JPH0745130A - 絶縁電線 - Google Patents

絶縁電線

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JPH0745130A
JPH0745130A JP18525093A JP18525093A JPH0745130A JP H0745130 A JPH0745130 A JP H0745130A JP 18525093 A JP18525093 A JP 18525093A JP 18525093 A JP18525093 A JP 18525093A JP H0745130 A JPH0745130 A JP H0745130A
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JP
Japan
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insulating layer
insulating
coating
diisocyanate
less
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Pending
Application number
JP18525093A
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English (en)
Inventor
Hironori Matsuura
裕紀 松浦
Isao Kamioka
勇夫 上岡
Yoshitaka Natsume
喜孝 夏目
Hiromitsu Kawabe
洋光 河辺
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
NipponDenso Co Ltd
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Publication date
Application filed by Sumitomo Electric Industries Ltd, NipponDenso Co Ltd filed Critical Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 異形変形された際の耐熱衝撃性にすぐれ、し
かも成形工程等において損傷し難い絶縁電線を提供す
る。 【構成】 導体上に、ガラス転移温度が180℃以上の
第1の絶縁層と、ガラス転移温度が180℃以上、引張
強さが13kg/mm2 以上で、かつ引張弾性率が270kg
/mm2 以上の第2の絶縁層とを、この順に積層した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、たとえばモータのコア
に捲き付けられる、耐加工性にすぐれた絶縁電線とその
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】近年、機
器の小型化、軽量化の傾向に伴い、モータについても、
より小型、軽量で、しかも高性能のものが要求されるよ
うになってきた。この要求に答えるには、コアのスロッ
ト内に占める絶縁電線の割合を示す占積率を向上させ
る、すなわちモータのコアにより多くの絶縁電線を捲き
付ける必要がある。
【0003】占積率を向上させる方法として、断面円形
の絶縁電線を圧延加工等によって異形変形させて角線化
し、それを整列捲きすることが考えられている。しか
し、従来使用されているポリエステル系の絶縁被膜を有
する絶縁電線を、たとえば1辺の長さが互いに等しくな
るよう2方向から圧延した角線は、耐熱衝撃性に劣り熱
衝撃(急激な温度変化)によって絶縁被膜に亀裂が発生
しやすいという問題がある。
【0004】また上記角線は、当該角線を巻き付けて形
成されたボビンを成形加工してモータを製造する際など
に、加工傷(ピンホール)が発生しやすいという問題も
ある。そして、絶縁被膜に上記のような損傷が生じる
と、レアー不良やアース不良等が発生し、モータの電気
特性に不具合を生じる。このため、角線を利用した整列
捲きによる占積率の向上技術は、未だ実用化に至ってい
ないのが現状である。
【0005】本発明は以上の事情に鑑みてなされたもの
であって、圧延加工等によって角線等に異形変形された
際の耐熱衝撃性にすぐれるとともに、モータを製造する
際の成形工程等で加工傷が多発するおそれがなく、絶縁
電線の異形変形による占積率の向上と、それにともなう
モータの小型、軽量化、高性能化を可能とする絶縁電線
を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段および作用】上記課題を解
決するため本発明者らは、熱衝撃による亀裂発生のメカ
ニズムと、絶縁被膜の物性、ならびに加工傷発生の因果
関係について、鋭意検討を行った。その結果、 a)圧延加工時の物理的衝撃により、絶縁被膜の耐熱衝
撃性が低下すること、 b)上記物理的衝撃により絶縁被膜の機械的強度が低下
するため、捲線工程時に絶縁電線同士のこすれによって
加工傷が発生しやすくなること、 c)したがって、絶縁被膜の耐熱性および機械的強度を
向上させることが、圧延加工後の耐熱衝撃性の低下防止
や、成形加工時の加工傷発生の防止に有効であること、
を見出した。
【0007】そこで、耐熱衝撃性を満足する絶縁被膜の
ガラス転移温度、ならびに、絶縁被膜に実用的な耐傷付
き性を付与しうる引張強さ、引張弾性率の範囲を特定す
べくさらに検討を行った結果、ガラス転移温度が180
℃以上、引張強さが13kg/mm2 以上で、かつ引張弾性
率が270kg/mm2 以上の絶縁被膜を使用すればよいと
の知見を得た。
【0008】しかし、このような特性を満足する絶縁被
膜を構成する材料は特殊で、入手が難しい上に高価であ
り、絶縁電線の製造コスト等の点で実用的ではなかっ
た。そこでさらに検討を行った結果、上記の特性のうち
ガラス転移温度が180℃以上であることのみを満足す
る、比較的一般的な材料からなる第1の絶縁層と、上記
の特性を全て満足する第2の絶縁層とを組み合わせると
ともに、絶縁被膜の膜厚の合計値に対する、第2の絶縁
層の膜厚の割合をある範囲内に限定すればよいことを見
出し、本発明を完成するに至った。
【0009】すなわち本発明の絶縁電線は、導体上に、
ガラス転移温度が180℃以上の第1の絶縁層と、ガラ
ス転移温度が180℃以上、引張強さが13kg/mm2
上で、かつ引張弾性率が270kg/mm2 以上の第2の絶
縁層とを、少なくともこの順に積層した絶縁被膜が形成
されているとともに、上記絶縁被膜の膜厚の合計に対す
る、第2の絶縁層の膜厚の割合が、5/100以上であ
ることを特徴とする。
【0010】絶縁被膜を構成する第1および第2の絶縁
層のガラス転移温度がともに180℃以上に限定される
のは、何れか一方の絶縁層でも、そのガラス転移温度が
180℃未満になると、絶縁被膜の耐熱性が不十分とな
り、圧延加工後の耐熱衝撃性が低下してしまうからであ
る。また、第2の絶縁層の引張強さが13kg/mm2
上、引張弾性率が270kg/mm2 以上に限定されるの
は、引張強さが13kg/mm2 未満、または引張弾性率が
270kg/mm2 未満になると、前記加工傷発生のメカニ
ズムにより、絶縁被膜が傷付き易いものとなってまうか
らである。なお、第2の絶縁層の引張強さは14〜25
kg/mm2 の範囲内であるのが好ましく、引張弾性率は3
00〜600kg/mm2 の範囲内であるのが好ましい。
【0011】さらに、絶縁被膜の膜厚の合計に対する第
2の絶縁層の膜厚の割合が5/100以上に限定される
のは、上記の割合が5/100未満では、やはり前記加
工傷発生のメカニズムにより、絶縁被膜が傷付き易いも
のとなってまうからである。なお、上記第2の絶縁層の
膜厚の割合は、10/100〜50/100の範囲内で
あるのが好ましい。
【0012】また上記絶縁被膜は、密着力が30g/mm
以上、ピアノ線に対する静摩擦係数が0.10以下であ
る場合に、さらに耐傷付き性が向上する。上記密着力
は、40〜80g/mmの範囲内、ピアノ線に対する静摩
擦係数は、0.04〜0.08の範囲内であるのがより
好ましい。絶縁被膜を構成する第1および第2の絶縁層
は、ともに従来と同様に絶縁被膜用の塗料の塗布、焼付
けにより形成される。
【0013】第1の絶縁層としては、ガラス転移温度が
180℃以上であることを満足するものであれば、いか
なるものでもよい。但し前記のように、第2の絶縁層と
同じ物性を満足する被膜は特殊であるため、それ以外の
材料、すなわち引張強さが13kg/mm2 未満、または引
張弾性率が270kg/mm2 未満、あるいは引張強さが1
3kg/mm2 未満でかつ引張弾性率が270kg/mm2 未満
の被膜が採用される。上記被膜としては、これに限定さ
れるものではないが、たとえばポリエステルイミド系、
ポリアミドイミド系、ポリイミド系、芳香族ポリアミド
系、ポリスルホン系、ポリアリレート系、ポリエーテル
イミド系、ポリエーテルスルホン系、ビスマレイミド
系、ポリエステルアミドイミド系、ポリヒダントイン
系、ポリパラバン酸系、ポリベンズイミダゾール系で、
かつ上記の条件を満足する被膜があげられる。とくに価
格面を考慮すると、ポリエステルイミド系の被膜が、第
1の絶縁層として好適に採用される。
【0014】一方、第2の絶縁層を構成する被膜として
は、ガラス転移温度が180℃以上、引張強さが13kg
/mm2 以上で、かつ引張弾性率が270kg/mm2 以上の
条件を満足するものであればいかなるものでもよい。そ
れらのうちでも、機械的強度にすぐれた被膜を形成でき
ることが知られている、高強度化されたポリアミドイミ
ド系、ポリイミド系または芳香族ポリアミド系の被膜
や、それに無機あるいは有機のフィラーを添加してさら
に高強度化したものが好ましい。より好ましくは、上記
ポリアミドイミド系、ポリイミド系、芳香族ポリアミド
系の構造中に、たとえば下記式(1) 〜(15)に示すような
構造を導入して高強度化したもの、あるいはこれに無機
あるいは有機のフィラーを添加してさらに高強度化した
もの等があげられる。
【0015】
【化1】
【0016】(式中nは、1以上の整数を示す。)
【0017】
【化2】
【0018】
【化3】
【0019】
【化4】
【0020】
【化5】
【0021】上記各種塗料のうちポリアミドイミド系塗
料は、略化学量論量のジイソシアネート成分と酸成分
とを重合させる、ジアミン成分と酸成分とを反応させ
た後、反応生成物を、略等モル量のジイソシアネート成
分と重合させる、酸クロライドを含む酸成分とジアミ
ン成分とを重合させる、等の従来公知の製造方法により
製造することができる。
【0022】上記の製造方法で製造されるポリアミド
イミド系塗料の構造中に、前記式(1) 〜(15)のような構
造を導入して第2の絶縁層を高強度化するには、ジイソ
シアネート成分として、前記各式に示すような構造を分
子中に有する芳香族ジイソシアネートを使用すればよ
い。このような芳香族ジイソシアネートとしては、たと
えばベンゼン環をp位でつないだオリゴ(p−フェニレ
ン)では、p−フェニレンジイソシアネート、ビフェニ
ル−4,4′−ジイソシアネート、ターフェニル−4,
4″−ジイソシアネート等の化合物やあるいはこれらの
化合物の基本骨格にハロゲン、アルキル基、アルコキシ
ル基等の置換基を置換させた化合物等があげられる。
【0023】また、多核芳香族ジイソシアネートでは、
ナフタレン−1,5−ジイソシアネート、ナフタレン−
2,6−ジイソシアネート、アントラセン−1,5−ジ
イソシアネート、アントラセン−2,6−ジイソシアネ
ート、アントラセン−9,10−ジイソシアネート、フ
ェナントレン−2,7−ジイソシアネート、フェナント
レン−1,6−ジイソシアネート、アントラキノン−
1,5−ジイソシアネート、アントラキノン−2,6−
ジイソシアネート、フルオレン−1,5−ジイソシアネ
ート、フルオレン−2,6−ジイソシアネート、カルバ
ゾール−1,5−ジイソシアネート、カルバゾール−
2,6−ジイソシアネート等の化合物やあるいはこれら
の化合物の基本骨格にハロゲン、アルキル基、アルコキ
シル基等の置換基を置換させた化合物等があげられる。
【0024】さらにベンズアニリド−4,4′−ジイソ
シアネート等の化合物やあるいはこれらの化合物の基本
骨格にハロゲン、アルキル基、アルコキシル基等の置換
基を置換させた化合物等があげられる。これらは単独
で、あるいは2種以上混合して使用される。の製造方
法において、上記芳香族ジイソシアネートのみをジイソ
シアネート成分として使用した場合には、第2の絶縁層
が可撓性に劣るものとなってしまうおそれがある。そこ
で、被膜に柔軟性を付与するようなジイソシアネートと
併用し、被膜の強度と可撓性のバランスをとるのが好ま
しい。
【0025】被膜に柔軟性を付与するようなジイソシア
ネートとしては、たとえばジフェニルメタン−4,4′
−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−3,3′−ジ
イソシアネート、ジフェニルメタン−3,4′−ジイソ
シアネート、ジフェニルエーテル−4,4′−ジイソシ
アネート、ベンゾフェノン−4,4′−ジイソシアネー
ト、ジフェニルスルホン−4,4′−ジイソシアネー
ト、トリレン−2,4−ジイソシアネート、トリレン−
2,6−ジイソシアネート、m−キシリレンジイソシア
ネート、p−キシリレンジイソシアネート等、従来公知
の種々のジイソシアネートがあげられる。これらは単独
で、あるいは2種以上混合して使用される。
【0026】上記ジイソシアネート成分とともにポリア
ミドイミド系塗料を構成する酸成分としては、トリメリ
ット酸、トリメリット酸無水物、トリメリット酸クロラ
イド、または、トリメリット酸の誘導体等の三塩基酸等
があげられる。また酸成分中には、テトラカルボン酸無
水物や二塩基酸、たとえば、ピロメリット酸二無水物、
ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ベンゾフェノン
テトラカルボン酸二無水物、ジフェニルスルホンテトラ
カルボン酸二無水物、テレフタル酸、イソフタル酸、ス
ルホテレフタル酸、ジクエン酸、2,5−チオフェンジ
カルボン酸、4,5−フェナントレンジカルボン酸、ベ
ンゾフェノン−4,4′−ジカルボン酸、フタルジイミ
ドジカルボン酸、ビフェニルジカルボン酸、2,6−ナ
フタレンジカルボン酸、ジフェニルスルホン−4,4′
−ジカルボン酸、アジピン酸等を、一部添加することも
できる。
【0027】前記の製造方法で製造されるポリアミド
イミド系塗料の構造中に、前記式(1) 〜(15)のような構
造を導入して第2の絶縁層を高強度化するには、ジアミ
ン成分として、前記各式に示すような構造を分子中に有
する芳香族ジアミンを使用すればよい。このような芳香
族ジアミンとしては、たとえばベンゼン環をp位でつな
いだオリゴ(p−フェニレン)では、p−フェニレンジ
アミン、4,4′−ジアミノビフェニル、4,4″−ジ
アミノターフェニル等の化合物やあるいはこれらの化合
物の基本骨格にハロゲン、アルキル基、アルコキシル基
等の置換基を置換させた化合物等があげられる。
【0028】また、多核芳香族ジアミンでは、1,5−
ジアミノナフタレン、2,6−ジアミノナフタレン、
1,5−ジアミノアントラセン、2,6−ジアミノアン
トラセン、9,10−ジアミノアントラセン、2,7−
ジアミノフェナントレン、1,6−ジアミノフェナント
レン、1,5−ジアミノアントラキノン、2,6−ジア
ミノアントラキノン、1,5−ジアミノフルオレン、
2,6−ジアミノフルオレン、1,5−ジアミノカルバ
ゾール、2,6−ジアミノカルバゾール等の化合物やあ
るいはこれらの化合物の基本骨格にハロゲン、アルキル
基、アルコキシル基等の置換基を置換させた化合物等が
あげられる。
【0029】さらに4,4′−ジアミノベンズアニリド
等の化合物やあるいはこれらの化合物の基本骨格にハロ
ゲン、アルキル基、アルコキシル基等の置換基を置換さ
せた化合物等があげられる。これらは単独で、あるいは
2種以上混合して使用される。の製造方法において、
上記芳香族ジアミンのみをジアミン成分として使用した
場合には、第2の絶縁層が可撓性に劣るものとなってし
まうおそれがある。そこで、被膜に柔軟性を付与するよ
うなジアミンと併用し、被膜の強度と可撓性のバランス
をとるのが好ましい。
【0030】被膜に柔軟性を付与するようなジアミンと
しては、たとえばm−フェニレンジアミン、ジアミノジ
フェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン、ジアミ
ノジフェニルスルフィド、ジアミノジフェニルプロパ
ン、ジアミノジフェニルエーテル、ジアミノベンゾフェ
ノン、ジアミノジフェニルヘキサフルオロプロパン、
4,4′−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、
4,4′−〔ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニ
ル〕エーテル、4,4′−〔ビス(4−アミノフェノキ
シ)ビフェニル〕メタン、4,4′−〔ビス(4−アミ
ノフェノキシ)ビフェニル〕スルホン、4,4′−〔ビ
ス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル〕プロパン等、
従来公知の種々のジアミンがあげられる。これらは単独
で、あるいは2種以上混合して使用される。
【0031】酸成分およびジイソシアネート成分につい
ては、前記の製造方法で例示したものと同様の化合物
が使用できる。前記の製造方法で使用されるジアミン
成分としては、上記の製造方法で例示したものと同様
の化合物が使用できる。ポリアミドイミド系塗料の構造
中に式(1) 〜(15)のような構造を導入して第2の絶縁層
を高強度化すべく、前記の芳香族ジアミンを使用するこ
と、被膜の強度と可撓性のバランスをとるべく、被膜に
柔軟性を付与するようなジアミンを併用するのが好まし
いことも同様である。
【0032】の製造方法において、上記ジアミン成分
と重合させる酸クロライドとしては、トリメリット酸ク
ロライドまたはその誘導体があげられる。また、テレフ
タル酸クロライドやイソフタル酸クロライドを添加する
こともできる。第2の絶縁層用の塗料のうちポリイミド
系塗料は、略化学量論量のジアミン成分と、テトラカル
ボン酸二無水物を含む酸成分とを重合させる従来公知の
製造方法により製造することができる。
【0033】上記の製造方法で製造されるポリイミド系
塗料の構造中に、前記式(1) 〜(15)のような構造を導入
して第2の絶縁層を高強度化するには、ジアミン成分と
して、前記ポリアミドイミド系塗料のの製造方法で例
示した、式(1) 〜(15)のような構造を有する化合物や、
あるいはこれらの化合物の基本骨格にハロゲン、アルキ
ル基、アルコキシル基等の置換基を置換させた化合物等
の、芳香族ジアミンを使用すればよい。これらは単独
で、あるいは2種以上混合して使用される。
【0034】また被膜に柔軟性を付与して、被膜の強度
と可撓性のバランスをとるべく、前記例示の、被膜に柔
軟性を付与するようなジアミンを、上記芳香族ジアミン
と併用するのが好ましい。上記ジアミン成分とともにポ
リイミド系塗料を構成する酸成分としては、ピロメリッ
ト酸二無水物、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、
ベンゾフェノン−3、3′,4,4′−テトラカルボン
酸二無水物、ジフェニルスルホン−3、3′,4,4′
−テトラカルボン酸二無水物、ジフェニルメタン−3、
3′,4,4′−テトラカルボン酸二無水物、ジフェニ
ルプロパン−3、3′,4,4′−テトラカルボン酸二
無水物、ジフェニルヘキサフルオロプロパン−3、
3′,4,4′−テトラカルボン酸二無水物、ベンゼン
−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、ナフタ
リン−2,3,5,7−テトラカルボン酸二無水物、ナ
フタリン−1,2,5,6−テトラカルボン酸二無水物
等のテトラカルボン酸二無水物またはこれらの誘導体が
あげられる。これらは単独で、あるいは2種以上混合し
て使用される。
【0035】上記各酸成分の中でも、入手のしやすさや
コスト等の点で、ピロメリット酸二無水物、ビフェニル
テトラカルボン酸二無水物およびこれらの誘導体が好適
に使用される。第2の絶縁層用の塗料のうち芳香族ポリ
アミド系塗料は、略化学量論量のジアミン成分と、酸ク
ロライドを含む酸成分とを重合させる従来公知の製造方
法により製造することができる。
【0036】上記の製造方法で製造される芳香族ポリア
ミド系塗料の構造中に、前記式(1)〜(15)のような構造
を導入して第2の絶縁層を高強度化するには、酸クロラ
イド成分として、前記各式に示すような構造を分子中に
有する芳香族酸クロライドを使用すればよい。このよう
な芳香族酸クロライドとしては、テレフタル酸ジクロラ
イド、ビフェニル−4,4′−ジカルボン酸ジクロライ
ド、ターフェニル−4,4″−ジカルボン酸ジクロライ
ド、ナフチレン−1,5−ジカルボン酸ジクロライド等
があげられる。これらは単独で、あるいは2種以上混合
して使用される。
【0037】上記の製造方法において、上記芳香族酸ク
ロライドのみを酸クロライド成分として使用した場合に
は、第2の絶縁層が可撓性に劣るものとなってしまうお
それがある。そこで、イソフタル酸ジクロライド等の酸
クロライドを、上記芳香族酸クロライドと併用すること
により、被膜に柔軟性を付与して、被膜の強度と可撓性
のバランスをとるのが好ましい。
【0038】上記酸クロライド成分ととともに芳香族ポ
リアミド系塗料を構成するジアミン成分としては、前記
ポリアミドイミドの製造方法で例示したものと同様の
ものが使用できる。芳香族ポリアミド系塗料の構造中に
式(1) 〜(15)のような構造を導入して第2の絶縁層を高
強度化すべく、前記の芳香族ジアミンを使用すること、
被膜の強度と可撓性のバランスをとるべく、被膜に柔軟
性を付与するようなジアミンを併用するのが好ましいこ
とも同様である。
【0039】第2の絶縁層を高強度化すべく塗料中に配
合されるフィラーとしては、無機あるいは有機の、従来
公知の種々のフィラーが使用できるが、とくに、チタン
酸カリウム、ホウ酸アルミニウム、炭化ケイ素、窒化ケ
イ素、硫酸カルシウム、ホウ酸マグネシウム等の種々の
材質からなるウィスカーが好適に使用される。ウィスカ
ーのサイズは本発明ではとくに限定されないが、繊維径
は2μm以下であるのが好ましく、繊維長は250μm
以下であるのが好ましい。ウィスカーの繊維径および繊
維長が上記範囲を超えると第2の絶縁層の可撓性が失わ
れ、引張強さや引張弾性率が前記範囲を下回って、絶縁
被膜が傷付き易いものとなってまうおそれがある。
【0040】なおウィスカーの繊維径が小さい程、第2
の絶縁層の引張強さが向上するので、繊維径は1.5μ
m以下であるのがより好ましい。また繊維長は、200
μm以下であるのがより好ましい。ウィスカーの配合割
合は、特に限定されないが塗料中の非揮発分(つまり溶
媒を除いた樹脂分)100重量部に対し5〜90重量部
であるのが好ましい。ウィスカーの配合割合が5重量部
未満では、第2の絶縁層の弾性率向上の度合いが小さ
く、絶縁被膜が傷付き易いものとなってまうおそれがあ
る。またウィスカーの配合割合が90重量部を超える
と、被膜の伸びが著しく低下し、可撓性が悪化するおそ
れがある。ウィスカーの配合割合は、上記範囲の中でも
10〜80重量部の範囲内、とくに15〜50重量部の
範囲内がより好ましい。
【0041】なお、本発明に使用される塗料には、さら
に必要に応じて、顔料、染料、潤滑剤等の各種添加剤を
添加してもよい。本発明の絶縁電線は、上記第1の絶縁
層用の塗料を、導体としての電線の表面に塗布し、焼付
けて第1の絶縁層を形成し、つぎにその上に第2の絶縁
層用の塗料塗布し、焼付けて第2の絶縁層を形成するこ
とで製造される。
【0042】絶縁被膜の膜厚については本発明ではとく
に限定されず、電線のサイズ等に応じて、従来と同程度
の膜厚に形成することができる。絶縁被膜の上層には、
絶縁被膜の表面に潤滑性を付与すべく、表面潤滑層を設
けてもよい。なお表面潤滑層の厚みは、第2の絶縁層の
膜厚の割合とは関係ない。
【0043】表面潤滑層としては、流動パラフィン、固
形パラフィンといったパラフィン類の塗膜も使用できる
が、耐久性等を考慮すると、各種ワックス、ポリエチレ
ン、フッ素樹脂、シリコーン樹脂等の潤滑剤をバインダ
ー樹脂で結着した表面潤滑層がより好ましい。本発明の
絶縁電線は、前記のように絶縁被膜形成後に、角線等に
異形変形される。異形変形の方法としては、たとえば圧
延加工、プレス加工、ダイス引加工等があげられ、中で
もとくに圧延加工が、絶縁被膜の損傷が最も少ないた
め、本発明に好適に採用される。
【0044】異形変形の度合いは、加工度で表して10
〜25%程度が、絶縁被膜の損傷が少ない上、占積率の
向上効果が高いため望ましい。
【0045】
【実施例】以下に、本発明の絶縁電線を、実施例並びに
比較例に基づいて説明する。実施例1 市販のポリエステルイミド系塗料(日触スケネクタディ
ー社製の商品名アイソミッド40−SH)を、直径0.
82mmの断面円形の銅線表面に常法によって塗布、焼き
付けして、膜厚19μmの第1の絶縁層を形成した。
【0046】つぎに、下記の酸成分とジイソシアネート
成分とからポリアミドイミド系塗料を作製し、このポリ
アミドイミド系塗料を、上記第1の絶縁層の表面に常法
によって塗布、焼付けして、膜厚6μmの第2の絶縁層
を形成して、2層構造の絶縁被膜(合計の膜厚25μ
m)を得た。絶縁被膜の膜厚の合計に対する、第2の絶
縁層の膜厚の割合は24/100であった。
【0047】つぎに上記銅線を、線速0.5m/秒、加
工度20%の条件で連続的に圧延加工して、断面正方形
状に角線化して、絶縁電線を製造した。製造された絶縁
電線は、上記角線化の工程に引き続いて、連続的にボビ
ン整列捲きした。 ・酸成分: トリメリット酸無水物(以下「TMA」という)=1.
0モル ・ジイソシアネート成分: パラフエニレンジイソシアネート(以下「PPDI」と
いう)=0.4モル ナフチレン−1,5−ジイソシアネート(以下「ND
I」という)=0.2モル ジフェニルメタンジイソシアネート(以下「MDI」と
いう)=0.4モル実施例2 下記の酸成分とジアミン成分とからジカルボン酸を作製
し、つぎにこのジカルボン酸と下記のジイソシアネート
成分とからポリアミドイミド系塗料を作製した。そし
て、このポリアミドイミド系塗料を使用して第2の絶縁
層を形成したこと以外は、実施例1と同様にして角線化
された絶縁電線を製造し、引き続いて連続的にボビン整
列捲きした。 ・酸成分: TMA=1.0モル ・ジアミン成分 3,3′−ジメチル−4,4′−ジアミノビフェニル
(以下「DBRB」という)=0.35モル 4,4′−ジアミノジフェニルエーテル(以下「DD
E」という)=0.15モル ・ジイソシアネート成分: PPDI=0.35モル MDI=0.15モル比較例1 ポリエステルイミド系塗料に代えて、ポリエステル系塗
料(日東電工社製の商品名デラコートE−220GTI
−B)を使用して第1の絶縁層を形成したこと以外は、
実施例1と同様にして角線化された絶縁電線を製造し、
引き続いて連続的にボビン整列捲きした。
【0048】比較例2 下記の酸成分とジイソシアネート成分とからポリアミド
イミド系塗料を作製し、このポリアミドイミド系塗料を
使用して第2の絶縁層を形成したこと以外は、実施例1
と同様にして角線化された絶縁電線を製造し、引き続い
て連続的にボビン整列捲きした。 ・酸成分: TMA=1.0モル ・ジイソシアネート成分: MDI=1.0モル実施例3 比較例2で作製したポリアミドイミド系塗料を使用して
第1の絶縁層を形成したこと以外は、実施例1と同様に
して角線化された絶縁電線を製造し、引き続いて連続的
にボビン整列捲きした。
【0049】実施例4 第1の絶縁層と第2の絶縁層の膜厚の比を50:50、
絶縁被膜の膜厚の合計を25μm、絶縁被膜の膜厚の合
計に対する、第2の絶縁層の膜厚の割合を50/100
としたこと以外は、実施例1と同様にして角線化された
絶縁電線を製造し、引き続いて連続的にボビン整列捲き
した。
【0050】実施例5 第1の絶縁層と第2の絶縁層の膜厚の比を90:10、
絶縁被膜の膜厚の合計を25μm、絶縁被膜の膜厚の合
計に対する、第2の絶縁層の膜厚の割合を90/100
としたこと以外は、実施例1と同様にして角線化された
絶縁電線を製造し、引き続いて連続的にボビン整列捲き
した。
【0051】比較例3 第1の絶縁層と第2の絶縁層の膜厚の比を98:2、絶
縁被膜の膜厚の合計を25μm、絶縁被膜の膜厚の合計
に対する、第2の絶縁層の膜厚の割合を2/100とし
たこと以外は、実施例1と同様にして角線化された絶縁
電線を製造し、引き続いて連続的にボビン整列捲きし
た。
【0052】実施例6 下記の酸成分とジアミン成分とからポリイミド系塗料を
作製し、このポリイミド系塗料を使用して第2の絶縁層
を形成したこと以外は、実施例1と同様にして角線化さ
れた絶縁電線を製造し、引き続いて連続的にボビン整列
捲きした。 ・酸成分: ピロメリット酸二無水物(以下「PMDA」という)=
0.5モル ・ジアミン成分: 4,4′−ジアミノベンズアニリド(以下「DABA
N」という)=0.15モル p−フェニレンジアミン(以下「p−PDA」という)
=0.15モル 4,4′−〔ビス(4−アミノフェノキシ)フェニル〕
プロパン(以下「BAPP」という)=0.2モル実施例7 酸成分として、0.25モルのPMDAと、0.25モ
ルの3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸
二無水物(以下「s−BPDA」という)とを使用する
とともに、ジアミン成分として、0.2モルのp−PD
Aと、0.1モルのBAPPと、0.2モルのDDEと
を使用したこと以外は、上記実施例6と同様にしてポリ
イミド系塗料を作製し、このポリイミド系塗料を使用し
て第2の絶縁層を形成したこと以外は、実施例1と同様
にして角線化された絶縁電線を製造し、引き続いて連続
的にボビン整列捲きした。
【0053】実施例8 下記の酸成分とジアミン成分とから芳香族ポリアミド系
塗料を作製し、このポリアミド系塗料を使用して第2の
絶縁層を形成したこと以外は、実施例1と同様にして角
線化された絶縁電線を製造し、引き続いて連続的にボビ
ン整列捲きした。 ・酸成分: テレフタル酸ジクロライド=0.6モル イソフタル酸ジクロライド=0.4モル ・ジアミン成分 DDE==0.75モル p−PDA=0.25モル実施例9 前記比較例2で作製したポリアミドイミド系塗料に、当
該塗料中の樹脂分100重量部に対して15重量部の割
合で、チタン酸カリウムウィスカー(大塚化学社製の商
品名ティスモ−D、繊維径1.0μm、繊維長50μ
m)を添加、混合して塗料を作製した。そして、この塗
料を使用して第2の絶縁層を形成したこと以外は、実施
例1と同様にして角線化された絶縁電線を製造し、引き
続いて連続的にボビン整列捲きした。
【0054】実施例10 実施例1で作製した、角線化された絶縁電線の絶縁被膜
上に、ワックスとバインダー樹脂とからなる水溶性潤滑
塗料を常法によって塗布、焼付けして表面潤滑層を形成
したこと以外は、実施例1と同様にして絶縁電線を製造
し、引き続いて連続的にボビン整列捲きした。
【0055】実施例11 密着性を上げるため、導体をあらかじめアルコールで洗
浄したこと以外は、実施例1と同様にして絶縁電線を製
造し、引き続いて連続的にボビン整列捲きした。実施例12 実施例11で作製した、角線化された絶縁電線の絶縁被
膜上に、ワックスとバインダー樹脂とからなる水溶性潤
滑塗料を常法によって塗布、焼付けして表面潤滑層を形
成したこと以外は、実施例11と同様にして絶縁電線を
製造し、引き続いて連続的にボビン整列捲きした。
【0056】上記各実施例、比較例の絶縁電線につい
て、以下の各試験を行った。ガラス転移温度の測定 実施例、比較例で使用したのと同じ第1および第2の絶
縁層用の各塗料を個別に銅線の表面に塗布し、実施例、
比較例と同条件で焼付けした後、これを削り取って、熱
分析装置(セイコー電子社製の型番DSC)を用いて、
窒素ガス雰囲気中でガラス転移温度を測定した。
【0057】引張強さ、引張弾性率測定 実施例、比較例の絶縁電線と同条件で、銅線の表面に、
各実施例、比較例の第2の絶縁層のみを形成したサンプ
ルを製造し、各サンプルから銅線をエッチング除去して
残った第2の絶縁層(長さ6cm)を、引張試験機を用い
て、チャック間隔3cm、引張速度1mm/分の条件で引張
試験し、得られたS−Sカーブから引張強さ(kg/m
m2 )および引張弾性率(kg/mm2 )を求めた。
【0058】密着力測定 実施例、比較例の絶縁電線の絶縁被膜に、その長手方向
に沿って長さ2cmの2本の切込みを0.5mm間隔で入
れ、2本の切込みの間の絶縁被膜の一端をピンセットで
めくって、熱機械試験機(TMA:サーマルメカニカル
アナラシス、セイコー電子社製)を用いて絶縁被膜と電
線の180°剥離試験を行い、被膜の密着力(g/mm)
を測定した。
【0059】ピアノ線に対する静摩擦係数測定 実施例、比較例の絶縁電線に直交させてピアノ線を重ね
合わせ、ピアノ線に1kgの荷重をかけた状態における静
摩擦係数を測定した。損傷荷重測定 実施例、比較例の絶縁電線2本を互いに直交させて重ね
合わせ、種々の重さの荷重をかけた状態で一方の絶縁電
線を引抜いた際に、損傷が発生した荷重を記録した。
【0060】耐熱衝撃性試験 実施例、比較例の絶縁電線を、角部が外側になるように
して、所定の直径に10回巻付け、200℃の恒温槽で
1時間加熱したのち取り出して被膜を観察した。そして
被膜に、導体に達する亀裂が発生しなかった最小の巻付
け直径を記録した。
【0061】耐加工性試験 実施例、比較例で得た絶縁電線のボビンを成形加工した
後、その上層から5mの絶縁電線を引き出して、ピンホ
ールの数を測定した。測定は、JIS C3003「エ
ナメル銅線及びエナメルアルミニウム線試験方法」所載
の方法に準拠して行った。
【0062】以上の結果を表1,2に示す。
【0063】
【表1】
【0064】
【表2】
【0065】上記表1の結果より、第1の絶縁層のガラ
ス転移温度が180℃未満である比較例1は、耐熱衝撃
性に劣るとともに、損傷し易いことがわかった。また上
記比較例1は、第1の絶縁層の材質のためか、銅線に対
する密着力も低いことがわかった。比較例2は、第1お
よび第2の絶縁層のガラス転移温度がともに180℃以
上であるため、耐熱衝撃性に問題はないが、第2の絶縁
層の引張強さが13kg/mm 2 未満で、かつ絶縁被膜の引
張弾性率が270kg/mm2 未満であるため、損傷し易い
ことがわかった。
【0066】さらに、第2の絶縁層の膜厚比が5/10
0未満である比較例3は、やはり第1および第2の絶縁
層のガラス転移温度がともに180℃以上であるため、
耐熱衝撃性に問題はないが、損傷し易いことがわかっ
た。これに対し、本発明の構成である実施例1〜12
は、絶縁被膜の樹脂の種類に関係なく、いずれも、耐熱
衝撃性にすぐれるとともに、損傷し難いことがわかっ
た。
【0067】
【発明の効果】以上詳述したように本発明の絶縁電線
は、絶縁被膜を構成する第1および第2の絶縁層のガラ
ス転移温度、第2の絶縁層の引張強さおよび引張弾性率
を特定範囲に限定することにより、異形変形された際の
耐熱衝撃性にすぐれ、しかも成形工程等で加工傷が多発
するおそれのない、損傷し難いものとなっている。した
がって本発明の絶縁電線によれば、異形変形による占積
率の向上と、それにともなうモータの小型、軽量化、高
性能化が可能となり、より小型、軽量で性能の良いモー
タの要求に対応することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 夏目 喜孝 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装株式会社内 (72)発明者 河辺 洋光 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導体上に、ガラス転移温度が180℃以上
    の第1の絶縁層と、ガラス転移温度が180℃以上、引
    張強さが13kg/mm2 以上で、かつ引張弾性率が270
    kg/mm2 以上の第2の絶縁層とを、少なくともこの順に
    積層した絶縁被膜が形成されているとともに、上記絶縁
    被膜の膜厚の合計に対する、第2の絶縁層の膜厚の割合
    が、5/100以上であることを特徴とする絶縁電線。
  2. 【請求項2】絶縁被膜の密着力が30g/mm以上である
    請求項1記載の絶縁電線。
  3. 【請求項3】絶縁被膜のピアノ線に対する静摩擦係数が
    0.10以下である請求項1記載の絶縁電線。
  4. 【請求項4】第2の絶縁層が、ポリアミドイミド、ポリ
    イミドおよび芳香族ポリアミドからなる群より選ばれた
    少なくとも1種からなる請求項1記載の絶縁電線。
  5. 【請求項5】導体の断面が円形であるとともに、絶縁被
    膜形成後に、上記導体の断面が非円形となるように異形
    変形されている請求項1記載の絶縁電線。
JP18525093A 1993-07-27 1993-07-27 絶縁電線 Pending JPH0745130A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005302598A (ja) * 2004-04-14 2005-10-27 Hitachi Cable Ltd エナメル線及びそれに用いる絶縁塗料
JP2008097888A (ja) * 2006-10-06 2008-04-24 Furukawa Electric Co Ltd:The 絶縁電線
JP2011113956A (ja) * 2009-11-30 2011-06-09 Hitachi Cable Ltd 絶縁電線
JP2014017257A (ja) * 2013-08-29 2014-01-30 Hitachi Metals Ltd 絶縁電線

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US8741441B2 (en) 2009-11-30 2014-06-03 Hitachi Metals, Ltd. Insulated wire
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