JPH0744133Y2 - 黒レベル設定回路 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案は、コンピュータなどから供給される画像信号
などを表示することができるディスプレイなどに適用し
て好適な黒レベル設定回路に関する。

［従来の技術］ 従来からテレビジョン受像機などでは、テレビジョン信
号を表示する場合、予め黒レベルの設定を行なってい
る。テレビジョン受像機における黒レベルの設定はブラ
ウン管に供給されるスクリーン電圧に応じて設定されて
いる。

このようなテレビジョン受像機ではスクリーン電圧が固
定であるため、黒レベルもほぼ一定となる。

近年、コンピュータなどから供給される画像信号も表示
することができるディスプレイが開発されている。

このようなディスプレイの構成を第２図に示す。

第２図に示すようにディスプレイ20では、テレビジョン
信号（色差信号C1,C2,C3,輝度信号Ｙ）とコンピュータ
からの入力信号（Ｒ信号d,G信号e,B信号ｆ）を切換信号
ａによって切り換え、ブラウン管６に表示する。

このようなディスプレイ20は、切換信号ａに基づいて供
給された信号から必要な信号を選択し、映像出力回路５
に供給するRGBインターフェイス４と、このRGBインター
フェイス４に黒レベル設定信号ｂを供給する黒レベル設
定手段２と、ブラウン管６に供給されるアノード電圧
Ｔ、フォーカス電圧Ｆ及びスクリーン電圧Ｓを生成する
電圧生成手段７とを備えている。

電圧生成手段７は高圧トランス71を有し、その一次側に
は、抵抗器76を介して電圧＋Ｂが供給されている。ま
た、高圧トランス71の二次側には整流用のダイオード7
2、抵抗器73,74,75が直列接続されている。

このような構成の電圧生成手段７では、高圧トランス71
で得られた高圧を抵抗器73,74,75で分圧した分圧電圧が
フォーカス電圧Ｆ、スクリーン電圧Ｓとして供給され
る。

このようなディスプレイ20においては、テレビジョン信
号を表示する場合、まず切換信号ａがローレベル信号と
なって、RGBインターフェイス４ではテレビジョン色差
信号C1,C2,C3及びテレビジョン輝度信号Ｙが選択され、
これらが映像出力回路５に供給される。

さて、黒レベル設定手段２は抵抗器R1,R2と、レベル調
整用の可変抵抗器VR1,VR2が直列に接続されて構成さ
れ、抵抗器R1の一端に供給される電圧＋Voがこれらの抵
抗器R1,R2,VR1,VR2で分圧される。その分圧値が黒レベ
ル設定信号ｂとしてRGBインターフェイス４に供給され
る。

通常、黒レベル設定用の可変抵抗器VR1は機械的中心に
設定され、黒レベル補正用の可変抵抗器VR2によって微
調整される。このとき、黒を“0"、白を“100"として各
色を設定した場合、黒を６％程度まで沈ませた状態、即
ち“０〜6"のレベルを黒として設定し、夫々６％低いレ
ベルの色で表現した画像がブラウン管に表示されるよう
になされている。

このように設定された黒レベルに基づいて各色がほぼ正
確に再現され、各色信号RGBがブラウン管６に供給され
る。

一方、コンピュータ（図示せず）から供給される画像信
号を表示する場合は、切換信号ａがハイレベル信号とな
り、コンピュータから供給される色信号d,e,fがRGBイン
ターフェイス４で選択され、映像出力回路５に出力され
る。この場合の黒レベルはテレビジョン信号のときと同
じ値である。

［考案が解決しようとする課題］ ところで、コンピュータから供給される信号には、その
水平偏向周波数が15KHz,24KHz,31KHzなどの場合があ
る。この水平偏向周波数に伴なって、高圧を発生させる
パルス（フライバックパルス）の周期が異なるため、黒
画面の高圧及び白ベタ画面の高圧が異なる。

黒画面の高圧を各水平偏向周波数毎にA1（テレビジョン
信号モード）、A2（15KHzモード）、A3（24KHzモー
ド）、A4（31KHzモード）とし、白ベタ画面の高圧を同
様にB1,B2,B3,B4とすると、第３図に示すように高圧電
流がIbのとき黒画面の高圧A1,A2,A3,A4と白ベタ画面の
高圧B1,B2,B3,B4が一致するように調整されている。さ
らに白ベタ画面のときには、高圧B1,B2,B3,B4が一定と
なるように高圧トランス71の一次側に供給されている電
圧＋Ｂを各水平周波数毎に変化させている。

これに対して、上述したように黒画面の高圧A1,A2,A3,A
4は一定にすることはできないので、水平偏向周波数に
よって黒画面の高圧と白ベタ画面の高圧に電圧差が生
じ、高圧レギュレーションが異なる。

通常、ブラウン管の動作特性はテレビジョン信号モード
時の高圧レギュレーションで最適となるように設定され
ているため、使用する水平偏向周波数によって黒レベル
の設定ずれが生じてしまう。

黒レベルが不一致のままで、コンピュータから供給され
る画像信号をブラウン管６に表示する場合、高ステップ
の階調が再現できなくなり、再現色種類が低減し、画質
が劣化する問題点がある。

また、画質を向上させるためには、水平偏向周波数に基
づいて、その都度黒レベル補正用の可変抵抗器VR2で黒
レベルを再設定する必要があり、非常に煩雑である。

また、高圧（スクリーン電圧）を水平偏向周波数に関係
なく一致させることは困難であり、高圧を直接制御する
など大がかりなものとなり、コストアップの要因となる
問題点がある。

そこで、この考案においてはこのような従来の問題点を
構成簡単に解決したものであって、水平偏向周波数に伴
なって自動的に黒レベルを設定する黒レベル設定回路を
提案するものである。

［課題を解決するための手段］ 上述の課題を解決するため、この考案においては、水平
偏向周波数を可変することができる信号供給装置から供
給される画像信号を表示するディスプレイの黒レベル設
定回路において、予め設定された値に黒レベルを設定す
る黒レベル設定手段と、水平偏向周波数が可変されたと
き、該水平偏向周波数に基づいて、前記黒レベル設定手
段により設定された黒レベルを可変とする黒レベル可変
手段とを具備し、水平偏向周波数の可変に伴なって自動
的に黒レベルを設定するようにしたことを特徴とするも
のである。

［作用］ このような構成の黒レベル設定回路１は、第１図に示す
ように、黒レベル設定手段２と黒レベル可変手段３で構
成されている。

黒レベル設定回路１を備えたディスプレイ10において、
コンピュータ（図示せず）から供給される画像信号の水
平偏向周波数に伴なって、黒レベル可変手段３の切換ス
イッチ34が切り換えられ、黒レベル可変器31,32,33の１
つに電圧＋Ｖが供給される。

その結果、黒レベル設定信号ｂは入力画像信号の水平偏
向周波数に応じた値に設定され、これによって入力画像
信号の黒レベルが制御される。

したがって、水平偏向周波数によってブラウン管６のス
クリーン電圧Ｓが変動した場合でも黒レベルはずれがな
い。

［実施例］ 続いて、この考案に係る黒レベル設定回路の一例を、コ
ンピュータから供給される画像信号を表示するディスプ
レイに適用した場合につき、第１図を参照して詳細に説
明する。

第１図は、テレビジョン信号とコンピュータからの画像
信号を切り換え表示することができるディスプレイの系
統図である。

第１図に示すように、ディスプレイ10には黒レベル設定
回路１として黒レベル設定手段２及び黒レベル可変手段
３が設けられている。

黒レベル設定手段２は従来と同様の構成及び動作である
ため説明は省略する。通常、この黒レベル設定手段２で
はテレビジョン信号を表示する場合に最適となるように
黒レベルが設定されている。

黒レベル可変手段３は、抵抗器Ｒ（R3,R4,R5）とダイオ
ードＤ（D1,D2,D3）を夫々直列接続した黒レベル可変器
31（R3,D1）,32（R4,D2）,33（R5,D3）を有し、これら
が切換スイッチ34によって選択される。

抵抗器R3〜R5は各モードに応じて夫々抵抗値が異なる。
黒レベル可変器31,32,33は黒レベル設定手段２の可変抵
抗器VR2と抵抗器R2の接続点に接続されている。

このような構成のディスプレイにおいて、コンピュータ
から供給される画像信号をブラウン管６に表示する場合
について説明する。

まず、RGBインターフェイス４に切換信号ａ（ハイレベ
ル信号）が供給され、RGBインターフェイス４において
コンピュータからの色信号d,e,fが選択される。

これらの色信号d,e,fは所定の処理が施された後、映像
出力回路５を介してブラウン管６に供給される。

このブラウン管６には従来同様、電圧生成手段７からア
ノード電圧T,フォーカス電圧F,スクリーン電圧Ｓなどが
供給されている。ここで、コンピュータから供給される
画像信号の各入力モード（水平偏向周波数）に応じてフ
ライバックパルスの周期が異なるため、スクリーン電圧
Ｓは各モードによって異なる。

スクリーン電圧Ｓはブラウン管のカソード電圧（黒レベ
ル設定信号ｂによって設定された電圧）と比例関係にあ
るため、モード変更時に通常の黒レベル（テレビジョン
信号モード時）に合せるにはブラウン管のカソード電圧
を制御する必要がある。

そこで、コンピュータから供給される画像信号の入力モ
ードに応じて、切換スイッチ34が切り換えられる。

例えば、コンピュータから供給される画像信号の水平偏
向周波数が15KHzの場合、切換スイッチ34は端子ｓに切
り換えられる。

その結果、黒レベル可変器31と抵抗器R2との接続点での
電圧V1は選択された抵抗器Ｒの値によって異なるため、
黒レベル設定電圧V2も、選択された抵抗器Ｒの値によっ
て相違する。

切換スイッチ34において、端子ｔは水平周波数が24KHz
のときに選択され、端子ｕは31KHzの水平周波数のとき
夫々選択される。

したがって、RGBインターフェイス４に供給される黒レ
ベル設定信号ｂが入力モードに応じて制御され、その結
果ブラウン管６に供給されるカソード電圧が入力モード
に応じて制御されることになる。これによって、入力モ
ードに応じた黒レベルが得られる。

なお、コンピュータから供給される画像信号のモードに
対するスクリーン電圧の変動は予め予測できるので、黒
レベル可変手段３で使用される電圧値＋Ｖ及び抵抗値R
3,R4,R5の設定は容易である。

したがって、コンピュータから供給される画像信号の水
平偏向周波数によってブラウン管６のスクリーン電圧Ｓ
が変動した場合でも、各モードに応じた黒レベルを容
易、且つ正確に設定することができる。

なお、テレビジョン信号をブラウン管６に表示する場合
は、切換スイッチ34が端子ｗに切換られると、黒レベル
可変手段３は動作しないので、このときには黒レベル設
定手段２のみで黒レベルを調整できる。

また、この実施例においてはコンピュータから供給され
る画像信号の水平偏向周波数を15KHz,24KHz,31KHzとし
たが、これに限るものではない。

［考案の効果］ 以上説明したように、この考案においては、水平偏向周
波数を可変することができる信号供給装置から供給され
る画像信号を表示するディスプレイの黒レベル設定回路
において、水平偏向周波数の可変に伴なって自動的に黒
レベルを設定するようにしたことを特徴とするものであ
る。

これによれば、画像信号の水平偏向周波数によってブラ
ウン管のスクリーン電圧が変動した場合でも、ブラウン
管のカソード電圧（黒レベル設定信号）を制御すること
によって黒レベルが容易、且つ正確に設定できる。その
ため、画質の劣化を回避することができる。

したがって、この考案に係る黒レベル設定回路は、コン
ピュータなどから供給される画像信号を表示することが
できるディスプレイなどに適用して極めて好適である。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案に係る黒レベル設定回路の一例を示す
系統図、第２図は従来のディスプレイを示す系統図、第
３図は各モード時の高圧レギュレーションを示す図であ
る。 １……黒レベル設定回路 ２……黒レベル設定手段 ３……黒レベル可変手段 ４……RGBインターフェイス ５……映像出力回路 ６……ブラウン管 ７……電圧生成手段 10……ディスプレイ Ｆ……フォーカス電圧 Ｓ……スクリーン電圧 Ｔ……アノード電圧 ｂ……黒レベル設定信号

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】水平偏向周波数を可変することができる信
   号供給装置から供給される画像信号を表示するディスプ
   レイの黒レベル設定回路において、予め設定された値に
   黒レベルを設定する黒レベル設定手段と、水平偏向周波
   数が可変されたとき、該水平偏向周波数に基づいて、前
   記黒レベル設定手段により設定された黒レベルを可変と
   する黒レベル可変手段とを具備し、水平偏向周波数の可
   変に伴なって自動的に黒レベルを設定するようにしたこ
   とを特徴とする黒レベル設定回路。