JPH0744854A - 磁気記録媒体及びそれを用いた磁気記録方法 - Google Patents

磁気記録媒体及びそれを用いた磁気記録方法

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JPH0744854A
JPH0744854A JP5189852A JP18985293A JPH0744854A JP H0744854 A JPH0744854 A JP H0744854A JP 5189852 A JP5189852 A JP 5189852A JP 18985293 A JP18985293 A JP 18985293A JP H0744854 A JPH0744854 A JP H0744854A
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magnetic
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magnetic recording
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JP5189852A
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English (en)
Inventor
Nobuo Yamazaki
信夫 山崎
Shinji Saito
真二 斉藤
Hitoshi Noguchi
仁 野口
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 広域から低域まで広範囲の記録波長領域で高
出力が得られる特に高密度記録に好適な磁気記録媒体を
提供すること 【構成】 非磁性支持体上に六方晶フェライト粉末と結
合剤とを主体とする磁性層を有する磁気記録媒体におい
て、角型比(SQ)が最大となるのは磁性層面内であっ
て、磁性層面に垂直に立てた鉛直面内にあって磁性層面
から45度の方向に飽和磁化させた後の残留磁束密度
(Br)の最大値が該面内の磁性層面から5°〜40°
の範囲の方向にある磁気記録媒体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高密度用の磁気記録媒
体及び高密度磁気記録方法に関し、特に、リングヘッド
を用いて高域から低域までの広範囲の周波数領域で高出
力で記録再生できる磁気記録媒体及びそれを用いた磁気
記録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ディジタル記録やハイビジョンT
V等の高細精度のTV方式の出現により、磁気記録分野
に対しては高密度記録化の要望が益々高まっている。
【0003】高密度記録の要望に応えるためにこれまで
種々の技術が提案され実用化されてきた。例えば、記録
方式では、垂直磁化記録方式、磁気記録媒体媒体にあっ
ては強磁性体の磁気特性の改良、強磁性粉末粒子の微細
化、磁性層の平滑化、強磁性粒子の高充填化、磁性層の
薄膜化等種々の媒体作成技術の改良が試みられてきた。
【0004】ビデオテ−プ、オ−ディオテープ、磁気デ
ィスク等の磁気記録媒体用の強磁性粉末としては、強磁
性酸化鉄、Co変性強磁性酸化鉄、CrO2、強磁性金
属粉末、六方晶フェライト等を結合剤中に分散した磁性
層を非磁性支持体に塗設したものが広く用いられてき
た。中でも六方晶フェライトは、その粒子サイズが小さ
いこと、形状が平板上でしかもその板面に垂直な方向に
磁化容易軸があること等から高密度記録用の磁気記録媒
体に用いる強磁性体として有望視されている。
【0005】また、従来の磁性層面内に磁化配向された
媒体よりも垂直に配向された媒体や斜めに配向された媒
体は高域出力に優れることが特公平3−38653号公
報、特開昭58−205928号公報、特公平1−21
533号公報、US4746569号明細書等で報告さ
れている。粒子の形状が針状の磁性体を用いて垂直方向
や斜め方向に配向させる方法は特開昭53−67406
号公報、特開昭53−66724号公報、特開昭57−
183626号公報等に記載されている。
【0006】また、磁気記録に使用する磁気ヘッドとし
ては、その完成度、周辺装置の簡易さからリング型の磁
気ヘッドが優れている。そして、リング型磁気ヘッドに
対しては、垂直配向であるよりも斜めに配向した方が短
波長の記録周波数が高い高域の記録領域での出力の改善
効果が大きく高密度記録の面で好ましいことが電子情報
通信学会技術研究報告 MR90ー7(1990年)や
第14回応用磁気学会概要集 10pB−10(199
0年)等に報告されている。
【0007】しかしながら斜め配向媒体は製造する際の
配向装置が大がかりになったり、垂直配向媒体は広域で
の出力には優れるものの低域での出力が低下し、リング
ヘッドを用いた記録再生ではその能力にはまだ限界があ
った。前述の六方晶フェライトを強磁性粉末とする磁気
記録媒体も種々提案されており、その配向性の観点から
特開昭62ー1113号公報や特公平3ー38653号
公報等に開示されているが、それらの磁気記録媒体をも
ってしても広域から低域まで高出力を安定に得るにはま
だ不十分であった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、広域から低
域まで広範囲の記録波長領域で高出力が得られる特に高
密度記録に好適な磁気記録媒体を提供することを目的と
している。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、粒子サイ
ズが小さく、形状が板状で磁化容易軸が板面の垂直な方
向にあり磁性層の垂直方向に配向し易い六方晶フェライ
トを強磁性粉末として選び、その磁性層内での配向性に
着目して検討した結果、本発明をなすに至った。
【0010】即ち、上記本発明の目的は、非磁性支持体
上に六方晶フェライト粉末と結合剤とを主体とする磁性
層を有する磁気記録媒体において、角型比(SQ)が最
大となるのは磁性層面内であって、磁性層面に垂直に立
てた面内にあって磁性層面から45度の方向に飽和磁化
させた後の残留磁束密度(Br)の最大値が該面内の磁
性層面から5°〜40°の方向にあることを特徴とする
磁気記録媒体により達成される。
【0011】本発明の磁気記録媒体は、第一に磁性層の
磁化容易方向は磁性層面内にあって、且つ磁性層の面に
垂直に立てた面内で磁性層面から45度の角度で飽和磁
化させた後の残留磁束密度の方向が該面内の磁性層面か
ら5°〜40°の角度範囲内に存在することを特徴とす
る磁気記録媒体なのである。
【0012】前記残留磁束密度の最大値がある方向は好
ましくは5°〜30°であり、更に好ましくは10°〜
30°である。残留磁束密度の傾きが5°未満では高域
出力が低下し、40°を超えると低域出力が低下するの
で共に好ましくない。また、最大磁束密度の大きさは、
1500G(ガウス)以上、望ましくは2000G以上
であることが再生出力を増大させる上で望ましい。
【0013】磁性層面内に存在するSQの最大値は、
0.5以上であることが望ましく、さらに望ましくは
0.7以上である。面内のSQが0.5以下では媒体と
して他の方向に磁化容易方向を有することになり、特
に、記録周波数が低い低域での出力の低下が大きくなる
ので本発明の目的を充分に達成できなくなる。
【0014】本発明の磁気記録媒体が磁気テープである
場合、SQの最大値のある方向を長手方向にとるのがよ
く、その際巾方向のSQはできるだけ小さくする必要が
あり巾方向のSQとしては0.5以下、望ましくは0.
3以下にするのがよい。巾方向のSQが0.5以上では
全域にわたり、高出力を得ることが難しくなる。
【0015】本発明の磁気記録媒体において、SQと磁
性層の垂直面内の残留磁束密度を前記のように規定する
ことにより、広域から低域までの広範囲で出力を改善で
きる理由に付いては定かではないが、以下のように推定
される。長波長領域ではその磁化ベクトルの向きは面内
方向の成分が大きく寄与すると考えられ、従って媒体の
磁化容易軸は面内に存在することが望ましい。この傾向
は特にリングヘッドを使用する場合顕著である。また短
波長領域の記録の際には磁化ベクトルの向きは垂直成分
が大きくなりこの領域では媒体の磁化容易軸は磁性層面
に対し垂直方向に存在することが望ましい。本発明の磁
気記録媒体はこの面内成分と垂直成分と斜めの成分を適
度に合わせ持つことにより、低域から高域までの出力が
改善されると考えられる。そして、本発明の磁気記録媒
体の特徴は、特にリングヘッドを使用する場合に顕著で
ある。
【0016】本発明の磁気記録媒体は、前記磁性層が一
層のみであっても構わないが、非磁性支持体との間に非
磁性層を設けると非磁性支持体の表面性の影響が軽減さ
れて表面性が向上し、また磁性層の薄層化も容易になり
自己減磁などの減磁による出力低下を軽減することがで
きる。また支持体との間に針状強磁性粉末などを含む他
の磁性層を設けると長波長の特性がより一層向上し望ま
しい。
【0017】上記の非磁性層を形成する際の塗布方法
は、下層が湿潤状態にあるうちに上層を塗布するいわゆ
るウェット・オン・ウェット方式(湿式同時重層塗布)
が望ましい。
【0018】本発明の磁気記録媒体がテープである場
合、磁性層の長手方向の抗磁力は500〜4000Oe
(エルステット゛)が望ましい。500Oe以下では短波長出力
が低下し、4000Oe以上ではヘッド磁界での記録が困
難になり望ましくない。長手方向の残留磁束密度は10
00G(ガウス)以上が望ましい、1000G以下では
全帯域での出力が低下する。特に上限はない。長手方向
の角型比は0.5以上が望ましい。0.5未満では全帯
域での出力が低下し好ましくない。長手方向の抗磁力の
分布を表すSFD(スウィッチングディストリビューシ
ョン)は金属磁性体を用いた場合は0.7以下で望まし
くは0.5以下、六方晶フェライトを用いた場合は0.
5以下、望ましくは0.3以下である。
【0019】本発明における磁性層の厚みは2μm以下
であることが望ましい。厚みは目的によって変更するこ
とが可能である。例えば磁性層が六方晶フェライトを含
む一層のみの場合は0.5〜2μm、また他の磁性層を
下層として設ける場合は0.01〜1μmとすることに
より更に高密度記録に適した磁性層とすることができ
る。
【0020】非磁性支持体上に複数の磁性層を設ける場
合、下層の磁性層に含まれる磁性体は鉄を主成分とする
金属強磁性微粉末またはコバルト変性酸化鉄であること
が望ましい。非磁性層に含まれる前記非磁性粉末が二酸
化チタン、硫酸バリウム、酸化亜鉛、α酸化鉄の中の少
なくとも1種であることが望ましい。
【0021】本発明の磁気記録媒体を得る為の具体的方
法には、種々あるが例えば以下のような方法が望まし
い。但し、これ以外の方法であっても所定の条件が達成
できれば本発明の目的は達成される。
【0022】例えば、六方晶フェライト粉末を分散させ
た磁性塗料と非磁性粉体あるいは磁性粉体を分散させた
磁性塗料を非磁性支持体に塗設する場合、上層を形成す
る六方晶フェライト含有層の乾燥後の厚さを1.0μm
以下とし、塗膜が乾燥しないうちに長手配向磁界中を通
過させる。更にカレンダー処理を行うに際しては金属ロ
−ルからなる多段ロール処理を行うことにより本発明の
磁気記録媒体を作成することができる。上記処理の意味
は明確にはなっていないが次の様に考えられる。即ち、
六方晶フェライト粉末を含む磁性層厚を1.0μm以下
とする意味は塗膜を薄くすることにより、板状粒子の板
面を垂直方向に向き易くする為であり、塗膜が乾燥しな
い内に長手配向磁界を通過させる意味は媒体に含まれ
る、ある割合の粒子を長手配向する為である。長手配向
処理で重要な点は完成した磁気記録媒体のSQの最大値
が長手方向に存在する様に処理することであり、この為
に長手磁界を未乾燥の塗膜が通過中にある程度乾燥させ
る必要がある。
【0023】この目的の為には長手磁界ゾーンに加温し
た脱湿空気を給気・排気できる設備を用いることが望ま
しい。また、磁性塗料・非磁性塗料に用いる有機溶剤の
沸点に着目し、低沸点の有機溶剤と高沸点の有機溶剤を
組み合わせて用いることができる。塗設した塗膜の乾燥
の程度を明確にすることは困難であるが、長手配向磁界
ゾーンの排気中の有機溶剤濃度の測定から類推すると塗
設した磁性・非磁性塗料中の有機溶剤の30〜80%程
度を乾燥するのが望ましい。
【0024】有機溶剤の乾燥率は30%以下ではSQの
最大値が長手方向からずれる様であり、80%以上では
Brの最大値が磁気テープの長手方向に向いてしまう。
【0025】配向に用いる磁界については長手配向磁界
と垂直配向磁界を組み合わせて行う方法も有用である。
塗設した磁性層 のヤング率・降伏値を選択し、強力な
カレンダー処理で磁性層 厚みを減じ、部分的に六方晶
フェライトの磁化容易軸を垂直方向に向けることもでき
る。
【0026】本発明の磁気記録媒体における磁性層に含
まれる六方晶フェライトとしてバリウムフェライト、ス
トロンチウムフェライト、鉛フェライト、カルシウムフ
ェライトの各置換体、Co置換体等、六方晶Co粉末が
使用できる。具体的にはマグネトプランバイト型のバリ
ウムフェライト及びストロンチウムフェライト、更に一
部スピネル相を含有したマグネトプランバイト型のバリ
ウムフェライト及びストロンチウムフェライト等が挙げ
られ、その他所定の原子以外にAl、Si、S,Sc、
Ti、V,Cr、Cu,Y,Mo,Rh,Pd,Ag、
Sn、Sb、Te、Ba、Ta、W、Re、Au、H
g、Pb、Bi、La、Ce、Pr、Nd、P,Co,
Mn,Zn、Ni、Sr、B、Ge、Nbなどの原子を
含んでも構わない。一般には、Co−Ti,Co−Ti
−Zr、Co−Ti−Zn,Ni−Ti−Zn,Ir−
Zn等の元素を添加した物を使用することができるが、
特に望ましいものはバリウムフェライト、ストロンチウ
ムフェライトの各Co置換体である。最上層の長手方向
のSFDは0.3以下にすると抗磁力の分布が小さくな
り望ましい。抗磁力を制御するためには、粒子径(板
径)、粒子厚(板厚)を均一にする、六方晶フェライト
のスピネル相の厚みを一定にする、スピネル相の置換元
素の量を一定にする、スピネル相の置換サイトの場所を
一定にする、などの方法がある。本発明に用いられる六
方晶フェライトは通常六角板状の粒子であり、その粒子
径は六角板状の粒子の板の幅を意味し電子顕微鏡を使用
して測定する。 本発明では粒子径(板径)は0.01
〜0.2μm、特に望ましくは0.03〜0.1μmの
範囲に規定するものである。また、該微粒子の平均厚さ
(板厚)は0.001〜0.2μmであるが特に0.0
03〜0.05μmが望ましい。更に板状比(粒子径/
板厚)は1〜15であり、望ましくは3〜7である。ま
た、これら六方晶フェライト微粉末のBET法による比
表面積(SBET)は25〜100m2/g、40〜70m
2/gが望ましい。25m2/g以下ではノイズが高くな
り、100m2/g以上では表面性が低下するので望ま
しくない。磁性体の抗磁力は500Oe以上、4000Oe
以下が望ましく、更に望ましくは1200Oe以上300
0Oe以下である。500Oe以下では短波長出力が低下
し、4000Oe以上ではヘッドによる記録がしにくく望
ましくない。σsは50emu/g以上、望ましくは6
0emu/g以上である。タップ密度は0.5g/cc
以上が望ましく0.8g/cc以上がさらに望ましい。
六方晶フェライトの製法としてはガラス結晶化法・共沈
法・水熱反応法等があるが、本発明は製法を選ばない。
【0027】本発明の磁気記録媒体においては他の磁性
層を下層に設けることもできる。その磁性体としてはγ
−FeOx(x=1.33〜1.5)、Co変性γ−Fe
Ox(x=1.33〜1.5)、FeまたはNiまたはC
oを主成分(75%以上)とする強磁性合金微粉末、針
状バリウムフェライト、など公知の強磁性粉末で針状比
が2〜20のものが使用できるが、α−Feを主成分と
する強磁性合金粉末、またはCo変性γ−FeOxが望
ましく、針状比は4〜12が望ましい。
【0028】磁性体粒子をBET法による比表面積で表
せば25〜80m2/gであり、望ましくは40〜70
2/gである。25m2/g以下ではノイズが高くな
り、80m2/g以上では表面性得にくく望ましくな
い。酸化鉄磁性粉末のσsは50emu/g以上、望ま
しくは70emu/g以上、であり、強磁性金属微粉末
の場合は100emu/g以上が望ましく、さらに望ま
しくは110emu/g〜170emu/gである。抗
磁力は500Oe以上、2500Oe以下が望ましく、更に
望ましくは800Oe以上2000Oe以下である。
【0029】本発明の磁気記録媒体における六方晶フェ
ライト粉末や上記のその他の強磁性微粉末粒子のその他
の望ましい範囲はともに以下のとおりである。結晶子サ
イズは450〜50オングストロ−ムであり、望ましく
は350〜100オングストロ−ムである。磁性体のr
1500は1.5以下であることが望ましい。さらに望
ましくはr1500は1.0以下である。r1500と
は磁気記録媒体を飽和磁化したのち反対の向きに150
0Oeの磁場をかけたとき反転せずに残っている磁化量の
%を示すものである。磁性体のpHは用いる結合剤との
組合せにより最適化することが望ましい。その範囲は4
〜12であるが、望ましくは6〜10である。磁性体は
必要に応じ、Al、Si、Pまたはこれらの酸化物など
で表面処理を施してもかまわない。望ましくはAl23
またはSiO2による表面処理であり、用いる結合剤樹
脂によってその量と比率を変えることが望ましい。その
量は磁性体に対し0.1〜10重量%であり表面処理を
施すと脂肪酸などの潤滑剤の吸着が100mg/m2
下になり望ましい。磁性体には可溶性のNa、Ca、F
e、Ni、Srなどの無機イオンを含む場合があるが5
00ppm以下であれば特に特性に影響を与えない。ま
た、本発明に用いられる磁性体は空孔が少ないほうが望
ましくその値は20容量%以下、さらに望ましくは5容
量%以下である。針状磁性体の場合、針状比は3〜12
以下が望ましい。
【0030】本発明の六方晶フェライトを含む磁性層の
下に設ける磁性層は長手方向の配向性が垂直方向の配向
性より高いことが好ましい。長手方向の抗磁力は500
Oe以上、2500Oe以下、角型比は0.6以上、0.9
5以下、Brは1000G以上、4000G以下、SF
Dは0.6以下が好ましい。
【0031】本発明において磁性層は、それ単独で塗布
した場合中心線平均表面粗さが0.006μm以下であ
ることが望ましい。
【0032】本発明の磁性層の結合剤としては従来公知
の熱可塑系樹脂、熱硬化系樹脂、反応型樹脂やこれらの
混合物が使用される。熱可塑系樹脂としては、ガラス転
移温度が−100〜150℃、数平均分子量が1000
〜200000、望ましくは10000〜10000
0、重合度が約50〜1000程度のものである。
【0033】このような例としては、塩化ビニル、酢酸
ビニル、ビニルアルコ−ル、マレイン酸、アクルリ酸、
アクリル酸エステル、塩化ビニリデン、アクリロニトリ
ル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、スチレン、
ブタジエン、エチレン、ビニルブチラ−ル、ビニルアセ
タ−ル、ビニルエ−テル、等を構成単位として含む重合
体または共重合体、ポリウレタン樹脂、各種ゴム系樹脂
がある。また、熱硬化性樹脂または反応型樹脂としては
フェノ−ル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン硬化型樹
脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、アクリル
系反応樹脂、ホルムアルデヒド樹脂、シリコ−ン樹脂、
エポキシ−ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂とイソシ
アネ−トプレポリマ−の混合物、ポリエステルポリオ−
ルとポリイソシアネ−トの混合物、ポリウレタンとポリ
イソシアネートの混合物等があげられる。これらの樹脂
については朝倉書店発行の「プラスチックハンドブッ
ク」に詳細に記載されている。また、公知の電子線硬化
型樹脂を各層に使用することも可能である。これらの例
とその製造方法については特開昭62−256219号
公報に詳細に記載されている。以上の樹脂は単独または
組合せて使用できるが、望ましいものとして塩化ビニル
樹脂、塩化ビニル酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル酢酸ビニ
ルビニルアルコ−ル樹脂、塩化ビニル酢酸ビニル無水マ
レイン酸共重合体、中から選ばれる少なくとも1種とポ
リウレタン樹脂の組合せ、またはこれらにポリイソシア
ネ−トを組み合わせたものが挙げられる。
【0034】ポリウレタン樹脂の構造はポリエステルポ
リウレタン、ポリエ−テルポリウレタン、ポリエ−テル
ポリエステルポリウレタン、ポリカ−ボネ−トポリウレ
タン、ポリエステルポリカ−ボネ−トポリウレタン、ポ
リカプロラクトンポリウレタンなど公知のものが使用で
きる。ここに示したすべての結合剤について、より優れ
た分散性と耐久性を得るためには必要に応じ、COO
M,SO3M、OSO3M、P=O(OM)2、 O−P
=O(OM)2、(以上につきMは水素原子、またはア
ルカリ金属塩基)、OH、NR2、N+3(Rは炭化水
素基)エポキシ基、SH、CN、などから選ばれる少な
くともひとつ以上の極性基を共重合または付加反応で導
入したものををもちいることが望ましい。このような極
性基の量は10-1〜10-8モル/gであり、望ましくは
10-2〜10-6モル/gである。
【0035】本発明の磁気記録媒体において磁性層の下
に非磁性層を設ける場合、非磁性層に使用される非磁性
粉末は、例えば金属酸化物、金属炭酸塩、金属硫酸塩、
金属窒化物、金属炭化物、金属硫化物、等の無機質化合
物から選択することができる。
【0036】例えば、α化率90%以上のα−アルミ
ナ、β−アルミナ、γ−アルミナ、炭化ケイ素、酸化ク
ロム、酸化セリウム、α−酸化鉄、コランダム、窒化珪
素、チタンカ−バイト、酸化チタン、二酸化珪素、酸化
スス゛、酸化マグネシウム、酸化タングステン、酸化ジル
コニウム、窒化ホウ素、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、硫
酸カルシウム、硫酸バリウム、2硫化モリブデンなどが
単独または組合せで使用される。中でも特に望ましいの
は二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、硫酸バリウムであ
る。これら非磁性粉末の粒子サイズは0.005〜2μ
mが望ましいが、必要に応じて粒子サイズの異なる非磁
性粉末を組み合わせたり、単独の非磁性粉末でも粒径分
布を広くして同様の効果をもたせることもできる。
【0037】DBPを用いた吸油量は5〜100ml/
100g、望ましくは10〜80ml/100g、更に
望ましくは20〜60ml/100gである。比重は1
〜12、望ましくは3〜6である。形状は針状、球状、
多面体状、板状、六角板状のいずれでも良い。これらの
粉体の表面はAl23、SiO2、TiO2、ZrO2
SnO2、Sb 23,ZnOで表面処理することが望ま
しい。特に分散性に望ましいのはAl23、SiO2
TiO2、ZrO2、であるが、更に望ましいのはAl2
3、SiO2、ZrO2である。最も望ましい非磁性粉
末は二酸化チタンである。
【0038】本発明の磁気記録媒体にあっては、六方晶
フェライトの磁性層の下に設ける層にカ−ボンブラック
を混合させて公知の効果であるRsを下げることができ
る。このためにはゴム用ファ−ネス、ゴム用サ−マル、
カラ−用ブラック、アセチレンブラック、等を用いるこ
とができる。比表面積は100〜500m2/g、望ま
しくは150〜400m2/g、DBP吸油量は20〜
400ml/100g、望ましくは30〜200ml/
100gである。粒子径は5〜80mμ、望ましく10
〜50mμ、さらに望ましくは10〜40mμである。
pHは2〜10、含水率は0.1〜10%、タップ密度
は0.1〜1g/ccが望ましい。カ−ボンブラックを
塗料に添加する前にあらかじめ結合剤で分散しても構わ
ない。これらのカーボンブラックは上記非磁性粉末に対
して50重量%を越えない範囲、非磁性層総重量の40
%を越えない範囲で使用できる。本発明で使用できるカ
−ボンブラックは例えば「カ−ボンブラック便覧」カ−
ボンブラック協会編」を参考にすることができる。
【0039】本発明の磁気記録媒体において上記の非磁
性層を設ける場合、非磁性粉末として用いられる有機質
粉末はアクリルスチレン系樹脂粉末、ベンゾグアナミン
樹脂粉末、メラミン系樹脂粉末、フタロシアニン系顔料
が挙げられるが、ポリオレフィン系樹脂粉末、ポリエス
テル系樹脂粉末、ポリアミド系樹脂粉末、ポリイミド系
樹脂粉末、ポリフッ化エチレン樹脂が使用される。その
製法は特開昭62−18564号公報、特開昭60−2
55827号公報に開示されているようなものが使用で
きる。
【0040】なお、一般の磁気記録媒体において下塗層
を設けることが行われているが、これは支持体と磁性層
等の接着力を向上させるために設けられるものであっ
て、厚さも0.5μm以下で本発明で使用することがで
きる下層とは異なるものである。 本発明においても下
層と支持体との接着性を向上させるために下塗層を設け
ることが望ましい。
【0041】本発明の磁性層には、その他、潤滑剤及び
研磨剤を添加する。潤滑剤としては、例えば、各種の脂
肪酸もしくは脂肪酸エステルが望ましく、例えば、ラウ
リン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、
ベヘン酸、ステアリン酸ブチル、オレイン酸、リノ−ル
酸、リノレン酸、エライジン酸、ステアリン酸オクチ
ル、ステアリン酸アミル、ステアリン酸イソオクチル、
ミリスチン酸オクチル、ステアリン酸ブトキシエチル、
アンヒドロソルビタンモノステアレ−ト、アンヒドロソ
ルビタンジステアレ−ト 、アンヒドロソルビタントリ
ステアレ−ト等が挙げられる。
【0042】研磨剤としては、α化率90%以上のα−
アルミナ、β−アルミナ、炭化ケイ素、酸化クロム、酸
化セリウム、α−酸化鉄、コランダム、人造ダイアモン
ド、窒化珪素、炭化珪素チタンカ−バイト、酸化チタ
ン、二酸化珪素、窒化ホウ素、など主としてモ−ス6以
上の公知の材料が単独または組合せで使用される。ま
た、これらの研磨剤同士の複合体(研磨剤を他の研磨剤
で表面処理したもの)を使用してもよい。これらの研磨
剤には主成分以外の化合物または元素が含まれる場合も
あるが主成分が90%以上であれば効果に変わりはな
い。これら研磨剤の粒子サイズは0.01〜2μmであ
ることが望ましいが、必要に応じて粒子サイズの異なる
研磨剤を組み合わせたり、単独の研磨剤でも粒径分布を
広くして同様の効果をもたせることもできる。タップ密
度は0.3〜2g/cc、含水率は0.1〜5%、pH
は2〜11、比表面積は1〜30m2/g、が望まし
い。本発明に用いられる研磨剤の形状は針状、球状、サ
イコロ状、のいずれでも良いが、形状の一部に角を有す
るものが研磨性が高いので望ましい。
【0043】本発明の磁性層で用いられる添加剤のすべ
てまたはその一部は、磁性および非磁性塗料製造のどの
工程で添加してもかまわない、例えば、混練工程前に磁
性体と混合する場合、磁性体と結合剤樹脂と溶剤による
混練工程で添加する場合、分散工程で添加する場合、分
散後に添加する場合、塗布直前に添加する場合などがあ
る。 また、目的に応じて磁性層を塗布した後、同時ま
たは逐次塗布で、添加剤の一部または全部を塗布するこ
とにより目的が達成される場合がある。また、目的によ
ってはカレンダ−処理した後、またはスリット終了後、
磁性層表面に潤滑剤を塗布することもできる。
【0044】本発明の磁気記録媒体は、磁性塗料を非磁
性支持体上に塗布して作成される。磁性塗料を製造する
工程は、少なくとも混練工程、分散工程、およびこれら
の工程の前後に必要に応じて設けた混合工程からなる。
個々の工程はそれぞれ2段階以上に分かれていてもかま
わない。本発明に使用する磁性体、非磁性粉体、結合
剤、カ−ボンブラック、研磨剤、帯電防止剤、潤滑剤、
溶剤などすべての原料はどの工程の最初または途中で添
加してもかまわない。また、個々の原料を2つ以上の工
程で分割して添加してもかまわない。例えば、ポリウレ
タンを混練工程、分散工程、分散後の粘度調整のための
混合工程で分割して投入してもよい。本発明の目的を達
成するためには、従来の公知の製造技術のを一部の工程
としてを用いることができることは勿論であるが、混練
工程では連続ニ−ダや加圧ニ−ダなど強い混練力をもつ
ものを使用すと、光沢度が向上し望ましい。連続ニ−ダ
または加圧ニ−ダを用いる場合は磁性体または非磁性粉
体と結合剤のすべてまたはその一部(ただし全結合剤の
30%以上が望ましい)および六方晶フェライト粉末1
00重量部に対し15〜500重量部の範囲で混練処理
される。これらの混練処理の詳細については特開平1-
106338号公報、特開平1-79274号公報に記
載されている。
【0045】上記の磁性塗料に使用される有機溶媒は任
意の比率でアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソ
ブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノ
ン、イソホロン、テトラヒドロフラン、等のケトン類、
メタノ−ル、エタノ−ル、プロパノ−ル、ブタノ−ル、
イソブチルアルコ−ル、イソプロピルアルコール、メチ
ルシクロヘキサノール、などのアルコ−ル類、酢酸メチ
ル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、
乳酸エチル、酢酸グリコ−ル等のエステル類、グリコ−
ルジメチルエーテル、グリコールモノエチルエーテル、
ジオキサン、などのグリコールエーテル系、ベンゼン、
トルエン、キシレン、クレゾール、クロルベンゼン、な
どの芳香族炭化水素類、メチレンクロライド、エチレン
クロライド、四塩化炭素、クロロホルム、エチレンクロ
ルヒドリン、ジクロルベンゼン、等の塩素化炭化水素
類、N,N−ジメチルホルムアミド、ヘキサン等のもの
が使用できる。
【0046】重層構成の磁気記録媒体を塗布する装置、
方法の例として以下のような構成を提案できる。 1,磁性塗料の塗布で一般的に用いられるグラビア塗
布、ロール塗布、ブレード塗布、エクストルージョン塗
布装置等により、まず下層を塗布し、下層がウェット状
態にのうちに特公平1−46186号公報や特開昭60
−238179号公報,特開平2−265672号公報
に開示されている支持体加圧型エクストルージョン塗布
装置により上層を塗布する。 2,特開昭63−88080号公報、特開平2−179
71号公報,特開平2−265672号公報に開示され
ているような塗布液通液スリットを二つ内蔵する一つの
塗布ヘッドにより上下層をほぼ同時に塗布する。 3,特開平2−174965号公報に開示されているバ
ックアップロール付きエクストルージョン塗布装置によ
り上下層をほぼ同時に塗布する。 なお、磁性粒子の凝集による磁気記録媒体の電磁変換特
性等の低下を防止するため、特開昭62−95174号
公報や特開平1−236968号公報に開示されている
ような方法により塗布ヘッド内部の塗布液にせん断力を
付与することが望ましい。さらに、塗布液の粘度につい
ては、特願平1−312659号公報に開示されている
数値範囲を満足する必要がある。
【0047】磁場配向装置は公知のものを用いることが
できるが、同極対向コバルト磁石、異極対向コバルト磁
石・ソレノイド磁石、超伝導磁石が望ましい。乾燥風の
温度、風量、塗布速度を制御することで塗膜の乾燥位置
を制御できる様にすることが望ましく、塗布速度は20
〜1000m/分、乾燥風の温度は60℃以上が望まし
い、また磁石ゾ−ンに入る前に適度の予備乾燥を行なう
こともできる。
【0048】カレンダ処理ロ−ルとしてエポキシ、ポリ
イミド、ポリアミド、ポリイミドアミド等の耐熱性のあ
るプラスチックロ−ルまたは金属ロ−ルで処理するが、
金属ロ−ル同志で処理することが望ましい。処理温度
は、望ましくは70℃以上、さらに望ましくは100℃
以上である。線圧力は望ましくは200Kg/cm、さ
らに望ましくは300Kg/cm以上である。
【0049】磁性層中に含まれる残留溶媒は望ましくは
100mg/m2以下、さらに望ましくは10mg/m2
以下であり、第二磁性層に含まれる残留溶媒が第一磁性
層に含まれる残留溶媒より少ないほうが望ましい。磁性
層が有する空隙率は非磁性下層、磁性層とも望ましくは
30容量%以下、さらに望ましくは20容量%以下であ
る。空隙率は高出力を果たすためには小さい方が望まし
いが、目的によってはある値を確保した方が良い場合が
ある。例えば、繰り返し用途が重視されるデータ記録用
磁気記録媒体では空隙率が大きい方が走行耐久性は望ま
しいことが多い。
【0050】磁性層の中心線表面粗さRaは0.008
μm以下、望ましくは0.003μm以下であるが、A
FMによる評価で求めたRMS表面粗さRRMSは2〜1
5nmの範囲にあることが望ましい。磁性層の最大高さ
SRmaxは0.5μ以下、十点平均粗さSRzは0.
3μ以下、中心面山高さSRpは0.3μm以下、中心
面谷深さSRvは0.3μm以下、中心面面積率SSr
は20%以上、80%以下、平均波長Sλaは5μm以
上、300μm以下が望ましい。磁性層の表面突起は
0.01〜1μmの大きさのものを0〜2000個の範
囲である。これらは支持体のフィラ−による表面性のコ
ントロ−ルやカレンダ処理のロ−ル表面形状などで容易
にコントロ−ルすることができる。
【0051】本発明の磁気記録媒体の厚み構成は非磁性
支持体が1〜100μm、望ましくは4〜20μmであ
る。磁性層と非磁性層を合わせた厚みは非磁性支持体の
厚みの1/100〜2倍の範囲で用いられる。また、非
磁性支持体と非磁性層また磁性層の間に密着性向上のた
めのの下塗り層を設けても構わない。この下塗層の厚み
は0.01〜2μm、望ましくは0.02〜0.5μm
である。また、非磁性支持体の磁性層側と反対側にバッ
クコ−ト層を設けることにより磁気記録媒体の走行性を
改良することができる。このバックコート層の厚みとし
ては通常0.1〜2μmである。これらの下塗層、バッ
クコ−ト層は公知のものが使用できる。
【0052】本発明に用いられる非磁性支持体はポリエ
チレンテレフタレ−ト、ポリエチレンナフタレート、等
のポリエステル類、ポリオレフィン類、セルロ−ストリ
アセテ−ト、ポリカ−ボネ−ト、ポリアミド、ポリイミ
ド、ポリアミドイミド、ポリスルフォン、アラミド、芳
香族ポリアミド、ポロベンゾオキサゾ−ルなどの公知の
フィルムが使用できるが、特に7μm以下の薄い非磁性
支持体を用いる場合は、ポリエチレンナフタレ−ト、ポ
リアミドなどの高強度支持体を用いることが望ましい。
また、非磁性支持体として中心線平均表面粗さがカット
オフ値0.08mmで0.03μm以下、望ましくは
0.01μm以下、さらに望ましくは0.005μm以
下のものを使用するのがよい。これらの非磁性支持体は
単に中心線平均表面粗さが小さいだけではなく、1μm
以上の粗大突起がないことが望ましい。
【0053】本発明に用いられる非磁性支持体のテ−プ
走行方向のF−5値は望ましくは5〜50Kg/m
2、テ−プ幅方向のF−5値は望ましくは3〜30K
g/mm2であり、テ−プ長い手方向のF−5値がテ−
プ幅方向のF−5値より高いのが一般的であるが、特に
幅方向の強度を高くする必要があるときはその限りでな
い。また、支持体のテ−プ走行方向および幅方向の10
0℃30分での熱収縮率は望ましくは3%以下、さらに
望ましくは1.5%以下、80℃30分での熱収縮率は
望ましくは1%以下、さらに望ましくは0.5%以下で
ある。破断強度は両方向とも5〜100Kg/mm2
弾性率は100〜2000Kg/mm2、が望ましい。
【0054】
【実施例】 <磁性層用塗布液 Xの調整> 六方晶バリウムフェライト 100重量部 (Hc:1500Oe、BET法による比表面積:40m2/g、平均 粒径(板径):0.05μm、平均板厚:0.01μm、σs:60emu/g、 表面処理剤:Al235重量%/SiO2 2重量%) 塩化ビニル系共重合体 12重量部 (−PO3Na含有量:1×10-4eq/g、重合度:300) ポリエステルポリウレタン樹脂 3重量部 (ネオペンチルグリコール/カプロラクトンポリオール/MDI=0.9 /2.6/1、−SO3Na基を1×10-4eq/g含有) α−アルミナ(粒子サイズ0.3μm) 2重量部 カ−ボンブラック(粒子サイズ0.015μm) 5重量部 ブチルステアレート 1重量部 ステアリン酸 2重量部 メチルエチルケトン 125重量部 シクロヘキサノン 125重量部
【0055】 <磁性層用塗布液 Yの調整> 強磁性金属微粉末 100重量部 (組成:Fe/Zn/Ni=92/4/4、Hc:1600Oe、BE T法による比表面積:61m2/g、結晶子サイズ:195オングストロ−ム、 表面処理剤:Al235重量%/SiO2 2重量%、粒子サイズ(長軸径): 0.12μm、針状比:10、σs:130emu/g) 塩化ビニル系共重合体 12重量部 (−SO3Na含有量:1×10-4eq/g、重合度300) ポリエステルポリウレタン樹脂 3重量部 (ネオペンチルグリコール/カプロラクトンポリオール/MDI=0 .9/2.6/1、−SO3Na基 1×10-4eq/g含有) α−アルミナ(粒子サイズ0.3μm) 2 重量部 カ−ボンブラック(粒子サイズ0.10μm) 0.5重量部 ブチルステアレート 1重量部 ステアリン酸 5重量部 メチルエチルケトン 100重量部 シクロヘキサノン 20重量部 トルエン 60重量部
【0056】 <非磁性層用塗布液 Zの調整> 非磁性粉末; TiO2(結晶系ルチル) 80重量部 (平均一次粒子径0.035μm 、BET法による比表面積 40m2 /g、pH:7、TiO2含有量:90%以上、DBP吸油量:27〜38g/ 100g、表面処理剤:Al23 8重量%) カーボンブラック 20重量部 (平均一次粒子径:16mμ、DBP吸油量:80ml/100g、 pH:8.0、BET法による比表面積:250m2/g、揮発分:1.5重量 %) 塩化ビニル系共重合体 12重量部 (−SO3Na含有量:1×10-4eq/g、重合度:300) ポリエステルポリウレタン樹脂 5重量部 (ネオペンチルグリコール/カプロラクトンポリオール/MDI=0.9 /2.6/1、−SO3Na基を1×10-4eq/g含有) ブチルステアレート 1重量 部 ステアリン酸 1重量部 メチルエチルケトン/シクロヘキサノン混合溶剤(8/2) 250重量部
【0057】上記3種の塗布液のそれぞれについて、各
成分を連続ニ−ダで混練したのち、サンドミルを用いて
分散させた。得られた分散液にポリイソシアネ−トを非
磁性塗布液Zの塗布液には3重量部、磁性層塗布液Xお
よびYには5重量部を加え、1μmの平均孔径を有する
フィルタ-を用いて濾過し、磁性層用塗布液X及びY、
非磁性層用塗布液Zをそれぞれ調整した。
【0058】〔実施例1〕非磁性層用塗布液Zを乾燥後
の厚さが3μmとなるように、また磁性層用塗布液Xを
乾燥後の磁性層の厚さが0.8μmになるように、厚さ
7μmで中心線表面粗さが0.002μmのポリエチレ
ンナフタレ−ト支持体上に塗布速度200m/分で同時
重層塗布をおこない、100℃の脱湿空気を送風してい
る5000G(ガウス)の磁力をもつ長さ1mのソレノ
イド磁石を通過させ、長手配向しつつ乾燥させた。乾燥
率はソレノイド内からの排気中の有機溶剤濃度の測定か
ら60%であった。その後金属ロ−ルのみから構成され
る7段のカレンダで温度100℃にて処理を行い、8m
mの幅にスリットし、8mmビデオテ−プを製造した。
得られたサンプルをNo.1とした。
【0059】〔実施例2〕非磁性層用塗布液Zを乾燥後
の厚さが2μmとなる様に、また磁性層用塗布液Xを乾
燥後の磁性層厚が1.5μmとなるように、厚さ7μm
で中心線表面粗さが0.002μmのポリエチレンナフ
タレ−ト支持体上に塗布速度200m/分で同時重層塗
布を行った。次いで配向処理を長さ50cmで2000
Gの異極対向磁石を通過させ、異極対向磁石内で15%
乾燥させ、次いで実施例1と同じ長手配向処理した。ソ
レノイド内での乾燥率は50%であった。その後、実施
例1と同一の条件でサンプルNo.2を作成した。
【0060】〔実施例3〕磁性層用塗布液Xのメチルエ
チルケトンとシクロヘキサノンをそれぞれ175:75
として作成した磁性層用塗布液を用いた他は実施例2と
同一の条件でサンプルNo.3を作成した。異極対向磁
石内での乾燥率は20%となり、ソレノイド内での乾燥
率は55%であった。
【0061】〔実施例4〕非磁性層用塗布液Zに替えて
磁性層用塗布液Yを用いた以外は実施例1と同一の条件
で同様の乾燥状態になる様に、サンプルNo.4を作成
した。
【0062】〔比較例1〕非磁性層用塗布液Zを乾燥後
の厚さが3μmとなるように、また磁性層用塗布液Xを
乾燥後の磁性層の厚さが0.8μmになるように、厚さ
7μmで中心線表面粗さが0.002μmのポリエチレ
ンナフタレ−ト支持体上に塗布速度100m/分で同時
重層塗布をおこなった。100℃の脱湿空気を送風して
いる5000Gの磁力をもつ長さ1mのソレノイド磁石
を通過させ、長手配向しつつ乾燥させた。乾燥率はソレ
ノイド内からの排気中の有機溶剤濃度の測定から90%
であった。その後金属ロ−ルのみから構成される7段の
カレンダで温度100℃にて処理を行い、8mmの幅に
スリットし、8mmビデオテ−プを製造した。得られた
サンプルをNo.5とした。
【0063】〔比較例2〕配向処理を5000Gの能力
を有する全長2mの異極対向磁石を通過させる際に磁石
内で塗膜が乾燥する様に、乾燥風と乾燥温度を制御した
以外は実施例1と同様にしてサンプルNo.6を作成し
た。
【0064】〔比較例3〕配向処理を行わなかった以外
は実施例1と同一の条件でサンプルNo.7を作成し
た。
【0065】〔比較例4〕非磁性層用塗布液Zに替えて
磁性層用塗布液Yを用いた以外は比較例1と同一の条件
でサンプルNo.8を得た。
【0066】以上のようにして得られた磁気記録媒体の
サンプルの特性を以下の条件で測定し、表1の様な結果
を得た。
【0067】(磁気特性)東英工業(株)製VSM−5
を用い、印加磁場10KOeで長手方向・巾方向・垂直方
向について測定した。 (残留磁化の傾き)東英工業製VSM−5にてサンプル
の長手から垂直方向に45度の方向から10KOeの磁場
を印加して磁化させた後、磁場を0とした。次いで長手
から垂直方向に10度毎に残留磁束密度Brを測定し、
最大Brを示す角度を求めた。 (電磁変換特性)富士写真フィルム(株)製FUJIX
8 8mmビデオデッキを用いて2MHz.7MHz信
号・10MHz信号を記録し、この信号を再生したとき
のそれぞれの周波数の再生出力をオシロスコ−プで測定
した。レファレンスは富士写真フィルム(株)製8ミリ
テープSAGP6−120である。
【0068】
【表1】
【0069】
【発明の効果】六方晶フェライト粉末の磁性層の角型比
(SQ)の最大値が磁性層面内にあり、磁性層面に垂直
な面内の磁性層面から45度の方向に飽和磁化させた後
の残留磁束密度(Br)の最大値が該面内の磁性層面か
ら5°〜40°の範囲内の方向にあるように磁化容易方
向および磁気特性を斜め方向に最大にすることにより、
低域から高域まで広い範囲の周波数領域に渡り出力の優
れた磁気記録媒体を得ることができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性支持体上に六方晶フェライト粉末
    と結合剤とを主体とする磁性層を有する磁気記録媒体に
    おいて、角型比(SQ)が最大となるのは磁性層面内で
    あって、磁性層面に垂直に立てた面内にあって磁性層面
    から45度の方向に飽和磁化させた後の残留磁束密度
    (Br)の最大値が該面内の磁性層面から5°〜40°
    の範囲の方向にあることを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 前記磁性層の下に非磁性粒子と結合剤を
    主体とする非磁性層がある請求項1に記載の磁気記録媒
    体。
  3. 【請求項3】 請求項1もしくは請求項2に記載の磁気
    記録媒体にリングヘッドを用いて記録波長が1μm以下
    の信号を記録再生する磁気記録方法。
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