JPH0617753Y2 - クリ−ム状物注出容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は、収納したクリーム状物を加圧注出するクリー
ム状物注出容器に関する。

「従来の技術」 この種容器として、上下両端面開口の筒状胴部材の下端
部内に、底壁部材を気密にかつ上昇可能に嵌合させると
共に、胴部材上端部には、胴部材内に充填されたクリー
ム状物を吐出するポンプ装置を付設させたものがある。
なお、上記ポンプ装置は胴部上面を閉塞させた吸込み弁
付きのキャップ状部材と、該キャップ状部材との間で加
圧室（貯溜室）を画成させると共に吐出弁付きのノズル
を備えた上部覆合部材と、該上部覆合部材の弾性球面状
壁を圧搾するレバー付き部材等から構成される（実開昭
61-147766号号、実開昭59-112772号等公報参照）。

「考案が解決しようとする問題点」 ところが、この種容器は従来、部品点数が多く、コスト
低減に制約を受けていた。例えば、胴部上面を別途のキ
ャップ状部材で閉塞したり、吸込み弁及び吐出弁も独立
部品としている。

そこで本考案の目的は、極力部品点数を低減してコスト
ダウンが図れるクリーム状物注出容器を提供することを
目的とする。

「問題点を解決するための手段」 上記目的を達成するために、本考案に係るクリーム状物
注出容器は、下面開口の胴部５上面を閉塞する頂板６中
央に注出孔７を穿設した筒状胴部材１と、上記胴部の下
端部内へ気密にかつ上昇可能に嵌合させた底壁部材２
と、上記胴部材上端に外嵌させたキャップ３と、該キャ
ップ内に装着された、弾性変形可能な半球面状部材４と
からなり、上記キャップは、キャップ本体16及び該本体
後縁部に後縁部をヒンジ結合させて該本体上面を閉塞す
る蓋板17とから形成し、上記キャップ本体16は、上記胴
部に嵌着させた周壁10と、該周壁10内面に上記頂板上面
とは所定の間隙を有して横設するとともに、中央寄りに
連通孔12を穿設してなる水平板11と、該水平板の前部か
ら起立したノズル筒13と、該ノズル筒内に一体に付設す
るとともに、舌片状弁体14でノズル孔を開閉する吐出弁
15と、上記連通孔12の開口縁から延設した複数の弾性片
21を介して垂設し、且つ、球面状底壁を有する筒状弁体
22とから構成し、上記筒状弁体22の球面状底壁で上記注
出孔７を開閉可能に閉塞させて吸い込み弁23となし、上
記水平板の上面部分に、上記連通孔の上方を覆うように
して上記半球面状部材４を張設させたことを特徴とす
る。

「作用」 常時においては、クリーム状物は半球面状部材４内にま
で充満している。この状態で蓋板17開蓋後に半球面状部
材４を弾性圧搾すると、内部のクリーム状物は加圧され
ることから吐出弁15を開弁し、ノズル筒13より外部に注
出される。

クリーム状物が注出された時点で上記圧搾を解放する
と、半球面状部材の原形復帰により当該半球面状部材が
負圧となることから吸い込み弁23が開いて、胴部材１内
のクリーム状物は上方に吸い上げられ、この吸上げで胴
部材内が負圧化するので底壁部材２が上昇移動する。

「実施例」 以下添付図面に基づいて、本考案の一実施例を説明す
る。

第１図及び第２図に示すように、本考案に係るクリーム
状物注出容器は、筒状胴部材１と、底壁部材２と、キャ
ップ３と、半球面状部材４とを主要部材としている。

筒状胴部材１は、下面開口の胴部５上面を閉塞する頂板
６中央に注出孔７を穿設した合成樹脂製のものである。

底壁部材２は、上記胴部５の下端部内へ気密にかつ上昇
可能に嵌合させた合成樹脂製のものである。図示例で
は、上記胴部５内面に圧接する断面弧状の弾性周壁８を
底板９外周に付設してなる。

キャップ３は、上記胴部材１上端に外嵌させた合成樹脂
製のもので、上記胴部５に嵌着させた周壁10内面に、上
記頂板６上面とは所定の間隙を有して水平板11を横設
し、該水平板の中央寄りに連通孔12を穿設すると共に前
部からノズル筒13を起立し、該ノズル筒13内に、舌片状
弁体14でノズル孔を開閉する吐出弁15を一体に付設した
キャップ本体16後縁部に、該キャップ本体16上面を閉塞
する蓋板17後縁部をヒンジ18結合させて形成している。

図示例では、上記水平板11下面から第１嵌合筒19が垂設
され、該第１嵌合筒19が上記胴部５の上端内周に密着嵌
合している。また、水平板11上面からは、上記ノズル筒
13を内方に位置させて第２嵌合筒20が起立されている。
さらに、上記連通孔12の開口縁からは、第３図に示すよ
うに、複数（図中では３箇）の弾性片21を介して有底筒
状の弁体22が垂設され、該弁体22の下端面が上記注出孔
７の上端開口縁へ接離自在に弾接している。即ち、上記
弁体22と注出孔７とで吸込み弁23を形成しているのであ
る。さらにまた、上記吐出弁15を形成する舌片状弁体14
の基端部は薄肉の一体成形ヒンジ24を介してノズル筒13
の下端開口縁部分に結合されると共に、該弁体14の先端
部は厚肉に形成されてその先端面25が広幅のストレート
面になっている。即ち、上記先端面25により逆止弁が達
成されるのである。加えて、上記ヒンジ18は、キャップ
本体16と蓋板17とを適宜間隔を介して左右で連結する薄
肉一体成形の第１ヒンジ部18a,18aと、その両ヒンジ部
間上下方向にＬ字状の弾性帯板部18bを設け、該帯板部
下端とキャップ本体周壁10との接合部と、帯板部上端と
薄板との接合部とにそれぞれ設けられた薄肉一体成形の
第２、第３ヒンジ部18c,18dとを有する所謂弾性反転ヒ
ンジで形成されている。なお、図中26は、ノズル筒13の
上端開口部内へ着脱自在に嵌合された筒状栓である。

そして、上記水平板11の上面部分に、上記連通孔12の上
方を覆うように張設させて、弾性変形可能な半球面状部
材４がキャップ３内に装着されている。図示例では、上
記半球面状部材４は、上記第２嵌合筒部20外面に嵌着さ
せた短筒部27を半球面状壁28の下端周縁から垂設すると
共に、該半球面状壁28前部から独立した筒状部29内に上
記ノズル筒13を密着嵌合させて形成されている。なお、
半球面状部材の材質としては合成ゴムが好適である。

従って本実施例では、上記吸込み弁23と吐出弁15との間
の内部空間がポンプ装置における加圧室Ａとなり、これ
によって、上記半球面状部材４圧搾時における底壁部材
２の下降が防止される。

「考案の効果」 以上説明したように本考案によれば、従来のキャップ状
部材に相当する頂板を胴部材と一体に形成し、さらに従
来の上部覆合部材に相当する半球面状部材をキャップ本
体に効果的に組付けて従来におけるレバー付き部材を不
要とし、加えて吐出弁及び吸い込み弁はキャップ本体と
一体に形成するようにしたので、従来品に比べ部品点数
が削減できてコストダウンが図れる。また、本考案で
は、キャップを取り外すことなく蓋板の弾性反転により
容器使用が可能となるので、使用並びに取扱いが容易と
なる。

また、球面状底壁を有する筒状弁体を、その球面状底壁
で、筒状胴部材の注出孔を開閉可能に閉塞させた吸い込
み弁を設けているので、弁体下面と注出孔周縁とが線状
に当接して粘度の高い内容物であっても、閉弁時に容易
に液を排除して確実に注出孔を閉塞する。

また、この弁体は水平板に穿設した連通孔の開口縁から
延設した複数の弾性片を介して垂設しており、注出孔中
央部を上下動して注出孔を開閉するため、閉塞時に排除
する液が均一に周囲に分散し、この点からも容易且つ確
実な注出孔の閉塞を行える。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す断面図、第２図はその
斜視図、第３図は同じく要部平面図である。 １…筒状胴部材 ２…底壁部材 ３…キャップ ４…半球面状部材

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】下面開口の胴部５上面を閉塞する頂板６中
   央に注出孔７を穿設した筒状胴部材１と、上記胴部の下
   端部内へ気密にかつ上昇可能に嵌合させた底壁部材２
   と、上記胴部材上端に外嵌されたキャップ３と、該キャ
   ップ内に嵌着された、弾性変形可能な半球面状部材４と
   からなり、上記キャップ３は、キャップ本体16及び該本
   体後縁部に後縁部をヒンジ結合させて該本体上面を閉塞
   する蓋板17とから形成し、上記キャップ本体16は、上記
   胴部に嵌着させた周壁10と、該周壁10内面に上記頂板上
   面とは所定の間隙を有して横設するとともに、中央寄り
   に連通孔12を穿設してなる水平板11と、該水平板の前部
   から起立したノズル筒13と、該ノズル筒内に一体に付設
   するとともに、舌片状弁体14でノズル孔を開閉する吐出
   弁15と、上記連通孔12の開口縁から延設した複数の弾性
   片21を介して垂設し、且つ、球面状底壁を有する筒状弁
   体22とから構成し、上記筒状弁体22の球面状底壁で上記
   注出孔７を開閉可能に閉塞させて吸い込み弁23となし、
   上記水平板の上面部分に、上記連通孔の上方を覆うよう
   にして上記半球面状部材４を張設させたことを特徴とす
   るクリーム状物注出容器。