JPH0744573U - 試験片 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 試薬マトリックスを、特に拭き取りによる損
傷から広く保護された試験片を開発する。 【構成】 （ａ）水平部と隆起部を有する細長い基板で
あって、第一の水平部から第一の末端点まで上方に傾斜
し、ついで第二の水平部へと垂直に下降して直角の肩部
で隆起部を形成し、該第二の水平部がさらに第二の末端
点で直角の肩部で隆起部を形成し、該隆起部は下方に傾
斜して該第一の水平部に戻る基板１：および（ｂ）該基
板の第二の水平部上に位置し、該直角な肩部で該隆起部
に隣接している試薬マトリックス２であって、該試薬マ
トリックスの高さが該第一及び第二の末端点において該
隆起部の高さと同じであり、それにより、該隆起部に隣
接する該試薬マトリックスの上辺縁部が隆起部により保
護されている、試薬マトリックス：からなる、余剰試料
の拭き取りを可能とした試験片。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

分析、特に臨床化学における試験具又は試験片の使用は、確立された方法に属 する。湿式化学の伝統的方法と比べて、このような分析法は、より迅速に、また 、より容易に行うことができる。

【０００２】

【従来の技術】

試験片を分析、特に全血の分析に使用する際は、試験片を拭き取ることがしば しば必要となる。この拭き取り操作によって、基板の平面上に設けられた試薬マ トリックスの端縁及び表面に損傷を引き起こす可能性がある。次に行う、例えば 、反射光度計を用いた評価は、これによって影響をうけ、再現不能な結果を導く 可能性がある。

【０００３】 基板上の試薬マトリックスの正確な位置決めもまた、反射光度計を用いた試験 片の判定にとって重要である。もし、平坦な基板が試験片に用いられると、接着 剤の接着力が不十分である場合、結果として、試験片が正確な位置から外れてし まうという危険性がある。

【０００４】 例えば、使用された接着剤が製造過程及び包装過程で未だ完全に硬化していな い場合、又は、接着剤が保存の結果老化した場合は、接着剤の接着力が不十分で ある可能性がある。

【０００５】 反応物質と接着剤との適合性を確保するために、異なった接着剤が複合片にお いてしばしば使用されなければならない。接着剤の分量の正確な計量は困難であ り、試験片の硬化を不確実にする原因となる。

【０００６】 接着剤中の残留溶媒による試験マトリックスの保存寿命、及び試験マトリック ス中に混入した反応物質の変化に対する影響は、更に大きな欠点である。

【０００７】 また別の欠点は、接着剤が制御できない方法で試薬マトリックス中に移動する 可能性があることである。したがって、試薬マトリックスによる規定量の試料の 吸収が保証されず、誤った分析結果を導く。

【０００８】

【考案が解決しようとする課題】

本考案の目的は、試薬マトリックスを、特に拭き取りによる損傷から広く保護 された試験片を開発することである。

【０００９】

【課題を解決するための手段】

本考案は、（ａ）水平部と隆起部を有する細長い基板であって、第一の水平部 から第一の末端点まで上方に傾斜し、ついで第二の水平部へと垂直に下降して直 角の肩部で隆起部を形成し、該第二の水平部がさらに第二の末端点で直角の肩部 で隆起部を形成し、該隆起部は下方に傾斜して該第一の水平部に戻る基板：およ び（ｂ）該基板の第二の水平部上に位置し、該直角な肩部で該隆起部に隣接して いる試薬マトリックスであって、該試薬マトリックスの高さが該第一及び第二の 末端点において該隆起部の高さと同じであり、それにより、該隆起部に隣接する 該試薬マトリックスの上辺縁部が隆起部により保護されている、試薬マトリック スからなり、拭き取り具を基板の第一の水平部、隆起部及び試薬マトリックスの 表面を横切って移動させることにより、余剰試料の拭き取りを可能とした試験片 である。

【００１０】 本考案においては保護面（場合により複数）を、ペーパータオル、布などで、 試験片の、細長い基板に沿って動かすのが容易なような構造の斜面（ramp）を形 成していることを特徴とする。本発明においては、基板（１）に試薬マトリック ス（２）を収容するための傾斜面を有するくぼみが形づくられ、試薬マトリック ス（２）は特に拭き取り操作の結果生じる損傷から、十分保護される。基板（１ ）上の試薬マトリックス（２）の正確な位置決めも、同様に確保される。

【００１１】

【実施例】

図１は試験マトリックス（２）は熱可塑性接着剤又は２成分系接着剤（３）で 形成されたくぼみに埋設されている。

【００１２】 図２は試薬マトリックス（２）を成形された基板（１）に２成分系接着剤で固 定された試験片に関する。基板（１）は、１以上の試薬マトリックスを収容する ための１以上のくぼみのある傾斜した隆起部を有する。試薬マトリックスは、基 板を成形することによって基板に形成されたくぼみに固定される。この成形は、 プレスロール又は加熱によって機械的に行うことができる。２つの方法を組みあ わせることもまた可能である。担体の成形は、超音波によって行うことが好まし い。この方法において、くぼみ中に置かれた試薬マトリックスを有する基板は、 超音波ブースターを通るように誘導される。くぼみの端部は、超音波によって内 側へ曲げられ、試薬片が一種の「圧着」によってしっかりと保持されるように成 形される。この技術によれば、接触せずに操作が行われ、例えば酵素のような試 薬マトリックス中の試薬への悪影響は大幅に除去される。

【００１３】 好適な基板は、例えば硬質紙、又はプラスチックのような成形可能な物質であ る。特に好ましい物質は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド 又はポリエステルのような熱可塑性樹脂である。 プラスチックからなる基板の場合には、好ましくは押出成形によって形成され る。

【００１４】 試薬マトリックスは、例えば、紙、セルロース及びプラスチックのような、通 常用いられ、この特定の目的のための公知の物質から成ることができる。

【００１５】 図３は、接着剤を用いずに、押込まれた２つの試験マトリックス（２）を有す る押出成形された試験片を示す。基板（１）は、試薬マトリックスが保護されて 設置され、試験片を拭き取る際、表面の損傷を引き起こすことがなく、かつ、取 り扱い中に試薬の端縁の擦傷を防ぐことが出来るように周辺部と同じ高さで成形 されている。試薬マトリックスを、この保護された位置に置くことにより、更に 包装中及び輸送中の有利性が得られる。試薬マトリックスの表面との接触及びそ れによる損傷は、くぼみによって防ぐことができる。例えば、血液を用いて、診 断用に使用する場合においては、表面に付着した血球を拭き取る必要がある。拭 き取り操作中の、表面への損傷の可能性は、くぼみと同じ高さであることによっ てかなり減少する。試薬マトリックスの表面は、拭き取り具を、基板の上の水平 部、隆起部及び試薬マトリックスの表面を横切って移動させることによって、試 薬マトリックスに無理な力を加えることもなく、したがって損傷をうけることも なく、端部は、覆蔽されているので、擦傷を起こすこともない。 押込まれた試薬マトリックスは、成形された基板によって固定されているので 、接着剤を用いることなしに、基板（１）と試薬マトリックス（２）との堅固な 結合が形成される。

【図面の簡単な説明】

【図１】試薬マトリックスが熱可塑性接着剤で基板に取
り付けられた本考案の試験片の実施態様の断面図であ
る。

【図２】試薬マトリックスが形成された基板に２成分系
接着剤で取り付けられた本考案の試験片実施態様の断面
図である。

【図３】２つの試薬マトリックスのためのくぼみが続け
て設けられた本考案の試験片の実施態様の断面図及び平
面図である。

【符号の説明】

１……基板 ２……試薬マトリックス ３……２成分系接着剤 ４……両面粘着テープ又は粘着剤

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 （ａ）水平部と隆起部を有する細長い基
   板であって、第一の水平部から第一の末端点まで上方に
   傾斜し、ついで第二の水平部へと垂直に下降して直角の
   肩部で隆起部を形成し、該第二の水平部がさらに第二の
   末端点で直角の肩部で隆起部を形成し、該隆起部は下方
   に傾斜して該第一の水平部に戻る基板：および（ｂ）該
   基板の第二の水平部上に位置し、該直角な肩部で該隆起
   部に隣接している試薬マトリックスであって、該試薬マ
   トリックスの高さが該第一及び第二の末端点において該
   隆起部の高さと同じであり、それにより該隆起部に隣接
   する該試薬マトリックスの上辺縁部が隆起部により保護
   されている、試薬マトリックス：からなり、拭き取り具
   を基板の第一の水平部、隆起部及び試薬マトリックスの
   表面を横切って移動させることにより、余剰試料の拭き
   取りを可能とした試験片。
2. 【請求項２】 基板がプラスチック材である、請求の範
   囲第１項記載の試験片。
3. 【請求項３】 基板が、ポリエチレン、ポリプロピレ
   ン、ポリアミド又はポリエステルである、請求の範囲第
   １項記載の試験片。