JPH07244836A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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Publication number
JPH07244836A
JPH07244836A JP6052527A JP5252794A JPH07244836A JP H07244836 A JPH07244836 A JP H07244836A JP 6052527 A JP6052527 A JP 6052527A JP 5252794 A JP5252794 A JP 5252794A JP H07244836 A JPH07244836 A JP H07244836A
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JP
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layer
magnetic recording
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JP6052527A
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English (en)
Inventor
Koichi Masaki
幸一 正木
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】走行性、耐久性、保存性等の実用特性に優れ、
且つ電磁変換特性が良好で高記録密度の磁気記録媒体を
提供すること特にS/Nが優れヘッドクリーニング特性
が向上しており、かつヘッドを偏磨耗させない磁気記録
媒体を提供すること。 【構成】非磁性支持体上に強磁性粉末と結合剤樹脂を主
体とする磁性層を有する磁気記録媒体において、前記磁
性層の厚さは0.8μm以下であり、該磁性層中に平均
粒子径が0.05〜0.7μmであって、X線回折パタ
ーンにαアルミナ以外の回折ピークがなく、(113)
面の回折ピークの強度を100%としたときの(11
6)面の回折ピークの強度が87%以下であるαアルミ
ナを含有することを特徴とする磁気記録媒体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、塗布型の磁性層を有す
る磁気記録媒体に関連し、特にS/Nが優れヘッドクリ
ーニング特性が向上しており、かつヘッドを偏磨耗させ
ない磁気記録媒体に関連する。
【0002】
【従来の技術】磁気記録技術は、媒体の繰り返し使用が
可能であること、信号の電子化が容易であり周辺機器と
の組み合わせによるシステムの構築が可能であること、
信号の修正も簡単にできること等の他の記録方式にはな
い優れた特長を有することから、ビデオ、オーディオ、
コンピューター用途等を始めとして様々な分野で幅広く
利用されてきた。
【0003】そして、機器の小型化、記録再生信号の質
の向上、記録の長時間化、記録容量の増大等の要求に対
応するために、記録媒体に関しては、記録密度、信頼
性、耐久性のより一層の向上が常に望まれてきた。例え
ば、オーディオ、ビデオ用途にあっては、音質及び画質
の向上を実現するディジタル記録方式の実用化、ハイビ
ジョンTVに対応した録画方式の開発に対応するため
に、従来のシステムよりも一層、短波長信号の記録再生
ができ、かつヘッドと磁気記録媒体の相対速度が大きく
なっても信頼性、耐久性が優れた磁気記録媒体が要求さ
れるようになっている。
【0004】塗布型の磁気記録媒体の高密度記録化のた
めに、磁性体の改良及びその充填性と配向性を改良して
磁性層の磁気特性を改良すること、強磁性粉末の分散性
を向上させること、磁性層の表面性を高めること等の観
点から種々の方法が検討され提案されてきた。例えば、
磁気特性を高めるために強磁性粉末に強磁性金属粉末や
六方晶系フェライトを使用する方法が特開昭58−12
2623号公報、特開昭61−74137号公報、特公
昭62−49656号公報、特公昭60−50323号
公報、US4629653号、US4666770号、
US4543198号等に開示されている。
【0005】また、強磁性粉末の分散性を高めるため
に、種々の界面活性剤(例えば特開昭52−15660
6号公報,特開昭53−15803号公報,特開昭53
−116114号公報等に開示されている。)を用いた
り、種々の反応性のカップリング剤(例えば、特開昭4
9−59608号公報、特開昭56−58135号公
報、特公昭62−28489号公報等に開示されてい
る。)を用いることが提案されている。
【0006】更に、磁性層の表面性を改良するために、
塗布、乾燥後の磁性層の表面形成処理方法を改良する方
法(例えば、特公昭60−44725号公報に開示され
ている。)が提案されている。また磁気記録媒体におい
ては絶えずヘッドと接触しているので、耐久性、信頼性
を損なうことは致命的であり、耐久性、信頼性を向上さ
せるため無機物添加剤としてモース硬度5以上の微粒子
が添加されている。例えば、αAl2 3 、Cr
2 3 、TiO2 、αFe2 3 等を単独もしくはこれ
らを組み合わせて使用している。具体例としては、特開
昭57−176533号公報には研磨剤粒子の95%が
αアルミナであるものが開示され、特開昭58−171
721号公報にはα化率が60%以上であるアルミナを
研磨剤として使用する例が開示され、特開昭60−17
7434号公報にはα相が75〜90重量%であるアル
ミナを研磨剤として使用する例が開示されている。
【0007】一般に、モース硬度が高いαAl2 3
Cr2 3 はヘッドをクリーニングする力が大きく磁気
記録媒体の耐久性、信頼性を向上させることができる
が、ヘッドを磨耗させる欠点がある。センダストやアモ
ルファス金属ヘッド材質とフェライトに対する磨耗性が
異なるといわゆるヘッドの偏磨耗現象を発生させ、記録
再生特性を大幅に劣化させる。ヘッドの偏磨耗現象が発
生すると特に短波長出力の低下が激しく、高記録密度磁
気記録が実現できなくなるという問題があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来技
術の問題点に鑑みなされたものであり、走行性、耐久
性、保存性等の実用特性に優れ、且つ電磁変換特性が良
好で高記録密度の磁気記録媒体を提供すること特にS/
Nが優れヘッドクリーニング特性が向上しており、かつ
ヘッドを偏磨耗させない磁気記録媒体を提供することを
目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、非磁性
支持体上に強磁性粉末と結合剤樹脂を主体とする磁性層
を有する磁気記録媒体において、前記磁性層の厚さは
0.8μm以下であり、該磁性層中に平均粒子径が0.
05〜0.7μmであって、X線回折パターンにαアル
ミナ以外の回折ピークがなく、(113)面の回折ピー
クの強度を100%としたときの(116)面の回折ピ
ークの強度が87%以下であるαアルミナを含有するこ
とを特徴とする磁気記録媒体により達成できる。
【0010】本発明は、α−アルミナの特定面のX線回
折強度比が研磨力に影響を及ぼすことを見出したことに
よりなされたものであり、上記特定の元素の分布状態あ
るいは結晶構造を示すαアルミナを研磨剤として使用す
ることを特徴とし、これを磁気記録媒体の磁性層に含ま
せることによりヘッドクリーニング力が優れ、ヘッドの
偏磨耗を発生させない磁気記録媒体が得られると言う効
果を奏する。
【0011】本発明に用いられるαアルミナは、(11
3)面のX線回折ピーク強度を100%としたとき、
(116)面のX線回折ピーク強度が87%以下、好ま
しくは85%以下であり、その下限は特に制限はなく小
さければ小さいほど良い。(116)面のX線回折ピー
ク強度が87%より大きいと、ヘッドクリーニング力が
劣り、ヘッド目詰まりが発生する。
【0012】本発明におけるαアルミナの(116)面
のX線回折ピーク強度の値は、通常の粉末X線回折測定
を実施し、(113)面のX線回折ピーク強度を100
%とし、(116)面のX線回折ピーク強度の相対値で
ある。この相対値をX線回折強度比という。本発明にお
けるαアルミナ粉末のX線回折測定の条件は、線源とし
てCuを使用し、X線管に印加する電圧は50kV、X
線管電流は150mAとし、CuKα線を使用する。
(113)面の回折強度が80〜100%となるように
回折強度のレンジを決め、スウィーブ速度は2°/分で
測定する。ベースラインと(113)面、(116)面
のピーク高さを読みとり、強度を比較する。
【0013】本発明に用いられるαアルミナは、平均粒
子径が0.05〜0.7μmであるが、好ましくは0.
07〜0.50μm、更に好ましくは0.10〜0.2
5μmである。平均粒子径が0.05μmより小さい
と、ヘッドクリーニング力が不足しており、0.7μm
より大きいとヘッド表面を傷つけたり、自己減磁を改良
するために薄層の磁性層を構成する際に突起となりスペ
ーシングロスの原因となるので好ましくない。
【0014】本発明に用いられるαアルミナは、バイヤ
ー法、変形バイヤー法、アルキルアルミニウム加水分解
法などにより製造することができるが、水酸化アルミニ
ウム中の不純物含有量とα化する焼成温度と時間により
αアルミナの結晶性を制御することで製造できる。特
に、αアルミナの製造工程の中途で粉砕する等のαアル
ミナに衝撃力を与えることは、本発明にとって好ましく
ない。
【0015】本発明のαアルミナの使用量は、強磁性粉
末100重量部に対し、0.1〜30重量部、好ましく
は1〜20重量部である。0.1重量部より少ないと十
分な耐久性が得られず、30重量部より多すぎると表面
性、充填度が劣化する。本発明のαアルミナと併用して
もよい研磨剤としては、Cr2 3 、αFe23
α,γアルミナ、本発明で規定した以外のαアルミナな
どがあり、これらの研磨剤の合計量は強磁性粉末100
重量部に対して1〜20重量部、望ましくは1〜15重
量部の範囲で添加される。1重量部より少ないと十分な
耐久性が得られず、20重量部より多すぎると表面性、
充填度が劣化する。これらの研磨剤はあらかじめ結合剤
で分散処理した後、磁性塗料中に添加してもかまわな
い。
【0016】本発明の磁性層に使用される強磁性粉末と
しては、特に制限はないが、高記録密度媒体に使用され
るFeまたはNiまたはCoを主成分(75%)とする
強磁性金属粉末(金属単体および合金を含む)、Hc制
御元素で置換された六方晶フェライト及び六方晶フェラ
イト中にスピネル相を固溶させた複合型六方晶フェライ
トが好ましい。
【0017】そして、強磁性金属粉末の長軸長が0.0
5〜0.3μm、針状比が5〜20であって、且つ結晶
子サイズが100〜300Åであることが好ましく、更
に好ましくは長軸長が0.05〜0.2μm、針状比が
5〜15であって、且つ結晶子サイズが100〜250
Åであることが好ましく、最も好ましくは 長軸長が
0.05〜0.15μm、針状比が5〜10であって、
且つ結晶子サイズが100〜180Åである。
【0018】本発明で使用できる上記の強磁性金属粉末
には、所定の原子以外に重量比で20重量%以下の割合
でAl、Si、S,Sc、Ti、V、Cr、Cu、Y、
Mo、Rh、Pd、Ag、Sn、Sb、Te、Ba、T
a、W、Re、Au、Hg、Pb、Bi、La、Ce、
Pr、Nd、P、Mn、Zn、Sr、Bなどの原子を含
んでもかまわない。
【0019】強磁性粉末が強磁性金属粉末である場合、
少量の水酸化物、または酸化物を含んでもよい。強磁性
金属粉末としては、公知の製造方法により得られたもの
を用いることができる。よく知られているように強磁性
金属粉末は徐酸化処理により、化学的に安定にするため
にその粒子表面に酸化被膜を形成せしめられる。本発明
の磁気記録媒体の磁性層の強磁性金属粉末をBETによ
る比表面積で表せば25〜80m2 /gであり、好まし
くは35〜70m2 /gである。25m2 /gより小さ
いとノイズが高くなり、80m2 /gより大きいと平滑
な磁性層表面を得にくく好ましくない。
【0020】強磁性金属粉末の飽和磁化σS は、100
emu/g以上が好ましく、更に好ましくは110〜1
70emu/gである。強磁性金属粉末の抗磁力は、1
100〜3000Oe(エルステッド)が好ましく、更
に好ましくは1400〜2500Oeである。また、強
磁性粉末には後述する分散剤、潤滑剤、界面活性剤、帯
電防止剤などで分散前にあらかじめ処理を行うこともで
きる。具体的には、特公昭44−14090号公報、特
公昭45−18372号公報、特公昭47−22062
号公報、特公昭47−22513号公報、特公昭46−
28466号公報、特公昭46−38755号公報、特
公昭47−4286号公報、特公昭47−12422号
公報、特公昭47−17284号公報、特公昭47−1
8509号公報、特公昭47−18573号公報、特公
昭39−10307号公報、特公昭48−39639号
公報、米国特許3026215号、同3031341
号、同3100194号、同3242005号、同33
89014号などに記載されている。
【0021】強磁性粉末の含水率は0.01乃至2重量
%とするのが望ましい。後述する結合剤の種類によって
強磁性粉末の含水率は最適化するのが望ましい。強磁性
粉末が強磁性金属粉末である場合は、タップ密度は0.
2乃至0.8g/ccが望ましい。0.8g/cc以上
であると強磁性粉末の徐酸化工程で安定なハンドリング
が困難となって、酸化が均一のできなくなる。0.2c
c/g以下では分散が不十分になりやすい。
【0022】強磁性粉末のpHは用いる結合剤との組合
せにより最適化することが望ましい。その範囲は4乃至
12であるが、好ましくは6乃至10である。強磁性粉
末は必要に応じ、Al、Si、Pまたはこれらの酸化物
などで表面処理を施すこともできる。その量は強磁性粉
末に対し0.1乃至10重量%であり表面処理を施すと
脂肪酸などの潤滑剤の吸着が100mg/m2 以下にな
り望ましい。強磁性粉末には水可溶性のNa、Ca、F
e、Ni、Srなどの無機イオンを含む場合があるが、
300ppm以下であれば特に特性に影響を与えない。
【0023】本発明に使用される六方晶フェライトは、
平均板径が0.03〜0.1μm、好ましくは0.03
〜0.06μm、板状比(平均板径/平均板厚)が2〜
10、好ましくは3〜6であり、すでに公知のCo−T
i、Ni、ZnなどのHcを制御する元素を添加し、H
cを900〜2500Oeとしたものが使用できる。飽
和磁化は50emu/g以上、好ましくは55emu/
g以上あることが望ましい。
【0024】最近、六方晶フェライトにスピネル相を固
溶させた複合フェライトは、飽和磁化が大きいことがわ
かり、本発明に使用することが望ましい。これら粒子を
比表面積で表現すると25〜80m2 /gである。25
2 /g以下では粒子サイズが大きすぎて得られる磁性
層の表面粗さが劣るので、短波長出力が低下し、かつノ
イズが大きく、高密度記録媒体としては不適当である。
80m2 /g以上では分散が困難であり、また表面部分
の比率が大きくなり飽和磁化が小さくなるので、使用す
ることが不適当になる。
【0025】本発明の磁気記録媒体における磁性層の結
合剤樹脂は、従来公知の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、
反応型樹脂やこれらの混合物が使用できる。熱可塑性樹
脂としては、ガラス転移温度が−100乃至150℃、
数平均分子量が1000乃至200000、好ましくは
10000乃至100000、重合度が約50乃至10
00程度のものである。
【0026】このような結合剤樹脂としては、塩化ビニ
ル、酢酸ビニル、ビニルアルコ−ル、マレイン酸、アク
ルリ酸、アクリル酸エステル、塩化ビニリデン、アクリ
ロニトリル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、ス
チレン、ブタジエン、エチレン、ビニルブチラ−ル、ビ
ニルアセタ−ル、ビニルエ−テル、等を構成単位として
含む重合体または共重合体、ポリウレタン樹脂、各種ゴ
ム系樹脂がある。
【0027】また、熱硬化性樹脂または反応型樹脂とし
てはフェノ−ル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン硬化
型樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、アク
リル系反応樹脂、ホルムアルデヒド樹脂、シリコ−ン樹
脂、エポキシ−ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂とイ
ソシアネ−トプレポリマ−の混合物、ポリエステルポリ
オ−ルとポリイソシアネ−トの混合物、ポリウレタンと
ポリイソシアネートの混合物等があげられる。
【0028】前記の結合剤樹脂に、より優れた強磁性粉
末の分散効果と磁性層の耐久性を得るためには必要に応
じ、COOM、SO3 M、OSO3 M、P=O(OM)
2 、O−P=O(OM)2 、(以上につきMは水素原
子、またはアルカリ金属塩基)、OH、NR2 、N+
3(Rは炭化水素基)、エポキシ基、SH、CN、など
から選ばれる少なくともひとつ以上の極性基を共重合ま
たは付加反応で導入したものを用いることが好ましい。
このような極性基の量は10-1乃至10-8モル//gで
あり、好ましくは10-2乃至10-6モル/gである。
【0029】本発明の磁気記録媒体に用いられる結合剤
樹脂は、強磁性粉末に対し、5乃至50重量%の範囲、
好ましくは10乃至30重量%の範囲で用いられる。塩
化ビニル系樹脂を用いる場合は5乃至100重量%、ポ
リウレタン樹脂を用いる場合は2乃至50重量%、ポリ
イソシアネ−トは2乃至100重量%の範囲でこれらを
組み合わせて用いるのが好ましい。
【0030】また、磁性層の強磁性粉末の充填度は、使
用した強磁性粉末の最大飽和磁化量σS 及び最大磁束密
度Bm から計算でき、即ち(Bm /4πσs )となり、
本発明においてはその値は、望ましくは1.7g/cc
以上であり、更に望ましくは1.9g/cc以上、最も
好ましくは2.1g/cc以上である。本発明におい
て、ポリウレタンを用いる場合はガラス転移温度が−5
0乃至100℃、破断伸びが100乃至2000%、破
断応力は0.05乃至10kg/cm2 、降伏点は0.
05乃至10kg/cm2 が好ましい。
【0031】本発明にもちいるポリイソシアネ−トとし
ては、トリレンジイソシアネ−ト、4,4’−ジフェニ
ルメタンジイソシアネ−ト、ヘキサメチレンジイソシア
ネ−ト、キシリレンジイソシアネ−ト、ナフチレン−
1,5−ジイソシアネ−ト、o−トルイジンジイソシア
ネ−ト、イソホロンジイソシアネ−ト、トリフェニルメ
タントリイソシアネ−ト等のイソシアネ−ト類、また、
これらのイソシアネ−ト類とポリアルコールとの生成
物、また、イソシアネート類の縮合によって生成したポ
リイソシアネ−ト等を使用することができる。これらの
イソシアネート類の市販されている商品名としては、日
本ポリウレタン社製、コロネートL、コロネ−トHL、
コロネ−ト2030、コロネ−ト2031、ミリオネ−
トMR、ミリオネ−トMTL、武田薬品社製、タケネ−
トD−102、タケネ−トD−110N、タケネ−トD
−200、タケネ−トD−202、住友バイエル社製、
デスモジュ−ルL、デスモジュ−ルIL、デスモジュ−
ルN、デスモジュ−ルHL等がありこれらを単独または
硬化反応性の差を利用して二つもしくはそれ以上の組合
せで用いることができる。
【0032】本発明の磁気記録媒体の磁性層中には、通
常、潤滑剤、研磨剤、分散剤、帯電防止剤、可塑剤、防
黴剤等などを始めとする種々の機能を有する素材をその
目的に応じて含有させる。本発明の磁性層に使用する潤
滑剤としては、ジアルキルポリシロキサン(アルキルは
炭素数1乃至5個)、ジアルコキシポリシロキサン(ア
ルコキシは炭素数1乃至4個)、モノアルキルモノアル
コキシポリシロキサン(アルキルは炭素数1乃至5個、
アルコキシは炭素数1乃至4個)、フェニルポリシロキ
サン、フロロアルキルポリシロキサン(アルキルは炭素
数1乃至5個)などのシリコンオイル;グラファイト等
の導電性微粉末;二硫化モリブデン、二硫化タングステ
ンなどの無機粉末;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポ
リエチレン塩化ビニル共重合体、ポリテトラフルオロエ
チレン等のプラスチック微粉末;α−オレフィン重合
物;常温で液状の不飽和脂肪族炭化水素(n−オレフィ
ン二重結合が末端の炭素に結合した化合物、炭素数約2
0);炭素数12乃至20個の一塩基性脂肪酸と炭素数
3乃至12個の一価のアルコールから成る脂肪酸エステ
ル類、フルオロカーボン類等が使用できる。
【0033】中でも脂肪酸エステルがもっと好ましい。
脂肪酸エステルの原料となるアルコールとしてはエタノ
ール、ブタノール、フェノール、ベンジルアルコール、
2−メチルブチルアルコール、2−ヘキシルデシルアル
コール、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エ
チレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレング
リコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモ
ノブチルエーテル、s−ブチルアルコール等のモノアル
コール類、エチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、ネオペンチルグリコール、グリセリン、ソルビタン
誘導体等の多価アルコールが挙げられる。同じく脂肪酸
としては酢酸、プロピオン酸、オクタン酸、2−エチル
ヘキサン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン
酸、パルミチン酸、ベヘン酸、アラキン酸、オレイン
酸、リノール酸、リノレン酸、エライジン酸、パルミト
レイン酸等の脂肪族カルボン酸またはこれらの混合物が
挙げられる。
【0034】脂肪酸エステルとしての具体例は、ブチル
ステアレート、s−ブチルステアレート、イソプロピル
ステアレート、ブチルオレエート、アミルステアレー
ト、3−メチルブチルステアレート、2−エチルヘキシ
ルステアレート、2−ヘキシルデシルステアレート、ブ
チルパルミテート、2−エチルヘキシルミリステート、
ブチルステアレートとブチルパルミテートの混合物、ブ
トキシエチルステアレート、2−ブトキシ−1−プロピ
ルステアレート、ジプロピレングリコールモノブチルエ
ーテルをステアリン酸でアシル化したもの、ジエチレン
グリコールジパルミテート、ヘキサメチレンジオールを
ミリスチン酸でアシル化してジオールとしたもの、グリ
セリンのオレエート等の種々のエステル化合物を挙げる
ことができる。
【0035】さらに、磁気記録媒体を高湿度下で使用す
るときしばしば生ずる脂肪酸エステルの加水分解を軽減
するために、原料の脂肪酸及びアルコールの分岐/直
鎖、シス/トランス等の異性構造、分岐位置を選択する
ことがなされる。これらの潤滑剤は結合剤100重量部
に対して0.2乃至20重量部の範囲で添加される。
【0036】潤滑剤としては、更に以下の化合物を使用
することもできる。即ち、シリコンオイル、グラファイ
ト、二硫化モリブデン、窒化ほう素、弗化黒鉛、フッ素
アルコール、ポリオレフィン、ポリグリコール、アルキ
ル燐酸エステル、二硫化タングステン等である。本発明
の磁気記録媒体の磁性層中には、前記非磁性粉末の他に
帯電防止剤として導電性粒子を含有することもできる。
しかしながら最上層の飽和磁束密度を最大限に増加させ
るためにはできるだけ最上層への添加は少なくし、最上
層以外の塗布層に添加するのが好ましい。帯電防止剤と
しては特に、カーボンブラックを添加することは、媒体
全体の表面電気抵抗を下げる点で好ましい。本発明に使
用できるカ−ボンブラックはゴム用ファ−ネス、ゴム用
サ−マル、カラ−用ブラック、導電性カーボンブラッ
ク,アセチレンブラック等を用いることができる。比表
面積は5乃至500m2 /g、DBP吸油量は10乃至
1500ml/100g、粒子径は5mμ乃至300m
μ、pHは2乃至10、含水率は0.1乃至10%、タ
ップ密度は0.1乃至1g/cc、が好ましい。本発明
に用いられるカ−ボンブラックの具体的な例としてはキ
ャボット社製、BLACKPEARLS2000、13
00、1000、900、800,700、VULCA
N XC−72、旭カ−ボン社製、#80、#60,#
55、#50、#35、三菱化成工業社製、#3950
B、#3250B、#2400B、#2300、#90
0、#1000、#30、#40、#10B、コロンビ
アカ−ボン社製、CONDUCTEX SC、RAVE
N 150、50、40、15、ライオンアグゾ社製ケ
ッチェンブラックEC、ケッチェンブラックECDJ−
500、ケッチェンブラックECDJ−600などが挙
などがあげられる。カ−ボンブラックを分散剤などで表
面処理したり、カーボンブラックを酸化処理したり、樹
脂でグラフト化して使用しても、表面の一部をグラファ
イト化したものを使用してもかまわない。また、カ−ボ
ンブラックを磁性塗料に添加する前にあらかじめ結合剤
で分散してもかまわない。磁性層にカ−ボンブラックを
使用する場合は強磁性粉末に対する量は0.1乃至30
重量%で用いることが好ましい。さらに非磁性層には全
非磁性粉末に対し3乃至20重量%含有させることが好
ましい。
【0037】一般的にカ−ボンブラックは帯電防止剤と
してだけでなく、摩擦係数低減、遮光性付与、膜強度向
上などの働きがあり、これらは用いるカ−ボンブラック
により異なる。従って本発明に使用されるこれらのカ−
ボンブラックは、その種類、量、組合せを変え、粒子サ
イズ、吸油量、電導度、pHなどの先に示した諸特性を
もとに目的に応じて使い分けることはもちろん可能であ
る。使用できるカーボンブラックは例えば「カ−ボンブ
ラック便覧」カ−ボンブラック協会編を参考にすること
ができる。
【0038】本発明の磁気記録媒体において、非磁性支
持体上に設けられる塗布層の層構成は、少なくとも磁性
層が設けられていれば任意であり、特に制限されない。
例えば、磁性層を複層構造とすること、非磁性支持体の
上に非磁性層を、その上に磁性層を設けること等の構成
をとることができる。非磁性層に使用される非磁性粉末
には、種々のものが使用できる。例えば、α化率90%
以上のα−アルミナ、β−アルミナ、γ−アルミナ、炭
化ケイ素、酸化クロム、酸化セリウム、α−酸化鉄、コ
ランダム、窒化珪素、チタンカ−バイト、酸化チタン、
二酸化珪素、窒化ホウ素、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、
硫酸カルシウム、硫酸バリウムなどが単独または組合せ
で使用される。これら非磁性粉末の粒子サイズは0.0
1乃至2μが好ましいが、必要に応じて粒子サイズの異
なる非磁性粉末を組み合わせたり、単独の非磁性粉末で
も粒径分布を広くして同様の効果をもたせることもでき
る。使用する結合剤樹脂との相互作用を大きくし分散性
を改良するために,使用する非磁性粉末が表面処理され
ていてもよい。表面処理物としては、シリカ、アルミ
ナ、シリカ−アルミナなどの無機物により処理でも、カ
ップリング剤による処理でもよい。タップ密度は0.3
乃至2g/cc、含水率は0.1乃至5重量%、pHは
2乃至11、比表面積は5乃至100m2 /g、が好ま
しい。前記非磁性粉末の形状は針状、球状、サイコロ
状、板状のいずれでも良い。本発明に用いられる非磁性
粉末の具体的な例としては、住友化学社製、AKP−2
0、AKP−30、AKP−50、HIT−50、日本
化学工業社製、G5、G7、S−1、戸田工業社製、T
F−100、TF−120、TF−140、石原産業社
製TT055シリーズ、ET300W、チタン工業社製
STT30,磁性酸化鉄の中間原料であるヘマタイト粒
子などがあげられる。
【0039】また、磁性酸化鉄の中間原料であるヘマタ
イトを使用する際には、焼成条件を強化して、粒子内に
生じる空孔を減少させるようにすることが望ましい。本
発明の磁気記録媒体が2層以上の磁性層からなるもので
ある場合、上層磁性層の下に下層磁性層を形成する場合
には、その強磁性粉末としては酸化鉄強磁性粉末、コバ
ルト変性酸化鉄強磁性粉末、CrO2 、六方晶フェライ
ト、各種金属強磁性粉末を樹脂中に分散した、種々のも
のが使用できる 非磁性支持体上に2層以上の塗布層を形成させることも
高記録密度の磁気記録媒体を製造するうえで有効であ
り、同時塗布方式は超薄層の磁性層を作り出すことがで
きるので、特に優れている。その同時塗布方式としてウ
ェット・オン・ウェット方式の具体的な方法としては、
(1) 磁性塗料で一般的に用いられるグラビア塗布、ロー
ル塗布、ブレード塗布、エクストルージョン塗布装置に
よりまず下層を塗布し、その層がまだ湿潤状態にあるう
ちに、例えば、特公平1−46186号公報、特開昭6
0−238179号公報及び特開平2−265672号
公報に開示されている非磁性支持体加圧型エクストルー
ジョン塗布装置により上層を塗布する方法、(2) 特開昭
63−88080号公報、特開平2−17971号公報
及び特開平2−265672号公報に開示されているよ
うな塗布液通液スリットを二つ内蔵した塗布ヘッドによ
り、下層の塗布液及び上層の塗布液をほぼ同時に塗布す
る方法、(3) 特開平2−174965号公報に開示され
ているバックアップロール付きエクストルージョン塗布
装置により、上層及び下層をほぼ同時に塗布する方法、
等が挙げられる。
【0040】ウェット・オン・ウェット方式で下層が非
磁性層、上層が磁性層の層構成の磁気記録媒体を形成す
るために非磁性支持体上に塗布する場合、磁性層用塗布
液と非磁性層用塗布液の流動特性はできるだけ近い方
が、塗布された磁性層と非磁性層の界面の乱れがなく厚
さが均一な厚み変動の少ない磁性層を得ることができ
る。塗布液の流動特性は、塗布液中の粉末粒子と結合剤
樹脂の組み合わせに強く依存するので、特に、非磁性層
に使用する非磁性粉末の選択に留意する必要がある。
【0041】本磁気記録媒体の非磁性支持体は、通常、
1乃至100μm、望ましくは3乃至20μm、非磁性
層としては、0.5乃至10μmである。磁性層の厚さ
は、0.8μm以下、好ましくは0.7μm以下、更に
好ましくは0.5μm以下である。すなわち、磁性層の
薄層化により自己減磁が減少するからである。尚、磁性
層の厚さの下限値は、均一塗布ができるかどうかで決ま
り、ほぼ0.1μmである。
【0042】また、前記磁性層及び前記非磁性層以外の
他の層を目的に応じて形成することは、前記磁性層を最
上層にして、前記非磁性層をその下層にする構成である
限り許される。例えば、非磁性支持体と下層の間に密着
性向上のための下塗り層を設けてもかまわない。この厚
みは0.01乃至2μm、好ましくは0.05乃至0.
5μmである。また、非磁性支持体の磁性層側と反対側
にバックコ−ト層を設けてもかまわない。この厚みは
0.1乃至2μm、好ましくは0.3乃至1.0μmで
ある。これらの中間層、バックコ−ト層は公知のものが
使用できる。円盤状磁気記録媒体の場合、片面もしくは
両面に上記層構成を設けることができる。
【0043】本発明で使用される非磁性支持体には特に
制限はなく、通常使用されているものを用いることがで
きる。非磁性支持体を形成する素材の例としては、ポリ
エチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリカーボネート、ポリエチレンナフタレート、ポ
リアミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリサルホ
ン、ポリエーテルサルホン等の各種合成樹脂のフィル
ム、およびアルミニウム箔、ステンレス箔などの金属箔
を挙げることができる。
【0044】本発明の目的を有効に達成するには、非磁
性支持体の表面粗さは、中心線平均表面粗さRa(カッ
トオフ値0.25mm)で0.03μm以下、望ましく
0.02μm以下、さらに望ましく0.01μm以下で
ある。また、これらの非磁性支持体は単に前記中心線平
均表面粗さが小さいだけではなく、1μm以上の粗大突
起がないことが好ましい。また表面の粗さ形状は必要に
応じて非磁性支持体に添加されるフィラ−の大きさと量
により自由にコントロ−ルされるものである。これらの
フィラ−の一例としては、Ca、Si、Tiなどの酸化
物や炭酸塩の他、アクリル系などの有機樹脂微粉末が挙
げられる。本発明に用いられる非磁性支持体のウエブ走
行方向のF−5値は好ましくは5乃至50kg/m
2 、ウエブ幅方向のF−5値は好ましくは3乃至30
kg/mm2 であり、ウエブ長手方向のF−5値がウエ
ブ幅方向のF−5値より高いのが一般的であるが、特に
幅方向の強度を高くする必要があるときはその限りでな
い。
【0045】また、支持体のウエブ走行方向および幅方
向の100℃、30分での熱収縮率は好ましくは3%以
下、さらに望ましくは1.5%以下、80℃、30分で
の熱収縮率は好ましくは1%以下、さらに望ましくは
0.5%以下である。破断強度は両方向とも5乃至10
0kg/mm2 、弾性率は100乃至2000kg/m
2 が望ましい。
【0046】本発明で用いられる有機溶媒は任意の比率
でアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケ
トン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホ
ロン、テトラヒドロフラン、等のケトン類、メタノ−
ル、エタノ−ル、プロパノ−ル、ブタノ−ル、イソブチ
ルアルコ−ル、イソプロピルアルコール、メチルシクロ
ヘキサノール、などのアルコ−ル類、酢酸メチル、酢酸
ブチル、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、乳酸エチ
ル、酢酸グリコ−ル等のエステル類、グリコ−ルジメチ
ルエーテル、グリコールモノエチルエーテル、ジオキサ
ン、などのグリコールエーテル系、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、クレゾール、クロルベンゼン、などの芳
香族炭化水素類、メチレンクロライド、エチレンクロラ
イド、四塩化炭素、クロロホルム、エチレンクロルヒド
リン、ジクロルベンゼン、等の塩素化炭化水素類、N,
N−ジメチルホルムアミド、ヘキサン等のものが使用で
きる。これら有機溶媒は必ずしも100%純粋ではな
く、主成分以外に異性体、未反応物、副反応物、分解
物、酸化物、水分等の不純分が含まれてもかまわない。
これらの不純分は30%以下が好ましく、さらに好まし
くは10%以下である。本発明で用いる有機溶媒は必要
ならば各層間でその種類、量を変えてもかまわない。第
一層(下層)に揮発性の高い溶媒をもちい表面性を向上
させる、第一層に表面張力の高い溶媒(シクロヘキサノ
ン、ジオキサンなど)を用い塗布の安定性をあげる、第
二層(上層)に溶解性パラメ−タの高い溶媒を用い充填
度を上げるなどがその例として挙げられるがこれらの例
に限られたものではないことは無論である。
【0047】本発明の磁気記録媒体は、前記強磁性粉末
と結合剤樹脂、及び必要ならば他の添加剤と共に有機溶
媒を用いて混練分散し、磁性塗料を非磁性支持体上に塗
布し、必要に応じて配向、乾燥して得られる。本発明の
磁気記録媒体の磁性塗料あるいは非磁性塗料を製造する
工程は、少なくとも混練工程、分散工程、およびこれら
の工程の前後に必要に応じて設けた混合工程からなる。
個々の工程はそれぞれ2段階以上にわかれていてもかま
わない。本発明に使用する強磁性粉末あるいは非磁性粉
末、結合剤、カ−ボンブラック、研磨剤、帯電防止剤、
潤滑剤、溶剤などすべての原料はどの工程の最初または
途中で添加してもかまわない。また、個々の原料を2つ
以上の工程で分割して添加してもかまわない。例えば、
ポリウレタンを混練工程、分散工程、分散後の粘度調整
のための混合工程で分割して投入してもよい。
【0048】磁性塗料あるいは非磁性塗料の混練分散に
当たっては各種の混練機が使用される。例えば、二本ロ
ールミル、三本ロールミル、ボールミル、ペブルミル、
トロンミル、サンドグラインダー、ゼグバリ(Szeg
vari)、アトライター、高速インペラー分散機、高
速ストーンミル、高速衝撃ミル、ディスパー、ニーダ
ー、高速ミキサー、ホモジナイザー、超音波分散機など
を用いることができる。
【0049】本発明の目的を達成するためには、従来の
公知の製造技術を一部の工程としてを用いることができ
ることはもちろんであるが、混練工程では連続ニ−ダや
加圧ニ−ダなど強い混練力をもつものを使用することに
より本発明の磁気記録媒体の高いBrを得ることができ
る。連続ニ−ダまたは加圧ニ−ダを用いる場合は強磁性
粉末と結合剤のすべてまたはその一部(ただし全結合剤
の30%以上が好ましい)で混練処理される。これらの
混練処理の詳細については特開平1−106338号公
報、特開昭64−79274号公報に記載されている。
本発明では、特開昭62−212933に示されるよう
な同時重層塗布方式を用いることによりより効率的に生
産することが出来る。
【0050】本発明の磁気記録媒体の磁性層中に含まれ
る残留溶媒は好ましくは100mg/m2 以下、さらに
好ましくは10mg/m2 以下であり、磁性層に含まれ
る残留溶媒が非磁性層に含まれる残留溶媒より少ないほ
うが好ましい。磁性層を多層構成とした場合、空隙率は
下層、最上層とも好ましくは30容量%以下、さらに好
ましくは10容量%以下である。磁性層と非磁性支持体
の間に非磁性層を設けた場合、非磁性層の空隙率が磁性
層の空隙率より大きいほうが好ましいが非磁性層の空隙
率が5容量%以上であれば小さくてもかまはない。
【0051】本発明の磁気記録媒体は、目的に応じ各層
でこれらの物理特性を変えることができるのは容易に推
定されることである。例えば、最上層の弾性率を高くし
走行耐久性を向上させると同時に下層の弾性率を最上層
より低くして磁気記録媒体のヘッドへの当りを良くする
などである。このような方法により、例えば磁性層用の
組成物あるいは非磁性層用の組成物を溶剤と共に分散し
て、得られた塗布液を非磁性支持体上に塗布し、支持体
上に塗布された磁性層は必要により層中の強磁性粉末を
配向させる処理を施したのち、形成した磁性層を乾燥す
る。又必要により表面平滑化加工を施したり、所望の形
状に裁断したりして、本発明の磁気記録媒体を製造す
る。
【0052】磁性層の0.5%伸びでの弾性率はウエブ
塗布方向、幅方向とも望ましくは100乃至2000k
g/mm2 、破断強度は望ましくは1乃至30kg/c
2、磁気記録媒体の弾性率はウエブ塗布方向、幅方向
とも望ましくは100乃至1500kg/mm2 、残留
のびは望ましくは0.5%以下、100℃以下のあらゆ
る温度での熱収縮率は望ましくは1%以下、さらに望ま
しくは0.5%以下、もっとも望ましくは0.1%以下
である。
【0053】本発明の磁気記録媒体は、ビデオ用途、オ
ーディオ用途などのテープであってもデータ記録用途の
フロッピーディスクや磁気ディスクであってもよいが、
ドロップ・アウトの発生による信号の欠落が致命的とな
るデジタル記録用途の媒体に対しては特に有効である。
更に、下層を非磁性層とし、最上層の厚さを0.8μm
以下の磁性層とすることにより、電磁変換特性が高い、
高密度で大容量の磁気記録媒体を得ることができる。
【0054】
〔下層(非磁性層)の組成物〕
針状ヘマタイト 80部 (BET法による比表面積 45m2 /g、 平均長軸長 0.18μm、針状比 8、pH6.5) カーボンブラック 20部 (平均一次粒子径 16nm、 DBP吸油量 80ml/100g、 BET法による表面積 235m2 /g、 pH8.0) 結合剤樹脂 塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体 10部 (−N(CH3 3 + Cl- の極性基を5×10-6eq/g含有、 モノマー組成比 86:13:1、重合度 400) ポリエステルポリウレタン樹脂 7部 (基本骨格:1,4−BD/フタル酸/HMDI、 分子量 10200、 水酸基 0.23×10-3eq/g含有、 −SO3 Na基 1×10-4eq/g含有) ブチルステアレート 1部 ステアリン酸 2.5部 メチルエチルケトンとシクロヘキサノン1:1混合溶剤 200部 〔上層(磁性層)の組成物〕 強磁性金属粉末 100部 (組成:Fe/Ni/Co=91/4/5、 焼結防止剤:アルミナ−シリカ、 Hc 1650Oe、σS 130emu/g、比表面積 58m2 /g、 平均長軸長 0.12μm、針状比 10、結晶子サイズ 160Å) 結合剤樹脂 塩化ビニル共重合体 12部 (−SO3 Na基を1×10-4eq/g含有、重合度 300) ポリエステルポリウレタン樹脂 3部 (ネオペンチルグリコール/カプロラクトンポリオール/MDI =0.9/2.6/1、−SO3 Na基 1×10-4eq/g含有) αアルミナ(平均粒子径およびX線回折強度比を表1に記載) 5.0部 カーボンブラック(平均粒子サイズ 100nm) 1.0部 ブチルステアレート 1部 ステアリン酸 2部 メチルエチルケトンとシクロヘキサノン1:1混合溶剤 200部 上記の下層用非磁性層組成物及び上層用磁性層組成物の
それぞれをニーダーで混練した後、サンドグラインダー
を使用して分散した。得られた分散液にポリイソシアネ
ートを下層用非磁性層組成物の塗布液には5部、上層用
磁性層組成物の塗布液には6部を加え、さらにメチルエ
チルケトンとシクロヘキサノン1:1混合溶剤を20部
加え、1μmの平均孔径を有するフィルターを使用して
濾過し,非磁性層形成用および磁性層形成用の塗布液を
調製した。
【0055】得られた下層用の塗布液を乾燥後の厚さが
2μmとなるように塗布し、さらにその直後下層用塗布
層がまだ湿潤状態にあるうちに、その上に磁性層の厚み
が0.2μmとなるように厚さ7μmのポリエチレンテ
レフタレート支持体上に湿式同時重層塗布を行い、両層
がまだ湿潤状態にあるうちに配向装置を通過させ長手配
向した。この時の配向磁石は希土類磁石(表面磁束40
00ガウス)を使用した。
【0056】次いで磁性層を乾燥後、金属ロールより構
成される7段カレンダーでロール温度を90℃にしてカ
レンダー処理を施して,ウェッブ状の磁気記録媒体を
得、それを8mm幅にスリットして8mmビデオテープ
のサンプルを作成した。得られたサンプルの磁気特性、
表面粗さ、電磁変換特性を表1に示す。表面粗さは、W
YKO社(USアリゾナ州)製の光干渉3次元粗さ計
「TOPO−3D」を使用し、250μm角の試料面積
を測定した。測定値の算出にあたっては、傾斜補正、球
面補正、円筒補正等の補正をJIS−B601に従って
実施し、中心面平均粗さRaを表面粗さの値とした。
【0057】富士写真フィルム(株)製8mmビデオデ
ッキ、FUJIX8を使用して7MHzの信号を記録
し、これらの信号を再生した時の再生出力をオシロスコ
ープから読み取って測定した。電磁変換特性の標準テー
プとして富士写真フィル(株)の市販のメタルテープス
ーパーDCを使用し、このテープを0dBとし、相対値
で測定結果を表示した。
【0058】記録ずみのテープを100回走行させた後
の出力を測定し100パス後出力とした。走行後のヘッ
ドの顕微鏡で観察しヘッド汚れの有無を観察し、さらに
ニュートンリングを利用しヘッドの表面形状を調べ、ヘ
ッドが偏磨耗しているかどうかを3段階で調べた。
【0059】○:ヘッドに偏磨耗が見られない。 △:ヘッドにわずかに偏磨耗が見られる。 ×:ヘッドに顕著な偏磨耗が見られる。 測定結果を以下の表1に示す。
【0060】
【表1】
【0061】上表から比較例1−1に示したように平均
粒子径が0.05〜0.7μmの範囲であっても、X線
回折強度比が87%より大きい場合は、得られるテープ
の研磨能力が劣っており、ヘッド汚れが発生し、かつヘ
ッドに偏磨耗がわずかに観察された。平均粒子径が0.
7μmより大きいとヘッドの偏磨耗が顕著に観察され
(比較例1−3、1−4)、その内、X線回折ピーク強
度比が87%より高いもの(比較例1−4)は、ヘッド
汚れも観察され100パス後の出力が大幅に低下した。
また、平均粒子径が0.05μmより小さく、かつX線
回折ピーク強度比が87%より小さいもの(比較例1−
2)は、ヘッド汚れおよび偏磨耗が観察され、100パ
ス後の出力が大幅に低下した。一方、実施例は、いずれ
もヘッド偏磨耗およびヘッド汚れが見られず、100パ
ス後の出力も高かった。
【0062】実施例2 〔上層(磁性層)の組成物〕 強磁性金属粉末 100部 (組成:Fe/Co=90/10 焼結防止剤:アルミナ Hc 1780Oe、σS 130emu/g、比表面積 58m2 /g、 平均長軸長 0.10μm、針状比 9、結晶子サイズ 160Å) 結合剤樹脂 塩化ビニル共重合体 12部 (−SO3 Na基を1×10-4eq/g含有、重合度 300) ポリエステルポリウレタン樹脂 3部 (ネオペンチルグリコール/カプロラクトンポリオール/MDI =0.9/2.6/1、−SO3 Na基 1×10-4eq/g含有) αアルミナ(平均粒子径0.1μm、X線回折強度比 78%) 8.0部 カーボンブラック(平均粒子サイズ 60nm) 1.0部 ブチルステアレート 1部 ステアリン酸 2部 メチルエチルケトンとシクロヘキサノン1:1混合溶剤 200部 上記の上層用磁性層組成物のそれぞれをニーダーで混練
した後、サンドグラインダーを使用して分散した。得ら
れた分散液にポリイソシアネートを6部を加え、さらに
メチルエチルケトンとシクロヘキサノン1:1混合溶剤
を20部加え、1μmの平均孔径を有するフィルターを
使用して濾過し,非磁性層形成用および磁性層形成用の
塗布液を調製した。
【0063】下層用非磁性層は、実施例1と同じものを
使用し、下層非磁性層の厚みが2μmとなるように塗布
し、さらにその直後下層用塗布層がまだ湿潤状態にある
うちに、その上に磁性層の厚みが所定の厚みとなるよう
に磁性層用の塗布液量をポンプで制御し、厚さ7μmの
ポリエチレンテレフタレート支持体上に湿式同時重層塗
布を行い、両層がまだ湿潤状態にあるうちに配向装置を
通過させ長手配向した。この時の配向磁石は希土類磁石
(表面磁束4000ガウス)を使用した。
【0064】次いで磁性層を乾燥後、金属ロールより構
成される7段カレンダーでロール温度を90℃にしてカ
レンダー処理を施して,ウェッブ状の磁気記録媒体を
得、それを8mm幅にスリットして8mmビデオテープ
のサンプルを作成した。得られたサンプルの磁気特性、
表面粗さ、電磁変換特性を実施例1と同様に評価した結
果を表2に示す。
【0065】
【表2】
【0066】比較例2−1〜2は、磁性層厚みが〜1μ
m近くになると100パス後出力が約1dB低下してお
り、ヘッドを観察するとヘッド汚れが認められ、ヘッド
偏磨耗はわずかに見られた。また、磁性層厚みが0.7
μm以下の実施例2−1〜4は、100パス後出力が高
く、ヘッド汚れがなく、かつヘッド偏磨耗もなかった。
【0067】
【発明の効果】本発明は、X線回折強度比および平均粒
子径が特定範囲にあるα−Al2 3を研磨剤として選
定もしくは調製して磁性層に含有せしめるという極めて
容易な方法で、ヘッド偏磨耗を防止し、電磁変換特性に
優れた磁気記録媒体を提供することができる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年5月29日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正内容】
【0016】本発明の磁性層に使用される強磁性粉末と
しては、特に制限はないが、高記録密度媒体に使用され
るFeまたはNiまたはCoを主成分(75重量%以
)とする強磁性金属粉末(金属単体および合金を含
む)、Hc制御元素で置換された六方晶フェライト及び
六方晶フェライト中にスピネル相を固溶させた複合型六
方晶フェライトが好ましい。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正内容】
【0021】強磁性粉末の含水率は0.01乃至2重量
%とするのが望ましい。後述する結合剤の種類によって
強磁性粉末の含水率は最適化するのが望ましい。強磁性
粉末が強磁性金属粉末である場合は、タップ密度は0.
2乃至0.8g/ccが望ましい。0.8g/cc以上
であると強磁性粉末の徐酸化工程で表面が均一に酸化さ
れないので、安全にハンドリングすることができなかっ
たり、得られた磁気テープの酸化が経時で劣化する。
0.2cc/g以下では分散が不十分になりやすい。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性支持体上に強磁性粉末と結合剤樹
    脂を主体とする磁性層を有する磁気記録媒体において、
    前記磁性層の厚さは0.8μm以下であり、該磁性層中
    に平均粒子径が0.05〜0.7μmであって、X線回
    折パターンにαアルミナ以外の回折ピークがなく、(1
    13)面の回折ピークの強度を100%としたときの
    (116)面の回折ピークの強度が87%以下であるα
    アルミナを含有することを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 前記強磁性粉末が結晶子サイズが100
    〜300Åの強磁性金属粉末である請求項1に記載の磁
    気記録媒体。
JP6052527A 1994-02-28 1994-02-28 磁気記録媒体 Pending JPH07244836A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6052527A JPH07244836A (ja) 1994-02-28 1994-02-28 磁気記録媒体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6052527A JPH07244836A (ja) 1994-02-28 1994-02-28 磁気記録媒体

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR19990030650A (ko) * 1997-10-02 1999-05-06 장용균 자기헤드 클리닝용 비디오 테이프

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KR19990030650A (ko) * 1997-10-02 1999-05-06 장용균 자기헤드 클리닝용 비디오 테이프

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