JPH0745159A - 平滑配線回路基板及びその製造方法 - Google Patents
平滑配線回路基板及びその製造方法Info
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- JPH0745159A JPH0745159A JP20821893A JP20821893A JPH0745159A JP H0745159 A JPH0745159 A JP H0745159A JP 20821893 A JP20821893 A JP 20821893A JP 20821893 A JP20821893 A JP 20821893A JP H0745159 A JPH0745159 A JP H0745159A
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- Japan
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- adhesive layer
- conductive pattern
- pattern portion
- substrate
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- H—ELECTRICITY
- H05—ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- H05K—PRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
- H05K3/00—Apparatus or processes for manufacturing printed circuits
- H05K3/10—Apparatus or processes for manufacturing printed circuits in which conductive material is applied to the insulating support in such a manner as to form the desired conductive pattern
- H05K3/20—Apparatus or processes for manufacturing printed circuits in which conductive material is applied to the insulating support in such a manner as to form the desired conductive pattern by affixing prefabricated conductor pattern
-
- H—ELECTRICITY
- H05—ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- H05K—PRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
- H05K3/00—Apparatus or processes for manufacturing printed circuits
- H05K3/38—Improvement of the adhesion between the insulating substrate and the metal
- H05K3/386—Improvement of the adhesion between the insulating substrate and the metal by the use of an organic polymeric bonding layer, e.g. adhesive
Landscapes
- Manufacturing Of Printed Wiring (AREA)
- Manufacture Of Switches (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明は、スライドスイッチ等のスイッチ基
板に使用するプリント配線板において、安定したスイッ
チ特性が得られるようスイッチの接点となる導電パター
ン部を円滑・良好に埋設した平滑配線回路基板を提供す
ることにある。 【構成】 非結晶状態の絶縁基板aに、熱硬化性の樹脂
を用いてBステージ状態の接着層13を形成し、この接
着層13に、フイルム状の一時的基板15にスクリーン
印刷等によって形成した導電パターン部14を接着転写
し、つづいて、絶縁基板aを結晶化温度で結晶化処理す
ると同時に、接着転写した導電パターン部14を、加圧
手段によりBステージ状態の接着層13にその表面と同
一平面となるように加圧熱処理して平滑化し、前記接着
層13を、絶縁基板aの結晶化処理と並行して加熱硬化
させ、結晶化処理した絶縁基板bと一体化させて平滑配
線回路基板12を得るようにしたことを特徴とする。
板に使用するプリント配線板において、安定したスイッ
チ特性が得られるようスイッチの接点となる導電パター
ン部を円滑・良好に埋設した平滑配線回路基板を提供す
ることにある。 【構成】 非結晶状態の絶縁基板aに、熱硬化性の樹脂
を用いてBステージ状態の接着層13を形成し、この接
着層13に、フイルム状の一時的基板15にスクリーン
印刷等によって形成した導電パターン部14を接着転写
し、つづいて、絶縁基板aを結晶化温度で結晶化処理す
ると同時に、接着転写した導電パターン部14を、加圧
手段によりBステージ状態の接着層13にその表面と同
一平面となるように加圧熱処理して平滑化し、前記接着
層13を、絶縁基板aの結晶化処理と並行して加熱硬化
させ、結晶化処理した絶縁基板bと一体化させて平滑配
線回路基板12を得るようにしたことを特徴とする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えばスイッチの接点
となる導電パターン部の耐摩耗性を極力向上させた平滑
配線回路基板と、この平滑配線回路基板を従前のリジッ
ト、あるいは、フレキシブル配線板の製造設備を有効利
用して迅速・確実に製造することができるようにした平
滑配線回路基板の製造方法に関する。
となる導電パターン部の耐摩耗性を極力向上させた平滑
配線回路基板と、この平滑配線回路基板を従前のリジッ
ト、あるいは、フレキシブル配線板の製造設備を有効利
用して迅速・確実に製造することができるようにした平
滑配線回路基板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、一般に実用化されているプリント
配線板は、ガラス基材を補強材としたエポキシ樹脂等か
らなる熱硬化性の基板が、大部分使用されている関係
上、基板の表面と該基板上に形成した導電パターン部と
の間では、パターン部の導体厚分だけ基板との間で段差
が生じるため、このプリント配線板を例えば、スライド
スイッチ等の配線基板として使用するには、摺動子の摺
動感触が良好でない問題があった。
配線板は、ガラス基材を補強材としたエポキシ樹脂等か
らなる熱硬化性の基板が、大部分使用されている関係
上、基板の表面と該基板上に形成した導電パターン部と
の間では、パターン部の導体厚分だけ基板との間で段差
が生じるため、このプリント配線板を例えば、スライド
スイッチ等の配線基板として使用するには、摺動子の摺
動感触が良好でない問題があった。
【0003】前記の実施例を図6によって具体的に説明
すると、図6において、1は従来のプリント配線板を使
用した例えば、スライドスイッチの概略構造を示すもの
で、図中2はガラス基材に例えば、エポキシ樹脂を充填
したエポキシ樹脂製のスイッチ基板、3はスイッチ基板
2上に形成した複数の導電パターン部、4は複数の導電
パターン部3と所定の間隔を空けて平行に形成した1条
の導電パターン部、5,6は両導電パターン部3,4上
を摺動移動する摺動子で、7は前記摺動子5,6間を接
続するリード線である。又、8は複数の導電パターン部
3と個別に接続されてスイッチ基板2に設けた外部への
信号引出用のランドで、9は該ランド8に穿孔したリー
ド線挿入用の孔部である。そして、前記導体パターン部
3,4は、図7で示すように、スイッチ基板2上に突出
した状態、即ち、段差を有して形成されている。更に、
前記導電パターン部3,4は摺動子5,6との摺接によ
り摩耗するのを防ぐ上から、金,ニッケル等の貴金属メ
ッキが所定の厚さで形成されている。
すると、図6において、1は従来のプリント配線板を使
用した例えば、スライドスイッチの概略構造を示すもの
で、図中2はガラス基材に例えば、エポキシ樹脂を充填
したエポキシ樹脂製のスイッチ基板、3はスイッチ基板
2上に形成した複数の導電パターン部、4は複数の導電
パターン部3と所定の間隔を空けて平行に形成した1条
の導電パターン部、5,6は両導電パターン部3,4上
を摺動移動する摺動子で、7は前記摺動子5,6間を接
続するリード線である。又、8は複数の導電パターン部
3と個別に接続されてスイッチ基板2に設けた外部への
信号引出用のランドで、9は該ランド8に穿孔したリー
ド線挿入用の孔部である。そして、前記導体パターン部
3,4は、図7で示すように、スイッチ基板2上に突出
した状態、即ち、段差を有して形成されている。更に、
前記導電パターン部3,4は摺動子5,6との摺接によ
り摩耗するのを防ぐ上から、金,ニッケル等の貴金属メ
ッキが所定の厚さで形成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そして、前記スライド
スイッチ1を操作する場合、即ち、摺動子5,6を所定
の導電パターン部3,4の位置まで移動させてスライド
スイッチ1の切換を行う場合、前記導電パターン部3と
スイッチ基板2との間には、前記のように、導電パター
ン部3の導体厚に相当する段差が生じているため、摺動
子5はその摺動移動の都度、各導電パターン部3間に所
定の間隔で段差が形成されていることにより、各導電パ
ターン部3の角部と衝接しながら、所定の導電パターン
部3の位置まで摺動移動する結果、摺動子5の摺動感触
が良好でなく、長年月の間に摺動子5及び導電パターン
部3の耐摩耗性、耐久性が著しく損われ、摺動子5を円
滑に摺動移動させることができなくなるおそれがあっ
た。又、摺動子5は移動(切換)の都度導電パターン部
3と衝接するため、経年の間に摩耗粉が導電パターン部
3間の隙間に滞留して短絡事故等を誘発するおそれもあ
った。
スイッチ1を操作する場合、即ち、摺動子5,6を所定
の導電パターン部3,4の位置まで移動させてスライド
スイッチ1の切換を行う場合、前記導電パターン部3と
スイッチ基板2との間には、前記のように、導電パター
ン部3の導体厚に相当する段差が生じているため、摺動
子5はその摺動移動の都度、各導電パターン部3間に所
定の間隔で段差が形成されていることにより、各導電パ
ターン部3の角部と衝接しながら、所定の導電パターン
部3の位置まで摺動移動する結果、摺動子5の摺動感触
が良好でなく、長年月の間に摺動子5及び導電パターン
部3の耐摩耗性、耐久性が著しく損われ、摺動子5を円
滑に摺動移動させることができなくなるおそれがあっ
た。又、摺動子5は移動(切換)の都度導電パターン部
3と衝接するため、経年の間に摩耗粉が導電パターン部
3間の隙間に滞留して短絡事故等を誘発するおそれもあ
った。
【0005】又、前記の問題に鑑み、導電パターン部3
に貴金属メッキを施し、この導電パターン部3をプレス
等によってスイッチ基板2方向に押圧して該基板2内に
埋め込むことも考えられるが、前記スイッチ基板2を熱
硬化性の樹脂材料で製作した基板を使用した場合、材料
自体が熱硬化性であると、導電パターン部3を基板2表
面と平滑させて埋込むことが難しく、しかも、スイッチ
基板2として使用中にメッキ部分が遊離して浮上するこ
とがあり、この結果、導電パターン部3自体に段差が生
じ、安定したスイッチ特性を持続させることが困難であ
った。又、導電パターン部3の形成に際しては、スイッ
チ基板2に銅箔をラミネート処理し、次に導体パターン
部3を形成するためにエッチングレジストを銅箔上に印
刷し、つづいて、エッチング液によりエッチング処理を
行い、前記エッチングレジストで印刷されていない部分
の銅箔を除去して、導電パターン部3を形成していたの
で、その製作工程に手間がかかり、平滑配線回路基板の
生産性を阻害する大きな要因ともなっていた。
に貴金属メッキを施し、この導電パターン部3をプレス
等によってスイッチ基板2方向に押圧して該基板2内に
埋め込むことも考えられるが、前記スイッチ基板2を熱
硬化性の樹脂材料で製作した基板を使用した場合、材料
自体が熱硬化性であると、導電パターン部3を基板2表
面と平滑させて埋込むことが難しく、しかも、スイッチ
基板2として使用中にメッキ部分が遊離して浮上するこ
とがあり、この結果、導電パターン部3自体に段差が生
じ、安定したスイッチ特性を持続させることが困難であ
った。又、導電パターン部3の形成に際しては、スイッ
チ基板2に銅箔をラミネート処理し、次に導体パターン
部3を形成するためにエッチングレジストを銅箔上に印
刷し、つづいて、エッチング液によりエッチング処理を
行い、前記エッチングレジストで印刷されていない部分
の銅箔を除去して、導電パターン部3を形成していたの
で、その製作工程に手間がかかり、平滑配線回路基板の
生産性を阻害する大きな要因ともなっていた。
【0006】本発明は、前記の問題点に鑑み、特殊加工
を施した偏平な絶縁基板上に、別工程で導電パターン部
をスクリーン印刷等によって形成した樹脂等可撓性を有
するフイルム状の一時的基板を接着転写させ、この状態
で、前記導電パターン部をプレス等により押圧処理し、
前記絶縁基板との間で段差を生じさせることなく平滑化
処理させることにより、平滑機能に優れた平滑配線回路
基板と、その回路基板の製造方法を提供することにあ
る。
を施した偏平な絶縁基板上に、別工程で導電パターン部
をスクリーン印刷等によって形成した樹脂等可撓性を有
するフイルム状の一時的基板を接着転写させ、この状態
で、前記導電パターン部をプレス等により押圧処理し、
前記絶縁基板との間で段差を生じさせることなく平滑化
処理させることにより、平滑機能に優れた平滑配線回路
基板と、その回路基板の製造方法を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、熱可塑性の高
粘度飽和ポリエステル樹脂に、ガラス繊維及び無機フィ
ラーを充填複合して、これをシート状に押出し成形加工
した非結晶の絶縁基板に、その結晶化前、即ち、非結晶
の状態で熱硬化性の接着シート又は接着剤をBステージ
状態(半硬化)で貼着する等して接着層を形成する。一
方、離型性及び耐溶剤性に優れたフイルムよりなる一時
的基板上には、該基板をアニール処理及びヌレ性処理を
施した後、カーボンインクを用いてスクリーン印刷法に
より、所定形状の導電パターン部を、所定の厚さで印刷
処理を行い形成する。つづいて、前記絶縁基板に設けた
接着層上に導電パターン部を形成したフイルム状の一時
的基板を反転して被せ、該基板に設けた導電パターン部
を前記接着層に転写(接着転写)し、このあと、更に、
絶縁基板を結晶化温度で結晶化させると同時に、前記導
電パターン部を形成した一時的基板をプレス等の加圧手
段にて押圧し、導電パターン部を接着層に埋込むことに
より、導電パターン部の平滑化処理を行う。
粘度飽和ポリエステル樹脂に、ガラス繊維及び無機フィ
ラーを充填複合して、これをシート状に押出し成形加工
した非結晶の絶縁基板に、その結晶化前、即ち、非結晶
の状態で熱硬化性の接着シート又は接着剤をBステージ
状態(半硬化)で貼着する等して接着層を形成する。一
方、離型性及び耐溶剤性に優れたフイルムよりなる一時
的基板上には、該基板をアニール処理及びヌレ性処理を
施した後、カーボンインクを用いてスクリーン印刷法に
より、所定形状の導電パターン部を、所定の厚さで印刷
処理を行い形成する。つづいて、前記絶縁基板に設けた
接着層上に導電パターン部を形成したフイルム状の一時
的基板を反転して被せ、該基板に設けた導電パターン部
を前記接着層に転写(接着転写)し、このあと、更に、
絶縁基板を結晶化温度で結晶化させると同時に、前記導
電パターン部を形成した一時的基板をプレス等の加圧手
段にて押圧し、導電パターン部を接着層に埋込むことに
より、導電パターン部の平滑化処理を行う。
【0008】又、前記平滑化処理においては、転写処理
後に一時的基板自体を押圧して導電パターン部の平滑化
をはかる代りに導電パターンの形成後、フイルム状の一
時的基板を絶縁基板上から除去し、前記接着層に転写し
た導体パターン部にステンレス製の鏡面板等平滑化処理
用の成形治具をセットし、この成形治具をプレス等の加
圧手段により加圧して前記導体パターン部を接着層に埋
込んで平滑化処理を行う。
後に一時的基板自体を押圧して導電パターン部の平滑化
をはかる代りに導電パターンの形成後、フイルム状の一
時的基板を絶縁基板上から除去し、前記接着層に転写し
た導体パターン部にステンレス製の鏡面板等平滑化処理
用の成形治具をセットし、この成形治具をプレス等の加
圧手段により加圧して前記導体パターン部を接着層に埋
込んで平滑化処理を行う。
【0009】
【作用】本発明においては、非結晶の絶縁基板上に導体
パターン部を形成する場合、フイルムの一時的基板に所
定形状の導体パターン部を公知の印刷法により事前に形
成しておき、この導体パターン部を前記絶縁基板上に設
けたBステージ状態の接着層の上に接着転写して形成す
るようにしたので、導体パターン部は事前に製作してお
くことができ、しかも、印刷法の採用により転写が可能
となる結果、その製作工程を極力低減することが可能と
なり、この種配線回路基板の導電パターン部が簡易に製
作することができるとともに、その製作コストを大幅に
低減することができる。
パターン部を形成する場合、フイルムの一時的基板に所
定形状の導体パターン部を公知の印刷法により事前に形
成しておき、この導体パターン部を前記絶縁基板上に設
けたBステージ状態の接着層の上に接着転写して形成す
るようにしたので、導体パターン部は事前に製作してお
くことができ、しかも、印刷法の採用により転写が可能
となる結果、その製作工程を極力低減することが可能と
なり、この種配線回路基板の導電パターン部が簡易に製
作することができるとともに、その製作コストを大幅に
低減することができる。
【0010】又、本発明においては、接着層に転写した
導電パターン部が、Bステージ状態の接着層にて移動不
能に接着保持されているので、その平滑化処理時導電パ
ターン部は横滑り等を起すことなく、円滑・良好に平滑
化することができるとともに、前記平滑化処理にあたっ
ては、絶縁基板の結晶化処理と並行して行う関係上、前
記絶縁基板が結晶化の途中においては柔軟性に富んでい
るため、各導電パターン部の肉厚に変化が生じていて
も、その変化分は前記絶縁基板が結晶化する際、容易に
吸収することができるので、各導電パターン部はBステ
ージ状態から固化した接着層と同一平面をなして平滑に
埋込むことができる。この結果、本発明の平滑配線回路
基板を、例えば、スライドスイッチのスイッチ基板とし
て使用した場合、摺動子を前記接着層と各導体パターン
部上との差異を生じさせることなく、円滑・良好にスラ
イドさせることができ、スイッチ特性を長期にわたり安
定した状態で維持することができる。
導電パターン部が、Bステージ状態の接着層にて移動不
能に接着保持されているので、その平滑化処理時導電パ
ターン部は横滑り等を起すことなく、円滑・良好に平滑
化することができるとともに、前記平滑化処理にあたっ
ては、絶縁基板の結晶化処理と並行して行う関係上、前
記絶縁基板が結晶化の途中においては柔軟性に富んでい
るため、各導電パターン部の肉厚に変化が生じていて
も、その変化分は前記絶縁基板が結晶化する際、容易に
吸収することができるので、各導電パターン部はBステ
ージ状態から固化した接着層と同一平面をなして平滑に
埋込むことができる。この結果、本発明の平滑配線回路
基板を、例えば、スライドスイッチのスイッチ基板とし
て使用した場合、摺動子を前記接着層と各導体パターン
部上との差異を生じさせることなく、円滑・良好にスラ
イドさせることができ、スイッチ特性を長期にわたり安
定した状態で維持することができる。
【0011】
【実施例】以下、本発明の実施例を図1,2によって説
明する。最初に、本発明の平滑配線回路基板に使用する
絶縁基板について説明する。前記絶縁基板は、熱可塑性
の高粘度飽和ポリエステル樹脂に、ガラス繊維と無機フ
ィラーとを充填複合し、これを所要の厚さ(例えば、約
0.5〜1mm)でシート状に押出し成形することによ
って形成し、この絶縁基板は、例えば、ユニチカ株式会
社で開発された電気絶縁材料で、商品名「ユニレート」
がこれに該当する。この絶縁基板はシート状に押出成形
された時点では非結晶状態にあるため弾力性及び柔軟性
に優れ、又、所定の結晶化温度で加熱すると、結晶化さ
れて一定の形状(本実施例では偏平状)を恒久的に、か
つ、弾力性を少なからず具備して形成されている。
明する。最初に、本発明の平滑配線回路基板に使用する
絶縁基板について説明する。前記絶縁基板は、熱可塑性
の高粘度飽和ポリエステル樹脂に、ガラス繊維と無機フ
ィラーとを充填複合し、これを所要の厚さ(例えば、約
0.5〜1mm)でシート状に押出し成形することによ
って形成し、この絶縁基板は、例えば、ユニチカ株式会
社で開発された電気絶縁材料で、商品名「ユニレート」
がこれに該当する。この絶縁基板はシート状に押出成形
された時点では非結晶状態にあるため弾力性及び柔軟性
に優れ、又、所定の結晶化温度で加熱すると、結晶化さ
れて一定の形状(本実施例では偏平状)を恒久的に、か
つ、弾力性を少なからず具備して形成されている。
【0012】次に前記非結晶状態下の絶縁基板を使用し
て、例えば、図1に示すスライドスイッチ11に用いる
平滑配線回路基板12の構成及びその製造方法の実施例
を図2,3により説明する。最初に、図3において、前
記非結晶状態の絶縁基板a上に、130〜150℃の温
度で加熱したロールプレスのゴムローラにて約1分間に
1〜2mのスピードで加熱して柔らかくした熱硬化性の
樹脂からなる接着シートを、ロールプレスにより約10
kgf/cm2 の加圧条件下で接着させることにより、
前記絶縁基板a上に所要厚さの接着層13を形成する。
この接着層13の肉厚は別工程で製作する導電パターン
部の肉厚よりやや厚くして形成する。又、前記絶縁基板
aは非結晶状態下にあって、柔軟性に富んでいるため、
前記接着シートの加熱温度と同等の温度で加熱されてい
るため、接着シート自体は絶縁基板aと良好に接着保持
させることができる(図3の(a)参照)。
て、例えば、図1に示すスライドスイッチ11に用いる
平滑配線回路基板12の構成及びその製造方法の実施例
を図2,3により説明する。最初に、図3において、前
記非結晶状態の絶縁基板a上に、130〜150℃の温
度で加熱したロールプレスのゴムローラにて約1分間に
1〜2mのスピードで加熱して柔らかくした熱硬化性の
樹脂からなる接着シートを、ロールプレスにより約10
kgf/cm2 の加圧条件下で接着させることにより、
前記絶縁基板a上に所要厚さの接着層13を形成する。
この接着層13の肉厚は別工程で製作する導電パターン
部の肉厚よりやや厚くして形成する。又、前記絶縁基板
aは非結晶状態下にあって、柔軟性に富んでいるため、
前記接着シートの加熱温度と同等の温度で加熱されてい
るため、接着シート自体は絶縁基板aと良好に接着保持
させることができる(図3の(a)参照)。
【0013】前記接着シートを貼着して接着層13を形
成した非結晶の絶縁基板aは、約80℃の温度で20〜
24時間保持させてエージング処理を行う。このエージ
ング処理は前記接着層13をBステージ状態に維持する
ための作業工程である。
成した非結晶の絶縁基板aは、約80℃の温度で20〜
24時間保持させてエージング処理を行う。このエージ
ング処理は前記接着層13をBステージ状態に維持する
ための作業工程である。
【0014】つづいて、前記接着層13上に導電パター
ン部14を形成する場合について説明する。前記導電パ
ターン部14は、基材として離型性及び耐溶剤性に優れ
た例えば、ポリエーテルエーテルテトン等合成樹脂製の
フイルム15(以下、一時的基板という)に形成する。
そして、一時的基板15に導電パターン部14を形成す
るに先立ち一時的基板15自体の前処理を行う。この前
処理には通常アニール処理とヌレ性の確保(一時的基板
15表面の清掃処理を指す)の処理とを行う。最初にア
ニール処理は導電パターン部14を形成したとき、一時
的基板15自体が収縮して各導電パターン部14間の絶
縁距離を所定の寸法公差内に収めることができないた
め、事前に加熱・加圧処理を行うもので、本実施例に使
用する一時的基板15においては、180℃の温度で約
30分間加熱処理(アニール処理)を行なった一時的基
板15を使用している。このアニール処理を行うことに
より、一時的基板15に導電パターン部14を形成した
際、該基板15自体の収縮はほとんど生ぜず、所定の導
電パターン寸法及び絶縁距離を保って導電パターン部1
4を形成することが可能であることが試作品をテストし
た結果判明した。
ン部14を形成する場合について説明する。前記導電パ
ターン部14は、基材として離型性及び耐溶剤性に優れ
た例えば、ポリエーテルエーテルテトン等合成樹脂製の
フイルム15(以下、一時的基板という)に形成する。
そして、一時的基板15に導電パターン部14を形成す
るに先立ち一時的基板15自体の前処理を行う。この前
処理には通常アニール処理とヌレ性の確保(一時的基板
15表面の清掃処理を指す)の処理とを行う。最初にア
ニール処理は導電パターン部14を形成したとき、一時
的基板15自体が収縮して各導電パターン部14間の絶
縁距離を所定の寸法公差内に収めることができないた
め、事前に加熱・加圧処理を行うもので、本実施例に使
用する一時的基板15においては、180℃の温度で約
30分間加熱処理(アニール処理)を行なった一時的基
板15を使用している。このアニール処理を行うことに
より、一時的基板15に導電パターン部14を形成した
際、該基板15自体の収縮はほとんど生ぜず、所定の導
電パターン寸法及び絶縁距離を保って導電パターン部1
4を形成することが可能であることが試作品をテストし
た結果判明した。
【0015】次に、前記アニール処理を行なった一時的
基板15を常温まで強制的に冷却させた後、前記基板1
5表面にヌレ性を確保するために、例えば、エタノー
ル,メタノール等アルコール系の溶剤を用いて一時的基
板15上の塵埃や指紋等を除去するための清掃処理を行
う。つづいて、前記一時的基板15上に所定形状の導電
パターン部14をスクリーン印刷法により形成する。
基板15を常温まで強制的に冷却させた後、前記基板1
5表面にヌレ性を確保するために、例えば、エタノー
ル,メタノール等アルコール系の溶剤を用いて一時的基
板15上の塵埃や指紋等を除去するための清掃処理を行
う。つづいて、前記一時的基板15上に所定形状の導電
パターン部14をスクリーン印刷法により形成する。
【0016】前記のスクリーン印刷法は、前記処理を行
なった一時的基板15上において、ポリエステル等の繊
維、あるいはステンレススチール等の繊維で織ったスク
リーンを枠に張って固定し、このスクリーンの上から光
化学的方法(写真法)で版膜を作り必要な画像(導体パ
ターン部14の原形)以外のメッシュを塞ぐ。このあ
と、前記枠及び一時的基板15を印刷機にセットし、枠
内に例えば、導電性及び耐磨耗性に優れたカーボンイン
クを入れ、ヘラ状のゴムであるスキージでスクリーンの
内面を加圧摺動させると、カーボンインクは版膜のない
部分のスクリーンの目を通過して版の下に置かれた一時
的基板15の上に押し出されて所定形状の導電パターン
部14(スライドスイッチの接点)の印刷を行う。な
お、導電パターン部14の厚さは版膜の肉厚によって容
易に設定することができる(図5の(a)参照)。前記
導電パターン部14は印刷後、約100℃の温度で約1
0分間加熱してインクを半硬化させる。
なった一時的基板15上において、ポリエステル等の繊
維、あるいはステンレススチール等の繊維で織ったスク
リーンを枠に張って固定し、このスクリーンの上から光
化学的方法(写真法)で版膜を作り必要な画像(導体パ
ターン部14の原形)以外のメッシュを塞ぐ。このあ
と、前記枠及び一時的基板15を印刷機にセットし、枠
内に例えば、導電性及び耐磨耗性に優れたカーボンイン
クを入れ、ヘラ状のゴムであるスキージでスクリーンの
内面を加圧摺動させると、カーボンインクは版膜のない
部分のスクリーンの目を通過して版の下に置かれた一時
的基板15の上に押し出されて所定形状の導電パターン
部14(スライドスイッチの接点)の印刷を行う。な
お、導電パターン部14の厚さは版膜の肉厚によって容
易に設定することができる(図5の(a)参照)。前記
導電パターン部14は印刷後、約100℃の温度で約1
0分間加熱してインクを半硬化させる。
【0017】次に図1において、前記フイルム状の一時
的基板15に導電パターン14を形成したら、この一時
的基板15を図3の(b)で示すように、非結晶状態下
の絶縁基板aに形成した接着層13上に反転させて乗載
し、導電パターン部14をBステージ状態にある接着層
13に接着させる。このあと、図3の(b)で示すよう
に、絶縁基板aの下と一時的基板15の上から離型処理
を施した平板状のステンレス板16,16を当がい、こ
のステンレス板16,16をプレス等の加圧手段にて約
10分間,10kgf/cm2 で加圧するとともに、接
着層13を約120〜140℃の温度に加熱することに
よって、一時的基板15の導電パターン部14を前記接
着層13に接着転写する。
的基板15に導電パターン14を形成したら、この一時
的基板15を図3の(b)で示すように、非結晶状態下
の絶縁基板aに形成した接着層13上に反転させて乗載
し、導電パターン部14をBステージ状態にある接着層
13に接着させる。このあと、図3の(b)で示すよう
に、絶縁基板aの下と一時的基板15の上から離型処理
を施した平板状のステンレス板16,16を当がい、こ
のステンレス板16,16をプレス等の加圧手段にて約
10分間,10kgf/cm2 で加圧するとともに、接
着層13を約120〜140℃の温度に加熱することに
よって、一時的基板15の導電パターン部14を前記接
着層13に接着転写する。
【0018】前記のようにして導電パターン部14を接
着転写したら、絶縁基板aを、その結晶化温度である1
80〜190℃の温度で加熱して結晶化処理させるとと
もに、ステンレス板16,16の加圧力を50kgf/
cm2 まで増圧して約30分加圧処理し、導電パターン
部14を加熱温度の上昇によりゲル化している接着層1
3に、図3の(c)で示す如く埋込む平滑化処理を前記
結晶化処理と同時に行う。そして、前記結晶化及び平滑
化処理を終えたら、結晶化された絶縁基板bを常温まで
強制的に冷却させて離型処理を施したステンレス板1
6,16を除去し、つづいて、一時的基板15を接着層
13の上面から剥離することにより、導電パターン部1
4と接着層13とをほぼ同一平面上となした平滑配線回
路基板12を製造するものである。
着転写したら、絶縁基板aを、その結晶化温度である1
80〜190℃の温度で加熱して結晶化処理させるとと
もに、ステンレス板16,16の加圧力を50kgf/
cm2 まで増圧して約30分加圧処理し、導電パターン
部14を加熱温度の上昇によりゲル化している接着層1
3に、図3の(c)で示す如く埋込む平滑化処理を前記
結晶化処理と同時に行う。そして、前記結晶化及び平滑
化処理を終えたら、結晶化された絶縁基板bを常温まで
強制的に冷却させて離型処理を施したステンレス板1
6,16を除去し、つづいて、一時的基板15を接着層
13の上面から剥離することにより、導電パターン部1
4と接着層13とをほぼ同一平面上となした平滑配線回
路基板12を製造するものである。
【0019】前記構造の平滑配線回路基板12を本実施
例のスライドスイッチ11のスイッチ基板として使用す
る場合、前記のように、摺動子17が接触摺動する導電
パターン14(スライドスイッチの接点)と熱硬化性の
樹脂からなる接着層13は、図3の(d)で示すよう
に、ほぼ同一平面上にあり、従来のような段差がほとん
どなくなっているため、摺動子17は従前に比べて格段
に摺動感触が良好となり、スイッチ特性の向上とスライ
ドスイッチ11の長寿命化をはかることができる。又、
導電パターン部14は耐摩耗性に優れたカーボンインク
により形成されており、しかも、接着層13は熱硬化性
の樹脂によって硬度が強化してあるため、摺動子17の
接触摺動に際してその摩耗頻度を著しく低減することが
できる。
例のスライドスイッチ11のスイッチ基板として使用す
る場合、前記のように、摺動子17が接触摺動する導電
パターン14(スライドスイッチの接点)と熱硬化性の
樹脂からなる接着層13は、図3の(d)で示すよう
に、ほぼ同一平面上にあり、従来のような段差がほとん
どなくなっているため、摺動子17は従前に比べて格段
に摺動感触が良好となり、スイッチ特性の向上とスライ
ドスイッチ11の長寿命化をはかることができる。又、
導電パターン部14は耐摩耗性に優れたカーボンインク
により形成されており、しかも、接着層13は熱硬化性
の樹脂によって硬度が強化してあるため、摺動子17の
接触摺動に際してその摩耗頻度を著しく低減することが
できる。
【0020】更に、前記導電パターン14と接着層13
とがほぼ同一平面上にあると説明したのは、フイルム状
の一時的基板15を介して導電パターン部14を接着層
13に埋込む関係上、前記基板15に歪が生じていたり
すると、導電パターン部14の一部は、ほんのわずかな
がら接着層13の表面に突出する場合があるからであ
る。この場合、摺動子17と同じように指を接着層13
上に沿って移動させると、一部の導電パターン部14が
指先に感触として伝わることによって判る。そして、前
記の実施例において、摺動子17を実際に動作させて、
導電パターン部14がスイッチの接点としてどれだけ接
触摺動の使用に耐えることができるのかテストをしたと
ころ、約2000万回の摺動に対してはスイッチの接点
として十分に使用可能であることが判った。又、非結晶
状態下の絶縁基板aは、その結晶化途中において柔軟性
に富んでいるので、導電パターン部14の導体厚の大,
小及び一時的基板15に平滑性が欠けているような場合
は、接着層13に生じる歪を図3の(c),(d)で示
すように、円滑に吸収緩和して接着層13の表面を良好
に平滑化させた状態で結晶化するため、各導電パターン
部14の肉厚がある程度変化していても、本発明におい
ては、前記のように、表面を平坦状となした平滑配線回
路基板12を迅速・確実に製造することができる。
とがほぼ同一平面上にあると説明したのは、フイルム状
の一時的基板15を介して導電パターン部14を接着層
13に埋込む関係上、前記基板15に歪が生じていたり
すると、導電パターン部14の一部は、ほんのわずかな
がら接着層13の表面に突出する場合があるからであ
る。この場合、摺動子17と同じように指を接着層13
上に沿って移動させると、一部の導電パターン部14が
指先に感触として伝わることによって判る。そして、前
記の実施例において、摺動子17を実際に動作させて、
導電パターン部14がスイッチの接点としてどれだけ接
触摺動の使用に耐えることができるのかテストをしたと
ころ、約2000万回の摺動に対してはスイッチの接点
として十分に使用可能であることが判った。又、非結晶
状態下の絶縁基板aは、その結晶化途中において柔軟性
に富んでいるので、導電パターン部14の導体厚の大,
小及び一時的基板15に平滑性が欠けているような場合
は、接着層13に生じる歪を図3の(c),(d)で示
すように、円滑に吸収緩和して接着層13の表面を良好
に平滑化させた状態で結晶化するため、各導電パターン
部14の肉厚がある程度変化していても、本発明におい
ては、前記のように、表面を平坦状となした平滑配線回
路基板12を迅速・確実に製造することができる。
【0021】次に、本発明の平滑配線回路基板12の第
2の製造方法を図4,5によって説明する。この第2実
施例において、非結晶の絶縁基板a上に接着層13を形
成する工程と、フイルム状の一時的基板15に導電パタ
ーン部14を形成する工程は、前記第1実施例と同様の
工程を経て製造しているのでその説明は省略する。この
第2実施例の製造工程によって製造する平滑配線回路基
板12は、導電パターン部14を接着層13の表面と同
一水平面に形成することができるようにした点に特徴が
ある。
2の製造方法を図4,5によって説明する。この第2実
施例において、非結晶の絶縁基板a上に接着層13を形
成する工程と、フイルム状の一時的基板15に導電パタ
ーン部14を形成する工程は、前記第1実施例と同様の
工程を経て製造しているのでその説明は省略する。この
第2実施例の製造工程によって製造する平滑配線回路基
板12は、導電パターン部14を接着層13の表面と同
一水平面に形成することができるようにした点に特徴が
ある。
【0022】即ち、図5において、非結晶状態下の絶縁
基板a上に、接着層13を介して図5の(a)で示す所
定形状の導電パターン部14を形成した一時的基板15
を反転させ、前記導電パターン部14を接着層13上に
載せてBステージ状態にある接着層13に接着転写する
(図5の(b),(c)参照)。この接着転写は第1実
施例と同様に、Bステージ状態の接着層13を約120
〜140℃の温度で加熱すると同時に、プレス等の加圧
手段を用いて約10分間、10kgf/cm2で加圧す
ることにより、一時的基板15に形成した導電パターン
部14を前記接着層13に接着転写する。そして、前記
のように一時的基板15の導電パターン部14を接着転
写したら、絶縁基板a及び一時的基板15を常温まで強
制冷却し、一時的基板15のみを接着層13の上部から
剥離する。
基板a上に、接着層13を介して図5の(a)で示す所
定形状の導電パターン部14を形成した一時的基板15
を反転させ、前記導電パターン部14を接着層13上に
載せてBステージ状態にある接着層13に接着転写する
(図5の(b),(c)参照)。この接着転写は第1実
施例と同様に、Bステージ状態の接着層13を約120
〜140℃の温度で加熱すると同時に、プレス等の加圧
手段を用いて約10分間、10kgf/cm2で加圧す
ることにより、一時的基板15に形成した導電パターン
部14を前記接着層13に接着転写する。そして、前記
のように一時的基板15の導電パターン部14を接着転
写したら、絶縁基板a及び一時的基板15を常温まで強
制冷却し、一時的基板15のみを接着層13の上部から
剥離する。
【0023】この結果、導電パターン部14は接着層1
3内にその一部が埋込まれた状態で、前記接着層13に
接着保持される。なお、一時的基板15を剥離する場
合、導電パターン部14が接着層13から離脱するのを
防ぐために、前記一時的基板15は印刷性に優れ、しか
も、離型性に優れた基板を用いて導電パターン部14が
形成されており、その上、接着層13に転写した導電パ
ターン部14は、その一部が接着層13に埋込まれた状
態で接着保持されていることと相まって、一時的基板1
5の剥離は導電パターン部14に悪影響を一切与えるこ
となく、迅速・容易に剥離することができる。
3内にその一部が埋込まれた状態で、前記接着層13に
接着保持される。なお、一時的基板15を剥離する場
合、導電パターン部14が接着層13から離脱するのを
防ぐために、前記一時的基板15は印刷性に優れ、しか
も、離型性に優れた基板を用いて導電パターン部14が
形成されており、その上、接着層13に転写した導電パ
ターン部14は、その一部が接着層13に埋込まれた状
態で接着保持されていることと相まって、一時的基板1
5の剥離は導電パターン部14に悪影響を一切与えるこ
となく、迅速・容易に剥離することができる。
【0024】前記一時的基板15の剥離が完了したら、
図5の(d)で示すように、絶縁基板aの上,下方向よ
り、内側面にフッ素樹脂等からなる離型剤を塗布した板
状の成形治具、例えば、ステンレス製の鏡面板18,1
8を当接して、絶縁基板a及び接着層13を介して導電
パターン部14を、それぞれ一体的に挟持する。
図5の(d)で示すように、絶縁基板aの上,下方向よ
り、内側面にフッ素樹脂等からなる離型剤を塗布した板
状の成形治具、例えば、ステンレス製の鏡面板18,1
8を当接して、絶縁基板a及び接着層13を介して導電
パターン部14を、それぞれ一体的に挟持する。
【0025】前記の状態で、絶縁基板aを180〜19
0℃の結晶化温度で加熱して結晶化させると同時に、プ
レス等の加圧手段にて鏡面板18,18を50kgf/
cm2 の加圧力で約30分間加圧熱処理し、第1の実施
例と同様に前記導電パターン部14を接着層13に埋込
む平滑化処理を行う。前記結晶化及び平滑化処理を終え
たら、結晶化された絶縁基板bを常温まで強制的に冷却
させる。絶縁基板bが常温に戻ったら鏡面板18,18
を除去すると、図1に示すように、摺動子17が接触摺
動する導電パターン部14と接着層13は同一平面上に
あり、従来のような段差を一切なくした平滑配線回路基
板12を得ることができる。
0℃の結晶化温度で加熱して結晶化させると同時に、プ
レス等の加圧手段にて鏡面板18,18を50kgf/
cm2 の加圧力で約30分間加圧熱処理し、第1の実施
例と同様に前記導電パターン部14を接着層13に埋込
む平滑化処理を行う。前記結晶化及び平滑化処理を終え
たら、結晶化された絶縁基板bを常温まで強制的に冷却
させる。絶縁基板bが常温に戻ったら鏡面板18,18
を除去すると、図1に示すように、摺動子17が接触摺
動する導電パターン部14と接着層13は同一平面上に
あり、従来のような段差を一切なくした平滑配線回路基
板12を得ることができる。
【0026】この第2実施例においては、平滑化処理の
際、導電パターン部14に鏡面板18を直接当接させて
埋込む方式が採用されているので、導電パターン部14
は第1実施例の場合の如く、一時的基板15を介在して
の平滑化処理でないため、図1で示すように、接着層1
3の表面と同一平面上で埋込むことができる。この結
果、第2の実施例で製造した平滑配線回路基板12の表
面は、導電パターン部14と接着層13とが区別できな
いほど完全な状態で平滑されているので、この平滑配線
回路基板12をスライドスイッチ11のスイッチ基板と
して良好に使用することができる。因みに、第2実施例
の製造方法にて製造した平滑配線回路基板12の寿命テ
ストを実施したところ、約5000万回の接触摺動に十
分耐えることが判明した。即ち、第1実施例の場合に比
べ約2.5倍長く使用することが可能である。
際、導電パターン部14に鏡面板18を直接当接させて
埋込む方式が採用されているので、導電パターン部14
は第1実施例の場合の如く、一時的基板15を介在して
の平滑化処理でないため、図1で示すように、接着層1
3の表面と同一平面上で埋込むことができる。この結
果、第2の実施例で製造した平滑配線回路基板12の表
面は、導電パターン部14と接着層13とが区別できな
いほど完全な状態で平滑されているので、この平滑配線
回路基板12をスライドスイッチ11のスイッチ基板と
して良好に使用することができる。因みに、第2実施例
の製造方法にて製造した平滑配線回路基板12の寿命テ
ストを実施したところ、約5000万回の接触摺動に十
分耐えることが判明した。即ち、第1実施例の場合に比
べ約2.5倍長く使用することが可能である。
【0027】なお、前記のように、第1,第2の実施例
により説明した製造方法を用いて製造した平滑配線回路
基板12は、その最終の製造工程で所要の大きさに整形
加工したり、孔あけ加工等を行なって回路基板の製造を
終える。
により説明した製造方法を用いて製造した平滑配線回路
基板12は、その最終の製造工程で所要の大きさに整形
加工したり、孔あけ加工等を行なって回路基板の製造を
終える。
【0028】
【発明の効果】本発明は、以上説明したようにして平滑
配線回路基板を構成し、かつ、製造するようにしたの
で、次に示すような効果を有する (1)、本発明においては、スイッチの接点となる導電
パターン部を、絶縁基板上に形成したBステージ状態の
接着層に埋込んで構成したので、導電パターン部は接着
層に対して円滑・良好に埋込むことが可能となる結果、
導電パターン部の表面を接着層の表面と同一平面上にお
いて良好に一致させることができる。従って、従来のよ
うな、段差が全くなくなるので、摺動子の摺動感触は格
段に向上し、これにより、スイッチの基板としてノイズ
の発生が抑制でき、かつ、その寿命も長く維持できる
等、スイッチ基板としての平滑配線回路基板の提供が可
能となる。
配線回路基板を構成し、かつ、製造するようにしたの
で、次に示すような効果を有する (1)、本発明においては、スイッチの接点となる導電
パターン部を、絶縁基板上に形成したBステージ状態の
接着層に埋込んで構成したので、導電パターン部は接着
層に対して円滑・良好に埋込むことが可能となる結果、
導電パターン部の表面を接着層の表面と同一平面上にお
いて良好に一致させることができる。従って、従来のよ
うな、段差が全くなくなるので、摺動子の摺動感触は格
段に向上し、これにより、スイッチの基板としてノイズ
の発生が抑制でき、かつ、その寿命も長く維持できる
等、スイッチ基板としての平滑配線回路基板の提供が可
能となる。
【0029】(2)、又、本発明は、導電パターン部を
カーボンインク等耐摩耗性に優れた部材を使用し、この
導電パターン部を埋設する接着層は熱硬化性の樹脂を使
用している結果、摺動子との接触による摩耗を最小限に
食いとめることができるので、導電パターン部の摩耗に
よって本発明の平滑配線回路基板をスイッチ基板として
使用した場合の寿命を短命化することなく、長期間にわ
たり安定した状態での使用が可能となり、安定したスイ
ッチ特性を得ることができる。
カーボンインク等耐摩耗性に優れた部材を使用し、この
導電パターン部を埋設する接着層は熱硬化性の樹脂を使
用している結果、摺動子との接触による摩耗を最小限に
食いとめることができるので、導電パターン部の摩耗に
よって本発明の平滑配線回路基板をスイッチ基板として
使用した場合の寿命を短命化することなく、長期間にわ
たり安定した状態での使用が可能となり、安定したスイ
ッチ特性を得ることができる。
【0030】(3)、本発明は、平滑配線回路基板のベ
ースとなる絶縁基板と、この絶縁基板上に導電パターン
部を形成する場合、前記導電パターン部を別工程で事前
に製造しておき、平滑配線回路基板の製造に当っては、
絶縁基板に転写させることにより、前記平滑配線回路基
板に容易に導電パターン部を形成することが可能となる
結果、この種平滑配線回路基板の製造を迅速・確実に行
うことができる。
ースとなる絶縁基板と、この絶縁基板上に導電パターン
部を形成する場合、前記導電パターン部を別工程で事前
に製造しておき、平滑配線回路基板の製造に当っては、
絶縁基板に転写させることにより、前記平滑配線回路基
板に容易に導電パターン部を形成することが可能となる
結果、この種平滑配線回路基板の製造を迅速・確実に行
うことができる。
【0031】(4)、更に、本発明は、接着層を上部に
形成させた絶縁基板は、導電パターン部を接着層に埋込
む際、結晶化温度にて非結晶状態から結晶化処理を行な
っている途中であるため、非常に柔軟性に富んでおり、
導電パターン部が肉厚の差によって不揃いであるような
ときでも、前記接着層を介して肉厚の差を容易に吸収緩
和させることができるため、導電パターン部や、これを
一時的に保持しているフイルム状の基板に肉厚差が生じ
ていても、容易に導電パターン部と接着層との平滑化を
はかることができる利点もある。
形成させた絶縁基板は、導電パターン部を接着層に埋込
む際、結晶化温度にて非結晶状態から結晶化処理を行な
っている途中であるため、非常に柔軟性に富んでおり、
導電パターン部が肉厚の差によって不揃いであるような
ときでも、前記接着層を介して肉厚の差を容易に吸収緩
和させることができるため、導電パターン部や、これを
一時的に保持しているフイルム状の基板に肉厚差が生じ
ていても、容易に導電パターン部と接着層との平滑化を
はかることができる利点もある。
【図1】本発明の平滑配線回路基板の要部縦断側面図で
ある。
ある。
【図2】本発明の平滑配線回路基板の製造工程を概略的
に示すフローシート図である。
に示すフローシート図である。
【図3】(a)〜(d)は本発明の平滑配線回路基板の
製造方法の一実施例を示す説明図である。
製造方法の一実施例を示す説明図である。
【図4】本発明の平滑配線回路基板の製造方法の第2実
施例を示すフローシート図である。
施例を示すフローシート図である。
【図5】(a)〜(d)は本発明の平滑配線回路基板の
製造方法の第2実施例を概略的に示す説明図である。
製造方法の第2実施例を概略的に示す説明図である。
【図6】従来のプリント配線板をスライドスイッチのス
イッチ基板に実施した状態を示す平面図である。
イッチ基板に実施した状態を示す平面図である。
【図7】同じく従来のスイッチ基板の要部を縦断して示
す正面図である。
す正面図である。
11 スライドスイッチ 12 平滑配線回路基板 13 接着層 14 導電パターン部 15 一時的基板 17 摺動子 18 鏡面板
Claims (3)
- 【請求項1】 非結晶状態の絶縁基板上に、Bステージ
状態の接着層を形成し、この接着層に、フイルム状の一
時的基板に形成した導電パターン部を接着転写し、前記
絶縁基板の結晶化時、Bステージ状態の接着層に接着転
写した導電パターン部を接着層の表面と同一平面となる
ように埋設し、前記接着層を絶縁基板と一体的に加熱固
化するようにしたことを特徴とする平滑配線回路基板。 - 【請求項2】 非結晶状態の絶縁基板上に、熱硬化性の
樹脂シート等をBステージ状態で形成する工程と、フイ
ルム状の一時的基板には所定形状の導電パターン部をス
クリーン印刷等によって形成する工程と、前記一時的基
板に形成した導電パターン部を絶縁基板の接着層上に接
着転写する工程と、前記非結晶状態下の絶縁基板を結晶
化温度で結晶化する工程と、前記絶縁基板の結晶化時B
ステージ状態の接着層に導電パターン部を加圧手段によ
り埋設して接着層と同一平面に平滑化させる工程とを備
えたことを特徴とする平滑配線回路基板の製造方法。 - 【請求項3】 前記導電パターン部を接着層に埋設する
際、一時的基板を具備した状態、あるいは、一時的基板
の代りに鏡面板を介在させて導電パターン部を加圧熱処
理するようにしたことを特徴とする請求項2記載の平滑
配線回路基板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20821893A JPH0745159A (ja) | 1993-07-29 | 1993-07-29 | 平滑配線回路基板及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20821893A JPH0745159A (ja) | 1993-07-29 | 1993-07-29 | 平滑配線回路基板及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0745159A true JPH0745159A (ja) | 1995-02-14 |
Family
ID=16552634
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP20821893A Pending JPH0745159A (ja) | 1993-07-29 | 1993-07-29 | 平滑配線回路基板及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0745159A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101038033B1 (ko) * | 2007-08-17 | 2011-05-31 | 후지쯔 가부시끼가이샤 | 배선 기판, 배선 패턴 형성 방법 및 배선 기판의 제조 방법 |
JP2019186627A (ja) * | 2018-04-03 | 2019-10-24 | ジャパン・イーエム・ソリューションズ株式会社 | 電子機器 |
-
1993
- 1993-07-29 JP JP20821893A patent/JPH0745159A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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