JPH0746988Y2 - Ｆｍ受信機のａｇｃ制御回路 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （イ）産業上の利用分野 この考案はFM受信機のAGC制御回路に係り、特に、強電
界地域におけるRFアンプ等の歪みによる混信防止に好適
なFM受信機のAGC制御回路に関する。

（ロ）従来技術 従来のFM受信機のAGC制御回路としては、例えば、第２
図に示すようなものが提供されていた。

図において、１は受信アンテナ、２はRF入力アッテネー
タ回路、３は初段RF同調回路、４はRFアンプ、５は段間
RF同調回路、６は局部発振回路、７はミキサ回路、８は
IF同調回路,9はAGC検波回路、10、12はIFアンプ、11はI
F同調セラミックフィルタである。

回路の構成動作としては受信アンテナ１で誘起された外
来のRF信号はRF入力アッテネータ２を通して初段RF同調
回路３に加えられ希望受信周波数に同調されて次段のRF
アンプ４に加えられ所定量増幅される。

RFアンプ４で増幅された受信信号は段間RF同調回路５で
同調しミキサ回路７へ出力される。

ミキサ回路７では受信信号周波数と局部発振回路６で発
振した局部発振周波数とが混合され、その差の周波数の
信号であるIF信号がIF同調回路８で同調され、IFアンプ
10に送られIFアンプ10で増幅される。

IFアンプ10で増幅されたIF信号はIF同調セラミックフィ
ルタ11で不要周波数成分が除去された後、更に、IFアン
プ12で増幅されてFM検波回路へ送られる。

一方、IF同調回路８からはIF信号の一部が取り出されAG
C検波回路９に加えられている。

AGC検波回路９の出力は前記RF入力アッテネータ２及びR
Fアンプ４に接続されている。

AGC検波回路９の動作はIF同調回路８より出力したIF信
号の一部を入力してこのIF信号を直流レベルに変換し、
RF入力アッテネータ２及びRFアンプ４を制御するように
なっている。

AGC検波回路９では受信アンテナ１に外来電波の電界強
度がある一定の基準レベルを越えた場合、IF信号レベル
による基準値を越えたレベル分を検出してそれに比例し
た直流レベルに変換する。

IF信号の基準値を越えた分の直流変換レベルは、RF入力
アッテネータ２の減衰率を大きくさせるように、また、
RFアンプ４のゲインを低下させるように働き、受信信号
の受信アンテナ１以後のレベルを制御するようになって
いる。

上記のようなAGC検波回路９の働きによって、電界強度
の大きい受信信号でも常に適切な受信レベルになるよう
に自動的にゲインを調整することができるようになって
いる。

（ハ）考案が解決しようとする問題点 しかし、上記した従来のFM受信機のAGC制御回路におい
ては、第２図のブロック図に示すようにAGC検出回路９
にIF信号の一部を加え、AGC検出電圧としてRF入力アッ
テネータ２やRFアンプ４の減衰量或いはゲインを制御し
ているので、いわゆるAGC検出感度がRF同調回路３、５
によるRF信号選択度及びIF同調回路８によるIF信号選択
度に依存するため、希望受信信号に対して不要の離れた
周波数が強電界で入力されてもこの信号によるAGCが効
かずRFアンプ４とミキサ回路７に対して不要受信信号周
波数に起因したRF相互変調妨害に対して抑圧が困難とな
る欠点があった。

この考案は上記した点に鑑みてなされたものであり、そ
の目的とするところは従来例の欠点を解消し、アンテナ
入力電界強度及び受信周波数信号強度の比較によりAGC
検出度を制御するようにしてRFアンプの非直線歪みによ
るRF相互変調妨害を軽減するFM受信機のAGC制御回路を
提供するところにある。

（ニ）問題を解決するための手段 この考案のFM受信機のAGC制御回路は、RF入力アッテネ
ータと、RFアンプと、局部発振回路と、ミキサ回路と、
ミキサ回路から出力するIF信号を同調させるIF同調回路
と、このIF同調回路の出力信号の一部を検波してRF入力
アッテネータと、RFアンプとを制御するAGC検波回路と
で構成するFM受信機AGC制御回路において、前記RF入力
アッテネータに入力されるアンテナで誘起された信号の
強度を検出するアンテナ入力電界強度検出回路と、IF同
調回路に接続されたIFアンプから出力するIF信号の一部
を入力して同調受信信号の信号強度を検出する信号強度
検出回路と、前記アンテナ入力電界強度検出回路より出
力した検出レベルと信号強度検出回路より出力した検出
レベルとを比較してその差のレベルを出力するレベル比
較器と、このレベル比較より出力したレベル信号によっ
てIF同調回路からの信号を制御する利得制御アンプとを
設け、RF入力アッテネータ、RFアンプに対するAGC検波
回路のAGC検出感度を制御してRF相互変調妨害比を改善
するように構成したものである。

（ホ）作用 この考案によれば、RF入力アッテネータと、RFアンプ
と、局部発振回路と、ミキサ回路と、ミキサ回路から出
力するIF信号を同調させるIF同調回路と、このIF同調回
路の出力信号の一部を検波してRF入力アッテネータと、
RFアンプとを制御する検波回路とで構成するFM受信機AG
C制御回路において、RF入力アッテネータに入力される
アンテナで誘起された信号の強度を検出するアンテナ入
力電界強度検出回路と、IF同調回路に接続されたIFアン
プから出力するIF信号の一部を入力して同調受信信号の
信号強度を検出する信号強度検出回路と、前記アンテナ
入力電界強度検出回路より出力した検出レベルと信号強
度検出回路より出力した検出レベルとを比較してその差
のレベルを出力するレベル比較器と、このレベル比較よ
り出力したレベル信号によってIF同調回路からの信号を
制御する利得制御アンプとを設けたので、AGC検波回路
のAGC感度が希望信号とアンテナに入力した電界強度と
が規定したレベル以上になったとき増加するよう動作
し、RFアンプの非直線形歪による強電界における隣接チ
ャンネルのRF相互変調妨害比を軽減させることができ希
望信号に対する妨害信号の抑圧を高めるようになる。

（ヘ）実施例 この考案に係るFM受信機のAGC制御回路の実施例を第１
図に基づいて説明する。

なお、従来例と同一部分には同一符号を付してその説明
を省略する。

第１図はこの考案の回路ブロック図である。

図において、13は信号強度検出回路、14はレベル比較
器、15は利得制御アンプ、16はアンテナ入力電界強度検
出回路、17はFM復調回路である。

回路の構成について説明すると、受信アンテナ１はRF入
力アッテネータ２に接続されると共にアンテナ入力電界
強度検出回路16にも加えられていてこのアンテナ入力電
界強度検出回路16の出力はレベル比較器14に接続されて
いる。

また、FM検波回路17の前段にあるIFアンプ12からはIF信
号の一部が信号強度検出回路13に加えられ、更に、信号
強度検出回路13の出力は、前記レベル比較器14に接続さ
れている。

レベル比較器14の比較出力は利得制御アンプ15の制御入
力端子に接続されている。

利得制御アンプ15にはIF同調回路８から出力したIF信号
の一部が加えられていて、この利得制御アンプ15の出力
がAGC検波回路９に接続されている。

上記構成によるAGC動作について説明すると、受信アン
テナ１で誘起されたRF信号はRF入力アッテネータ２に加
わり後述のAGC信号によりその時の受信アンテナ１に誘
起されたRF信号強度によって適度に減衰制御されて初段
のRF同調回路３で希望受信周波数信号が同調され次段の
RFアンプ４に入力される。

RFアンプ４では入力されたRF同調回路３で同調され出力
した希望受信信号を所定量増幅するがこの増幅度はAGC
検波回路９よりのAGC信号によって制御されている。

RFアンプ４より出力した希望受信信号は段間RF同調回路
５及びミキサ回路７を介してIF同調回路８からIF信号と
なって出力する。

更に、IF信号はIFアンプ10で所定量増幅され不要周波数
成分をIF同調セラミックフィルタ11によって除去すると
共にIF信号の帯域幅を決定されもう一段のIFアンプ12に
加えられFM復調回路17に出力する。

IFアンプ12からはIF信号の一部が出力し信号強度検出回
路13に加えられてIF信号に比例したDCレベルの電圧に変
換される。

上記のように信号強度検出回路13では、IF信号に変換さ
れた希望受信信号に対する信号強度を検出しその強度に
応じたDC電圧レベルをレベル比較器14に出力する。

一方、受信アンテナ１からのRF信号を入力したアンテナ
入力電界強度検出回路16では、同調回路を設けていない
ので、受信アンテナ１で誘起されたRF信号の中の希望受
信信号周波数以外の周波数の信号も検出して強度に比例
したDC電圧レベルに変換しレベル比較器14に出力する。

レベル比較器14では上記２つのDC電圧レベル即ち、希望
受信信号の信号強度に比例したDC電圧レベルと、受信ア
ンテナ１に入力した信号の入力電界強度に比例したDC電
圧レベルとを比較して片方の信号強度検出回路13より出
力したレベルがある基準値を越え、且つ、アンテナ入力
電界強度検出回路16の検出レベルがある基準レベルを越
えたときにDC電圧を出力するように設定されている。

上記のような状態においてレベル比較器14から出力した
DC電圧を入力した利得制御アンプ15では、IF同調回路８
からのIF信号の一部を上記レベル比較器14のDC電圧レベ
ルに応じてゲインを制御し、AGC検波回路９への注入レ
ベルを変化させるように動作する。

従って、仮に、電波の状況が強電界地域であり強電界放
送局が多数ある場合、アンテナ入力電界強度検出回路16
はそれ相応のDC電圧レベルを出力し、希望受信信号もあ
る程度の電界強度があり信号強度検出回路13からも相応
のDC電圧レベル出力しているならば、レベル比較器14か
らは両者のDC電圧レベルに応じたDC電圧が出力され利得
制御アンプ15はゲインを上げる方向に動作する。

上記動作によりAGC検波回路９へのIF同調回路８からのI
F信号レベルは上ってAGC応答感度が見掛上高くなったこ
とになる。

従って、AGC検出感度の低い希望受信信号から離れた周
波数の妨害信号に対し、AGC感度を高めるように働くの
で希望受信信号周波数から離れた信号周波数の妨害を抑
圧し、この妨害周波数による相互変調妨害比の低減を図
ることができる。

また、希望受信信号の信号強度が低い場合は、レベル比
較器14からの出力がなくなり利得制御アンプ15のゲイン
も下るので、AGC検波回路９のAGC検出感度が低くなっ
て、AGCによる希望受信信号への減衰は少なくなり妨害
信号による希望受信信号への抑圧を少くすることがき
る。

（ト）考案の効果 この考案に係るFM受信機のAGC制御回路によれば、アン
テナに誘起した電界強度を検出し希望する受信信号より
得られた信号強度とを比較してその差に応じてAGC検出
回路からの検出感度信号を制御するようにしたので、電
波状況の変動、特に、多数局が隣接する強電界地域にお
いてRFアンプ等の歪みによるRF相互変調妨害を排除する
のに効果がある。

しかも、構造が簡単であって、また、安価に構成するこ
とができるため実施も容易であるなどの優れた特長を有
している。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案に係るFM受信機のAGC制御回路の実施
例を示す回路ブロック図である。 第２図は従来例の回路ブロック図である。 主な符号の説明 1:アンテナ 2:RF入力アッテネータ 3:初段RF同調回路 4:RFアンプ 5:段階RF同調回路 6:局部発振回路 7:ミキサ回路 8:IF同調回路 9:AGC検波回路 10、12:IFアンプ 11:IF同調セラミツクフィルタ 13:信号強度検出回路 14:レベル比較器 15:利得制御アンプ 16:アンテナ入力電界強度検出回路 17:FM検波回路

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】RF入力アッテネータと、RFアンプと、局部
   発振回路と、ミキサ回路と、ミキサ回路から出力するIF
   信号を同調させるIF同調回路と、このIF同調回路の出力
   信号の一部を検波してRF入力アッテネータと、RFアンプ
   とを制御するAGC制御回路において、 前記RF入力アッテネータに入力されるアンテナで誘起さ
   れた信号の強度を検出するアンテナ入力電界強度検出回
   路と、IF同調回路に接続されたIFアンプから出力するIF
   信号の一部を入力して同調受信信号の信号強度を検出す
   る信号強度検出回路と、前記アンテナ入力電界強度検出
   回路より出力した検出レベルと信号強度検出回路より出
   力した検出レベルとを比較してその差のレベルを出力す
   るレベル比較器と、このレベル比較より出力したレベル
   信号によってIF同調回路からの信号を制御する利得制御
   アンプとを設け、RF入力アッテネータ、RFアンプに対す
   るAGC検波回路のAGC検出感度を制御してRF相互変調妨害
   比を改善するように構成したことを特徴とするFM受信機
   のAGC制御回路。