JPH0746493Y2 - 複合パネル材の貼合せ装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は四方端面に嵌合用凹凸部を形成しているパネル
基板の上面に矩形状の化粧板を貼合せて複合パネル材を
形成するための貼合せ装置に関するものである。

（従来の技術） 従来から、床材或いは壁面内装材として方形状のパネル
が広く用いられているが、一枚ものによってパネルを形
成すると極めて高価につくために、通常、安価な材質よ
りなるパネル基板の上面に比較的薄い化粧板を貼合せて
なる複合パネルが使用されている。

そして、このような複合パネルは、一般に作業員がパネ
ル基板の上面に接着剤を介して化粧板を貼合せることに
よって形成している。

（考案が解決しようとする課題） しかしながら、パネル基板と化粧板とを正確に貼合せる
には熟練を要するばかりでなく、人手による貼合せ作業
では生産性が悪いという問題点があり、さらに、貼合せ
後における接着剤の未硬化中はパネル基板と化粧板間に
すべりが生じ易く、乾燥中に床面の傾斜や震動等によっ
てパネル基板と化粧板との位置ズレが生じて正確な貼合
せを行ったにも拘わらず不良品が発生するという問題点
があった。特に、パネル基板と化粧板の形状、サイズが
異なる場合には、仕上り面に目すき等が発生するため
に、正確な位置での貼合せが要求される。

本考案はこのような問題点に鑑みてきなされたもので、
貼合せによって複合パネル材を形成すべきパネル基板と
化粧板とを複数対、同時に且つ精度良く接着、一体化す
ることを目的とする複合パネル材の貼合せ装置を提供す
るものである。

（課題を解決するための手段） 上記目的を達成するために本考案の複合パネル材の貼合
せ装置は、パネル基板の上面に化粧板を貼合せて複合パ
ネル材を形成する装置であって、貼合せるべきパネル基
板と化粧板とを複合対、積層状態で載置する水平台板の
外周部に、前記パネル基板と化粧板との少なくとも三方
の角部に当接する角部規制バーと、隣接する角部間にお
いて前記化粧板の端面から外方に突出したパネル基板の
凸部端面に当接する複数本の端面規制バーとを立設し、
さらに、前記台板の上方に最上部の化粧板の上面を押圧
する押圧板を上下動自在に配設してなる構造を有するも
のである。

（作用） 貼合せ面に接着剤を塗布しているパネル基板と化粧板と
を台板の外周部に立設している角部規制バーと端面規制
バーとで囲まれた空間部内に収容し、台板上に順次積層
する。この際、パネル基板と化粧板とを交互に１枚宛、
順次収容してもよく、予め、パネル基板と化粧板とを接
着剤を介して貼合せ、接着剤が未硬化中に収容してもよ
い。

このようにして台板上にパネル基板と化粧板とを一対と
して複数対、収容すると、これらのパネル基板と化粧板
との少なくとも三方の角部が角部規制バーに当接すると
共にパネル基板の四方端面に形成している嵌合用凹凸部
のうち、凸部端面が端面規制バーに当接してパネル基板
と化粧板とが人手によることなく自動的に正確に位置合
せされ、合板上にした積層した状態となる。

この状態にして押圧板を降下させ、積層最上面を押さえ
る。

こうして適宜時間放置し、パネル基板と化粧板との貼合
せ面に塗布している接着剤を硬化させて所望の複合パネ
ル材を得るものである。

（実施例） 次に、本考案の実施例を図面について説明すると、
（１）は複合パネル材（Ａ）よりも平面積が大きく形成
されている方形状の水平台板で、その四方角部に断面Ｌ
字状の角部規制バー（２）（２）（２）（２）を垂直状
態で立設してある。

これらの角部規制バー（２）の台板（１）側に面する直
角な内面（2a）は、複合パネル材（Ａ）を形成するパネ
ル基板（A₁）と化粧板（A₂）との四方角部の直角端面に
当接させるものであり、各角部規制バー（２）はその位
置規制が可能な台板（１）の四方角部の所定部分に下端
を固着してある。

複合パネル材（Ａ）を形成する化粧板（A₂）は、厚みが
比較的薄い大理石等の石材や陶磁器、或いは合成樹脂注
入処理薄板からなり、第５図に示すように、四方端面が
平坦な面である方形状に形成されている一方、パネル基
板（A₁）は化粧板（A₂）よりも厚みが大なる合板やケイ
酸カルシウム板等の比較的加工が容易で安価な材料より
形成され、四方縁辺端部に嵌合凹凸部（11）（12）を辺
方向に一定間隔毎に設けている矩形板状に形成されてあ
る。

詳しくは、第４図に示すように、このパネル基板（A₁）
の対角線の長さが化粧板（A₂）のそれと同一長さを有し
ていてその四方角部の直角端面（13）が化粧板（A₂）の
四方角部の直角端面（14）と垂直面上で面一となるよう
に形成されていると共に角部間の辺における中間部に該
辺側の直角端面（14）と同一直線上に設けられた中間端
面（15）が形成されてあり、この中間端面（15）の両側
の辺部に同一台形形状の前記凹部（11）と凸部（12）と
が連続的に形成されて床面等の施工時に、隣接する複合
パネル材（Ａ）（Ａ）がこれらの凹凸部（11）（12）の
嵌合によって接合するように形成しているものである。

（３）（３）は上記台板（１）の辺部に沿って隣接する
角部規制バー（２）（２）間に配設した角棒形状の端面
規制バーで、その平滑な内面（3a）を上記パネル基板
（A₁）の凸部（12）の突出端面に当接させる位置に立設
されてある。

これらの端面規制バー（３）（３）は、その下端を台板
（１）の上面に固着され、上方に向かって垂直に立設し
ているが、任意の一辺側に設けた一本ないしは二本の端
面規制バーのみを台板（１）に対して上方に抜き取り可
能にしておいてもよい。

（４）は台板（１）の上方に配設した方形の押圧板で、
第２図に示すように、その四方角部並びに周辺部に上記
角部規制バー（２）と端面規制バー（３）（３）との上
部を挿通させた孔（５）（６）を穿設してある。

これらの孔（５）（６）は角部規制バー（２）と端面規
制バー（３）との断面形状と同一形状に形成されて、そ
の内周面にバー（２）（３）を摺接させた状態で貫通さ
せてあり、従って、角部規制バー（２）と端面規制バー
（３）（３）とは台板（１）とこの押圧板（４）とによ
って妄動するのを阻止され、各バーの位置並びにバー間
の間隔を常に一定状態にして台板（１）上に立設してい
るものである。

（７）は台板（１）に立設した角部規制バー（２）の外
方位置に、各角部規制バー（２）と並行状態に立設して
いる丸鋼棒等よりなるガイド棒で、それらの上部を上記
バー（２）（３）と同様に押圧板（４）の隅角部に貫通
させてある。

このガイド棒（７）は必ずしも必要ではないが、上記各
バー（２）（３）が木製等の可撓性材料で形成されてい
る場合には、これらのバー（２）（３）によって構成さ
れている枠体全体が衝撃力等の外力を受けた時に撓む虞
れがあるので、それを防止するために設けられているも
のである。

（８）は隣接するバー間に形成されている隙間、（９）
はこれらの角部規制バー（２）と端面規制バー（３）と
で囲まれた台板（１）上のパネル収容空間部である。

このように構成した実施例における複合パネル材（Ａ）
の貼合せ装置を使用してパネル基板（A₁）と化粧板
（A₂）とを貼合せて複合パネル材（Ａ）を得るには、ま
ず、これらのパネル基板（A₁）と化粧板（A₂）とのいず
れか一方の貼合せ面に接着剤を塗布したのち、台板
（１）上のパネル収容空間部（９）内にパネル基板
（A₁）と化粧板（A₂）とよりなる複合パネル材（Ａ）を
複数対、順次積層状態で収容する。

この収容作業は、バー間の隙間（８）を利用してその隙
間（８）からパネル基板（A₁）と化粧板（A₂）とを立て
た状態で収容空間部（９）内に挿入し、台板（１）上で
水平方向に寝かせることによって行ってよく、また、抜
き取り可能なバーを上方に引き上げてバー（２）（３）
で形成されている枠の一面を大きく開口させ、その開口
部により収容空間部（９）内に収容するか、或いは、押
圧板（４）をバー（２）（３）及びガイド棒（７）から
上方に抜き取って収容空間部（９）の上端を開口させ、
該上方開口部からバー（２）（３）に摺接させながら収
容してもよい。

この際、パネル基板（A₁）と化粧板（A₂）とを交互に１
枚宛、順次収容してもよく、また予め、パネル基板
（A₁）と化粧板（A₂）とを接着剤を介して貼合せ、接着
剤が未硬化中に収容してもよい。

このようにして収容空間部（９）内にパネル基板（A₁）
と化粧板（A₂）とを収容すると、パネル基板（A₁）はそ
の四方角部の直角端面（13）が角部規制バー（２）の直
角な内面（2a）に当接すると共に凸部（12）の突出端面
が端面規制バー（３）の内面（3a）に当接して前後左
右、いずれの方向にも動きを規制された状態で一定位置
に固定される一方、化粧板（A₂）はその四方角部の直角
端面（14）がパネル基板（A₁）と同様に角部規制バー
（２）の直角な内面（2a）に当接してパネル基板（A₁）
と化粧板（A₂）とがこれらのバー（２）（３）により自
動的に正確な貼合せ状態に重ね合わせられるものであ
る。

この状態にして、押圧板（４）を下降させることによ
り、最上部の複合パネル材（Ａ）の上面に当接させ、ガ
イド棒（７）の上部に形成している螺子（10）にナット
体（16）を螺合して押圧板（４）を締め付けるか、或い
は載荷重等による適宜な加圧力を押圧板（４）に与えて
台板（１）と該押圧板（４）間に複数対の複合パネル材
（Ａ）を挾圧する。

こうして適宜時間放置し、必要に応じて適宜加熱するこ
とによりパネル基板（A₁）と化粧板（A₂）との貼合せ面
に塗布している接着剤を硬化させて所望の複合パネル材
（Ａ）を得るものである。

なお、以上の実施例においては、貼合すべき複合パネル
材（Ａ）をその四方より角部規制バー（２）と端面規制
バー（３）とによって規制したが、少なくとも三方を規
制するようにすれば、パネル基板（A₁）と化粧板（A₂）
との貼合せ位置決めが正確に行えるものである。

（考案の効果） 以上のように本考案の複合パネル材の貼合せ装置は、貼
合せるべきパネル基板と化粧板とを複合対、積層状態で
載置する水平台板と、この台板の外周部に、前記パネル
基板と化粧板との少なくとも三方の角部に当接する角部
規制バーと、隣接する角部間において前記化粧板の端面
から外方に突出したパネル基板の凸部端面に当接する複
数本の端面規制バーと、最上部の化粧板の上面を押圧す
る上下動可能な押圧板とよりなるものであるから、貼合
せ面に接着剤を塗布しているパネル基板と化粧板とをバ
ー間の隙間等を利用して順次容易に台板上に積層させる
ことができ、その積層状態においては、全てのパネル基
板と化粧板との少なくとも三方の角部が角部規制バーに
当接すると共にパネル基板の四方端面に形成している嵌
合用凹凸部のうち、凸部端面が端面規制バーに当接して
パネル基板と化粧板とが何等の熟練を要することなく自
動的に正確に位置合せすることができるものである。

さらに、本装置内で積層状態で複数対のパネル基板と化
粧板との接着面を硬化中に、震動等の外力が作用して
も、規制バーと押圧板とによって貼合せ面のズレを確実
に阻止することができ、不良品の発生をなくして精度の
よい複合パネル材を得ることができるものであり、ま
た、パネル基板と化粧板とからなる複合パネル材を複数
枚、同時に得ることができて生産性を著しく向上させる
ことができるものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すもので、第１図は複合パネ
ル材を複数枚、収容している状態の側面図、第２図はそ
の平面図、第３図は横断面図、第４図はパネル基板の平
面図、第５図は化粧板の平面図、第６図は複合パネル材
の平面図、第７図はその断面図である。 （１）……台板、（２）……角部規制バー、（３）……
端面規制バー、（４）……押圧板、（A₁）……パネル基
板、（11）（12）……凹凸部、（A₂）化粧板、（Ａ）…
…複合パネル材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】パネル基板の上面に化粧板を貼合せて複合
   パネル材を形成する装置であって、貼合せるべきパネル
   基板と化粧板とを複合対、積層状態で載置する水平台板
   の外周部に、前記パネル基板と化粧板との少なくとも三
   方の角部に当接する角部規制バーと、隣接する角部間に
   おいて前記化粧板の端面から外方に突出したパネル基板
   の凸部端面に当接する複数本の端面規制バーとを立設
   し、さらに、前記台板の上方に最上部の化粧板の上面を
   押圧する押圧板を上下動自在に配設していることを特徴
   とする複合パネル材の貼合せ装置。