JPH074410B2 - 複合脱臭剤 - Google Patents

複合脱臭剤

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JPH074410B2
JPH074410B2 JP63317357A JP31735788A JPH074410B2 JP H074410 B2 JPH074410 B2 JP H074410B2 JP 63317357 A JP63317357 A JP 63317357A JP 31735788 A JP31735788 A JP 31735788A JP H074410 B2 JPH074410 B2 JP H074410B2
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健志 白田
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Nihon Kasei Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、複数種の臭い成分に対して優れた脱臭能力を
有する複合脱臭剤に関する。
(従来の技術) 現在市販されている脱臭紙は、大別して次の三種に分類
される。
紙に脱臭液を含浸・担持させたもの(例えば、新富士
製紙製のトルベー)。
紙の表面に,粉末状の脱臭剤を含む塗布液を塗布した
もの。
パルプスラリーに粉末状脱臭剤を内添して製造したも
の(アミヨン製のアミヨン紙、日鉄工業製のクリストバ
ライト)。
一般に、生活環境より発生する臭気成分は、単一臭気成
分で構成されていることは皆無で、通常は低濃度、多成
分のガス混合体であり、この臭気成分を、その性質によ
り分類すると以下に示すようになる。
窒素系化合物…アンモニア、アミン類 イオウ系化合物…硫化水素、メルカプタン類 有機酸類…酢酸、プロピオン酸等の低級有機酸類 アルデヒド類…ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド
等の低級アルデヒド類。
例えば、汗の臭いは上記とを主体とした臭気成分の
構成であり、経血臭はととを主体として混合臭で
ある。
従って、例えば、臭気成分中の性質の似通った上記か
らのうち「あるグループ」の臭気成分のみを吸着・吸
収により取り除いても、他の臭気成分が残ることにな
り、感覚的には「脱臭効果」が不十分ということが往々
にして起こる。上記した従来の脱臭紙は、特定の臭気成
分に有効な脱臭剤を一種類保持させたものであり、従っ
て、特定の臭気成分を有効に除去することはできるが、
その他の臭気成分を除去することはできないという欠点
があった。
そこで、異なるグループの臭気成分を吸着・吸収するた
めに、上記したからのグループの臭気成分を吸着可
能な脱臭剤を複数種混合して複合脱臭剤を製造すること
が考えられる。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、の臭気成分は塩基性を示し、の臭気
成分は酸性を有するので、及びに対して有効な脱臭
剤を混合すると、各脱臭剤の吸着有効成分が互いに相殺
されて有効な脱臭能力を有する複合脱臭剤を得ることが
できないという欠点がある。
また、脱臭剤には、臭気物質を酸化させて分解すること
により、無臭の物質、又は異なる臭気の物質へ変化させ
る酸化型の脱臭剤と、臭気物質を還元させて分解するこ
とにより、無臭の物質、又は異なる臭気の物質へ変化さ
せる還元型の脱臭剤とがある。
酸化型の脱臭剤は、臭気成分の持つ官能基を次のように
変化させるものであり、このような脱臭剤には、過マン
ガン酸カリ、過炭酸ソーダ、次亜塩素酸ナトリウム、サ
ラシ粉、安定化二酸化塩素、トリクロロイソシアヌル酸
等がある。
アルコール基→カルボキシル基、アルデヒド基→カルボ
キシル基、不飽和基→エポキシド基、アミノ基→ヒドロ
キシルアミン基、チオール基→スルフォン基、チオエー
テル→スルホキシド。
また、還元型の脱臭剤は、臭気成分の持つ官能基を次の
ように変化させるものであり、このような脱臭剤には、
チオ硫酸ナトリウム、鉄、鉄化合物、アルミニウム、亜
鉛、水素化ホウ素ナトリウム等がある。
不飽和基→飽和基、ジスルフィド→チオール、ヒドロキ
シル基及びアルデヒド基→アルコール基。
ところが、これらの2種の脱臭剤を混合して複合脱臭剤
を製造した場合にも、各脱臭剤同志が酸化還元される結
果、それぞれの脱臭剤の機能が発揮されないという欠点
がある。
本発明は上記欠点を解決するものであり、その目的とす
るところは、複数種の異なる臭気成分に対しても優れた
脱臭能力を有する複合脱臭剤を提供することにある。
(課題を解決するための手段) 本発明の複合脱臭剤は、混和すると効力を失う2種以上
の脱臭剤がそれぞれ別々の基材に保持され、各基材が複
合されていると共に、各基材間に通気部が設けられてお
り、そのことにより上記目的が達成される。
以下、本発明を詳細に説明する。
混和すると効力を失う2種以上の脱臭剤とは、例えば、
上記した酸化型の脱臭剤と還元型の脱臭剤、または酸性
の臭気成分を脱臭し得る脱臭剤とアルカリ性の臭気成分
を脱臭し得る脱臭剤等である。これらの各脱臭剤がそれ
ぞれ別々の基材に保持されている。
基材としては、紙、不織布、布、多孔性の顆粒等のいず
れか一種以上を用いることができる。
脱臭剤を基材に保持させるには、基材に脱臭剤を担持
させる、基材表面に脱臭剤を塗布する、基材の製造
時に脱臭剤を内添する、等の方法が挙げられる。の方
法は、例えば脱臭剤溶液に基材を含浸させることによっ
て行うことができる。の方法は、例えば粉末状の脱臭
剤をバインダーに混合して得られた溶液を基材の表面に
塗布することによって行うことができる。の方法は、
例えばパルプ等のスラリーに粉末状の脱臭剤を混合し、
このスラリーを抄造することによって行うことができ
る。
上記のようにして異なる種類の脱臭剤を保持させた複数
種の基材が複合されている。ここで、複合とは、例え
ば、基材が紙あるいは不織布のようにシート状又はフィ
ルム状の場合には、段ボール加工(グロアー加工)、ハ
ニカム加工又は張り合わせ加工等によって基材を接合す
ることを意味し、基材が顆粒状の場合には、脱臭剤を保
持させた顆粒を混合することを意味する。複数種の基材
を複合させた際には、基材間に通気部が形成されてい
る。
第1図は、二枚の基材1、2をグロアー加工により複合
した例を示したものであり、一方の基材1は平板状に配
置され、他方の基材2は一方の基材1の表面に波板状に
配置されて、波の谷部2aで両基材1、2は接合されてい
る。そして、一方の基材1と他方の基材2の山部2aとの
間には通気部4が設けられている。また、第2図は3枚
の基材1、2、3をグロアー加工により複合した例を示
したものであり、2枚の平板状の基材1、3は平行に配
設され、その間に波板状の基材2が配設されて波の山部
2b及び谷部2aで両側の基材1、3内面に接合され、この
波板状の基材2と両基材1、3との間に通気部4が設け
られている。なお、基材は4枚以上をグロアー加工して
も良い。
このように、異なる脱臭剤が保持された複数の基材を複
合することにより、容器内へ複合脱臭剤を挿入配置する
際には、複数枚の基材を一体とした状態で比較的容易に
挿入することができる上に、各基材に保持されている脱
臭能力の異なる脱臭剤が混合されて、それぞれの脱臭剤
の能力が相殺されることはなく、それぞれの脱臭機能を
有効に発揮させることができる。特に、上記したように
紙、不織布等の基材を段ボール加工(グロアー加工)に
よって複合することにより、各基材の接触面積は相対的
に少なく、各基材は間隙を有する状態で接合されること
になるので、各基材が使用中に空気中の湿気による水分
の凝集によって湿り、基材同志が容器内で相互に接着す
るのと防止することができて、通気性が低下するのを抑
えることができる。
(実施例) 以下に本発明を実施例に基づいて詳細に説明する。
実施例1、比較例1〜3では粉末状の脱臭剤を基材に内
添し、この脱臭剤が保持された基材を用いて複合脱臭紙
を製造する例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこ
れらに限定されるものでない。
下記の使用原料、製紙条件、原料配合割合、粉末脱臭剤
の種類に従って複合脱臭紙を製造し、その複合脱臭紙を
使用して臭気成分ガスの脱臭効果を試験した。
<使用原料> パルプ…充分叩解したパルプ ドライ紙力強化剤…アクリルアミド系樹脂 凝集剤…硫酸バンド サイズ剤…ロジン系サイズ剤 サイズ剤固定化剤…エピクロルヒドリン系樹脂 ウエット紙力強化剤…ポリアミドアミン樹脂 粉末脱臭剤…粘度250メッシュ以下 <製紙条件> 乾燥条件…100℃で2分間 <原料配合割合> (重量部) パルプ 100部 ドライ紙力強化剤 3部 凝集剤 3部 サイズ剤 3部 サイズ剤固定化剤 0.3部 ウエット紙力強化剤 0.3部 粉末脱臭剤 100部 <粉末脱臭剤の種類> 実施例1 粉末脱臭剤として、活性白土100重量部(以下部とす
る)を配合して脱臭紙Aを製造した。
また、MgO 100部を用いて脱臭紙Bを製造した。
得られた二種類の脱臭紙A、Bを用いて、第1図で示し
たように「E段」のグロアー加工を施して複合脱臭紙を
得た。
比較例1 粉末脱臭剤として、活性白土のみを100部配合して脱臭
紙を製造した。得られた脱臭紙を2枚用いて、実施例1
と同様に「E段」のグロアー加工を施して複合脱臭紙を
得た。
比較例2 粉末脱臭剤として、MgOのみを100部配合して脱臭紙を製
造した。得られた脱臭紙を2枚用いて、実施例1と同様
に「E段」のグロアー加工を施して複合脱臭紙を得た。
比較例3 粉末脱臭剤として、活性白土50部とMgO 50部をともに配
合して脱臭紙を製造した。得られた脱臭紙を2枚用い
て、実施例1と同様に「E段」のグロアー加工を施して
複合脱臭紙を得た。
<脱臭試験及びその結果> 脱臭効果の試験は、20l容量の角型ポリ製タンクに10×1
1cmに切った複合脱臭紙を吊り下げ、タンク内に汗臭の
代表臭気成分である、アンモニア及びプロピオン酸のガ
スを所定濃度になるように注入し、経過時間毎に試料採
取口より採取した臭気成分の濃度を測定することにより
行った。結果を表1及び第3、4図に示した。なお、図
中、aは実施例1、bは比較例1、cは比較例2、dは
比較例3の臭気成分の残存率変化を示す。
表1の結果から、次のことがわかる。
比較例1のように活性白土のみを配合して得た複合脱臭
紙はアンモニアを良く吸着し、また比較例2のようにMg
Oのみを配合して得た複合脱臭紙がプロプオン酸を良く
吸着し、さらに実施例1のようにグロアー加工された複
合脱臭紙も各脱臭紙A、Bの持つ吸着能力が低下してい
ない。しかしながら、活性白土とMgOを混合して得た比
較例3の複合脱臭紙はアンモニア、プロピオン酸に対す
る吸着能力がともに低下している。
実施例2 下記の使用原料、付与方法、原料配合割合で、顆粒状脱
臭剤を製造し、その顆粒状脱臭剤を使用して臭気成分ガ
スの脱臭効果を試験した。
<使用原料> 顆粒状ゼオライト 4〜8メッシュ 安定化二酸化塩素溶液 塩化第一鉄 アスコルビン酸ナトリウム イオン交換水 <付与方法> 脱臭剤溶液を霧吹きで顆粒状ゼオライトに噴霧した後攪
拌し、室温で1週間放置することにより乾燥して顆粒状
脱臭剤を得た。
<原料配合割合> 実施例2 顆粒状ゼオライト50部に、安定化二酸化塩素溶液5部を
付与させて酸化型脱臭剤Cを得た。
また、顆粒状ゼオライト50部に、塩化第一鉄0.5部、ア
スコルビン酸ナトリウム1部及びイオン交換水3.5部を
混合して得られる脱臭剤溶液を付与させて還元型脱臭剤
Dを得た。
次に、得られた酸化型脱臭剤Cと還元型脱臭剤Dを混合
して顆粒状脱臭剤を得た。
比較例4 安定化二酸化塩素溶液5部、塩化第一鉄0.5部、アスコ
ルビン酸ナトリウム1部及びイオン交換水3.5部を混合
して脱臭剤溶液を調製し、この脱臭剤溶液を顆粒状ゼオ
ライト100部に付与させて顆粒状脱臭剤を得た。
<脱臭試験及びその結果> 11mm径のシャーレに上記で得られた顆粒状脱臭剤10gを
入れて平坦に敷き詰め、このものを20l容量の角型ポリ
製タンク内に配置した。次いで、糞臭の代表臭気成分で
あるアンモニア及び硫化水素を所定濃度になるように注
入し、経過時間毎に試料採取口より採取した試料臭気の
濃度を測定した。ブランクとして脱臭剤溶液を塗布して
いない顆粒状ゼオライトを用いた。その結果を表2に示
した。
表2の結果から、実施例2で得られた顆粒状脱臭剤は、
脱臭効果が優れており、しかも製造1週間後も脱臭効果
が認められたが、比較例4で得られた脱臭剤の脱臭程度
はブランクと同じで値であり、脱臭力が劣化しているこ
とがわかる。
(発明の効果) このように、本発明は混和すると効力を失う2種以上の
脱臭剤がそれぞれ別々の基材に保持され、各基材が複合
されているので、脱臭成分の異なる2種以上の脱臭剤の
能力が互いに相殺されることがなく、それぞれの脱臭能
力を充分に発揮させることができ、複数種の臭気成分を
有している臭気でも有効に除去することができる。ま
た、複合脱臭剤には通気部が設けられているので、空気
中の湿気等によって基材が相互に接着して通気性が低下
することがなく、長期間に亘って脱臭効果を発揮させる
ことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明一実施例の複合脱臭紙の概略断面図、第
2図は他の実施例の複合脱臭紙の概略断面図、第3図は
アンモニアに対する脱臭効果の経時変化を示すグラフ、
第4図はプロピオン酸に対する脱臭効果の経時変化を示
すグラフである。 1、2、3……脱臭剤が保持された基材、4……通気
部。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】混和すると効力を失う2種以上の脱臭剤が
    それぞれ別々の基材に保持され、各基材が複合されてい
    ると共に、各基材間に通気部が設けられている複合脱臭
    剤。
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JPS6096256A (ja) * 1983-10-31 1985-05-29 丹平製薬株式会社 こたつ用消臭剤
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