JP3052171B2 - 磁気記録媒体 - Google Patents
磁気記録媒体Info
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- JP3052171B2 JP3052171B2 JP4303208A JP30320892A JP3052171B2 JP 3052171 B2 JP3052171 B2 JP 3052171B2 JP 4303208 A JP4303208 A JP 4303208A JP 30320892 A JP30320892 A JP 30320892A JP 3052171 B2 JP3052171 B2 JP 3052171B2
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Description
録媒体に関するものであり、特に、塗布型の磁性層を有
する磁気記録媒体の改良に関するものである。
可能であること、信号の電子化が容易であり周辺機器と
の組み合わせによるシステムの構築が可能であること、
信号の修正も簡単にできること等の他の記録方式にはな
い優れた特長を有することから、ビデオ、オーディオ、
コンピューター用途等を始めとして様々な分野で幅広く
利用されてきた。
の向上、記録の長時間化、記録容量の増大等の要求に対
応するために、記録媒体に関しては、記録密度のより一
層の向上が常に望まれてきた。
は、音質及び画質の向上を実現するディジタル記録方式
の実用化、ハイビジョンTVに対応した録画方式の開発
に対応するために、従来のシステムよりも一層、短波長
信号の記録再生ができる磁気記録媒体が要求されるよう
になっている。
である可撓性非磁性支持体上に磁性層を有するフロッピ
ーディスクに対しても、近年のパソコンの普及、アプリ
ケーション・ソフトの高度化、処理情報の増大の動向か
ら10Mバイト以上の高容量化が強く要求されるように
なってきた。
を形成し用途に応じて、テープ、ディスクもしくはカー
ドなどの形態にして使用されている。そして、磁性層に
は強磁性粉末を分散させた塗布液を非磁性支持体上に塗
布乾燥して得られる強磁性粉末と結合剤樹脂を主体とす
るいわゆる塗布型の磁性層と蒸着もしくはスパッタリン
グ等の真空成膜法により非磁性支持体上に真空成膜して
得られる強磁性金属薄膜より成るいわゆる金属薄膜型の
磁性層がある。
の磁性層が優れており、古くから実用化の検討がなされ
ており、8mmビデオ用途などに実用化されている。
は、耐久性、走行性、耐食性等に特性上の問題があり、
問題に対処するために本来の優れた特性を充分に生かし
きれていない。また、製造コストも高く経済性にも問題
があった。
に対しては金属薄膜型よりも優れており古くから様々な
用途に実用化されてきたが、電磁変換特性に関しては、
金属薄膜型には及ばず記録密度の向上のために幾多の努
力がなされてきたが限界があった。
めに、磁性層の磁気特性を改良すること、強磁性粉末の
分散性を向上させること、磁性層の表面性を高めること
等の観点から種々の方法が検討され提案されてきた。
末に強磁性体強磁性金属粉末や六方晶系フェライトを使
用する方法が特開昭58−122623号公報、特開昭
61−74137号公報、特公昭62−49656号公
報、特公昭60−50323号公報、US462965
3号、US4666770号、US4543198号等
に開示されている。
に、種々の界面活性剤(例えば特開昭52−15660
6号公報,特開昭53−15803号公報,特開昭53
−116114号公報等に開示されている。)を用いた
り,種々の反応性のカップリング剤(例えば,特開昭4
9−59608号公報,特開昭56−58135号公
報,特公昭62−28489号公報等に開示されてい
る。)を用いることが提案されている。
塗布、乾燥後の磁性層の表面形成処理方法を改良する方
法(例えば、特公昭60−44725号公報に開示され
ている。)が提案されている。
トは高密度記録用媒体の強磁性粉末として優れている
が、金属薄膜型磁気記録媒体にはその電磁変換特性は及
ばないのが実状である。特に、六方晶系フェライトにお
いては、その飽和磁化が小さく磁性層の磁束密度が高く
できないという問題があった。また、その分散性も悪
く、表面性の優れた磁性層を得ることが難しかった。
る上で、求められる要件として、 1)粒子サイズが小さいこと 2)抗磁力が大きいこと 3)残留磁束密度が大きいこと 4)耐候性が良好であること そして、今後更に高密度記録化を推進するために有効な
方法として検討されている、 5)強磁性粉末として磁性層の磁化の垂直成分が生かせ
ること 等が要求されるが、以上の要件をすべて満足する磁気記
録媒体は得られていない。この要因の大部分は、強磁性
粉末自体の性能によると考えられる。
く抗磁力及び残留磁束密度の点で優れているが、耐候性
が十分でなく、また粒子サイズにしても製造方法の主流
であるゲーサイトを原料とする方法では、その長軸長は
0.1μmが限界であった。また、真空蒸発法で作られ
る強磁性金属粉末は、100〜300Åの球状の金属粒
子が連なった繊維状の形態をしており、Coの含有量、
粒子サイズ及び針状比のコントロールが難しく、針状比
の上限を抑えたものが得難いので、磁性層の磁化の垂直
成分が利用できず、高密度記録化の点で限界があるとい
う問題があった。更に、この強磁性金属粉末は、強磁性
金属を真空下で蒸発して作成するものであって、製造コ
ストが非常に高いという欠点があった。 また、バリウ
ムフェライトは、粒子サイズが非常に小さく、且つ耐候
性も安定な磁気記録媒体が得られ、磁化容易軸がその板
状粒子の板面に対して垂直な方向にあり、粒子サイズが
小さいことと相まって、垂直方向の磁化成分を利用でき
るために高密度記録という点で有利である。ところが、
前記した通り飽和磁化が低く、出力の高い磁気記録媒体
を得ることができない。
々の方法により強磁性粉末の改良が試みられてきてい
る。例えば、特公昭43−20117号公報に開示され
ているように、コバルトフェライト(CoFe2 O4 )
を乾式還元して、Co含有量の高い強磁性金属粉末を得
る方法が提案されている。しかしながら、コバルトフェ
ライト粉末の粒子形状は立方体であり、形状異方性によ
る抗磁力の高い針状の形状のものは得られず、1000
エルステッド未満の抗磁力しか得ることができなかっ
た。
は、Fe3 O4 の表面をコバルトフェライトにした後
に、還元して強磁性金属粉末とする方法を開示してい
る。また、ゲータイトを出発原料とする強磁性金属粉末
の製造方法の場合、ゲータイトの粒子の針状の形状を維
持した強磁性金属粉末を得ることができるが、製造過程
でゲータイトから脱水及び脱酸素があり、粒子に空隙や
枝分かれが多くその形状は形骸化したものであって、壊
れ易く粒子サイズ分布及び抗磁力分布が広くまた得られ
る抗磁力にも限界があった。
化第二鉄の懸濁液中に特定の有機物を結晶化制御剤とし
て添加して、空孔を有さずに針状性に優れた酸化第二鉄
を得る製造方法が開示されている。そして、その酸化第
二鉄に水素ガスなどの還元剤を作用させて金属磁性粉末
を得られることも記載されている。更に、特開昭51−
25454号公報及び特開昭53−123898号公報
には、各種のキレート化合物を添加した針状酸化鉄を還
元して針状比の優れた強磁性金属粉末を得る方法が開示
されている。
は、酸化鉄表面に焼結防止剤としてアミノ酸を付着させ
て還元する方法が、同じく特開昭53−76959号公
報には、焼結防止剤としてトリフェニレン等の有機物を
使用する方法が、特公昭62−17362号公報にはキ
レート化合物を使用した例が開示されている。ところ
で、高密度記録の要求に応えるために、優れた電磁変換
特性を有する強磁性金属薄膜を磁性層とするいわゆる金
属薄膜型の磁気記録媒体も提案されている。しかし、こ
の金属薄膜を磁性層とする磁気記録媒体は、製造コスト
が高価であること、耐侯性、耐久性などの実用特性が劣
るという問題を有する。
なお上記要請を満足し得ず、金属薄膜型磁気記録媒体に
対比し得るほどの高密度の磁気記録媒体を得ることがで
きなかった。即ち、走行性、耐久性、保存性などの実用
特性に優れ、且つ、経済性にも優れ、今後の高密度記録
化への要求に応えられ得る塗布型磁気記録媒体が望まれ
ていた。
術の問題点に鑑みなされたものであり、走行性、耐久
性、保存性等の実用特性及び経済性に優れ、且つ電磁変
換特性が良好で高記録密度の磁気記録媒体を提供するこ
とを目的とし、特に、塗布型の磁気記録媒体にあって金
属薄膜型に匹敵し得る電磁変換特性を有する磁気記録媒
体を提供することを目的としている。
支持体上に強磁性粉末及び結合剤樹脂を主体とする磁性
層を有する磁気記録媒体において、該強磁性粉末がコバ
ルトフェライトを還元することにより形成したFe及び
Coを主体とする強磁性合金粉末であり、該強磁性合金
粉末は、Coの含有量がFe及びCoに対して20〜3
5原子%であって、平均粒径が100〜500Åで針状
比が1.2〜10であることを特徴とする磁気記録媒体
により達成される。
フェライトを還元して形成した特定の組成及び形状を有
するCo−Fe合金粉末を選択、使用することを特徴と
する。該Co−Fe合金粉末は、強磁性金属からなる合
金の含有率が、90重量%以上、好ましくは95重量%
以上であって、Fe及びCoに対してCoの含有量が2
0〜35原子%、好ましくは25〜34原子%、特に好
ましくは32〜34原子%であって、平均粒径(長軸長
の平均を指す)が100〜500Å、好ましくは100
〜300Å、特に好ましくは、100〜250Åで針状
比(平均粒径/平均短軸長)が1.2以上、好ましくは
1.2〜10、更に好ましくは、1.5〜5.0であ
る。このCo−Fe合金粉末は、飽和磁化σS が150
emu/g以上、好ましくは150〜180emu/g
を示すことができる。また、抗磁力は1000Oe以
上、好ましくは1000〜2000Oe、特に好ましく
は、1100〜1800Oeを示すことができる。
合金粉末を使用することにより、磁性層の抗磁力を10
00Oe以上、好ましくは1100〜2000Oe、特
に好ましくは、1200〜1900Oeに改善すること
ができる。従来のコバルトフェライト粉末を使用した場
合の磁気記録媒体では、高々800Oe止まりであっ
た。
イズを小さく保持したまま針状比を適度に抑えることに
より、ノイズが少ない磁気記録媒体が得られ(粒子サイ
ズが小さい効果)、従来のコバルトフェライトを還元し
た強磁性金属粉末に比して抗磁力を高くでき(針状比が
大きい効果)、また針状比の上限を抑制したことにより
磁性層の垂直磁化成分を有効に生かすことが出来るの
で、さらに高密度記録が可能な磁気記録媒体とすること
ができ、本発明の目的を達成することができたものであ
る。
磁力は、400Oe以上、好ましくは900〜1800
Oe、特に好ましくは、1000〜1700Oeを示す
ことができ、垂直磁化成分の飽和磁化σS は1000ガ
ウス以上、好ましくは1000〜3000ガウスを示す
ことができる。更に、本発明の磁気記録媒体の別の利点
としては、強磁性粉末の安定性が良く、磁気記録媒体の
製造工程で強磁性金属粉末の問題点であった着火性がほ
とんど無く(着火温度は200℃以上である。)、酸化
安定性も非常に高いので磁気記録媒体としても安定な耐
候性の優れたものとすることができる。
造法は、特に制限されず上記条件を満足するならば任意
の方法を用いることができる。以下、具体的にCo−F
e合金粉末の製法を述べるが、これに限定されるもので
はない。まず、Co2+塩水溶液とFe3+塩水溶液または
Co2+塩水溶液とFe2+塩水溶液をアルカリで共沈さ
せ、反応母液のpHを7以上とし、40℃以上で反応さ
せてコバルトフェライトを生成する。次いで、水洗・焼
結防止処理の後、更に水洗して乾燥させてコバルトフェ
ライト粉末を得る。上記コバルトフェライト生成反応の
際に有機物結晶化抑制剤を添加して粒子形を針状にする
ことができる。次いで電気炉に入れ、水素ガスで還元
し、除酸化した後、Co−Fe合金粉末を得ることがで
きる。
/(Fe+Co)で33原子%であるが、反応仕込み時
にCoの一部をFe2+塩にすることで、また、Coの含
有量を多くすることでCo−Fe合金粉末のCo含有量
を20〜35原子%に調節することができる。Co含有
量が20原子%以下であると強磁性金属粉末の飽和磁束
密度が低くなり、磁気記録媒体としての出力が低くな
り、磁気記録媒体としての出力の改良が十分でなくな
る。コバルト量が35原子%を越えると、コバルトフェ
ライト粒子とは別のコバルト化合物の粒子が混在するよ
うになるため好ましくない。
晶化抑制剤の添加量で制御できる。本発明に使用する針
状比は、前述した通り、1.2以上、好ましくは1.2
〜10、更に好ましくは1.5〜5.0である。該針状
比が10を越えると磁気記録媒体の垂直成分が低くな
り、高密度記録に適さなくなり好ましくない。前記有機
物結晶化抑制剤は、種々の有機化合物が使用でき、例え
ば、特公昭60−42174号公報に記載された有機ホ
スホン酸、ヒドロキシカルボン酸、これらの塩及びエス
テルから選ばれる有機化合物であり、具体的には、有機
ホスホン酸としては、アミノトリ(メチレンホスホン
酸)、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン
酸、エチレンジアミンテトラ(メチレンスルホン酸)、
ヒドロキシメチレンジホスホン酸、メチレンジホスホン
酸、エチレン−1,2−ジホスホン酸等であり、ヒドロ
キシカルボン酸としては、クエン酸、酒石酸、ジヒドロ
キシグルタン酸、グリコール酸、サリチル酸等主として
脂肪族ヒドロキシカルボン酸が用いられ、中でも、クエ
ン酸、エチレンジアミンテトラメチレンスルホン酸が好
ましい。
用する全金属(Co、Fe及びその他の添加金属の和)
として金属1モル当り1×10-6〜3モル、望ましくは
1×10-3〜0.5モルである。該結晶化抑制剤の添加
量が多くなると針状比は大きくなりすぎ、少なすぎると
効果がなく、磁気記録媒体としてHcが低くなる。これ
らの検討から該結晶化抑制剤を添加する際には上記範囲
が好ましい。
は、本出願人の先の出願である特願平4−188350
号明細書を参照することができる。本発明の磁気記録媒
体としては、非磁性支持体上に形成される塗布層の構造
は、強磁性粉末を結合剤樹脂中に分散した磁性層を少な
くとも1層以上含む構成であれば、特に制限されること
はない。本発明においては、非磁性支持体と磁性層の間
に結合剤樹脂中に非磁性粉末を分散させた非磁性層を形
成させたものが、より一層の高密度記録が実現できるの
で好ましい。
の積層構造の場合はその総和)は、1μm以下、好まし
くは、0.1〜1.0μm、特に好ましくは0.2〜
0.8μmである。非磁性支持体上に2層以上の塗布層
を形成させる方法としては、非磁性支持体上の第一塗布
層がまだ湿潤状態にあるうちに第二層以降の塗布液をそ
の上に塗布するウェット・オン・ウェット方式(同時重
層塗布方式、特開昭61−139929号公報、特開昭
61−54992号公報等に開示されている。)で塗布
することにより、すなわち第一塗布層が湿潤状態にある
うちに第二層以降の塗布層を形成すると、上層の磁性層
を薄層にすることが容易となり、かつ塗布欠陥を減少す
ることができ、さらに、各塗布層の密着性を大きくする
ことができるので好ましい。
非磁性層とした場合、最上層(磁性層)に本発明のCo
−Fe合金粉末を用いると高密度磁気記録特性を最大限
に増加させることができる。具体的には、第一に最上層
以外の第一層等のみに磁気記録媒体の実用特性に必要な
カーボンブラック等の非磁性粉末を添加して必要な電気
伝導性を確保できるため、最上層に短波長磁気記録に重
要な磁性層を1μm以下の薄層に形成すると共にその単
位体積当たりの飽和磁束密度を増加させることができる
ためであり、第二には最上層の表面の凹凸が滑らかに仕
上げられるためである。更に材料として比較的高価なC
o−Fe合金粉末の使用量を少なくできるため、経済的
であるという利点もある。
いは非磁性層の結合剤樹脂は、従来公知の熱可塑性樹
脂、熱硬化性樹脂、反応型樹脂やこれらの混合物が使用
できる。熱可塑性樹脂としては、ガラス転移温度が−1
00乃至150℃、数平均分子量が1000乃至200
000、好ましくは10000乃至100000、重合
度が約50乃至1000程度のものである。
ニル、酢酸ビニル、ビニルアルコ−ル、マレイン酸、ア
クリル酸、アクリル酸メチルエステル、アクリル酸エチ
ルエステル、メタクリル酸メチルエステル、メタクリル
酸エチルエステル、塩化ビニリデン、アクリロニトリ
ル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、スチレン、
ブタジエン、エチレン、ビニルブチラ−ル、ビニルアセ
タ−ル、ビニルエ−テル、等を構成単位として含む重合
体または共重合体、ポリウレタン樹脂、各種ゴム系樹脂
がある。
てはフェノ−ル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン硬化
型樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、アク
リル系反応樹脂、ホルムアルデヒド樹脂、シリコ−ン樹
脂、エポキシ−ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂とイ
ソシアネ−トプレポリマ−の混合物、ポリエステルポリ
オ−ルとポリイソシアネ−トの混合物、ポリウレタンと
ポリイソシアネートの混合物等があげられる。
末の分散効果と磁性層の耐久性を得るためには必要に応
じ、COOM,SO3 M、OSO3 M、P=O(OM)
2 、O−P=O(OM)2 、(以上につきMは水素原
子、またはアルカリ金属塩)、OH、NR2 、N+R3
(Rは炭素数で1〜10の炭化水素基)、エポキシ基
(炭素数で1〜4の長さの炭素鎖を介して樹脂分子の主鎖
に結合しているエチレンオキシドもしくはトリメチレン
オキシド)、SH、CN、などから選ばれる少なくとも
ひとつ以上の極性基を共重合または付加反応で導入した
ものをもちいることが好ましい。このような極性基の量
は10-1乃至10-8モル/gであり、好ましくは10-2乃
至10-6モル/gである。
樹脂は、磁性層にあっては強磁性粉末に対し、非磁性層
にあっては非磁性粉末に対し、5乃至50重量%の範
囲、好ましくは10乃至30重量%の範囲で用いられ
る。塩化ビニル系樹脂を用いる場合は5乃至100重量
%、ポリウレタン樹脂合を用いる場合は2乃至50重量
%、ポリイソシアネ−トは2乃至100重量%の範囲で
これらを組み合わせて用いるのが好ましい。
用した強磁性粉末の最大飽和磁化量σS及び最大磁束密
度Bmから計算でき(Bm/4πσs)となり、本発明に
おいてはその値は、望ましくは1.7g/cc以上であ
り、更に望ましくは1.9g/cc以上、最も好ましく
は2.1g/cc以上である。本発明において、ポリウ
レタンを用いる場合はガラス転移温度が−50乃至10
0℃、破断伸びが100乃至2000%、破断応力は
0.05乃至10kg/cm2、降伏点は0.05乃至
10kg/cm2が好ましい。
は、トリレンジイソシアネ−ト、4−4’−ジフェニル
メタンジイソシアネ−ト、ヘキサメチレンジイソシアネ
−ト、キシリレンジイソシアネ−ト、ナフチレン−1,
5−ジイソシアネ−ト、o−トルイジンジイソシアネ−
ト、イソホロンジイソシアネ−ト、トリフェニルメタン
トリイソシアネ−ト等のイソシアネ−ト類、また、これ
らのイソシアネ−ト類とポリアルコールとの生成物、ま
た、イソシアネート類の縮合によって生成したポリイソ
シアネ−ト等を使用することができる。これらのイソシ
アネート類の市販されている商品名としては、日本ポリ
ウレタン社製、コロネートL、コロネ−トHL、コロネ
−ト2030、コロネ−ト2031、ミリオネ−トMR
ミリオネ−トMTL、武田薬品社製、タケネ−トD−1
02、タケネ−トD−110N、タケネ−トD−20
0、タケネ−トD−202、住友バイエル社製、デスモ
ジュ−ルL、デスモジュ−ルIL、デスモジュ−ルN、
デスモジュ−ルHL,等がありこれらを単独または硬化
反応性の差を利用して二つもしくはそれ以上の組合せで
用いることができる。
たは非磁性層中には、通常、潤滑剤、研磨剤、分散剤、
帯電防止剤、分散剤、可塑剤、防黴剤等などを始めとす
る種々の機能を有する素材をその目的に応じて含有させ
ることができる。本発明の磁性層に使用する潤滑剤とし
ては、ジアルキルポリシロキサン(アルキルは炭素数1
乃至5個)、ジアルコキシポリシロキサン(アルコキシ
は炭素数1乃至4個)、モノアルキルモノアルコキシポ
リシロキサン(アルキルは炭素数1乃至5個、アルコキ
シは炭素数1乃至4個)、フェニルポリシロキサン、フ
ロロアルキルポリシロキサン(アルキルは炭素数1乃至
5個)などのシリコンオイル;グラファイト等の導電性
微粉末;二硫化モリブデン、二硫化タングステンなどの
無機粉末;ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−
塩化ビニル共重合体、ポリテトラフルオロエチレン等の
プラスチック微粉末;常温で液状の不飽和脂肪族炭化水
素(n−オレフィン二重結合が末端の炭素に結合した化
合物、炭素数約20);炭素数12乃至20個の一塩基
性脂肪酸と炭素数3乃至12個の一価のアルコールから
成る脂肪酸エステル類、フルオロカーボン類等が使用で
きる。
脂肪酸エステルの原料となる アルコールとしてはエタ
ノール、ブタノール、フェノール、ベンジルアルコー
ル、2−メチルブチルアルコール、2−ヘキシルデシル
アルコール、プロピレングリコールモノブチルエーテ
ル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピ
レングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコ
ールモノブチルエーテル、s−ブチルアルコール等のモ
ノアルコール類、エチレングリコール、ジエチレングリ
コール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、ソルビ
タン誘導体等の多価アルコールが挙げられる。同じく脂
肪酸としては酢酸、プロピオン酸、オクタン酸、2−エ
チルヘキサン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリ
ン酸、パルミチン酸、ベヘン酸、アラキン酸、オレイン
酸、リノール酸、リノレン酸、エライジン酸、パルミト
レイン酸等の脂肪族カルボン酸またはこれらの混合物が
挙げられる。
ステアレート、s−ブチルステアレート、イソプロピル
ステアレート、ブチルオレエート、アミルステアレー
ト、3−メチルブチルステアレート、2−エチルヘキシ
ルステアレート、2−ヘキシルデシルステアレート、ブ
チルパルミテート、2−エチルヘキシルミリステート、
ブチルステアレートとブチルパルミテートの混合物、ブ
トキシエチルステアレート、2−ブトキシ−1−プロピ
ルステアレート、ジプロピレングリコールモノブチルエ
ーテルをステアリン酸でアシル化したもの、ジエチレン
グリコールジパルミテート、ヘキサメチレンジオールを
ミリスチン酸でアシル化してジオールとしたもの、グリ
セリンのオレエート等の種々のエステル化合物を挙げる
ことができる。
るときしばしば生ずる脂肪酸エステルの加水分解を軽減
するために、原料の脂肪酸及びアルコールの分岐/直
鎖、シス/トランス等の異性構造、分岐位置を選択する
ことがなされる。これらの潤滑剤は結合剤100重量部
に対して0.2乃至20重量部の範囲で添加される。
することもできる。即ち、シリコンオイル、グラファイ
ト、二硫化モリブデン、窒化ほう素、弗化黒鉛、フッ素
アルコール、ポリオレフィン、ポリグリコール、アルキ
ル燐酸エステル、二硫化タングステン等である。本発明
の磁性層に用いられる研磨剤としては、一般に使用され
る材料で溶融アルミナ、炭化珪素、酸化クロム(Cr2
O3 )、コランダム、人造コランダム、ダイアモンド、
人造ダイアモンド、ザクロ石、エメリー(主成分:コラ
ンダムと磁鉄鉱)等が使用される。これらの研磨剤はモ
ース硬度が6以上である。具体的な例としては住友化学
社製、AKP−10、AKPー12、AKP−15、2
0AKP−30,AKP−50、AKP−1520、A
KP−1500、HIT-50、HIT-100、日本化
学工業社製、G5,G7,S−1、酸化クロムK、上村
工業社製UB40B、不二見研磨剤社製WA8000、
WA10000、戸田工業社製TF140,TF180
などが上げられる。平均粒子径が0.05乃至3μmの
大きさのものが効果があり、好ましくは0.1乃至1.
5μmである。
対して1乃至20重量部、望ましくは1乃至15重量部
の範囲で添加される。1重量部より少ないと十分な耐久
性が得られず、20重量部より多すぎると表面性、充填
度が劣化する。これらの研磨剤はあらかじめ結合剤で分
散処理したのち磁性塗料中に添加してもかまわない。本
発明の磁気記録媒体の磁性層中には、前記非磁性粉末の
他に帯電防止剤として導電性粒子を含有することもでき
る。しかしながら、最上層の飽和磁束密度を最大限に増
加させるためにはできるだけ最上層への添加は少なく
し、最上層以外の塗布層に添加するのが好ましい。帯電
防止剤としては特に、カーボンブラックを添加すること
は、媒体全体の表面電気抵抗を下げる点で好ましい。本
発明に使用できるカ−ボンブラックはゴム用ファ−ネ
ス、ゴム用サ−マル、カラ−用ブラック、アセチレンブ
ラック、等を用いることができる。比表面積は5乃至5
00m2/g、DBP吸油量は10乃至1500ml/
100g、粒子径は5mμ乃至300mμ、pHは2乃
至10、含水率は0.1乃至10%、タップ密度は0.
1乃至1g/cc、が好ましい。本発明に用いられるカ
−ボンブラックの具体的な例としてはキャボット社製、
BLACKPEARLS 2000、1300、100
0、900、800,700、VULCAN XC−7
2、旭カ−ボン社製、#80、#60,#55、#5
0、#35、三菱化成工業社製、#3950B、#24
00B、#2300、#900、#1000、#30、
#40、#10B、コロンビアカ−ボン社製、COND
UCTEX SC、RAVEN 150、50、40、
15、ライオンアグゾ社製ケッチェンブラックEC、ケ
ッチェンブラックECDJ−500、ケッチェンブラッ
クECDJ−600などが挙などがあげられる。カ−ボ
ンブラックを分散剤などで表面処理したり、樹脂でグラ
フト化して使用しても、表面の一部をグラファイト化し
たものを使用してもかまわない。また、カ−ボンブラッ
クを磁性塗料に添加する前にあらかじめ結合剤で分散し
てもかまわない。磁性層にカ−ボンブラックを使用する
場合は強磁性粉末に対する量は0.1乃至30重量%で
もちいることが好ましい。さらに非磁性層には全非磁性
粉体に対し3乃至20重量%含有させることが好まし
い。
してだけでなく、摩擦係数低減、遮光性付与、膜強度向
上などの働きがあり、これらは用いるカ−ボンブラック
により異なる。従って本発明に使用されるこれらのカ−
ボンブラックは、その種類、量、組合せを変え、粒子サ
イズ、吸油量、電導度、pHなどの先に示した諸特性を
もとに目的に応じて各塗布層において使い分けることは
もちろん可能である。使用できるカーボンブラックは例
えば「カ−ボンブラック便覧」カ−ボンブラック協会編
を参考にすることができる。
磁性層を形成する場合の非磁性層は、非磁性粉末を結合
剤樹脂中に分散した層である。その非磁性層に使用され
る非磁性粉末には、種々のものが使用できる。例えば、
α化率90%以上のα−アルミナ、β−アルミナ、γ−
アルミナ、炭化ケイ素、酸化クロム、酸化セリウム、α
−酸化鉄、コランダム、窒化珪素、チタンカ−バイト、
酸化チタン、二酸化珪素、窒化ホウ素、酸化亜鉛、炭酸
カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウムなどが単独
または組合せで使用される。これら非磁性粉末の粒子サ
イズは0.01乃至2μが好ましいが、必要に応じて粒
子サイズの異なる非磁性粉末を組み合わせたり、単独の
非磁性粉末でも粒径分布を広くして同様の効果をもたせ
ることもできる。タップ密度は0.3乃至2g/cc、
含水率は0.1乃至5重量%%、pHは2乃至11、比
表面積は1乃至60m2/g、が好ましい。前記非磁性
粉末の形状は針状、球状、サイコロ状、のいずれでも良
い。本発明に用いられる非磁性粉末の具体的な例として
は、住友化学社製、AKP−20、AKP−30、AK
P−50、HIT−50、日本化学工業社製、G5、G
7、S−1、戸田工業社製、TF−100、TF−12
0、TF−140、石原産業社製TT055シリーズ、
ET300W、チタン工業社製STT30などがあげら
れる。
に下層磁性層を重層して形成する場合には、その強磁性
粉末としては酸化鉄強磁性粉末、コバルト変性酸化鉄強
磁性粉末、CrO2 、六方晶フェライト、各種金属強磁
性粉末(前記本発明に使用されるCo−Fe合金粉末を
使用してもよい。)を樹脂中に分散した種々のものが使
用できる。
させる塗布方式においては、前記のウェット・オン・ウ
ェット方式が挙げられるが、その具体的な方法として
は、(1)磁性塗料で一般的に用いられるグラビア塗布、
ロール塗布、ブレード塗布、エクストルージョン塗布装
置によりまず第一層(下層)を塗布し、その層がまだ湿
潤状態にあるうちに、例えば、特公平1−46186号
公報、特開昭60−238179合公報及び特開平2−
265672号公報に開示されている非磁性支持体加圧
型エクストルージョン塗布装置により上層を塗布する方
法、(2)特開昭63−88080号公報、特開平2−1
7971号公報及び特開平2−265672号公報に開
示されているような塗布液通液スリットを二つ内蔵した
塗布ヘッドにより、下層の塗布液及び上層の塗布液をほ
ぼ同時に塗布する方法、(3)特開平2−174965号
公報に開示されているバックアップロール付きエクスト
ルージョン塗布装置により、上層及び下層をほぼ同時に
塗布する方法、等が挙げられる。
の磁気記録媒体を非磁性支持体上にウェット・オン・ウ
ェット方式で塗布する場合、磁性層用塗布液と非磁性層
用塗布液の流動特性はできるだけ近い方が、塗布された
磁性層と非磁性層の界面の乱れがなく厚さが均一な厚み
変動の少ない磁性層を得ることができる。塗布液の流動
特性は、塗布液中の粉末粒子と結合剤樹脂の組み合わせ
に強く依存するので、特に、非磁性層に使用する非磁性
粉末の選択に留意する必要がある。
1乃至100μm、望ましくは3乃至20μm、非磁性
層としては、0.5乃至10μmである。また、前記磁
性層及び前記非磁性層以外の他の層を目的に応じて形成
することができる。例えば、非磁性支持体と下層の間に
密着性向上のための下塗り層を設けてもかまわない。こ
の厚みは0.01乃至2μm、好ましくは0.05乃至
0.5μmである。また、非磁性支持体の磁性層側と反
対側にバックコ−ト層を設けてもかまわない。この厚み
は0.1乃至2μm、好ましくは0.3乃至1.0μm
である。これらの中間層、バックコ−ト層は公知のもの
が使用できる。円盤状磁気記録媒体の場合、片面もしく
は両面に上記層構成を設けることができる。
制限はなく、通常使用されているものを用いることがで
きる。非磁性支持体を形成する素材の例としては、ポリ
エチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリカーボネート、ポリエチレンナフタレート、ポ
リアミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリサルホ
ン、ポリエーテルサルホン等の各種合成樹脂のフィル
ム、およびアルミニウム箔、ステンレス箔などの金属箔
を挙げることができる。
性支持体の表面粗さは、中心線平均表面粗さRa(カッ
トオフ値0.25mm)で0.03μm以下、望ましく
は0.02μm以下、さらに望ましくは0.01μm以
下である。また、これらの非磁性支持体は単に前記中心
線平均表面粗さが小さいだけではなく、1μm以上の粗
大突起がないことが好ましい。また表面の粗さ形状は必
要に応じて非磁性支持体に添加されるフィラ−の大きさ
と量により自由にコントロ−ルされるものである。これ
らのフィラ−の一例としては、Ca、Si、Tiなどの
酸化物や炭酸塩の他、アクリル系などの有機樹脂微粉末
があげられる。
走行方向のF−5値は好ましくは5乃至50kg/mm
2、ウエブ幅方向のF−5値は好ましくは3乃至30k
g/mm2であり、ウエブ長い手方向のF−5値がウエ
ブ幅方向のF−5値より高いのが一般的であるが、特に
幅方向の強度を高くする必要があるときはその限りでな
い。
向の100℃30分での熱収縮率は好ましくは3%以
下、さらに望ましくは1.5%以下、80℃30分での
熱収縮率は好ましくは1%以下、さらに望ましくは0.
5%以下である。破断強度は両方向とも5乃至100k
g/mm2、弾性率は100乃至2000kg/mm2が
望ましい。
でアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケ
トン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホ
ロン、テトラヒドロフラン、等のケトン類、メタノ−
ル、エタノ−ル、プロパノ−ル、ブタノ−ル、イソブチ
ルアルコ−ル、イソプロピルアルコール、メチルシクロ
ヘキサノール、などのアルコ−ル類、酢酸メチル、酢酸
ブチル、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、乳酸エチ
ル、酢酸グリコ−ル等のエステル類、グリコ−ルジメチ
ルエーテル、グリコールモノエチルエーテル、ジオキサ
ン、などのグリコールエーテル系、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、クレゾール、クロルベンゼン、などの芳
香族炭化水素類、メチレンクロライド、エチレンクロラ
イド、四塩化炭素、クロロホルム、エチレンクロルヒド
リン、ジクロルベンゼン、等の塩素化炭化水素類、N,
N−ジメチルホルムアミド、ヘキサン等のものが使用で
きる。これら有機溶媒は必ずしも100%純粋ではな
く、主成分以外に異性体、未反応物、副反応物、分解
物、酸化物、水分等の不純分がふくまれてもかまわな
い。これらの不純分は30%以下が好ましく、さらに好
ましくは10%以下である。本発明で用いる有機溶媒は
必要ならば磁性層と下層でその種類、量を変えてもかま
わない。磁性層に揮発性の高い溶媒をもちい表面性を向
上させる、下層に表面張力の高い溶媒(シクロヘキサノ
ン、ジオキサンなど)を用い塗布の安定性をあげる、下
層に溶解性パラメ−タの高い溶媒を用い充填度を上げる
などがその例としてあげられるがこれらの例に限られた
ものではないことは無論である。
と結合剤樹脂、及び必要ならば他の添加剤と共に有機溶
媒を用いて混練分散し、磁性塗料を非磁性支持体上に塗
布し、必要に応じて配向、乾燥して得られる。本発明の
磁気記録媒体の磁性塗料あるいは更に非磁性塗料を製造
する工程は、少なくとも混練工程、分散工程、およびこ
れらの工程の前後に必要に応じて設けた混合工程からな
る。個々の工程はそれぞれ2段階以上にわかれていても
かまわない。本発明に使用する強磁性粉末、非磁性粉
末、結合剤、カ−ボンブラック、研磨剤、帯電防止剤、
潤滑剤、溶剤などすべての原料はどの工程の最初または
途中で添加してもかまわない。また、個々の原料を2つ
以上の工程で分割して添加してもかまわない。例えば、
ポリウレタンを混練工程、分散工程、分散後の粘度調整
のための混合工程で分割して投入してもよい。
ては各種の混練機が使用される。例えば、二本ロールミ
ル、三本ロールミル、ボールミル、ペブルミル、トロン
ミル、サンドグラインダー、ゼグバリ(Szegvar
i)、アトライター、高速インペラー分散機、高速スト
ーンミル、高速衝撃ミル、ディスパー、ニーダー、高速
ミキサー、ホモジナイザー、超音波分散機などを用いる
ことができる。
公知の製造技術を一部の工程としてを用いることができ
ることはもちろんであるが、混練工程では連続ニ−ダや
加圧ニ−ダなど強い混練力をもつものを使用することに
より本発明の磁気記録媒体の高いBrを得ることができ
る。連続ニ−ダまたは加圧ニ−ダを用いる場合は磁性体
と結合剤のすべてまたはその一部(ただし全結合剤の3
0%以上が好ましい)および強磁性粉末100重量部に
対し15乃至500重量部の範囲で混練処理される。こ
れらの混練処理の詳細については特開平1−10633
8号公報、特開昭64−79274号公報に記載されて
いる。本発明では、特開昭62−212933に示され
るような同時重層塗布方式をもちいることによりより効
率的に生産することが出来る。
る残留溶媒は好ましくは100mg/m2以下、さらに
好ましくは10mg/m2以下であり、磁性層に含まれ
る残留溶媒が非磁性層に含まれる残留溶媒より少ないほ
うが好ましい。
び結合剤樹脂を主体とする磁性層用塗布液、また、非磁
性粉末および結合剤樹脂を主体とする非磁性層用塗布液
も共に結合剤樹脂中に粉末成分を分散する際に塗布液中
に多少の気体成分を巻き込むこと、また、該塗布液を支
持体上に塗布して乾燥する際に溶剤成分が塗布層から脱
離することが主たる要因になって、乾燥後の塗布層中に
は空隙が通常、形成される。その空隙率は非磁性層、磁
性層とも好ましくは30容量%以下、さらに好ましくは
10容量%以下である。非磁性層の空隙率が磁性層の空
隙率より大きいほうが好ましいが非磁性層の空隙率が5
容量%以上であれば小さくてもかまはない。本発明の磁
気記録媒体は非磁性層と磁性層を有することが好ましい
が、目的に応じ非磁性層と磁性層でこれらの物理特性を
変えることができるのは容易に推定されることである。
例えば、磁性層の弾性率を高くし走行耐久性を向上させ
ると同時に非磁性層の弾性率を磁性層より低くして磁気
記録媒体のヘッドへの当りを良くするなどである。
れた磁性層は必要により層中の強磁性粉末を配向させる
処理を施したのち、形成した磁性層を乾燥する。又必要
により表面平滑化加工を施したり、所望の形状に裁断し
たりして、本発明の磁気記録媒体を製造する。磁性層の
0.5%伸びでの弾性率はウエブ塗布方向、幅方向とも
望ましくは、100乃至2000kg/mm2、破断強
度は望ましくは1乃至30 kg/cm2、磁気記録媒体
の弾性率はウエブ塗布方向、幅方向とも望ましくは 1
00乃至1500kg/mm2、残留のびは望ましくは
0.5%以下、100℃ 以下のあらゆる温度での熱収
縮率は望ましくは1%以下、さらに望ましくは0.5%
以下、もっとも望ましくは0.1%以下である。
オ用途、オーディオ用途などのテープであるが、データ
記録用途のフロッピーディスクや磁気ディスクであって
もよく、ドロップ・アウトの発生による信号の欠落が致
命的となるデータ記録用途のディスク状媒体に対しても
有効である。更に、下層を非磁性層とし、磁性層の厚さ
を1μm以下とすることにより、電磁変換特性が高い、
重ね書き特性が優れた高密度で高容量の磁気記録媒体を
得ることができる。
的に説明する。
なお実施例中の「部」は「重量部」を示す。 (強磁性合金粉末の生成) 強磁性粉末A 硫酸コバルト7水塩8.4kgと硫酸第二鉄7水塩1
5.7kgを100リットルの水に溶解し、容量500
リットルの反応器で75℃に昇温し、300rpmで攪
拌させつつカセイソーダ7.2kgを水200リットル
に溶解した75℃の水溶液を添加した。次いでクエン酸
170gを水20リットルに溶解した液を添加した。反
応液を80℃とし、10時間反応させ、コバルトフェラ
イトを得た。室温に戻して固液分離、水洗の後、再び水
200リットルを加えて分散スラリーとし、攪拌しつ
つ、水ガラスをSi/(Fe+Co)で原子比0.05
となるように加えて2時間処理した。更に固液分離・水
洗の後100℃で乾燥させた。
炉に入れ、窒素ガスを100リットル/min通気し、
500℃で3時間加熱処理した。次いで温度を400℃
とし、水素ガス100リットル/min通気して6時間
還元した。室温に戻した後、酸素濃度0.1%の窒素と
空気の混合ガスを5時間通気した後、徐々に酸素濃度を
増加して最終的に空気を通気した後、大気中に取り出
し、強磁性粉末Aを得た。
拌速度を500rpm(B)または700rpm(C)
にした他は上記強磁性粉末Aと同条件で行い強磁性粉末
BまたはCを得た。 強磁性粉末D、E コバルトフェライト生成時にクエン酸を添加しなかった
(D)かクエン酸を850gにした(E)他は強磁性粉
末Aと同条件で行い強磁性粉末DまたはEを得た。
ンホスホン酸を400g(F)か800g(G)にした
他は強磁性粉末Aと同条件で行い強磁性粉末FまたはG
を得た。 強磁性粉末H コバルトフェライトの代わりに平均粒径(長軸長)0.
15μm、針状比15のゲータイトを用いた以外は強磁
性粉末Aと同条件で還元し、強磁性粉末Hを得た。
す。
カンタークロム社製)を用い250℃、30分間窒素雰
囲気で脱気後BET一点法(分圧0.30)で測定し
た。平均粒径及び平均短軸長は、透過型電子顕微鏡(T
EM)により求めた。磁気特性(Hc、σS )は、振動
試料型磁束計(VSM)で印加磁場10kOe(キロエ
ルステッド)で測定した。
性塗料を調製した。 (磁性層用組成物) 強磁性粉末(表2記載) 100部 結合剤樹脂 塩化ビニル共重合体 12部 (−SO3Na基を1×10-4eq/g含有 重合度 300) ポリエステルポリウレタン樹脂 3部 (ネオペンチルグリコール/カプロラクトンポリオール/MD I=0.9/2.6/1 −SO3Na基 1×10-4eq/g含有) α−アルミナ(平均粒子サイズ 0.2μm) 1.5部 カーボンブラック(平均粒子サイズ 100nm) 0.5部 ブチルステアレート 1部 ステアリン酸 2部 メチルエチルケトンとシクロヘキサノン1:1混合溶剤 200部 (非磁性層用組成物) 非磁性粉末 針状α−Fe2O3 80部 (平均粒子長0.25μm、平均針状比12 BET法による表面積 35m2/g pH4.0) カーボンブラック 20部 (平均一次粒子径 16nm、 DBP及油量 80ml/100g BET法による表面積 235m2/g pH8.0) 結合剤樹脂 塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体 10部 (−N(CH3)3+Cl-の極性基を5×10-6eq/g含有 モノマー組成比 86:13:1 重合度 400) ポリエステルポリウレタン樹脂 8部 (基本骨格:1,4−BD/フタル酸/HMDI 分子量: 10200 水酸基: 0.23×10-3eq/g含有 −SO3Na基:1×10-4eq/g含有 ブチルステアレート 1部 ステアリン酸 2.5部 メチルエチルケトンとシクロヘキサノン1:1混合溶剤 200部 (非磁性層用組成物)非磁性層用組成物の針状α−
Fe2 O3 の替わりに針状Co変性酸化鉄(比表面積5
0m2 /g、Hc850、軸長0.15、軸比8)を用
いた他は、同条件で作成した。
物のそれぞれをニーダーで混練した後、サンドグライン
ダーを使用して分散した。得られた分散液にポリイソシ
アネートを非磁性層の塗布液には5部,磁性層の塗布液
には6部を加え、さらにメチルエチルケトンとシクロヘ
キサノン1:1混合溶剤を20部加え、1μmの平均孔
径を有するフィルターを使用して濾過し、非磁性層形成
用および磁性層形成用の塗布液を調製した。
さが2μmとなるように塗布し、さらにその直後非磁性
層用塗布層がまだ湿潤状態にあるうちに、その上に磁性
層の厚みが所定の厚みとなるように厚さ7μmのポリエ
チレンテレフタレート支持体上に湿式同時重層塗布を行
い,両層がまだ湿潤状態にあるうちにSm−Co磁石
(表面磁束3000ガウス)とソレノイド電磁石(表面
磁束1500ガウス)により強磁性粉末の磁場配向を行
って、次いで磁性層を乾燥後、金属ロールより構成され
る7段カレンダーでロール温度を90℃にしてカレンダ
ー処理を施して、ウェッブ状の磁気記録媒体を得、それ
を8mm幅にスリットして8mmビデオテープのサンプ
ルを作成した(テープNo1〜19、テープNo4は配
向処理なし、テープNo16〜19は下層なしの単
層)。
し、その結果を表2に示す。減磁は、60℃、90%で
10日間保存前後のBmの変化率であり、磁気特性は東
英工業製の振動試料型磁力計VSMー5を使用し,印加
磁場5kOeで測定した。再生出力は、富士写真フィル
ム(株)製8mmビデオデッキ、FUJIX8を使用し
て1MHzと7MHzの信号を記録し、これらの信号を
再生した時の再生出力をオシロスコープから読み取って
測定した。
主体とした金属強磁性粉末を用いた磁気記録テープ(テ
ープNo11、15、19)およびCo−Fe合金粉末
であって本発明の範囲以外の針状比が1.0と小さい強
磁性粉末を使用したテープNo7、13、18の磁気記
録媒体に比較して本発明の磁気記録媒体の出力は、1M
Hz、7MHz共に優れていることが分かる。この理由
は本発明の特徴であるCo−Fe合金粉末の高飽和磁化
と低い針状比によるものと考えられる。また、本発明の
磁気記録テープは、磁気記録テープ(テープNo11、
15、19)に較べ耐候性に優れている。
及び結合剤樹脂を主体とする磁性層を有する磁気記録媒
体において、コバルトフェライトを還元することにより
得られ、Coの含有量を20〜35原子%、平均粒径を
100〜500Åで針状比が1.2以上に制御したCo
−Fe合金粉末を使用することにより、電磁変換特性が
良好で、かつ耐候性に優れた磁気記録媒体を提供するこ
とができる。
Claims (2)
- 【請求項1】 非磁性支持体上に強磁性粉末及び結合剤
樹脂を主体とする磁性層を有する磁気記録媒体におい
て、該強磁性粉末がコバルトフェライトを還元すること
により形成したFe及びCoを主体とする強磁性合金粉
末であり、該強磁性合金粉末は、Coの含有量がFe及
びCoに対して20〜35原子%であって、平均粒径が
100〜500Åで針状比が1.2〜10であることを
特徴とする磁気記録媒体。 - 【請求項2】 前記磁性層の厚さは、0.1〜1.0μ
m以下であって、前記磁性層と前記非磁性支持体との間
に非磁性粉末及び結合剤樹脂を主体とする非磁性層を有
する請求項1記載の磁気記録媒体。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
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---|---|---|---|
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JPH06131653A JPH06131653A (ja) | 1994-05-13 |
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Family Applications (1)
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