JPH0745809A - 固体撮像装置及びその製造方法 - Google Patents

固体撮像装置及びその製造方法

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JPH0745809A
JPH0745809A JP5184991A JP18499193A JPH0745809A JP H0745809 A JPH0745809 A JP H0745809A JP 5184991 A JP5184991 A JP 5184991A JP 18499193 A JP18499193 A JP 18499193A JP H0745809 A JPH0745809 A JP H0745809A
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JP
Japan
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gate electrode
film
photoelectric conversion
solid
polysilicon
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Application number
JP5184991A
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English (en)
Inventor
Wataru Kamisaka
渡 上坂
Hiroyuki Okada
裕幸 岡田
Yuji Matsuda
祐二 松田
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electronics Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 低照度において高い転送効率と、良好なスミ
ア特性を示す固体撮像装置を提供する。 【構成】 半導体基板21内に光電変換部23および垂
直CCD部を形成した。この垂直CCD部上にポリシリ
コン電極22を形成する。ポリシリコン電極22上にポ
リシリコン酸化膜と絶縁膜を堆積した。このポリシリコ
ン電極22上にマスク合わせとエッチングによってコン
タクト窓27を形成した。コンタクト窓27は固体撮像
装置が4相駆動が可能なように、第1,第2のポリシリ
コン電極22に形成した。これにポリシリコン膜28と
タングステンシリサイド膜29を形成した。これらの膜
をエッチングして第1の配線を形成し、この上に層間絶
縁膜を介してアルミニウム膜である第2の配線を形成し
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ビデオカメラ等に広く
利用されている固体撮像装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、固体撮像装置はビデオカメラ等に
広く利用されてきている。その固体撮像装置には、ビデ
オカメラ本体の小型化及び軽量化に従い、従来と比べて
益々高解像度化、高性能化が要求されている。特に業務
用カメラ等に利用されているフレームインターライン転
送方式の場合、信号である電荷の転送スピードを高速化
したり、スミアの発生を低減することが要求されてい
る。これらの要望を満たすことは、従来の延長上での技
術では困難であった。
【0003】以下に、従来の固体撮像装置について図面
を参照しながら説明する。図11において、1はn型半
導体基板、2はp型ウエル、3はn-型拡散層領域、4
はn型拡散層領域、5はp型拡散層領域、6はp+型拡
散層領域、7はp+ +型拡散層領域、8はゲート酸化膜、
9はポリシリコン電極、10はポリシリコン酸化膜、1
1は層間絶縁膜、12はアルミニウム膜、13は保護膜
である。14はコンタクト窓である。
【0004】まず、n型半導体基板1中にp型ウエル2
と光電変換部となるn-型拡散層領域3を形成する。光
が入射すると、n-型拡散層領域3では電子と正孔が対
生成する。そのうち電子がn-型拡散層領域3に蓄積さ
れる。また、非常に強い光が入射した場合には、n-
拡散層領域3から電子があふれる。このあふれた電子
は、正の電圧を印加したn型半導体基板1に排出され
る。このような構造を縦型オーバーフロードレイン構造
と呼ぶ。信号電荷を転送する垂直シフトレジスタである
n型拡散層領域4(以下、垂直CCDと記す)は、埋め
込みチャネル型トランジスタ構造を形成している。その
周辺にp型拡散層領域5を形成することで、光電変換部
やp型ウエル2から電子が侵入するのを防止している。
+型拡散層領域6は光電変換部から垂直CCD部へ電
子を読み出すためのしきい値電圧を制御しうる。p++
拡散層領域7は隣接する画素間の接合分離を行う。実際
の駆動では、ポリシリコン電極9に例えば10Vの高い
電圧を印加して、光電変換部中に蓄積された電子を垂直
CCDに全て移す。次にポリシリコン電極9に例えば0
Vと−10Vの電圧を交互に印加することで、垂直CC
D部内の信号電荷を順次を転送させる。
【0005】ポリシリコン電極9は、ポリシリコン酸化
膜10により電気的に絶縁されている。また、その上部
にはCVD膜等からなる層間絶縁膜11が形成され、ア
ルミニウム配線との絶縁を行っている。固体撮像装置の
場合、そのアルミニウム配線は遮光膜を兼ねている。ア
ルミニウム膜12は垂直CCD部(ポリシリコン電極
9)の上部に位置することにより、垂直CCD部への光
の入射を防止している。このように、従来の固体撮像装
置では、垂直CCD部の埋め込みチャネルの周囲にp型
拡散層領域5を形成することにより基板側から電子が侵
入するのを防ぐことができる。また、ポリシリコン電極
9の上部にアルミニウム膜12を形成することにより余
分な光の入射を防いで、スミアの発生を抑制している。
【0006】一方、ポリシリコン酸化膜10と層間絶縁
膜11の一部にコンタクト窓14を形成する。各々のポ
リシリコン電極9をアルミニウム配線により裏打ちす
る。これによって、固体撮像装置の駆動スピードの高速
化が図れる。固体撮像装置で用いられる駆動パルスは光
電変換部のポリシリコン電極9の両端部から印加する。
このため、光電変換部の中央部では信号パルスの波形が
変化しやすい。よって、その領域での転送効率が低下す
る。このため、光電変換部の中央部に印加すべき駆動パ
ルスの波形を改善させることで、転送効率を低下させる
ことがないと報告されている。従って、アルミニウム配
線による裏打ちを行うことで、ポリシリコン電極9の抵
抗や寄生容量が原因となる駆動パルスの波形の変形を抑
制でき、転送効率を高めることができる点において、有
効であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の構成では、ポリシリコン電極9とアルミニウ
ム配線とのコンタクト窓14の底部では、低い仕事関数
値をもつポリシリコンに高い仕事関数をもつアルミニウ
ム膜が接触し、共晶が形成される。この時、ポリシリコ
ン電極9はアルミニウム膜の高い仕事関数の影響を受け
て、そのコンタクト窓14ではその仕事関数が高くな
る。ここでは固体撮像装置には、埋め込みチャネル構造
の垂直CCD部を用いている。このため、ポリシリコン
電極9の仕事関数の値が変化すると、埋め込みチャネル
自体のポテンシャルの深さが変化してしまう。すなわち
ポリシリコン電極9とアルミニウム配線とで共晶が形成
されると、コンタクト窓14の下に形成される埋め込み
チャネルのポテンシャルの深さが浅くなる。これによっ
て、転送効率が劣化したり、転送することのできる電荷
量の最大量が減少する。特に、低照度の環境で用いる場
合には、固体撮像装置の画像が見えにくくなってしま
う。
【0008】また、アルミニウム膜の裏打ちをせずに、
ポリシリコン電極9のリンのドーピング量を増大させて
低抵抗化し、転送の高速化を行うことが考えられる。し
かし、ポリシリコン酸化膜10を低抵抗のポリシリコン
電極9を酸化して形成しようとすると、低抵抗のポリシ
リコン電極9は増速酸化され、結果的に形成されるポリ
シリコン酸化膜10の膜厚が厚くなる。すなわち、拡散
工程において、1層目のポリシリコン電極9の第二ゲー
ト酸化膜となるポリシリコン酸化膜10が厚くなる。こ
のため、1層目のポリシリコン電極9と2層目のポリシ
リコン電極9との間隔が広がる。このように間隔が広が
ると、1層目のポリシリコン電極9から2層目のポリシ
リコン電極9までの下に形成されたCCD部にフリンジ
ング電界が作用しにくくなる。このため、1層目のポリ
シリコン電極9下に形成されたCCD部と、2層目のポ
リシリコン電極9下に形成されたCCD部との間での転
送効率が劣化する。
【0009】一方、転送効率の劣化を避けるために、第
二ゲート酸化膜となる1層目のポリシリコン酸化膜10
の膜厚を薄膜化しようとすると、上記したように従来の
ものよりリンドーピング量の多いポリシリコン膜を酸化
すると、増速酸化される。増速酸化によって形成された
酸化膜の結晶性は粗密となり、膜質が悪い。このため、
そのポリシリコン酸化膜10は、増速酸化しないものよ
り20〜30%低い絶縁耐圧を示す。従って、従来のポ
リシリコン酸化膜10と同程度の膜厚の増速酸化させた
ポリシリコン酸化膜10を用いようとすると、その絶縁
耐圧は20〜30%劣化しており、固体撮像装置の信頼
性が低下する。以上のことから、ポリシリコン膜の低抵
抗化を行い、転送速度の高速化を図る場合には、転送効
率特性と絶縁耐圧特性が二者択一的な関係を示す。すな
わち、これら両方の特性を同時に満足することは不可能
である。
【0010】また、固体撮像装置の微細化に従い、ポリ
シリコン電極9とアルミニウム配線とのコンタクト窓1
4の大きさが小さくなってきている。このため、そのコ
ンタクト窓14にスパッタ法を用いてアルミニウム膜を
埋め込む場合、形成されたアルミニウム膜のステップカ
バレージが良好でない。このため、そのコンタクト窓1
4の段差部でアルミニウム配線の膜厚が薄くなる領域が
発生する。このようなアルミニウム配線の領域では、光
が透過し、遮光膜としての効果が低減する。このよう
に、アルミニウム配線の遮光性が劣化し、そのコンタク
ト窓14の下のポリシリコン電極9及びその下の埋め込
みチャネルに光が入射し、スミア特性が劣化する。
【0011】本発明は、上記課題を解決するもので、低
照度においても高い転送効率と、良好なスミア特性を示
す固体撮像装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明の固体撮像装置は、半導体基板上に複数個の光
電変換部と、前記光電変換部はそれと隣接して第1のゲ
ート電極と第2のゲート電極が形成されており、前記第
1のゲート電極と第2のゲート電極はオーバーラップし
て形成されており、前記第1のゲート電極と前記第2の
ゲート電極と光電変換部とを組とした領域がn行m列の
マトリックス状に形成されており、ただしn,mは整数
であり、前記第1のゲート電極または第2のゲート電極
に設けられたコンタクト窓と、前記コンタクト窓を含み
前記光電変換部以外の領域で、前記第1のゲート電極と
前記第2のゲート電極とが列方向に共通して設けられ
た、少なくともシリコン膜と、高融点金属もしくは高融
点金属シリサイドでなる配線を備えている。
【0013】上記課題を解決するために本発明の固体撮
像装置は、半導体基板中に光電変換部と、前記光電変換
部で生成された電荷を転送する垂直シフトレジスタとが
形成されており、前記半導体基板上にゲート絶縁膜が形
成され、前記ゲート絶縁膜上にゲート電極が形成されて
おり、前記ゲート電極上に形成された絶縁膜にコンタク
ト窓が形成されており、前記コンタクト窓を介して、少
なくともシリコン膜と、高融点金属もしくは高融点金属
シリサイドをこの順序で形成された配線を備えている。
【0014】上記課題を解決するために本発明の固体撮
像装置の製造方法は、半導体基板上に光電変換部と垂直
シフトレジスタ部を形成し、前記垂直シフトレジスタ部
上にゲート電極を形成する工程と、前記ゲート電極の表
面を酸化して酸化膜を形成する工程と、前記酸化膜上に
絶縁膜を成長する工程と、前記酸化膜と前記絶縁膜の所
定の領域を開口しコンタクト窓を形成する工程と、少な
くともシリコン膜と高融点金属とからなる2層以上の配
線を形成し、前記配線と前記ゲート電極とを接続する工
程と、前記半導体基板上面に層間絶縁膜を堆積した後、
アルミニウム膜を堆積する工程を備えている。
【0015】
【作用】この構成により、駆動電極のポリシリコン電極
に対し、例えばポリシリコン膜と高融点金属もしくは高
融点金属シリサイドからなる2層以上の低抵抗の配線材
料で裏打ちを行うため、ポリシリコン電極の抵抗を無視
することができ、固体撮像装置の高速化が可能となる。
【0016】尚、裏打ちの2層以上からなる配線材料
は、下層がポリシリコン膜であることから、下地のポリ
シリコン電極と材料が同一となる。従って、裏打ちを行
った後もポリシリコン電極の仕事関数は全く変化せず、
その垂直CCD部及び蓄積部のポテンシャルの深さは、
他の電極と同一で変化しない。このことは、特に低照度
における高い転送効率を実現できる。また、高融点金属
膜もしくは高融点金属シリサイド膜の高い遮光性と、裏
打ちコンタクトの段差部での良好なステップカバレージ
により局所的に光の入射しやすい箇所を消滅することが
できる。このため良好なスミア値を示す。
【0017】
【実施例】以下、本発明の一実施例について、図面を参
照しながら説明する。図1は本発明を説明するための平
面構造図である。図2は図1のA−A’における断面構
造図を示している。
【0018】図1において、21は半導体基板、22は
ポリシリコン電極、23は光電変換部であるn-型拡散
層領域、24,25はパルス駆動回路、26は絶縁膜、
27はコンタクト窓、28はポリシリコン膜、29は高
融点金属である。
【0019】図1において、半導体基板21の上面にポ
リシリコン電極22がマトリックス状に形成されてい
る。ポリシリコン電極22は紙面の横方向に光電変換部
23を挟んで配置されている。ポリシリコン電極22が
横方向に隣合うポリシリコン電極22と電気的に接続さ
れている。ポリシリコン電極22の最右端と最左端には
パルス駆動回路24,25が設置されている。右端のパ
ルス駆動回路24からポリシリコン電極22が横方向に
並ぶポリシリコン電極群につながり、最後に左端のパル
ス駆動回路25につながっている。このように2つのパ
ルス駆動回路24,25を設けているのは、転送効率を
上げるためである。すなわち、もし横方向の複数個のポ
リシリコン電極22に1つのパルス駆動回路24からパ
ルスを印加すると、ポリシリコン電極22を伝搬してい
くうちにそのパルス波形がなまってくる。このため2つ
の駆動回路24,25から同一の信号を与えることで伝
搬によるパルスのなまりを防ぐことができる。パルス駆
動回路24,25からは“H(High)”、“M(M
idium)”と“L(Low)”の3つの信号電位を
発生させる。
【0020】紙面の縦方向では、ポリシリコン電極22
の縦方向に隣合うポリシリコン電極22がオーバーラッ
プして形成されている。これはポリシリコン電極22の
製造上、1つのポリシリコン電極22に対してもう1つ
のポリシリコン電極22をセルフアラインを用いて形成
する。このためポリシリコン電極22にオーバーラップ
領域が形成されている。
【0021】ポリシリコン電極22の形状は絶縁膜26
を対称線として、上部の方のポリシリコン電極22の面
積が下部のそれより大きく形成されている。これは光電
変換部23で発生した電荷をポリシリコン電極22の下
の基板内に形成された垂直CCD部に読みだすのは、絶
縁膜26を挟んで上部に形成されたポリシリコン電極2
2によって行う。このため光電変換部23で生じた電荷
をより取り出し易くするために、取り出しを行うポリシ
リコン電極22は光電変換部23のより近くに設置す
る。このような理由からポリシリコン電極22の面積が
絶縁膜26を挟んで異なっている。
【0022】ポリシリコン電極22にはコンタクト窓2
7が設けられている。コンタクト窓27は、紙面の縦方
向では、絶縁膜26を挟んで形成された上部のポリシリ
コン電極22と、下部のポリシリコン電極22を1組と
して、1つおきに形成されている。これは、この固体撮
像装置は4つのポリシリコン電極22を1つの集合とし
て、それらにパルス駆動回路24,25から所定の電位
を印加するいわゆる4相駆動型の固体撮像装置である。
この場合、コンタクト窓27が形成された部分のポリシ
リコン電極22はすべて電気的に同一電位であるので、
縦方向に連続して形成された4つのポリシリコン電極2
2の内2つは必ず同電位のものがあり、他の2つのポリ
シリコン電極22には前記2つの電位と異なり、かつ残
りの2つの電位も各々異なった電位が印加される。
【0023】また、紙面の横方向では、コンタクト窓2
7は階段状に設けられている。すなわち図の右端の領域
に形成されたコンタクト窓27は絶縁膜26を挟んで下
部の領域に形成され、その左隣のコンタクト窓27は、
隣合うポリシリコン電極22であって、かつ絶縁膜26
を挟んで上部の領域に形成されている。さらにその左隣
では、右端のポリシリコン電極22と紙面の縦方向に1
つずれた位置のポリシリコン電極22に対してコンタク
ト窓27はAを挟んだ下部の領域に形成されている。さ
らに、その左隣のコンタクト窓27は、その左隣のポリ
シリコン電極22であって、かつ絶縁膜26を挟んだ上
部の領域に形成されている。
【0024】マトリックス状に形成されたポリシリコン
電極22は、紙面に縦方向の一連のポリシリコン電極群
と、一連のコンタクト窓群を覆うようにポリシリコン膜
28と高融点金属29とで形成されている。このような
ポリシリコン膜28と高融点金属29の端部は、光電変
換部23の表面積ができるだけ大きくなるように形成さ
れる。
【0025】図2において、31は半導体基板、32は
p型ウエル、33は光電変換部であるn-型拡散層領
域、34は垂直シフトレジスタ部(以下、垂直CCD部
と記す)であるn型拡散層領域、35は垂直CCD部の
チャネルに電子が拡散するのを防ぐp型拡散層領域、3
6は光電変換部から垂直CCD部への信号電荷を読みだ
す時の読みだしポテンシャル制御を行うp+型拡散層領
域、37は垂直CCD部と隣接した光電変換部の電気的
分離を行うp++型拡散層領域、38はゲート酸化膜、3
9はポリシリコン電極、40aはポリシリコン酸化膜、
40bは絶縁膜、41は層間絶縁膜、42はアルミニウ
ム膜、43は保護膜、44はコンタクト窓、45はポリ
シリコン膜、46は高融点金属である。
【0026】次に図2を用いてさらに詳細な固体撮像装
置の構造について説明する。まず、半導体基板31にp
型ウエル32が形成されている。半導体基板31として
面方位(100)のn-型シリコン基板を用いる。半導
体基板31の不純物濃度は約1014cm-3である。p型
ウエル32の深さは約5μmである。また、p型ウエル
32の不純物濃度は約1015cm-3である。p型ウエル
32は光電変換部の不要電荷を排出するのに設けられて
いる。すなわち、半導体基板31に形成された光電変換
部では外部から入射した光によって電荷が形成され、内
部に一時的に蓄積される。その電荷が多量に発生し光電
変換部に蓄積できる電荷量より多くなると、光電変換部
から他の領域へと流入される。このような電荷は、垂直
CCD部に入ると、ブルーミングを発生させる原因とな
る。このような、ブルーミングの発生はp型ウエル32
を形成することで防止できる。p型ウエル32は零ボル
トに固定されている。このためそれらの領域内に形成さ
れるポテンシャル分布は、光電変換部で発生した電荷が
p型ウエル32を通り半導体基板31に排出される。p
型ウエル32の不純物濃度を上記の値に設定すると、こ
の固体撮像装置が動作する時に、フォトダイオードを容
易に空乏化させることができ、光電変換部での光電変換
信号量を増加させることができる。p型ウエル32の深
さは、光電変換部の深さとその両者間の耐圧によって決
定される。光電変換部の深さは、可視光領域の光が入射
した時、十分な光電変換効率を得るためには約2μm必
要である。
【0027】p型ウエル32には光電変換部となるn-
型拡散層領域33が形成される。n-型拡散層領域33
に光が入射すると、n-型拡散層領域33の空乏層内に
電子とホールのエレクトロンペアが発生する。電子は隣
接する垂直CCD部をへて信号電荷となる。ホールはp
型ウエル32を通って半導体基板31の外部に取り出さ
れる。このようにして、光電変換部は入射光を信号電荷
に変換している。また、p型ウエル32内にはp型拡散
層領域35が形成されている。p型拡散層領域35は半
導体基板1中で発生する信号のうち雑音となる電荷が垂
直CCD部へ拡散するのを防止する作用がある。ここ
で、p型拡散層領域35の拡散深さは約1μmである。
また、p型拡散層領域35の不純物濃度は1016cm-3
である。
【0028】p型拡散層領域35は垂直CCD部となる
n型拡散層領域34を囲むのに用いる。一般にこのよう
な構造をHi−C構造と呼ぶ。p型拡散層領域35の拡
散深さを熱処理により深くすると、横方向への拡散が同
時に進行する。このため、p型拡散層領域35は光電変
換部のn-型拡散層領域33にまで進入する。光電変換
部にn-型拡散層領域33が進入すると、光電変換部の
出力が低下してしまう。
【0029】垂直CCD部はn型拡散層領域34で形成
されている。垂直CCD部は光電変換部で形成された信
号電荷を所定の領域に転送するための転送領域である。
【0030】ここで、n型拡散層領域34の拡散深さは
約0.5μmである。またn型拡散層領域34の不純物
濃度は1016〜1017cm-3である。
【0031】図面では、p型拡散層領域35とn型拡散
層領域34の両端部が一致しているが、上記Hi−C構
造を実現するためには、p型拡散層領域35のほうを広
くしておくことが必要である。また光電変換部で発生し
た信号電荷を、光電変換部から垂直CCD部へ読みだす
際、光電変換部のポテンシャルより垂直CCD部のポテ
ンシャルを低くする。また、垂直CCD部に運ばれた信
号電荷が光電変換部に逆流したり、あるいは垂直CCD
部に信号電荷が存在している場合に、光電変換部で形成
された信号電荷が垂直CCD部へと流れ込まないように
する必要がある。このため、読みだし時のポテンシャル
制御を行うp+型拡散層領域36が光電変換部と垂直C
CD部との間に形成されている。光電変換部から垂直C
CD部に信号電荷が転送される場合は、p+型拡散層領
域36内のポテンシャルを光電変換部内のポテンシャル
より低く、かつ垂直CCD部のポテンシャルと同じか少
し高くなるように制御されている。垂直CCD部に信号
電荷が蓄積されると、その信号電荷が光電変換部に逆流
しないようにp+型拡散層領域36内のポテンシャルは
光電変換部内のポテンシャルより高く、かつ垂直CCD
部のポテンシャルより高くなるように制御される。
【0032】ここで、p+型拡散層領域36の拡散層深
さは約1μmである。またp+型拡散層領域36のシリ
コン基板表面での表面濃度は1016〜1017cm-3であ
る。
【0033】固体撮像装置を動作させる電圧零ボルトま
たは15Vの時に、垂直CCD部から光電変換部に電荷
が逆流するのを防止したり、あるいは光電変換部から電
荷が垂直CCD部に流入させることが必要である。この
ためそれぞれの状態で最適なポテンシャル分布をもたせ
得るしきい値電圧となるようにp+型拡散層領域36の
拡散層深さや不純物濃度は設定されている。p+型拡散
層領域36の幅は約1μm以下にするのが良い。もし、
+型拡散層領域36の幅が1μmより大きい場合に
は、トランジスタのgm特性が悪くなる。gm特性が悪
くなると、光電変換部に蓄積された信号電荷を完全に読
みだすことが不可能となる。逆にp+型拡散層領域36
の幅が約1μmより小さい場合には、ショートチャネル
効果が発生する。ショートチャネル効果によって、パン
チスルーが生じ易くなり、結果的には光電変換部の出力
値は小さくなってしまう。
【0034】固体撮像装置は光電変換部と垂直CCDが
一対となり、それがマトリックス状に形成されている。
この対と隣合う対との間を電気的に分離するためにp++
型拡散層領域37が形成されている。p++型拡散層領域
37はイオン注入により形成される。
【0035】ここで、p++型拡散層領域37の深さは約
1μmである。また、p++型拡散層領域37の表面濃度
は1017〜1018cm-3である。
【0036】p++型拡散層領域37の表面濃度は、隣接
した光電変換部上に蓄積された信号電荷が流れ込まない
ようにするのに上記範囲に設定することが必要である。
表面濃度が1017cm-3より少ない場合には、隣接した
光電変換部の信号電荷が流れ込む。また、表面濃度が1
18cm-3より多い場合には隣接したn型拡散層領域3
4にナローチャネル効果が生じる。ナローチャネル効果
が生じると垂直CCD部の転送部の容量が低下する。こ
のため、固体撮像装置のダイナミックレンジが小さくな
り、転送効率が劣化してしまう。
【0037】p++型拡散層領域37の幅は約1μm以下
にするのがよい。もし、p++型拡散層領域37の幅が1
μmより大きい場合には、転送領域が減少してしまう。
すなわち光電変換部に蓄積された信号電荷を完全に読み
出すことが不可能となる。逆にp++型拡散層領域37の
幅が1μmより小さい場合にはショートチャネル効果が
発生する。ショートチャネル効果によって隣接した光電
変換部と垂直CCD部との間にパンチスルーが生じ易く
なる。結果的には、隣接した光電変換部の情報を読み出
し、解像度が低下する。さらに光電変換部の出力が低下
してしまう。
【0038】半導体基板1上にはゲート酸化膜38が成
長されている。ゲート酸化膜38はパイロ酸化法で形成
される。ゲート酸化膜38の膜厚は約50nm以下であ
る。ゲート酸化膜38の膜厚は転送効率を上げるために
は50nm以上にしておくことが望ましい。ポリシリコ
ン電極39は減圧CVD法を用いて形成される。ポリシ
リコン電極39のシート抵抗は数10Ωである。またポ
リシリコン電極39の膜厚は約500nmである。ポリ
シリコン電極39は光電変換部で形成された信号電荷を
垂直CCD部に読み出し、転送するための高周波パルス
を印加する電極として使用される。このようにポリシリ
コン電極39はできる限り低抵抗であることが望まし
い。ポリシリコン電極39の表面には熱酸化法によって
得られたポリシリコン酸化膜40aが成長されている。
【0039】ポリシリコン酸化膜40aはパイロ酸化法
で形成されている。ポリシリコン酸化膜の膜厚は約20
0nmである。ポリシリコン酸化膜40aは、層間膜の
耐圧を確保するために形成されている。耐圧を確実に確
保するためにポリシリコン酸化膜40a上に絶縁膜40
bが形成されている。またポリシリコン電極39を形成
する時のエッチングで生じたポリシリコン膜のエッチン
グ残りによって、駆動電圧を印加した際、ポリシリコン
膜のエッチング残りを通してリークが生じる。ポリシリ
コン酸化膜40aと絶縁膜40bはこのようなリークを
防ぐために形成されている。
【0040】絶縁膜40bの表面には層間絶縁膜41が
CVD法により形成されている。層間絶縁膜41の膜厚
は約100nmである。層間絶縁膜41は上記のポリシ
リコン酸化膜40aと絶縁膜40bとともに、配線材料
となる高融点金属46とポリシリコン電極39の電気的
絶縁を行っている。印加される高周波パルスは−7Vと
0Vと+15Vであり、最大電圧差22V以上の耐圧を
もつ。また、層間絶縁膜41は段差部でのステップカバ
レージを良好にしてポリシリコン膜45と高融点金属4
6のエッチング残りを防止する必要があるため、常圧C
VD法より減圧CVD法を適用するのが適当である。
【0041】コンタクト窓44は、固体撮像装置の4相
駆動が可能なように、各々1層目のポリシリコン電極、
2層目のポリシリコン電極上に特定の領域に形成する。
コンタクト窓44の開口は、下地のポリシリコン電極3
9の約3μm×3μmに対し約1.5μm×1.5μmと
し、十分な設計的なマージンと良好なコンタクト特性を
両立させる。
【0042】コンタクト窓44を形成した後、層間絶縁
膜41上全面にリンドーピングしたポリシリコン膜45
を約100nm成長する。この時下地ポリシリコン電極
39との界面に自然酸化膜が成長しないように留意す
る。ポリシリコン成長とリンドーピング時の温度は90
0℃以下と低温で、半導体基板31中の不純物プロファ
イルはほとんど変化しない。
【0043】高融点金属46を成長する。本発明では、
CVD法で形成したタングステンシリサイド膜を用い
た。タングステンシリサイド膜の膜厚は約200nmで
ある。
【0044】タングステンシリサイド膜の光学的透過特
性から、スミア低減(タングステンシリサイド膜の遮光
特性の向上)のためには、タングステンシリサイド膜を
厚膜化することが必要であるが、後工程でのタングステ
ンシリサイド膜47の加工を考え、その膜厚は200n
mとした。200nmの膜厚で透過率は0.01%とな
る。CVD法で形成したタングステンシリサイド膜はス
テップカバレージが良好であるという特性より、タング
ステンシリサイド膜は前述のポリシリコン膜45と同様
に、コンタクト窓44の凹部に均一の膜厚で入り込む。
特に段差部で膜厚が薄くならず、平坦な膜の場合と同様
に高い遮光性を示す。結果的に前述した200nmでの
透過率0.01%はコンタクトの段差部で維持される。
遮光膜となる配線材料の下層はリンドーピングしたポリ
シリコン膜45を用いているため、アルミニウム膜42
を裏打ち配線材料に適用した時に起こるアルミニウムの
拡散等によるポリシリコン電極の仕事関数の変化は起こ
らない。固体撮像装置ではポリシリコンからなるゲート
電極の仕事関数が変化すると、その下部に形成される信
号電荷転送路のポテンシャル深さが変化するため、転送
効率の低下や固定パターンノイズ等の致命的な画像劣化
が発生する。
【0045】ポリシリコン膜45とタングステンシリサ
イド膜からなる配線材料を同時にエッチング除去する。
その配線幅は約4.0μmとし、ポリシリコン電極39
を覆い、ポリシリコン電極39を完全に遮光する。この
配線は画素部すなわち光電変換部の周辺部でアルミニウ
ム配線とコンタクトをとることによりタングステンシリ
サイド膜46とポリシリコン膜45への駆動パルスの印
加が可能となる。タングステンシリサイド膜の比抵抗は
リンドーピングしたポリシリコンの1/10以下の値を
示す。
【0046】今回の実施例においても、この約200n
mのタングステンシリサイド膜のシート抵抗値は約5Ω
/□となり、約400nmのポリシリコン電極39のシ
ート抵抗値(約25Ω/□)の1/5になっていること
がわかった。ポリシリコン電極39のシート抵抗値が高
いと駆動電極であるポリシリコン電極39に十分高周波
パルスが印加されず、結果として転送効率の劣化が起こ
ってしまう。特に、フレームインターライン方式等の高
周波パルス(750kHz)で転送する固体撮像装置で
は、特に転送効率の劣化が著しい。図3に実験データを
示す。縦軸は垂直CCD部の転送ゲートの両端から印加
される駆動パルスの電圧に対する固体撮像装置の中央で
のパルスの電圧との比となる出力を取っている。横軸は
そのパルスの周波数である。図中点線は、従来の固体撮
像装置でポリシリコン電極に遮光膜であるアルミニウム
膜が接続されたものである。実線は本実施例で説明した
ポリシリコン電極にポリシリコン膜と高融点金属を形成
した後、アルミニウム膜を形成したものである。従来の
固体撮像装置では0.7MHzあたりから固体撮像装置
の中央での電圧値が小さく、パルスが変形して来る。本
実施例の固体撮像装置では従来の2倍以上の周波数であ
る1.5MHz程度でもパルスの電圧が低下していない
ことが分かる。
【0047】層間絶縁膜41を従来例と同様に形成し、
アルミニウム膜42を遮光膜として画素部に、配線材料
として周辺部にパターニングして残す。タングステンシ
リサイド膜とポリシリコン電極45間のコンタクト窓4
4の凹凸は層間絶縁膜41とコンタクト窓44を埋め込
んだポリシリコン膜45及びタングステンシリサイド膜
46により平坦化されている。このためアルミニウム膜
42はほぼ平坦な下地上に形成される。
【0048】特に本発明では、CVD法によりポリシリ
コン膜45とタングステンシリサイド膜を成長している
ため、コンタクト窓44におけるステップカバレージが
良好であり、例えば、コンタクトのサイズを約1μm×
1μmにまで微細化すると、コンタクト窓44は完全に
埋め込まれ、ほぼ完全な平坦層を得ることができる。
【0049】タングステンシリサイド膜でコンタクト窓
44の埋め込みを行うと、平坦化に使用する層間絶縁膜
41を薄膜化できる。従来平坦化には約400nmの膜
厚を必要としたが、電気的な耐圧を確保(22V)する
膜厚である約200nm成長すれば良い。層間絶縁膜4
1の薄膜化は遮光膜としてのアルミニウム膜42とタン
グステンシリサイド膜の距離を近づけるので、斜め方向
からタングステンシリサイド膜に入射する光を低減する
ことが可能となり、スミアが減少する。また、アルミニ
ウム膜42は平坦な下地上に成長するため段差部でのク
ラック等の発生がない。アルミニウム膜42はその本来
の特性である高い遮光性を示し、光を全く透過しない。
すなわち、タングステンシリサイド膜とアルミニウム膜
42の2層遮光構造を採用することにより、スミアを大
幅に低減できる。
【0050】以上のように本実施例は、ポリシリコン酸
化膜40a及びCVD法等で成長した絶縁膜40bの所
望の領域にコンタクト窓44を形成した後、シリコン膜
例えばポリシリコン膜と高融点金属もしくは高融点金属
シリサイド膜からなる2層以上の配線材料で、駆動電極
のポリシリコン電極39とコンタクトをとる。そして電
気的抵抗値の低い高融点金属でポリシリコン電極39の
裏打ちを行なう。さらに、2層以上の光学的透過率の低
い配線材料で駆動電極のポリシリコン電極39を完全に
覆うことにより、垂直CCD部への光の入射を抑制す
る。
【0051】またこの構成により、駆動電極のポリシリ
コン電極39に対し、例えばポリシリコン膜45と高融
点金属46もしくは高融点金属シリサイド膜からなる2
層以上の低抵抗の配線材料で裏打ちを行うためポリシリ
コン電極39の抵抗を無視することができ、固体撮像装
置の高速化が可能となる。
【0052】裏打ちのための2層以上からなる配線材料
は、下層がポリシリコン膜45であることから、下地の
ポリシリコン電極39と材料が同一となる。従って、ア
ルミニウム膜42で裏打ちを行った時に、アルミニウム
が拡散し、ポリシリコン電極39の仕事関数を変化させ
ることがない。これにより垂直CCD部及び蓄積部下の
信号電荷転送路のポテンシャル深さは変化せず、一定の
ままである。これは、特に低照度における信号電荷の転
送効率を高くすることができる。また、高融点金属膜4
6もしくは高融点金属シリサイド膜の高い遮光性と、裏
打ちコンタクト窓44での良好なステップカバレージに
より局所的に光の入射し易い箇所を消滅することが可能
となり、良好なスミア値を示す。以上の特性改善におい
て、本発明は高い転送効率と低スミアの固体撮像装置を
実現することができる。
【0053】上記構造を採用することにより、フレーム
インターライン式の固体撮像装置の垂直CCD部の駆動
周波数である750kHzにおいて、低照度転送効率は
従来の85%から95%に、スミアは0.1%から0.0
1%に改善することができる。
【0054】尚、本発明では、高融点金属46としてタ
ングステンシリサイド膜を使用したが、例えば、より遮
光性の高いモリブデンシリサイド膜やタングステン膜を
使用することによりスミア特性を向上させることができ
る。
【0055】同様に本発明では、高融点金属46からな
る配線材料の下層に酸化膜系の絶縁膜を使用したが、例
えば絶縁性の高いシリコン窒化膜により膜厚の薄膜化を
行い、スミアを低減することも可能である。
【0056】また、この構造は、フレームインターライ
ン転送方式の固体撮像装置は勿論、インターライン転送
方式の固体撮像装置においても、同様の効果を得ること
ができる。なぜなら、フレームインターラインCCD方
式は、上記したインターライン方式の固体撮像装置に新
たに蓄積部を設けた構造になっている。すなわち撮像部
(光電変換部と垂直CCD部の両方をまとめて)と蓄積
部と水平CCD部とからなる。このようにフレームイン
ターライン方式はインターライン方式と比べて各素子の
配置上の相違はあるものの、ここで説明した本実施例を
用いて垂直CCD部を構成すれば同様の効果を得ること
は言うまでもない。
【0057】以下、本発明の製造方法について図4〜図
10を参照しながら説明する。まず、先ほど述べた従来
の固体撮像装置と同様に、n型半導体基板51の主表面
上に約100nmの熱酸化膜52を形成する。熱酸化膜
52を通して半導体基板51全面上にボロンイオンを注
入する。この後、熱処理を行ってp型ウエル53を形成
する。また熱処理は、窒素雰囲気中で熱処理温度110
0℃以上で数時間行う。この熱処理によってイオン注入
されたボロンイオンを活性化させる(図4)。
【0058】次に、半導体基板51上にフォトレジスト
を塗布する(図示せず)。光電変換部を形成するn-
拡散層領域54を露光・現像してレジストパターンを形
成する。このレジストパターンをマスクにリンイオンを
注入する。この時のイオン注入条件は、加速電圧が数1
00keV、注入量が約1012cm-2で行う。この後、
熱処理を窒素雰囲気中で行う。これによってn-型拡散
層領域54の注入深さは約2μmとなる。このようにし
てp型ウエル53の所定領域に光電変換部となるn-
拡散層領域54が形成される。次に半導体基板51上の
レジストを除去し、再度半導体基板51上にフォトレジ
ストを塗布する(図示せず)。p型拡散層領域55を露
光・現像してレジストパターンを形成する。このレジス
トパターンをマスクにボロンイオンを注入する。
【0059】この時のイオン注入条件は、加速電圧が約
100keV、注入量が1012cm -2で行う。これによ
ってp型拡散層領域55の拡散深さは最終的に約1μm
となる。
【0060】このようにしてp型ウエル53に半導体基
板51中で発生する雑音となる電荷が垂直CCD部へ拡
散するのを防止するp型拡散層領域55が形成される。
さらに同レジストパターンをマスクにしてリンイオンを
注入する。この時のイオン注入条件は、加速電圧が約1
00keV、注入量が1012cm-2で行う。これにより
n型拡散層領域56の拡散深さは約0.5μmとなる。
このようにして垂直CCD部であるn型拡散層領域56
が形成される(図5)。
【0061】次に半導体基板51上のフォトレジストを
除去し、再度半導体基板51にフォトレジストを塗布す
る(図示せず)。p+型拡散層領域57を露光・現像し
てレジストパターンを形成する。このレジストパターン
をマスクにボロンイオンを注入する。
【0062】この時のイオン注入の条件は、加速電圧が
数100keV、注入量が1012cm-2である。これに
よりp+型拡散層領域57の注入深さは約1μmとな
る。このような条件で注入することで、光電変換部と垂
直CCD部との間のしきい値電圧を制御することができ
る。このようにして光電変換部で発生した信号電荷を、
光電変換部から垂直CCD部に読み出す際、読み出すた
めのポテンシャルの制御を行なうp+型拡散層領域57
が光電変換部と垂直CCD部との間に形成されている。
【0063】次に半導体基板51上のフォトレジストを
除去し、再度半導体基板51上にフォトレジストを塗布
する(図示せず)。p++型拡散層領域58を露光・現像
してレジストパターンを形成する。このレジストパター
ンにボロンイオンを注入する。
【0064】このときのイオン注入条件は、加速電圧が
数10keV、注入量が約1013cm-2で行う。これに
よってp++型拡散層領域58の注入深さは約1μmとな
る。
【0065】p++型拡散層領域58は隣の素子との分離
を行うので動作時に印加される電圧で導通してしまわな
いよう、しきい値電圧を高くする。この目的でp++型拡
散層領域58の不純物濃度を比較的高めに設定してい
る。特にp+型拡散層領域57の不純物濃度より高くし
ておけば良い(図6)。
【0066】次にゲート酸化膜59をパイロ酸化法によ
り約50nm成長する。ポリシリコン膜を減圧CVD法
により約500nm成長し、リンドーピングによりその
シート抵抗を約10Ωにする。このようにして従来と同
様の構造をもつポリシリコン電極60を形成する。この
後、ポリシリコン酸化膜61を約200nm熱酸化によ
り成長する。そのポリシリコン酸化膜61のピンホール
等が原因となって発生する電気的耐圧の低下を防止する
ため、減圧CVD法でシリコン酸化膜系の絶縁膜62を
約100nm堆積する。ポリシリコン酸化膜61は固相
リークを防止するために膜厚を200nmにしている。
またシリコン酸化膜系の絶縁膜62としてここではTE
OSガスを用いたシリコン酸化膜を堆積させた。シリコ
ン酸化膜系の絶縁膜62の膜厚を100nmにすると、
その耐圧を30V以上とすることができる(図7)。
【0067】尚、耐圧対策として段差部でのステップカ
バレージを良好にすることが必要なため、絶縁膜の成長
方法は常圧CVD法より減圧CVD法を適用するのが妥
当である。マスク合わせ、エッチング工程を行い、コン
タクト窓63を形成する。コンタクト窓63は、固体撮
像装置の4相駆動動作が可能なように、各々1層目のポ
リシリコン電極、2層目のポリシリコン電極上の所望の
領域に形成する。
【0068】コンタクト窓63形成後、リンドーピング
したポリシリコン膜64を約100nm成長する。この
とき下地ポリシリコン電極60との界面に自然酸化膜が
成長しないように留意する。ポリシリコン膜64の膜厚
を100nmにしたのは、ポリシリコン膜64の膜厚を
さらに薄くすると、後の工程で堆積するタングステンシ
リサイド膜65の応力によってハガレが生じてしまうの
を防ぐためである。
【0069】尚、このポリシリコン成長とリンドーピン
グ時の温度は900℃以下と低温で、シリコン基板中の
拡散層の不純物プロファイルはほとんど変化しない。も
し不純物プロファイルが熱によって拡散、変化すると、
固体撮像装置の読みだし特性や飽和出力値が低下する原
因となる。
【0070】次にCVD法により例えばタングステンシ
リサイド膜65を約200nm成長する。具体的には6
フッ化タングステンガスと水素ガスとの還元反応によっ
て得られる(図8)。
【0071】CVD法ではステップカバレージが良好で
あるという特性より、タングステンシリサイド膜65は
先ほどのポリシリコン膜64と同様に、コンタクト窓6
3の凹部に均一に入り込む。特に段差部で膜厚が薄くな
らず、平坦な膜の場合と同様に高い遮光性を示す。
【0072】次に、ポリシリコン膜64とタングステン
シリサイド膜65からなる配線材料を同時にフッ素ガス
系のエッチングガスを用いてエッチング除去し、所望の
配線パターンに加工する(図9)。
【0073】そして、層間絶縁膜66を従来例と同様に
形成し、アルミニウム膜67を遮光膜として、垂直CC
D部及び電荷蓄積部の上部にパターニングして残す。最
後に、保護膜68を基板全面に形成する(図10)。
【0074】尚、本発明では、高融点金属としてタング
ステンシリサイド膜65を使用したが、例えば、より遮
光性の高いモリブデンシリサイド膜やタングステン膜を
使用することにより、スミアに対する効果を上げること
ができる。
【0075】モリブデンシリサイド膜やタングステン膜
を使用する場合も、上記したタングステンシリサイド膜
の形成とまったく同じ方法で形成できる。
【0076】同様に、本発明では、高融点金属からなる
配線材料の下層に酸化膜系の絶縁膜を使用したが、例え
ば絶縁性の高いシリコン窒化膜により膜厚の薄膜化を行
い、スミアを低減することも可能である。
【0077】
【発明の効果】本発明によれば、駆動電極であるポリシ
リコン電極に高融点金属からなる配線材料でコンタクト
をとり、その配線材料に転送パルスを印加することによ
り、低照度における転送効率を10%以上改善し、かつ
そのシリサイド膜を遮光膜として使用することにより、
スミアを従来の1/10以下とすることが可能であり、
高い転送効率と低スミア特性の固体撮像装置を実現する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による固体撮像装置の平面図
【図2】本発明の一実施例による固体撮像装置の断面図
【図3】本発明の一実施例による固体撮像装置の転送周
波数特性を示す図
【図4】本発明の一実施例による固体撮像装置の工程順
断面図
【図5】本発明の一実施例による固体撮像装置の工程順
断面図
【図6】本発明の一実施例による固体撮像装置の工程順
断面図
【図7】本発明の一実施例による固体撮像装置の工程順
断面図
【図8】本発明の一実施例による固体撮像装置の工程順
断面図
【図9】本発明の一実施例による固体撮像装置の工程順
断面図
【図10】本発明の一実施例による固体撮像装置の工程
順断面図
【図11】従来の固体撮像装置の断面構造図を示す図
【符号の説明】
21 半導体基板 22 ポリシリコン電極 23 n-型拡散層領域 24,25 パルス駆動回路 26 絶縁膜 27 コンタクト窓 28 ポリシリコン膜 29 高融点金属

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】半導体基板上に複数個の光電変換部と、前
    記光電変換部はそれと隣接して第1のゲート電極と第2
    のゲート電極が形成されており、前記第1のゲート電極
    と第2のゲート電極はオーバーラップして形成されてお
    り、前記第1のゲート電極と前記第2のゲート電極と光
    電変換部とを組とした領域がn行m列のマトリックス状
    に形成されており(ただしn,mは整数)、前記第1の
    ゲート電極または第2のゲート電極に設けられたコンタ
    クト窓と、前記コンタクト窓を含み前記光電変換部以外
    の領域で、前記第1のゲート電極と前記第2のゲート電
    極とが列方向に共通して設けられた、少なくともシリコ
    ン膜と、高融点金属もしくは高融点金属シリサイドでな
    る配線を備えたことを特徴とする固体撮像装置。
  2. 【請求項2】前記マトリックス状に形成された、前記第
    1のゲート電極と前記第2のゲート電極と光電変換部と
    を組で、行方向に接続された、前記第1のゲート電極ま
    たは第2のゲート電極の両端にそれぞれパルス駆動回路
    が形成されていることを特徴とする請求項1記載の固体
    撮像装置。
  3. 【請求項3】コンタクト窓が、l行k列の第1のゲート
    電極または第2のゲート電極に形成されており(ただし
    l,kは整数、0<l,l+4≦n,0<k≦m)、同
    列に形成された次のコンタクト窓が(l+4)行の第1
    のゲート電極または第2のゲート電極に形成されている
    ことを特徴とする請求項2記載の固体撮像装置。
  4. 【請求項4】l行k列のコンタクト窓が形成された第1
    のゲート電極または第2のゲート電極の前記コンタクト
    窓の位置が、少なくともk+1列において、l+1行の
    位置であり、l,kは整数で、0<l,l+1≦n,0
    <k,k+1≦mであることを特徴とする請求項2記載
    の固体撮像装置。
  5. 【請求項5】前記配線が、各列の前記光電変換部以外の
    領域にある、第1のゲート電極と第2のゲート電極とを
    覆っていることを特徴とする請求項2記載の固体撮像装
    置。
  6. 【請求項6】半導体基板中に光電変換部と、前記光電変
    換部で生成された電荷を転送する垂直シフトレジスタと
    が形成されており、前記半導体基板上にゲート絶縁膜が
    形成され、前記ゲート絶縁膜上にゲート電極が形成され
    ており、前記ゲート電極上に形成された絶縁膜にコンタ
    クト窓が形成されており、前記コンタクト窓にを介し
    て、少なくともシリコン膜と、高融点金属もしくは高融
    点金属シリサイドをこの順序で形成された配線を備えた
    ことを特徴とする固体撮像装置。
  7. 【請求項7】前記配線で前記コンタクト窓を平坦化され
    ており、前記コンタクト窓上に少なくとも層間絶縁膜を
    介して第2の配線が形成されていることを特徴とする請
    求項6記載の固体撮像装置。
  8. 【請求項8】前記配線が、前記光電変換部と、前記光電
    変換部と隣合う光電変換部との間に形成された分離領域
    以外の領域上にある絶縁膜の上層に形成され、かつ前記
    ゲート電極を前記配線が覆っていることを特徴とする請
    求項6記載の固体撮像装置。
  9. 【請求項9】半導体基板上に光電変換部と垂直シフトレ
    ジスタ部を形成し、前記垂直シフトレジスタ部上にゲー
    ト電極を形成する工程と、前記ゲート電極の表面を酸化
    して酸化膜を形成する工程と、前記酸化膜上に絶縁膜を
    成長する工程と、前記酸化膜と前記絶縁膜の所定の領域
    を開口しコンタクト窓を形成する工程と、少なくともシ
    リコン膜と高融点金属とからなる2層以上の配線を形成
    し、前記配線と前記ゲート電極とを接続する工程と、前
    記半導体基板上面に層間絶縁膜を堆積した後、アルミニ
    ウム膜を堆積する工程を備えたことを特徴とする固体撮
    像装置の製造方法。
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JPH0745809A true JPH0745809A (ja) 1995-02-14

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JP5184991A Pending JPH0745809A (ja) 1993-07-27 1993-07-27 固体撮像装置及びその製造方法

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JP (1) JPH0745809A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5395443A (en) * 1992-07-14 1995-03-07 Pelt & Hooykass B.V. Method for preparing a cement base material, together with a cement composition containing this base material

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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