JPH0744493Y2 - 自動車用サンシェード装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、自動車に設けられているサンルーフを遮蔽す
る自動車用サンシェード装置に係り、特に複数の遮光板
による収納式サンシェード装置に関する。

〔従来の技術〕

自動車用サンシェード装置としては、１枚の長方形状の
遮光板により構成されているものもあるが、このものは
収納性に難点があるので、よりコンパクトに収納できる
ものとして、複数枚の遮光板により構成されたものが提
案されている。

かかるサンシェード装置として、従来、実開昭60-14942
2号公報に記載のものが知られている。このものは、ル
ーフ開口部の対向する側縁に沿って配設した一対のコ字
状断面のガイドレールと、このガイドレール内に摺動可
能に嵌合され、互いに隣接する端縁に傾斜面を有し、且
つ互いに係脱自在に三角突起片と三角係合溝とを形成し
た複数個のガイド部材と、両側端に夫々ガイド部材を接
続した複数枚の遮光板と、前記一対のガイドレールの一
端に架け渡され、前記複数枚の遮光板を積み重ねて収納
し得る収納部と、この収納部内に納められ、積み重ねら
れた遮光板をその板厚方向に、前記ガイドレール側に向
けて押圧する押圧装置とで構成して成るものである。そ
して、遮光板の収納時には、ガイドレールの後位置に遮
光板が到達すると、押圧装置に抗して順次遮光板を収納
部内に押し下げて収納していくものである。また、第１
番目の遮光板を収納部より引き出すと、押圧装置により
第２番目の遮光板が押し上げられ、第１番目の遮光板の
後端の三角係合溝に第２番目の遮光板の前端の三角突起
片が嵌合し、遮光板が連結して引き出されるようにした
ものである。

また、実開昭62-196723号公報には、ルーフ開口部にガ
イドレールに沿って摺動可能な複数枚の遮光板を設け、
これら遮光板が折り重なって収納される収納部をその開
口が前記ガイドレールと連続するようにルーフ部内に設
けると共に、収納部内にプレートガイドに沿って上下動
可能なプレートと、プレートに載る前記遮光板を前記ガ
イドレールのレール面とほぼ揃う位置に付勢する付勢ば
ねを設けた構成のものが記載されている。そして、遮光
板の収納時には、ガイドレールの後位置に遮光板が到達
すると、付勢ばねに抗してプレートが下降し、順次遮光
板を収納部内に押し下げて収納していくものである。ま
た、第１番目の遮光板を収納部より引き出すと、付勢ば
ねによりプレートが上昇して第２番目の遮光板が押し上
げられ、第１番目の遮光板の後端に設けた突起が第２番
目の遮光板の前端に設けた長孔と係合し、遮光板が連結
して引き出されるようにしたものである。

更に、実開平1-132419号公報には、前後に複数枚に分割
され互いに重畳可能に連繋された遮光板と、これら各遮
光板の両側端に夫々前後一対のガイド部材を設け、これ
ら前後のガイド部材を各別にガイドする上下２段のガイ
ドレールをルーフ開口部の対向する側縁に沿って設け、
且つサンルーフの後方で上下のガイドレールの間隔を広
げると共に、傾斜角度を大きくした構成のものが記載さ
れている。そして、遮光板の収納時には、第１番目の遮
光板を後方に押すと遮光板の両側端に設けたフックが第
２番目の遮光板のガイド部材に係合して遮光板が後方に
押され、ガイドレールの後位置に遮光板が到達すると、
順次遮光板が収納部内に収納されるものである。また、
第１番目の遮光板を収納部より引き出すと、遮光板はガ
イド部材がガイドレールに沿って移動して引き出され、
フックが第２番目の遮光板のガイド部材に係合して第２
番目の遮光板が連結して引き出されるようにしたもので
ある。

〔考案が解決しようとする課題〕

前記実開昭62-149422号公報及び実開昭62-196723号公報
に記載のものにおいては、遮光板或いはガイド部材が同
じ一つのガイド溝を通って、同一の収納部に収納される
ようになっており、収納部には遮光板を上方へ押圧する
押圧装置を設けてある。それゆえ、遮光板を収納すると
きに、既に収納された遮光板やプレートが、これら収納
されようとする遮光板の後端によって、その前端部が押
し下げられて傾いていく。この動きは、収納されようと
する遮光板の後端が、既に収納された遮光板やプレート
のほぼ中央の位置にくるまで継続し、その後は、既に収
納された遮光板やプレートが収納されようとする遮光板
と平行になり、遮光板が収納される。この一連の動きの
中で、既に収納された遮光板やプレートが傾いていくと
きと平行なときとでは、摺動抵抗が大きく変化するの
で、収納しようとする遮光板は円滑に移動せず、ぎくし
ゃくしたものとなるという欠点を有する。このことは、
特に手動操作を行う場合には、操作者に不快感を与える
ことになり好ましくない。

一方、前記実開平1-132419号公報に記載のものにおいて
は、上記欠点を解消するために、ガイドレールを上下２
段に構成して、その後方端を下方へ大きく傾斜させてあ
る。しかしながら、ガイドレールを上下２段に構成した
ことによりガイドレールの高さが高くなり、その分だけ
自動車の天井を低めることになり居住性が悪くなるとい
う欠点を有する。また、遮光板を引き出した場合に、遮
光板の両側端に夫々設けた前後一対のガイド部材が上下
２段のガイドレール内を各別に摺動するので、各遮光板
は傾斜した状態にあり、連繋された遮光板が一平面上に
並ばず段階状乃至鋸歯状となるので、外観上好ましくな
いという欠点をも有している。

本考案は、従来の技術の有するこのような問題点に鑑み
てなされたものであり、その目的とするところは、引き
出し及び収納の操作を円滑に行い得ると共に、装置がコ
ンパクトであり、遮光板を引き出したときには、連繋さ
れた遮光板が一平面を形成して外観上も好ましい自動車
用サンシェード装置を提供しようとするものである。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するために、本考案における自動車用サ
ンシェード装置は、横方向に平行する内溝と奥溝との２
本のガイド溝を設けた一対のガイドレールと、前記内溝
と摺動可能に嵌合する前部ガイド部材及び前記奥溝と摺
動可能に嵌合する後部ガイド部材と、両側端に夫々前部
ガイド部材及び後部ガイド部材を取着した複数枚の遮光
板と、前記ガイドレールの一端に内溝及び奥溝と夫々連
絡して前記ガイド部材及び後部ガイド部材を各別に収納
して前記複数枚の遮光板を積み重ねて収納し得る収納部
を備えている。

〔実施例〕

実施例について図面を参照して説明する。

第１図は本考案に係る自動車用サンシェード装置の分解
斜視図、第２図はその平面図、第３図はその縦断面図で
ある。

10は、車室内のルーフ開口部の対向する側縁に沿って配
設される一対のガイドレールである。ガイドレール10
は、頂面板11と頂面板11の側端より下方に折曲延成した
側面板12と側面板12の下端よりルーフ開口側に折曲延成
した底面板13とにより断面コ字状に形成されると共に、
頂面板11との間に所定の間隔を隔てて底面板13の中央部
に長手方向に沿って立設した仕切板14を有する。15は、
前記頂面板11と側面板12と底面板13により、ルーフ開口
側に長手方向に沿って形成されるガイド溝である。この
ガイド溝15は、前記仕切板14により、ルーフ開口側に位
置する内溝15aと仕切板14の奥側に位置する奥溝15bとの
横方向（車体左右方向）に平行する２本の溝により構成
してある。

20は、前記ガイドレール10の一端に連続して形成した、
後述する複数枚の遮光板30を積み重ねて収納し得る収納
部である。この収納部20は、前記ガイドレール10の頂面
板11の後端より後方に延成した頂部板21と、この頂部板
21の後端より下方に傾斜させて延成した後部傾斜板22
と、この後部傾斜板22の後端より下方に折曲延成した後
部板23と、前記ガイドレール10の底面板13の後端より下
方に傾斜させて延成した前部傾斜板24と、この前部傾斜
板24の後端より後方に延成した底部板25と、前記ガイド
レール10の側面板12の後端より側部を閉塞するように延
成した側部板26とにより、断面略平行四辺形状に形成し
てある。また、収納部20には、頂部板21との間に所定の
間隔を隔てて、前部傾斜板24と底部板25の前端部とにか
けて、前記ガイドレール10の仕切板14と連続して形成し
た仕切板27を立設してある。この仕切板27の奥側には、
前記ガイド溝15の奥溝15bと連続しこの奥溝15bと同じ高
さとなるように上げ底部28を形成してある。この上げ底
部28の後端部は、底部板25の後端部にわたって下方に傾
斜すると共に底部板25と同じ幅を有する傾斜段部29に連
続してある。そして、収納部20には、仕切板27のルーフ
開口側に位置する傾斜段部29の前面壁29aにより後部が
閉鎖された、ガイド溝15の内溝15aと連絡する内側収納
部20aと、ガイド溝15の奥溝15bと連絡する奥側収納部20
bとが構成されている。

30は、ルーフ開口部を遮蔽する遮光板である。遮光板30
は複数枚有し、図示例では３枚の遮光板30a,30b,30cを
有するものを示してある。遮光板30は、前方に位置する
遮光板30の後端部とこれに連接する遮光板30の前端部乃
至中央部とを２個の連結ベルト31,31で連結することに
より連繋されている。遮光板30には、その後端部に折曲
縁32を設けると共に、遮光板30の前端部にこの折曲縁32
と係合する係合縁33を設けると、遮光板30の収納時に、
前方に位置する遮光板30の折曲縁32が後方に位置する遮
光板30の係止縁33を押して移動させるので、収納動作が
容易となり好ましい。

40は、前記遮光板30の両側縁の前端部に取り付けた、前
記ガイド溝15の内溝15aと摺動可能に嵌合する前部ガイ
ド部材である。前部ガイド部材40の側端には、前記仕切
板14,27と当接する断面Ｊ字状を呈する一対の側部突起4
1を設けてある。また、前部ガイド部材40の頂面壁に
は、前記頂面板11及び頂部板21と当接する断面Ｊ字状を
呈する一対の上部突起42を設けてある。これら側部突起
41及び上部突起42は、仕切板14,27及び頂面板11、頂部
板21方向に弾発力を有し、遮光板30にがたつきが生じな
いようにしてある。更に、前記ガイド部材40の底面壁に
は、ガイド溝15の内溝15aに摺動可能に係合する底部突
起43を設けてある。そして、この前記ガイド部材40は、
遮光板30の収納時に、前記収納部20の内側収納部20a内
に収納される。

50は、前記遮光板30の両側端の後端部に取り付けた、前
記ガイド溝15の奥溝15bと摺動可能に嵌合する後部ガイ
ド部材である。後部ガイド部材50の側端には、前記側面
板12及び側部板26と当接する断面Ｊ字状を呈する一対の
側部突起51を設けてある。また、後部ガイド部材50の頂
面壁には、前記頂面板11及び頂部板21と当接する断面Ｊ
字状を呈する一対の上部突起52を設けてある。これら側
部突起51及び上部突起52は、側面板12、側部板26及び頂
面板11、頂部板21方向に弾発力を有し、遮光板30にがた
つきが生じないようにしてある。更に、後部ガイド部材
50の底面壁には、ガイド溝15の奥溝15bに摺動可能に係
合する底部突起53を設けてある。そして、この後部ガイ
ド部材50は、遮光板30の収納時に、前記収納部20の奥側
収納部20b内に収納される。

なお、第１番目に引き出される第１遮光板30aにおいて
は、収納時によりがたつきが生じないようにするため、
その前端部に取り付けるガイド部材として後部ガイド部
材と同様に、前記ガイド溝15の奥溝15bと摺動可能に嵌
合するようにしてもよい。

本考案においては、サンシェード装置の引き出し、収納
は、手動操作によって行うようにしてもよい。また、電
動で行えるようにしてもよい。電動操作にする場合は、
第２図に示すように、電動機（図示せず）に接続したワ
イヤ60の端部をガイドレール10の外側に沿わせると共
に、ガイドレール10の前方部で折り返してガイド部材4
0,50上に沿わせ、ガイドレール10の後方部で折り返して
他方のカイドレール10の外側に沿わせ、ガイドレール10
の前方部で折り返してガイド部材40,50上に沿わせ、ガ
イドレール10の後方部で折り返して電動機に接続すれば
よい。そして、第１遮光板30aの一対の前部ガイド部材4
0にワイヤ固定部44を設ければよい。なお、54は後部ガ
イド部材の頂面壁に設けたワイヤ用溝であり、22aはワ
イヤ60を挿通するために収納部20の後部傾斜板22に設け
た切欠である。また、61は、ワイヤ60を被覆するチュー
ブである。かくすることにより、第１遮光板30aがワイ
ヤ60の移動により引き出され、これに連繋された第２遮
光板30b並びに第３遮光板30cが引き出される。また、収
納時には、ワイヤの移動により第１遮光板30aが収納部2
0方向に移動し、第１遮光板30aの折曲縁32が第２遮光板
30bの係合縁33を押し、同様にして第２遮光板30bが第３
遮光板30cを押し、遮光板30が収納部20に収納される。

〔作用〕

手動操作により遮光板30を引き出す場合は、第１遮光板
30aを引き出すと、連結ベルト31により連繋されている
第２遮光板30bが引き出され、第２遮光板30bが引き出さ
れると、連結ベルト31により連繋されている第３遮光板
30cが引き出されて、遮光板30をルーフ開口部に一平面
状に引き出すことができる。このとき、遮光板30の両側
端に取着した前部ガイド部材40はガイドレール10の内溝
15aを摺動すると共に、後部ガイド部材50は奥溝15bを摺
動し、遮光板30を円滑に引き出すことができる。

遮光板30を収納する場合は、第１遮光板30aを収納部20
方向に押すと、第１遮光板30aの折曲縁32が係合してい
る第２遮光板30bの係合縁33を押し、同様にして第２遮
光板30bが第３遮光板30cを押すので、遮光板30を順次収
納部20に収納することができる。収納に際して、第４図
に示すように、ガイドレール10の内溝15a内を摺動移動
する前部ガイド部材40は、収納部20において、前部傾斜
板24に沿って下方に傾斜移動して、内溝15aと連続する
内側収納部20a内に収納される。ガイドレール10の奥溝1
5b内を摺動移動する後部ガイド部材50は、収納部20にお
いて、上げ底部28を経て傾斜段部29に沿って下方に傾斜
移動して、奥溝15bと連続する奥側収納部20b内に収納さ
れる。かくして、遮光板30は前部ガイド部材40及び後部
ガイド部材50が各別に収納され、がたつくことなく収納
することができる。

〔考案の効果〕

本考案は、上述の通り構成されており、遮光板の両側端
に取着した前部ガイド部材及び後部ガイド部材が各別に
ガイドレールの内溝及び奥溝に案内されるので、遮光板
の引き出し及び収納操作が軽く且つ円滑に行うことがで
きる。

また、ガイドレールの横方向に平行に２本のガイド溝を
設けたので、ガイドレールが高さ方向に突出することが
少なく、車室の天井が低くなることがなく、車室空間を
狭めることがない。

更に、遮光板を引き出したときに、遮光板は一平面状に
並ぶので、外観上も好ましいものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る自動車用サンシェード装置の分解
斜視図、第２図はその平面図、第３図は縦断面図、第４
図は遮光板の収納状態を示す縦断面図である。 10……ガイドレール、15……ガイド溝、15a……内溝、1
5b……奥溝、20……収納部、20a……内側収納部、20b…
…奥側収納部、30……遮光板、40……前部ガイド部材、
50……後部ガイド部材。

フロントページの続き (72)考案者 田中 昭宏 兵庫県川西市小戸３丁目９番３号

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】横方向に平行する内溝と奥溝との２本のガ
   イド溝を設けた一対のガイドレールと、前記内溝と摺動
   可能に嵌合する前部ガイド部材及び前記奥溝と摺動可能
   に嵌合する後部ガイド部材と、両側端に夫々前部ガイド
   部材及び後部ガイド部材を取着した複数枚の遮光板と、
   前記ガイドレールの一端に内溝及び奥溝と夫々連絡して
   前部ガイド部材及び後部ガイド部材を各別に収納して前
   記複数枚の遮光板を積み重ねて収納し得る収納部を備え
   た自動車用サンシェード装置。