JPH0744631Y2 - クリーム状物注出容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本案は、例えば練状の調味料等を収納するためのクリー
ム状物注出容器に係る。

「従来の技術」 実開昭57-44041号が示すように、容器体上部に吸込み弁
と吐出弁とを有する加圧室を設けて、該加圧室の壁面一
部を形成する半球状弾性壁部を圧搾すると吸込み弁が閉
じ、吐出弁が開いてノズルから加圧室内クリーム状物が
押出され、又上記半球状弾性壁部を離すと吐出弁が閉
じ、吸込み弁が開いて上記弾性壁部の弾性復元による加
圧室内の負圧化により容器体内のクリーム状物が吸込み
弁を通って加圧室内へ吸上げられ、又容器体内の負圧化
で容器体底部内に嵌合された摺動底板が上昇することで
その負圧化が防止されるようにしたクリーム状物注出容
器が知られている。

「考案が解決しようとする課題」 この種従来の容器は、構造が複雑化するために部材成形
が困難となり易く、するとその部材数も多くなってコス
ト高を招く欠点があった。

本案は、部材数を少くすることが可能な構造とすること
でコストを廉価となし得るようにすると共に、レバー操
作によりクリーム状物を容易に注出できるようにしたも
のである。

「課題を解決するための手段」 第１頂壁２周縁から下面開口の第１周壁３を垂設すると
共に、上記第１頂壁に収納物流出孔４を穿設した容器体
１と、上記第１周壁の下内面に、外周部を水密に当接さ
せて上昇可能に嵌合させた摺動底板８と、上記容器体の
第１周壁上部に、弾性ドーム状部14下端から垂下する第
２周壁13を嵌着させると共に、弾性ドーム状部の頂部か
ら、任意に定めた前方向へ上部を屈曲してノズル15を起
立したヘッド部材12と、上記ノズルの起立部15a外面
へ、該起立部への強制嵌合用開口部を縦設する弾性管状
部21を嵌合させると共に、該管状部からノズル起立部後
面に沿って板部22を起立し、該板部上端に弾性ヒンジ部
23を介して後部をレバー部24に、かつ前部を揺動板部25
として前端にノズル口用蓋板26を付設した横向き板を付
設し、更にレバー部24から該レバー部押下げにより蓋板
26が上昇してノズル口が開いたとき、上記管状部21の後
面に接するストッパー27を垂設したノズル口開閉兼用の
押下げ部材20とを有し、上記摺動底板８に、レバー部押
下げにより弾性ドーム状部14を圧縮したとき、該圧縮に
よる容器内高圧化により摺動底板８が下降することを防
止する下降防止手段を付設した。

「作用」 第１図の状態からカバー28を外し、容器体１に対してレ
バー部24を押下げすると、弾性ヒンジ部23を支点として
揺動板部25が起立してその前端の蓋板26がノズル口15b
を開き、更にストッパー27がノズル起立部15aに嵌合す
る管状部21に接することでレバー部が停止する。該状態
から更に押下げすると、押下げ部材20がノズル15を共に
押下げるため弾性ドーム状部14が弾性圧搾され、該圧搾
による高圧化により弾性ドーム状部内クリーム状物がノ
ズル口15bから注出される。レバー部24を離すと、弾性
ドーム状部14が弾性復元することで、容器体内クリーム
状物が吸上げられ、すると摺動底板８が上昇し、又弾性
ヒンジ部23が弾性復元するため蓋板26はノズル口を閉じ
る。

「実施例」 容器体１は第１頂壁２周縁から下面開口の第１周壁３を
垂設すると共に、その第１頂壁中央部に収納物流出孔４
を穿設してその孔縁から屈曲部５を介して吸込み弁板６
を突出させている。該弁板はその下面を上記流出孔より
やや小外径とし、かつその上面を大外径とするもので、
その起伏揺動により吸込み弁孔としての流出孔を開閉す
る。尚該吸込み弁７を省略できるがこのことについては
後述する。

上記第１周壁３の下部内面には摺動底板８が、その外周
部を第１周壁内面へ水密に当接させて上昇可能に嵌合さ
れている。上記のように吸込み弁７を省略する場合は、
該摺動底板に下降防止用の公知の金属板を付設すればよ
い。その金属板９は第４図が例示するように、摺動底板
８上壁の中央から筒部8aを垂下し、該筒部外面に離脱不
能に嵌合した金属板部10外周から下外方へ突出した複数
の脚片11下端を第１周壁３内面へ、下降不能に、かつ上
昇可能に圧接させればよい。

容器体第１周壁の上部には、ヘッド部材12を水密に嵌着
させる。該ヘッド部材12は、第１周壁上部に嵌着した第
２周壁13を弾性ドーム状部14周縁から垂下し、かつその
弾性ドーム状部の頂部から、任意に定めた前方向へ上部
を屈曲したノズル15を起立させている。ノズル屈曲部分
の内角部からは屈折部16を介して舌片状の弁板17が突出
させてあり、該弁板後面の外径はノズル孔よりも小外径
で、かつ前面外径はノズル孔よりも大外径としている。
該吐出弁18も必要により省くことが出来、この場合は第
１頂壁２と弾性ドーム状部14とが形成する加圧室19内が
負圧化しても、ノズル孔内クリーム状物が吸い戻される
ことなく、そのため摺動底板８が上昇するよう、ノズル
孔を長く、かつ小径とすればよい。

上記ノズル15には押下げ部材20を嵌合させている。該部
材は、ノズル15の起立部15a外面へ、該起立部への強制
押付けにより強制嵌合させることが可能な開口部を縦設
する弾性管状部21を、その強制嵌合により嵌合させると
共に該管状部からノズル起立部後面に沿って板部22を起
立し、該板部上端に弾性ヒンジ部23を介して、後部をレ
バー部24に、かつ前部を揺動板部25として前端にノズル
口用蓋板26を付設した横向き板７を付設し、更にレバー
部24下面から、該レバー部押下げにより蓋板26が上昇し
てノズル口が開いたとき、ノズルの起立部後面に接する
ストッパー27を垂設したものである。

尚、28はカバーで必要により設ければよい。

「考案の効果」 本案は既述構成とするもので、容器の弾性ドーム状部14
の頂部から上部を前方へ屈曲して起立するノズル15の起
立部15a外面へ、該起立部への強制嵌合用開口部を縦設
する弾性管状部21を嵌合させると共に、該管状部からノ
ズル起立部の後面に沿って板部22を起立し、該板部の上
端に、弾性ヒンジ部23を介して後部をレバー部24、前部
を揺動板25として前端にノズル口用蓋板26を付設する横
向き板に付設し、更にレバー部24押下げで蓋板26が上昇
してノズル口が開いたときに管状部21後面へ接すること
の可能なストッパー27を、上記レバー部24から垂下して
押下げ部材20を形成したから、その管状部21の開口部を
ノズルの起立部15a外面へ当ててそのまま押込むだけで
嵌合でき、よってヘッド部材12に対する押下げ部材20の
取付けを極めて容易にかつ確実に行うことが出来ると共
に、その取付けのための構造を簡易化でき、又上記レバ
ー部24からストッパー27を垂設したから、該ストッパー
が管状部21後面に接した後は、更にレバー部24が回動す
ることはなく、押下げに適した角度を保つこととなるか
ら、該レバー部24を介して行う弾性ドーム状部14の押下
げ圧縮が容易となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案容器の縦断面図、第２図はその容器に使用
するヘッド部材の斜視図、第３図はその容器に使用する
押下げ部材の斜視図、第４図は容器体下部内への摺動底
板嵌合状態を別実施例で示す半断面図である。 １……容器体、８……摺動底板 12……ヘッド部材、20……押下げ部材

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】第１頂壁２周縁から下面開口の第１周壁３
   を垂設すると共に、上記第１頂壁に収納物流出孔４を穿
   設した容器体１と、上記第１周壁の下内面に、外周部を
   水密に当接させて上昇可能に嵌合させた摺動底板８と、
   上記容器体の第１周壁上部に、弾性ドーム状部14下端か
   ら垂下する第２周壁13を嵌着させると共に、弾性ドーム
   状部の頂部から、任意に定めた前方向へ上部を屈曲して
   ノズル15を起立したヘッド部材12と、上記ノズルの起立
   部15a外面へ、該起立部への強制嵌合用開口部を縦設す
   る弾性管状部21を嵌合させると共に、該管状部からノズ
   ル起立部後面に沿って板部22を起立し、該板部上端に弾
   性ヒンジ部23を介して後部をレバー部24に、かつ前部を
   揺動板部25として前端にノズル口用蓋板26を付設した横
   向き板を付設し、更にレバー部24から該レバー部押下げ
   により蓋板26が上昇してノズル口が開いたとき、上記管
   状部21の後面に接するストッパー27を垂設したノズル口
   開閉兼用の押下げ部材20とを有し、上記摺動底板８に、
   レバー部押下げにより弾性ドーム状部14を圧縮したと
   き、該圧縮による容器内高圧化により摺動底板８が下降
   することを防止する下降防止手段を付設したことを特徴
   とするクリーム状物注出容器。