JPH0747294A - ガラ再生機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 道路や建築物等の解体後に発生する産業廃棄
物を現場で破砕処理して基礎グリ、転圧材料等の再生材
として利用する。 【構成】 枠体２上部の投入ホッパー３の下部に一次ロ
ール破砕部４、中間ホッパー１０及び二次ロール破砕部
１２を設ける。二次ロール破砕部１２の破砕カッター１
３を一次ロール破砕部４の破砕カッター５に対し直行さ
せて配置し、破砕カッター１３の間隙を破砕カッター５
の間隙より狭く設定する。二次ロール破砕部１２の下方
には、コンベアー２１を接続する。破砕情況に応じて、
破砕カッター１３を自動的に正・逆転させると共に二次
ロール破砕部１２の駆動部１６に並設した負荷検出部１
７によって一次ロール破砕部４の駆動を制御する。全体
をコンパクト化して騒音等を低く抑え、運搬手間及びコ
ストを最小源に抑える。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、道路や建築物等の解体
後に発生する産業廃棄物（以下、廃棄物という）を破砕
処理して基礎グリ、転圧材料等の再生材として利用する
ガラ再生機に関する。

【０００２】

【従来の技術】道路や建築物等を解体した後には、瓦礫
等の廃棄物が多量に発生する。通常、これらの処理前の
廃棄物はガラと呼ばれ、車両に積載して処理場まで運搬
し細かく破砕された後に地中に埋設され、あるいは骨材
として再利用されている。廃棄物を粉砕するための機械
としては、すでにジョークラッシャー、インパクトクラ
ッシャー等のガラ処理機が提供されている。ジョークラ
ッシャーは、定板方式と呼ばれるガラ処理機で、板状の
固定歯と可動歯との間で廃棄物を押圧し破砕するように
構成されている。また、インパクトクラッシャーは、打
撃突子で衝撃を加えて廃棄物を破砕するガラ処理機であ
る。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来のガラ再生機は、いずれも処理時の騒音や振動が
大きい。破砕力を強化するために、同じガラ再生機を２
台並列に設置する手段もあるが、そのようにすると今度
は据付スペースが大きくなり、解体、建築等の本工事の
支障をきたすことがあった。また、処理時に破砕個所か
ら塵埃が多量に発生して大気を汚染するという問題点
や、鉄筋等の異物が多少でも混入していると使用不能に
なるという問題点もあった。本発明は、このような問題
点を解決するためになされたもので、解体現場で廃棄物
を確実に細かく破砕でき、種々の面で低公害に資するガ
ラ再生機を提供することを目的としている。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上述した問題点等を解決
し、前述の目的を達成するため、本発明のガラ再生機
は、一対の破砕カッターの間隙を所定値に設定した一次
ロール破砕部の下方に、一対の破砕カッターの間隙を前
述の間隙より狭く設定した二次ロール破砕部を設けたこ
とを特徴としている。また、二次ロール破砕部の駆動部
に負荷検出部を並設し、この負荷検出部からの信号に対
応して一次ロール破砕部の駆動を制御することを特徴と
している。さらに、一次ロール破砕部の中心軸に対して
二次ロール破砕部の中心軸を下方に所定の距離をおいて
直行させたことを特徴としている。

【０００５】

【作用】本発明では、ガラの再生を次のようにして行
う。まず、ガラを一次ロール破砕部に投入し、その破砕
カッターの間隙を通過させる過程で所定の大きさまで破
砕する。続いて、二次ロール破砕部の破砕カッターの間
隙を通過させる過程でさらに小さく破砕し、破砕不能の
ものは一次及び二次ロール破砕部を停止して機外に取出
す。その際、二次ロール破砕部の駆動部に負荷がかかる
と負荷検出部が一次ロール破砕部に信号を送ってその駆
動を自動的に停止させて騒音や振動の発生を防止すると
共に二次ロール破砕部に無理な負荷がかかるのを防止す
る。

【０００６】

【実施例】次に、図１〜図３により、本発明を更に詳細
に説明する。図１は本発明の一実施例であるガラ再生機
の縦断面正面図、図２は図１のＸ−Ｘ線横断面図及び図
３は同縦断面側面図である。このガラ再生機１は、枠体
２の上部に設けた逆四角錐形状の投入ホッパー３の下部
に一次ロール破砕部４を設けている。そして一次ロール
破砕部４の下方に中間ホッパー１０を介して二次ロール
破砕部１２を一次ロール破砕部４に対し直行させて配置
し、この二次ロール破砕部１２の下部に取出ホッパー１
８を接続して全体を構成している。

【０００７】このうち、一次ロール破砕部４は、高マン
ガン鋳鉄鋼製の破砕カッター５、５を所定の間隙をおい
て２つ並列に取付けて構成する。破砕カッター５、５の
外周面には螺旋状の歯６を形成してある。各破砕カッタ
ー５は、スプロケット７とチェーン８を介して、交流モ
ータ等の駆動部９、９にそれぞれ接続する。また、各破
砕カッター５、５の交換は、ビン（図示せず）を抜差し
することによって容易に行えるようになっている。

【０００８】中間ホッパー１０は、投入ホッパー３と同
様に下方が逆四角錐形状に集束していて、側面に取出窓
１１を設けてあり、下端を二次ロール破砕部１２に接続
している。二次ロール破砕部１２は、一次ロール破砕部
４と同様に、外周面に螺旋状の歯６を形成したハイマン
ガン鋳鉄鋼製の破砕カッター１３、１３を２つ並列に取
付けて構成する。一次ロール破砕部４と同様に破砕カッ
ター１３は、スプロケット１４とチェーン１５を介して
駆動部１６、１６にそれぞれ接続する。

【０００９】ただし、一次ロール破砕部４よりも塊Ｂを
更に細かく破砕するため、一次ロール破砕部４の破砕カ
ッター５、５の間隙に比べて二次ロール破砕部１２の破
砕カッター１３、１３の間隙を狭く設定してある。この
破砕カッター１３、１３の間隙を調整することで再生材
Ｃを任意の粒径（最大４０ｍｍ〜０ｍｍ）に変えること
ができる。この破砕カッター１３、１３の交換もピンに
より容易に行える。また、二次ロール破砕部１２には、
駆動部１６、１６に加わる負荷を検出する負荷検出部１
７、１７を並設し、負荷が所定値を超えると一次ロール
破砕部４を停止させる演算部（図示せず）を備えてい
る。このように、本実施例では一次ロール破砕部４と二
次ロール破砕部１２を上下二階建て構造としたが、上述
したように直行、すなわち上面から見た場合に二次ロー
ル破砕部１２の破砕カッター１３、１３の中心軸が一次
ロール破砕部４の破砕カッター５、５の中心軸に対して
直行しているところに特徴がある。

【００１０】また、取出ホッパー１８は、二次ロール破
砕部１２の下方に取付けられ、図１及び図３に示すよう
に、側板１９、１９と底板２０とから構成する。底板２
０の下端縁は、コンベアー２１の上面に近接して配置す
る。このとき、底板２０の勾配を大きくして、その先端
を上記歯６の前方端の下部付近に配置せしめ、コンベア
ー２１上に落下する再生材Ｃをすべて、この底板２０で
一旦受け止めるようにしている。従って、再生材Ｃの落
下に伴って、コンベアー２１のゴムベルトが切れたり傷
つく恐れはなくなった。

【００１１】コンベアー２１には、輻広のものを使用
し、取出ホッパー１８の下方個所に飛散防止用のガード
２２を設ける。このコンベアー２１は、図１に示すよう
に、取出ホッパー１８の下方から側方斜め上方に向けて
設置するが、その高さは調整機構２３によって調節で
き、下端に取付けられた車輪２４によって枠体２内に収
納可能となっている。コンベアー２１は１基だけ図示し
たが、現場の情況に応じ合計３基まで連結制御できる。
なお、図１及び図２中符号２５は、前述のコンベアー２
１の制御や破砕カッター５、１３の自動制御のほか、二
次ロール破砕部１２を単独運転ヘ切替えたりする運転切
替装置である。

【００１２】本実施例を使用した廃棄物の再生処理につ
いて説明する。バックホー等を使用して投入ホッパー３
にガラＡを投入し、一次ロール破砕部４の破砕カッター
５、５を作動させて、図１中矢印Ｒ方向に示すように互
いの間隙にガラＡを送り込むように回転（以下、正回転
という）させる。８００ｍｍ程度の径のガラＡは、破砕
カッター５、５の間隙を通過する時に歯６によって、２
００ｍｍ程度の径の塊Ｂに破砕される。

【００１３】一次ロール破砕部４で破砕された２００ｍ
ｍ程度の径の塊Ｂは、中間ホッパー１０に落下して順次
二次ロール破砕部１２に送られ、一次ロール破砕部４の
破砕カッター５、５と同様に正回転する二次ロール破砕
部１２の破砕カッター１３、１３の歯６によって細かく
破砕され、４０ｍｍ程度の径の再生材Ｃとなる。

【００１４】ところが、一次ロール破砕から二次ロール
破砕に至る過程で、中間ホッパー１０が一杯になった場
合は、二次ロール破砕部１２の破砕カッター１３、１３
に負荷がかかり、駆動部１６、１６（モータ）のアンペ
ア数が増大して所定値以上になる。そこで、本実施例で
はこの変化を負荷検出部１７で検出して演算部から信号
を送り、一次ロール破砕部４の駆動部９、９を停止させ
ることとしている。そして、二次ロール破砕部１２だけ
が作動して中間ホッパー１０内の塊Ｂの処理が進み、破
砕カッター１３、１３の駆動部１６、１６の負荷が正常
値に戻ると再び一次ロール破砕部４の駆動部９、９が作
動する。

【００１５】また、中間ホッパー１０に鉄塊や壊れたモ
ータ等の異物が入ると、二次ロール破砕部１２の破砕カ
ッター１３、１３による破砕は不可能となる。そこで、
かかる場合には、破砕カッター１３、１３を自動反転さ
せることにより、砂などの比較的小さな物等を両破砕カ
ッター１３、１３の間隙より落下させる。その結果、中
間ホッパー１０内には握拳大の異物Ｄだけが残ることと
なる。この異物Ｄは一次ロール破砕部４及び二次ロール
破砕部１２を停止して、取出窓１１を開けて取出す。

【００１６】なお、本実施例は、これらの一連の制御
を、シーケンス制御によって行い、破砕情況に応じて、
破砕カッター１３、１３を自動的に正・逆転させている
が、ガラＡの径が小さければ運転切替装置を手動に切替
えて、二次ロール破砕部１２だけを単独運転させて処理
することも可能である。

【００１７】以上説明したように、本実施例によれば、
８００ｍｍ程度の径のガラＡであれば、運搬することな
く現場で直ちに破砕することができるため、運送費、時
間及び労力を大幅に節約することができる。

【００１８】また、破砕カッター５、１３の回転数は比
較的遅く設定してあるが、耐摩耗性に優れた破砕カッタ
ー５、１３で一次破砕から二次破砕へと段階的に破砕し
ていくため、総合すると破砕率を強化でき処理時の塵埃
の散乱も抑制できる。特に破砕カッター５、１３の歯６
の取付形状を螺旋状にしたため、ガラＡ、塊Ｂヘの喰い
込み効率も向上している。また、破砕カッター１３、１
３の間隙を調整することで再生材の径を４０ｍｍ〜０ｍ
ｍに調整することもできる。

【００１９】さらに、一定以上の負荷がかかると破砕カ
ッター１３、１３を停止させる等、一連の動作を自動制
御するため作業が安全に行うことができ、また中間ホッ
パー１０には取出窓１１を設けたため保守点検もやりや
すい。加えて、上述のように二次ロール破砕部１２を通
過した鉄筋等は取出しホッパーの底板２０に一度当たっ
て緩衝されてから、コンベアー２１に落下するため、従
来のようにコンベアー２１のゴムベルトを切るおそれを
少なくしたという効果もある。

【００２０】なお、本実施例では一次ロール破砕部４と
二次ロール破砕部１２を２階建ての構造にすることで全
体を小型化し省スペース化を達成しているが、一次ロー
ル破砕部４と二次ロール破砕部１２は簡易に分離できる
機構で接続されており、高さに制限がある処理現場にお
いては、一次ロール破砕部４と二次ロール破砕部１２と
を並列して設置してもよい。さらには、ガラが小さい場
合には、二次ロール破砕部１２のみの使用で目的が達成
される。

【００２１】

【発明の効果】本発明のガラ再生機は、二階建て構造に
して全体をコンパクト化したため、据付け時のスペース
を極力小さくでき、解体、建築本工事の施工を妨げな
い。また、段階を追ってガラを確実に破砕していくので
騒音、振動を低く抑えつつも破砕力は強力である。その
ため、鉄筋等の多少の異物に柔軟に対応できると共に、
処理時に塵埃が散乱せず環境保護の面においても優れて
いる。さらに、処理された再生材は、現場において直ち
に基礎グリ、転圧材料として使用できるため、搬入、ガ
ラを搬出するための手間及びコストを最小源に抑えるこ
とができる等の効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のガラ再生機の一実施例を示す縦断面正
面図

【図２】同、図１のＸ−Ｘ線横断面図

【図３】同、縦断面側面図

【符号の説明】

１ ガラ再生機 ２ 枠体 ３ 投入ホッパー ４ 一次ロール破砕部 ５、１３ 破砕カッター ９、１６ 駆動部 １０ 中間ホッパー １２ 二次ロール破砕部 １７ 負荷検出部 １８ 取出ホッパー

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 一対の破砕カッターの間隙を所定値に設
   定した一次ロール破砕部の下方に、一対の破砕カッター
   の間隙を前記間隙より狭く設定した二次ロール破砕部を
   設けたガラ再生機。
2. 【請求項２】 二次ロール破砕部の駆動部に負荷検出部
   を並設し、該負荷検出部からの信号に対応して一次ロー
   ル破砕部の駆動を制御する請求項１記載のガラ再生機。
3. 【請求項３】 一次ロール破砕部の中心軸に対して二次
   ロール破砕部の中心軸を下方に所定の距離をおいて直行
   させた請求項１、２記載のガラ再生機。