JPH0744614U - 活魚類の輸送用・保存用容器及び該活魚類用容器の収納用箱 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 活魚類を損傷することなく冬眠状態とするた
めと供に無水状態で冬眠状態で輸送や貯蔵することがで
きる活魚類用容器とその容器の収納箱。 【構成】 内側面に遠赤外線放射セラミック粉末を含有
する連続気泡性発泡プラスチック製シートが装着され、
かつ適数個の小通孔が設けられて成り、容器内部の大き
さが魚類１匹ずつ収納できる大きさである活魚類の輸送
用・保存用容器であり、当該容器を収容して冷却水中に
浸漬される、周壁と底壁とに通孔を持つ活魚類用容器の
収納箱。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、活魚類の輸送または保存に使用される容器及びこの容器の収納用網 状箱に係わる。

【０００２】

【従来技術】

従来、水揚げ後も比較的丈夫なウナギ、ドジョウ、ハマグリ、アサリなどの魚 介類を、カキ氷と共に生きたまま高圧ポリエレン袋に入れ、さらに酸素を封入し て、これを耐水ダンボール箱で外装して長距離輸送することは周知である。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、生きている魚、カニ、イカその他魚類を、単に、輸送や保存のため の容器ではなく、容器中の活魚類を安全に冬眠状態とさせ、かつ該冬眠状態の活 魚類の輸送や保存に適する容器と、該容器中の活魚類を冬眠状態させるために、 該容器を水中に浸漬させるのに便利な活魚類用容器の収納用箱について工夫した 結果、本考案を達成したのである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本発明は、容器部と蓋部との内側面に遠赤外線放射セラミック粉末を含有する 連続気泡性発泡プラスチック製シートが装着され、かつ適数個の小通孔が設けら れて成る容器であって、容器内部の広さは、活魚類が１匹ずつを収納できる広さ さである活魚類の輸送用・保存用容器である。また、同形同大の上記活魚の輸送 用・保存用容器が、その外側（壁）を当接して適数個並べられて収納でき、かつ 互いに重ねられる無蓋把手付の活魚類用容器の収納用箱であって、該収納用箱の 開口部は、重ねられて上位に位置する他の収納用箱の底部が、既に収納された活 魚類の輸送用・保存用容器の頂部を押圧しないように、上部の他の収納用箱を支 持するように形成されて成る活魚類用容器の収納用箱である

【０００５】 本考案での容器が、その内側に遠赤外線放射粉末を含有する連続気泡性発泡プ ラスチック製シートが装着され、かつ適数個の小通孔が設けられたのは、収納さ れた冬眠状態にされる活魚の暴れや冬眠状態の活魚の輸送や保存中に外部からの 衝撃を防ぐための緩衝材または断熱材として、軟質発泡プラスチック製シートが 好適であり、また発泡プラスチックシートとして、遠赤外線照射セラミック粉末 を含有する連続気泡性のものを使用したのは、容器に設けられた小通孔を通じて 気体または液体の流通が可能であり、冷却水浸漬処理の場合には、魚類が生息し ている水温よりも低い温度、例えば、０〜−１℃程度の海水または淡水の容器内 への通路となり、収納された活魚を冬眠状態にさせることができると供に遠赤外 線照射セラミック粉末により、冷却処理中に流入した低温水による活魚の急激な 体温低下を防止し、活魚をショック死させないためであり、長期間の浸漬冷却処 理中に凍死させないためである。なお、発泡プラスチック製シートが、遠赤外線 照射セラミックを含有する連続気泡構造のため、冷却水浸漬処理後にも、残存す る空気や水分、断熱性または緩衝性等により、活魚類を長期間の貯蔵、輸送を可 能にしたのである。

【０００６】 そして、本考案での、容器に設けられた適数個の小通孔とは、容器の内側（容 器部と蓋部との内側）に、遠赤外線放射セラミック粉末を含有する連続気泡性発 泡プラスチック製シートを、接着剤、超音波等で接着して、当該連続気泡性発泡 プラスチック製シートと容器壁とを貫通して形成された、空気や液体の通路とさ れた小通孔を意味し、また、該連続気泡性発泡プラスチック性シートを接着剤な どを使用せずに、適宜の手段で適数個の小通孔が穿設された容器の内側に装着さ せて、該シートの通気性気泡を利用して通路とするこどもでき得る。

【０００７】 本考案での、容器の内部の広さを、魚類を１匹ずつ入れる大きさにしたのは、 ２匹以上の大きさにして，２匹以上入れると、冷却浸漬処理で冬眠状態になるま での間に魚類同士の暴れによる接触で、鱗の剥離など魚体の損傷を起こして品質 の劣化や死亡するからである。また連続気泡性発泡プラスチック製シートの基材 としては、ウレタン、塩化ビニル、ポリエチレンなどがあるが、ポリウレタンを 基材とした連続気泡性ポリウレタンからなるシートが好ましい。

【０００８】 活魚の輸送用・保存用容器の収納用箱の周壁と底壁とに通孔を設けたのは、浸 漬冷却処理において、容器に入れた活魚類への冷却水を流通させるためであり、 また当該活魚類用容器を１段並べに収容された収納用箱を数段重ねた場合に、重 ねられ、下位に位置する収納用箱に、既に収容されている容器を押圧ようにした のは、活魚類を損傷させず、かつ冷却水の流通し易くなして、効率よく冬眠状態 にすることができるからである。また冷却処理してから１箱ずつ収納用箱を取り 外して、冬眠状態の魚類を収納した容器を収納したまま輸送、保存ができる。な お、この収納用箱に適数個の通孔を有する蓋を適宜設けることができる。

【０００９】

【実施例】

図面は本考案の実施の１例を示すもので、第１図は本考案の活魚類用容器を展 開した上面図、第２図は本考案の活魚類用容器の斜視図、第３図は本考案の活魚 類用容器を収容する本考案の収納用箱の斜視図、を示す。

【００１０】 第１図〜第３図において、Ａは硬質プラスチック製または金属製の保存・輸送 用容器、Ｂは活魚類用容器Ａが収容される収納用箱、を示し、１は開口周縁にフ ランジ２を持つ容器Ａの容器部、３は開口周縁にフランジ４を持ち、容器部１と 同じ材料製の蓋部で、該フランジ４の長手方向の一側縁が、容器部１のフランジ ２の長手方向の一側縁に連設されて、容器部１に開閉自在に被蓋される蓋部、５ は容器部１の凹部６と蓋部３の凹部７との周壁に設けられた適数個の小通孔、８ は遠赤外線放射性セラミック粉末を含む連続気泡性発泡プラスチックシートで、 凹部６と凹部７の内側面に、接着剤で装着された断熱性、加温性、緩衝性のシー ト、９は容器部１に蓋部５が被蓋され、フランジの２と４とが互いに密に当接さ れた容器Ａが解放しないように係止するゴム輪その他の係止部材、１０は収納用 箱Ｂの開口部周縁の長手方向の両側縁に、コ状の両端下部が回動自在に設けられ ている把手、を示す。なお、フランジ２、４は必要により設けられ、また、図１ での、通孔５は、容器内側に接着された連続気泡性発泡プラスチックシート８と 容器壁とを貫通して設けられた通孔を示し、連続気泡性発泡プラスチックシート ８は、容器壁の通孔５が接着剤などで塞がれる恐れがなくして設けられ、かつ容 器壁と供に貫通された通孔５が設けられてない 連続気泡性発泡プラスチックシ ート８を示す。

【００１１】 そして、凹部６と凹部７とは、好ましくは、互いに同形同大の穴に形成され、 かつ容器部１に蓋部３が被蓋されたときに、両凹部の開口部が互いに合致するよ うに形成され、かつ魚類を１匹ずつ収納可能の空間部（活魚収容部）を有するよ うに形成されている。また容器部１の凹部６を、魚類１匹ずつ収納可能に成形し て、蓋部３の凹部７をフランジ４と同一平面にすることもできる。

【００１２】 第３図は既に輸送用・保存用容器Ａが収容されている本考案の活魚類用容器の 収納用箱Ｂを示すのであるが、本収納用箱の開口部は、既に収納されている容器 Ａの頂部が、他の容器Ａが収納されている他の収納用箱Ｂの底部が嵌合された場 合に、その嵌合された上位の他の収納用箱の底部で、下位の収納用箱に、既に収 納されている容器Ａが押圧されないように形成されている開口部である。また他 の収納用箱Ｂの底部を支持するように、必要により、開口部に保持部材を設ける ことができる。

【００１３】 次に、本考案の使用法を記載する。 生きているヒラメ１匹ずつ容器部１の凹部２に入れ、蓋部３を被蓋して係止部 材で締結した容器Ａを羅列して収納用箱Ｂを４箱重ねて、０℃の海水中に入れ、 冷却して、ヒラメを冬眠状態にした後、海水中から引き上げて、起こした把手１ ３を持って１箱ずつ取り出し、そして１容器ずつを冷却庫に入れて、輸送した後 に、容器Ａから取り出したヒラメを海水中に入れたところ、しばらくしてヒラメ は蘇生した。

【００１４】 同様に、生きている松葉ガニを容器Ａに１匹ずつ入れ、蓋部３を被蓋し、係止 部材９で締結した容器Ａを羅列して収納した収納用箱Ｂを１０箱重ねて、−１℃ の海水中に浸漬し冬眠状態にした後、該海水から引き上げて、収納用箱Ｂを１箱 ずつとして、７日間の輸送や貯蔵した後、収納用箱Ｂから取り出した容器Ａから の松葉カニを海水中に入れたところ、松葉カニは暫くして蘇生した。

【００１５】 また、生きているアジを容器Ａの容器部１の凹部６に１匹ずつを入れ、平板状 の蓋３を被蓋し、締結した容器Ａを並べて入れた収納用箱Ｂを４箱重ねて、これ を−５℃の水中に入れ、冬眠状態になるまで浸漬してから引き出して１箱ずつ取 り出して、冷蔵庫で２日間貯蔵または冷蔵車で２日間輸送した後、収納用箱Ｂか らの容器Ａから取り出したアジを海水中に入れたところしばらくしてアジは蘇生 した。上記使用法で収納箱を重ねたが、収納箱単独でも冷却処理可能である。

【００１６】

【発明の効果】

本考案によれば、活魚類を、１匹ずつ冬眠状態になすことができるので、損傷 させること無く、かつ無水のまま輸送や貯蔵ができる便利な活魚類用容器や該容 器の収納用箱を提供することができたのである。

【図面の簡単な説明】

【図１】活魚類の輸送用・保存用容器の展開図。

【図２】活魚類の輸送用・保存用容器の斜視図。

【図３】活魚類の輸送用・保存用容器用を収容した収納
用箱の斜視図。

【符号の説明】

Ａ 活魚類の輸送用・保存用容器 Ｂ 活魚類の輸送用・保存用容器の収容する活魚類の収
納用箱 １ 容器部 ２ 容器部のフランジ ３ 蓋部 ４ 蓋部のフランジ ５ 容器の小通孔 ６ 容器部の凹部 ７ 蓋部の凹部 ８ 遠赤外線放射セラミック含有連続気泡性発泡プラス
チック製シート ９ 締結部材 １０ 回動自在把手

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 大山 恵央 千葉県松戸市八ケ崎955 株式会社ヤマダ イ内 (72)考案者 山本 厚太郎 島根県八束郡鹿島町大字恵曇町455番地 有限会社山本鉄工所内

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 魚類容器において、容器部と蓋部との内
   側面に遠赤外線放射セラミツク粉末を含有する連続気泡
   性発泡プラスチック製シートが装着され、かつ適数個の
   小通孔が設けられて成る容器であって、容器内部の大き
   さが、魚類１匹ずつ収納される大きさであることを特徴
   とする活魚類の輸送用・保存用容器。
2. 【請求項２】 周側壁と底壁とに小通孔を有し、かつ請
   求項１記載の活魚類の輸送用・保存用容器を収容する活
   魚類用容器の収納用箱であって、当該活魚類用容器の収
   納用箱に、上記請求項１記載の容器が羅列されて収納さ
   れ、重ねられた場合に、下位に位置した該収納用箱の開
   口部が、収納された請求項１記載の容器の頂部が押圧さ
   れないように、上位に位置した該収納用箱の底部を保持
   するように形成されて成ることを特徴とする活魚類用容
   器の収納用箱。