な設備を用いなくても、効果的にエステル交換反応を生じて、非対称マロン酸ジエステル類を簡便かつ高い収率で製造できることが分かる。
一方、表1より、比較例1〜比較例4においては、反応溶媒として、20℃における誘電率が2〜3である非極性有機溶媒を用いなかったり(比較例1〜比較例3)、ジアルコキシマグネシウムを用いていなかったり(比較例2)、マロン酸ジエステル類を構成するエステル基の炭素数>ジアルコキシマグネシウムを構成するアルコキシ基の炭素数という関係にあるために(比較例4)効果的なエステル交換反応を生じ難く、非対称マロン酸ジエステルの収率が低いことが分かる。
本発明によれば、反応時に耐圧反応槽や蒸留塔等の特殊な設備を用いなくても、非対称マロン酸ジエステル類を簡便かつ高い収率で製造し得る新規な製造方法を提供することができる。
Claims (6)
- 二種の異なるエステル基を含む非対称マロン酸ジエステル類を製造する方法であって、下記一般式(I)
R1 2C(COOR2)2 (I)
(式中、R1は、水素原子、ハロゲン原子および炭素数1〜12の有機基から選ばれるいずれか一種であって、二つのR1は互いに同一であってもよいし異なっていてもよく、R2は炭素数1〜10の有機基である。)
で表されるマロン酸ジエステル類と、
下記一般式(II)
Mg(OR3)2 (II)
(式中、R3は、炭素数2〜12の直鎖状アルキル基または炭素数3〜12の分岐鎖状アルキル基である。)
で表されるジアルコキシマグネシウムとを、
前記R3の炭素数が、前記R2の炭素数よりも大きくなるように各々選択した上で、
20℃における誘電率が2〜3である非極性有機溶媒中で両者を接触させる接触反応工程を含む
ことを特徴とする非対称マロン酸ジエステル類の製造方法。 - 前記接触反応工程を、金属ハロゲン化剤の不存在下に行う請求項1に記載の非対称マロン酸ジエステル類の製造方法。
- 該接触反応工程で得られた生成物を、固相と液相に分離する固液分離工程をさらに含む請求項1または請求項2に記載の非対称マロン酸ジエステル類の製造方法。
- 前記液相が、下記一般式(III)
R1 2C(COOR2)(COOR3) (III)
(式中、R1は、水素原子、ハロゲン原子および炭素数1〜12の有機基から選ばれるいずれか一種であり、二つのR1は互いに同一であってもよいし異なっていてもよく、R2は炭素数1〜10の有機基であり、R3は炭素数2〜12の直鎖状アルキル基または炭素数3〜12の分岐鎖状アルキル基であり、R3の炭素数はR2の炭素数よりも大きい。)
で表わされる非対称マロン酸ジエステル類を含む請求項3に記載の非対称マロン酸ジエステル類の製造方法。 - 前記固液分離工程で得られた液相を、精製処理する精製工程をさらに含む請求項1〜請求項4のいずれかに記載の非対称マロン酸ジエステル類の製造方法。
- 得られる非対称マロン酸ジエステル類が、下記一般式(III)
R1 2C(COOR2)(COOR3) (III)
(式中、R1は、水素原子、ハロゲン原子および炭素数1〜12の有機基から選ばれるいずれか一種であり、二つのR1は互いに同一であってもよいし異なっていてもよく、R2は炭素数1〜10の有機基であり、R3は炭素数2〜12の直鎖状アルキル基または炭素数3〜12の分岐鎖状アルキル基であり、R3の炭素数はR2の炭素数よりも大きい。)
で表わされる非対称マロン酸ジエステル類である請求項1〜請求項5のいずれかに記載の非対称マロン酸ジエステル類の製造方法。
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