JPH0746258Y2 - 浴槽用アームグリップ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は気泡浴槽用アームグリッ
プに係り、特に気泡噴射機能と共に薬剤添加機能を有し
た浴槽用アームグリップに関する。

【０００２】

【従来の技術】気泡浴槽は、周知の如く、浴槽内に気泡
含有水を噴射させるよう構成した浴槽である。

【０００３】多くの気泡浴槽は、浴槽内の湯をポンプで
気泡噴射ノズルへ供給し、この気泡噴射ノズルにてエア
ーを吸い込ませて気泡含有水を浴槽内へ噴射させるよう
構成している。この気泡噴射ノズルは浴槽の側壁面へ底
面に設けられている。

【０００４】なお、気泡噴射ノズルにおいてエアーを吸
い込ませる代わりに、気泡噴射ノズルよりも上流側にお
いてラインミキサ等によりエアーを湯に混合させること
もある。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】全身にわたって均一な
気泡マッサージ効果を得るためには、気泡噴射ノズルは
なるべく多数箇所に設けるのが好ましいが、気泡噴射ノ
ズルを取付けるためには取付用の開口を浴槽に穿設する
必要があり、防水性の点からは気泡噴射ノズルの取付個
数は少ない方が好適である。

【０００６】本考案はかかる相反する要求を両立させる
べくなされたものである。

【０００７】また、本考案は、入浴剤や洗剤（ボディー
ソープなど）を浴槽内に供給しうる浴槽用アームグリッ
プに関する。

【０００８】

【課題を解決するための手段】請求項１の浴槽用アーム
グリップは、浴槽に取付けられる浴槽用アームグリップ
において、気泡含有水の噴射口と、該噴射口に通水可能
に連通された水の流入口と、該流入口から噴射口に到る
流路に薬剤添加可能に設置された薬剤添加器と、を備え
たことを特徴とするものである。

【０００９】請求項２の浴槽用アームグリップは、請求
項１の浴槽用アームグリップにおいて、前記流入口から
噴射口に到る流路とアームグリップ外部とを連通するエ
アー吸入口が設けられており、前記薬剤添加器は該流入
口の部分に設置されていることを特徴とするものであ
る。

【００１０】

【作用】本考案の浴槽用アームグリップは、浴槽に出入
りするとき、あるいは浴槽内に入っているときに把んで
身体を支えるというアームグリップ本来の機能に加え、
気泡噴射ノズルとしての機能をも有している。従って、
気泡噴射ノズルの取付個数を増加することなく、気泡噴
射箇所を増加できる。また、本考案の浴槽用アームグリ
ップによると、浴槽内に薬剤を添加することもできる。

【００１１】なお、請求項１の浴槽用アームグリップ
は、気泡含有水がアームグリップに導入される場合に用
いられる。

【００１２】請求項２の浴槽用アームグリップでは、湯
がアームグリップに導入され、アームグリップにおいて
エアーが吸い込まれて気泡含有水として噴射される。

【００１３】

【実施例】以下図面を参照して本考案の実施例について
説明する。第１図は本考案の実施例に係る浴槽用アーム
グリップの平面図、第２図は同右側面図、第３図は同背
面図、第４図は第１図の４−４線に沿う断面図、第５
図、第６図及び第７図は浴槽用アームグリップの施工状
態の説明図である。第８図は第４図の８−８線に沿う断
面図である。

【００１４】この浴槽用アームグリップ１０は、浴槽利
用者が把むことができる大きさのアームグリップ本体１
２と、該アームグリップ本体１２の背面部に設けられた
浴槽循環配管接続部１４及び取付部１６（第２図参
照）、アームグリップ本体１２の他の側面に設けられた
噴射ノズル１８、アームグリップ本体１２の上面に設け
られた薬剤添加器２０などを備えている。１６ａは取付
部１６に穿設されたボルト挿入孔である。

【００１５】浴槽循環配管接続部１４の外周面には雄螺
子が刻設されている。該浴槽循環配管接続部１４からは
流入口２２が穿設されている。アームグリップ本体１２
には、前記噴射ノズル１８が設けられる側から空洞部２
４が穿設されており、流入口２２と空洞部２４とは連通
用開口２６及び該開口２６に螺着されたベンチュリノズ
ル２８を介して連通されている。

【００１６】前記空洞部２４には短い筒状のバネ押え３
０が螺合されており、該バネ押え３０の内周側にノズル
押え３２が螺合されている。

【００１７】このノズル押え３２は凹球座３４を備えて
おり、噴射ノズル１８の後部側に設けられた凸球部３６
が該凹球座３４に摺動自在に接している。該凸球部３６
を凹球座３４に押し付ける方向に付勢するためにバネ３
８が設置されている。このバネ３８は、一端側が凸球部
３６の内面に当接され、他端側はバネ押え３０の内向き
フランジ部３０ａに当接している。３０ｂはバネ押え３
０に穿設された開口である。

【００１８】薬剤添加器２０の構成について第４、８図
を参照して説明する。前記アームグリップ本体１２に開
口７０が穿設され、該開口７０に添加器ホルダ７２が嵌
合されている。この添加器ホルダ７２内に容器７４が上
方から取出し自在に嵌合され、かつホルダ７２の下端に
形成された係止部７２ａに係止されている。この容器７
４内には内向きフランジ状の弁座部７６が周設されてお
り、該弁座部７６の下面側に着座するように弁体７８が
配置されている。該弁体７８を着座方向（上方）に付勢
するバネ８０が弁体７８の下側に配置されている。該弁
体７８の上方領域に薬剤が充填される。８２は容器７４
のキャップである。第８図の如く、容器７４の外周面と
ホルダ７２の内周面との間にエアー吸入口８４が設けら
れている。

【００１９】このように構成された浴槽用アームグリッ
プは、第７図に示す如く、浴槽４０の側壁４２に形成さ
れたアームグリップ取付穴４４に前記浴槽循環配管接続
部１４を挿入するとともに、前記取付部１６のボルト挿
入孔１６ａ及び浴槽側壁のボルト挿通孔４６にボルト４
８を挿通し、ナット５０を締込み、更に浴槽循環配管接
続部１４にナット（図示略）を締込むことにより浴槽側
壁４２に固定される。

【００２０】この浴槽用アームグリップ１０において
は、浴槽内の湯が配管を経て流入口２２に導入され、さ
らにベンチュリノズル２８、空洞部２４、開口３０ｂ、
噴射ノズル１８を経て噴出される。この湯がベンチュリ
ノズル２８から噴射される際に生ずる負圧により、エア
ーがエアー吸入口８４から吸い込まれ、噴射ノズル１８
から気泡含有水が浴槽内に噴射される。また、この負圧
により弁体７８が下方に吸引移動され、容器７４内の薬
剤が空洞部４４内を流れる湯に添加される。薬剤を補給
するには、キャップ８２を外して直接に容器７４内に供
給するか、又は容器７４を取り出して補給したり、別の
容器と交換したりしても良い。

【００２１】この薬剤としては、液状のものでも粉末状
のものでも良いが、粉末状の場合、凝結や潮解しないも
のが良い。薬剤としては、入浴剤や洗剤（ボディーソー
プ等）、香料などの各種のものを充填できる。

【００２２】第５図及び第６図はこの浴槽用アームグリ
ップ１０を備えた浴槽の配管系統の一例を示すものであ
る。第６図の如く、浴槽４０内の湯は、吸水口５２、配
管５４、循環ポンプ５６、配管５８、６０を経て浴槽用
アームグリップ１０の前記流入口２２に導かれている。
配管５８からは別の配管６２が分岐されており、該配管
６２は浴槽４０の側壁面に取付けられた通常の気泡噴射
ノズル６４に接続されている。６６はこの気泡噴射ノズ
ル６４に空気を導入するための配管、６８はエアー吸引
口である。

【００２３】本実施例に示した浴槽用アームグリップに
おいては、噴射ノズル１８の凸球部３６がノズル押え３
２の凹球座３４に摺動自在に係止されているので、噴射
ノズル１８の噴射方向を自在に変更することができる。
このため、浴槽４０内の入浴者の胸、腹、脇腹、太腿、
脚部など所望の部分に気泡噴流を向けることができる。
また、気泡を浴槽側壁４２に沿って下向きに噴出させる
場合には、アームグリップ１０から噴射された気泡が浴
槽側壁４２に沿って下降し、次いで浴槽底部にて反転し
て該浴槽底部から噴き上げる如き別種の噴流形態を形成
することもできる。

【００２４】上記実施例においては、浴槽用アームグリ
ップに空気混合機能を持たせ、エアー吸入口８４から吸
い込まれたエアーを噴射ノズル１８から気泡含有水とし
て噴出させているが、本考案においては、かかるエアー
混合機能を省略し、アームグリップに導入される湯に予
め空気をラインミキサ等を用いて混合させるようにして
もよい。但し、上記実施例の如くアームグリップにエア
ー混合機能を持たせ、アームグリップにエアー吸入口を
形成した場合には、浴室内の清浄で且つ温度の高い空気
を混合させることができ、噴出水の汚れ防止や、温度低
下防止を図ることができる。

【００２５】上記実施例では、アームグリップが浴槽の
長辺内面部分に取り付けられているが、浴槽の内面の他
の箇所（例えばコーナー部や短辺内面部分など）、ある
いは浴槽のフランジ部に設けられても良い。

【００２６】

【考案の効果】以上の通り、本考案の浴槽用アームグリ
ップは、アームグリップ本来の機能に加え気泡噴出ノズ
ル及び薬剤添加器としての機能をも有しており、気泡噴
出ノズルの取付個数を増加させることなく気泡噴出箇所
を増加することができる。また、従来の気泡噴出ノズル
とは異なった様々な噴出形態を形成することもできる。
さらに、浴槽内に各種の薬剤を手軽に添加できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例に係る浴槽用アームグリップの
平面図である。

【図２】浴槽用アームグリップの右側面図である。

【図３】浴槽用アームグリップの背面図である。

【図４】第１図の４−４線に沿う断面図である。

【図５】浴槽用アームグリップを備えた浴槽の平面図で
ある。

【図６】浴槽用アームグリップを備えた浴槽の配管系統
図である。

【図７】浴槽用アームグリップの取付構造を示す断面図
である。

【図８】第４図の８−８線に沿う断面図である。

【符号の説明】

１０ 浴槽用アームグリップ １２ アームグリップ本体 １４ 浴槽循環配管接続部 １８ 噴射ノズル ２０ 薬剤添加器 ２２ 流入口 ２８ ベンチュリノズル ３２ ノズル押え ３４ 凹球座 ３６ 凸球部 ３８ バネ ４０ 浴槽 ４２ 浴槽側壁 ７２ 添加器ホルダ ７４ ホルダ ７８ 弁体 ８０ バネ

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 浴槽に取付けられる浴槽用アームグリッ
   プにおいて、気泡含有水の噴射口と、該噴射口に通水可
   能に連通された水の流入口と、該流入口から噴射口に到
   る流路に薬剤添加可能に設置された薬剤添加器と、を備
   えたことを特徴とする浴槽用アームグリップ。
2. 【請求項２】 請求項１の浴槽用アームグリップにおい
   て、前記流入口から噴射口に到る流路とアームグリップ
   外部とを連通するエアー吸入口が設けられており、前記
   薬剤添加器は該流入口の部分に設置されていることを特
   徴とする浴槽用アームグリップ。