JPH074506Y2 - 測定用プロ−ブを備えたメ−タ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、測定用プローブから入力された測定信号に基
づいて電圧、電流、電気抵抗等を測定して、測定値をア
ナログ表示またはデジタル表示するメータに関するもの
である。

［従来の技術］ デジタル・マルチメータ等のように、測定用プローブの
測定端子を測定すべき部分に接触させて測定を行い、測
定値を表示部に表示するメータが知られている。この種
の、測定用プローブを用いて測定を行い表示部に測定値
を表示するメータでは、測定用プローブの測定端子を測
定点に接触させた状態で、表示部を目視して測定値を読
取る必要がある。

ところが、近年、高密度実装回路化の傾向が著しく、測
定端子の測定箇所への接触作業も正確な動作が要求され
る。このために、測定用プロープの端子を測定箇所に接
触させた後、表示部の目視行動を取る際に測定用プロー
ブが動くと正確な測定が阻害されることが間々あった。

［考案が解決すべき問題点］ これは、測定端子の測定箇所への接触作業と測定値の表
示部の目視動作との間に時間的なずれがある上、表示部
を目視しなければならないために測定端子の接触部から
目が離れることになるからである。このため、測定作業
の能率性、測定結果の確実性等が低下することになり、
測定箇所の数が増加するにつれて大きな影響がでてく
る。

また、測定値をアナログ又はデジタルで表示する表示部
を備えたメータは、照明の不十分な作業環境においては
読取りが極めて困難であるという難点がある。

本考案の目的は、上記の問題を解決するために、測定値
を確認するため従来行われた目視による表示値の読取り
に加えて、測定値を音声により聴取し得るようにしたメ
ータを提供することにある。

［問題点を解決するための手段］ 上記の問題点を解決するための本考案の構成を、実施例
に対応する第１図及び第２図を参照して以下に説明す
る。本考案のメータは、測定用プローブから入力された
測定信号を処理して測定値を表示部６に表示する測定用
プローブ3,4を備えたメータ１において、音声による測
定値の表示を行なわせるときに作動させられる音声出力
スイッチ２と、音声出力スイッチ２が作動したときの測
定信号を音声表示に必要とされる音声データ信号に変換
する測定信号−音声データ信号変換手段30と、測定信号
−音声データ信号変換手段30から出力された音声データ
信号に基づいて測定値を合成音声により表示する音声表
示手段31とを設け、音声出力スイッチ２を測定用プロー
ブに設けたものである。

［考案の作用］ 上記の構成になるメータは、測定箇所に測定用プローブ
3,4の測定端子を接触させると、表示部６に測定値が表
示されるほか、上記の測定端子の接触に際して音声出力
スイッチ２が作動されると、測定用プローブ3,4から入
力された測定信号は測定信号−音声データ変換手段30に
よって音声データに変換される。音声表示手段31は、音
声データに基づいて測定値を音声によって表示する。し
たがって、作業者の手元にある音声出力スイッチ２を指
で押すだけで、測定値を音声報知により知り得るので、
測定作業が容易且つ確実となり作業者の努力が軽減され
る。また、表示の視認を困難とするような作業環境下で
の測定にも支障なく使用し得る。

［実施例］ 以下、本考案の実施例を図面により詳細に説明する。第
１図は本考案をデジタル・マルチメータに適用した場合
の実施例の構成を示すブロック図で、第２図は該メータ
の外観図を示している。これらの図において、３及び４
は先端側に測定端子3a及び4aを有する測定用プローブ、
２は一方の測定用プローブ３に設けた音声出力スイッチ
である。なお他方の測定用プローブ４は基準用のプロー
ブである。音声出力スイッチ２としては、一般に押ボタ
ンスイッチが用いられるが、スライド型スイッチやタッ
チスイッチ等のその他の公知のスイッチを用いることが
できる。５は音声表示を行う場合と行わない場合を切換
える音声出力ON/OFF切換えスイッチである。

７は電圧、電流等の測定モードを切換えるマルチメータ
の測定モード切換スイッチであり、９はこの切換スイッ
チ７の設定位置に応じて動作する測定機能制御手段、10
はこの制御手段９により制御され、測定モードに応じて
測定プローブ3,4から入力される測定信号の種別又は大
きさに対応して適宜の信号変換を行なう周知の測定信号
制御回路である。12はこの測定信号制御回路10からのア
ナログ量の測定信号を受けてデジタル量の測定値信号に
変換するアナログ−デジタル変換回路である。

13はこの変換回路12から出力される測定値を表わすデジ
タル信号を記憶する記憶回路であり、通常の動作におい
ては、新たな値の信号が入力される毎に記憶データを更
新する。後に詳細に説明する通り、この記憶回路13は、
ホールド制御回路17からのホールド信号及びホールド解
除信号に応じてホールド動作を行う。14はこの記憶回路
13からの記憶出力に基づいて表示に必要な駆動信号を発
生する表示駆動回路、６はこの表示駆動回路14からの駆
動信号により駆動されて測定値を表示する液晶表示を用
いた表示部である。なお以上述べた部分の構成は、音声
出力スイッチ２及び記憶回路13を除いて、周知のデジタ
ル・マルチメータの構成と略同様の構成であるので詳細
な説明は省略する。

16は例えば音声出力スイッチ２が押ボタンスイッチのと
きには、切換スイッチ５のON状態でスイッチ２が閉成さ
れたことを検出する音声出力スイッチ作動検出回路であ
り、17はこの検出回路16の検出信号に制御されて記憶回
路13及び表示駆動回路14の動作を制御するホールド制御
回路である。18は音声出力スイッチ作動検出回路16から
の検出信号に制御され、記憶回路13より記憶した測定値
を表わすデジタル信号を入力して、このデジタル信号を
一旦シリアルデータに変換し、次いでこのシリアルデー
タを音声データに変換する音声データ変換回路である。

20は予め所定の音声登録語を記憶していて、該音声登録
語と音声データ変換回路18からの音声データとに基づき
音声合成を行って、スピーカ21に音声出力を供給する音
声出力回路である。22はこの音声出力回路20より出力さ
れる音声出力の終了を検出して、ホールド制御回路17に
ホールド解除信号を出力する音声出力終了検出回路であ
る。

なお第２図において、８は電源スイッチであり、５は前
述の音声出力ON/OFF切換スイッチである。音声表示を行
う場合には、切換スイッチ５を音声表示側（ON）に切換
える。

上記の構成になる本実施例のデジタル・マルチメータ
は、測定モード切換スイッチ７により所要の測定モード
に設定し、測定用プローブ3,4の測定端子3a,4aを測定箇
所に接触させて測定を行う。測定用プローブ3,4からの
測定値入力は測定信号制御回路10に入力され、該入力信
号の種別又は大きさに対応した入力制御が行われる。そ
して、測定信号制御回路10を経た測定信号はアナログ−
デジタル変換回路12を経てデジタル量に変換されて、記
憶回路13に一時記憶され、この記憶出力に応じて表示駆
動回路14が動作して表示部６により測定値を表示する。

他方、音声出力ON/OFF切換スイッチ５をON状態とし、測
定用プローブ3,4を測定箇所に接触させた状態で音声出
力スイッチ２を閉じると、このスイッチが作動したこと
を音声出力スイッチ作動検出回路16が検出して、ホール
ド制御回路17にスイッチが作動したことを表わす検出信
号が入力される。音声出力スイッチ作動検出回路16から
検出信号が入力されると、ホールド制御回路17はホール
ド信号を記憶回路13に出力し、記憶回路13はそのときに
アナログ−デジタル変換回路12から入力された測定値を
表わすデジタル信号をホールドする。

本願明細書において測定値を表わすデジタル信号のホー
ルドとは、ホールド制御回路17からホールド信号が入力
されたときにアナログ−デジタル変換回路12から入力さ
れたデジタル信号を記憶回路13に保持して、以後ホール
ド解除信号が入力されるまで記憶したデータの更新を停
止させることである。即ち、音声出力スイッチ２が閉じ
られると、新規な測定値を表わすデジタル信号の入力は
保留され、表示部６の表示は音声出力スイッチ２が閉じ
られときに記憶回路13にホールドされた測定値を表示し
たままの状態となる。

本実施例において、ホールド動作を行うようにしたの
は、本実施例の音声による測定値の表示と、表示部６の
表示との間に相違を生ずることがあるとメータの信頼性
が失われるので、両方の表示が常に一致するようにして
信頼性を確保するためである。

音声データ変換回路18は、音声出力スイッチ作動検出回
路16からスイッチ２の作動を示す検出信号を受けると、
記憶回路13に記憶されたデータを呼出して一旦シリアル
データに変換し、次いで該シリアルデータを音声データ
に変換して出力する。

音声データ変換回路18から出力された信号は、音声出力
回路20に入力され、音声出力回路20は、入力された音声
データと予め登録した所定の音声登録語を参照して、入
力された音声データに応じた音声出力信号を出力して、
スピーカ21から測定値を音声により報知する。また音声
出力信号は、音声出力終了検出回路22に入力される。音
声出力終了検出回路22は、音声出力信号が入力されなく
なると音声出力終了信号を出力し、ホールド回路17は音
声出力終了信号を受けるとホールド解除信号を記憶回路
13に出力して、記憶回路13のホールド動作を解除させ
る。測定値出力のホールドが解除された後は、次の音声
出力スイッチ２の閉成まで、表示部６による測定値表示
のみがおこなわれ、通常のデジタル・マルチメータの動
作をする。

なお上記実施例において、測定信号制御回路10、アナロ
グ−デジタル変換回路12、記憶回路13、音声出力スイッ
チ作動検出回路16、及び音声データ変換回路18により測
定信号−音声データ信号変換手段30が構成され、音声出
力回路20及びスピーカ21並びに音声出力終了検出回路22
により音声表示手段31が構成されている。

上記実施例のメータを製造する場合には、現在市販され
ている音声合成用のICとマイクロコンピュータを適宜に
用いて行えばよい。また測定信号−音声データ信号変換
手段の構成及び音声表示手段の構成は、上記実施例に限
定されるものではなく、種々の構成を採用できるのは勿
論である。

上記実施例では、ホールド制御回路17を用いて測定値の
ホールドを行っているが、ホールド制御回路を用いず
に、スイッチ２が押されている間だけ表示を行うように
しても良いのは勿論である。また音声表示を一回だけで
なく、再度スイッチが押されるまで、繰り返して表示す
るようにしてもよい。その場合には、音声出力終了検出
回路22を除去して、音声出力スイッチ作動検出回路16
を、スイッチ２が２回押されたときに音声出力終了信号
を出力するように構成すればよい。

［考案の効果］ 本考案によれば、測定箇所に測定用プローブを接触させ
てから、一々測定値の表示を目視確認する必要がなく、
手元の音声出力スイッチを押すだけで測定値を音声によ
り確認することができるので、測定点から目を離す必要
が無く、測定箇所から測定用プローブが外れるという不
具合が生ずるのを防止できる。特に、表示部の表示値を
視認する必要が無いので、同一測定モードに設定して多
数点を測定するような多点測定を行う作業者の負担を著
るしく軽減して、迅速且つ確実な測定作業を行うことが
できる。また、測定値を音声により知り得るので、表示
部に液晶等の判読のためにはある程度の明りを必要とす
る表示手段を用いたメータに本考案を採用すれば、照明
の不十分な作業環境下で測定を行う場合に、表示部の視
認の必要性が無く、広範な作業環境における測定によく
適応することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例の概要を示すブロック図、第２
図は同実施例の外観を示す斜視図である。 ２……音声出力スイッチ、3,4……測定用プローブ、６
……表示部、12……アナログ−デジタル変換回路、13…
…記憶回路、17……ホールド制御回路、18……音声デー
タ変換回路、20……音声出力回路、21……スピーカ、22
……音声出力終了検出回路、30……測定信号−音声デー
タ信号変換手段、31……音声表示手段。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】測定用プローブ（3,4）から入力された測
   定信号を処理して測定値を表示部（６）に表示する測定
   用プローブを備えたメータにおいて、 音声による測定値の表示を行なわせるときに作動させら
   れ、前記測定用プローブ（３）に設けられた音声出力ス
   イツチ（２）と、 前記測定信号をデジタル信号に変換するアナログ−デジ
   タル変換回路（12）と、前記音声出力スイッチ（２）が
   作動したときにホールド信号を出力し、音声表示が終了
   したことを表す表示終了信号が入力されたときにホール
   ド解除信号を出力するホールド制御回路（17）と、該ホ
   ールド制御回路（17）から前記ホールド信号が入力され
   たときに前記アナログ−デジタル変換回路（12）から出
   力された前記デジタル信号をホールドし、前記ホールド
   制御回路（17）から前記ホールド解除信号が入力された
   ときに記憶した前記デジタル信号の記憶を解除する記憶
   回路（13）と、該記憶回路（13）に記憶された前記デジ
   タル信号を前記音声データ信号に変換する音声データ変
   換回路（18）とを具備する測定信号−音声データ信号変
   換手段（30）と、 前記音声データ信号に基づいて音声合成をおこなう音声
   出力回路（20）と、該音声出力回路（20）の出力で駆動
   されるスピーカ（21）と、音声出力が終了したことを検
   出して前記表示終了信号を出力する音声出力終了検出回
   路（22）とを有する音声表示手段（31）と、 を具備してなることを特徴とする測定用プローブを備え
   たメータ。