JPH0743857Y2 - 机上棚におけるスライド照明装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、机上棚におけるスライド照明装置に関する。

〔従来の技術〕

従来、机上棚の上段棚板の下面前縁部に白熱灯を有する
スポット照明具を首振り可能に装着し、該棚板下面に別
途設けた蛍光灯の照明と併用し、特に照度を必要とする
机天板上に箇所に向けて使用するものは既に提供されて
いる。

ところが、この種の白熱灯は発熱量が大きく、特に棚板
前方に突出させて使用する場合には、それの輻射熱が使
用者の頭部を加熱するといった問題があった。

更に、商品を梱包する際に、この種のスポット照明が棚
板の前縁部にあることから、破損する場合があった。

〔考案が解決しようとする課題〕

本考案が前述の状況に鑑み、解決しようとするところ
は、机上棚の上段棚板の前板前方に蛍光灯を有する照明
具を横方向スライド可能に設けることによって、照度が
必要な箇所を集中的に照らすることかできるとともに、
使用者の頭部がその照明具で加熱されず、更に商品を梱
包する際に照明具が破損しないようにした机上棚におけ
るスライド照明装置を提供する点にある。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は、前述の問題解決の為に、使用状態では机上棚
の上段棚板の前板前方で該棚板に対して横方向スライド
可能であり、また収納状態では棚板の下方へ収納可能で
ある照明具を備えたスライド照明装置であって；蛍光灯
を有する照明具と；前記照明具の背面に固定し、両側遊
端にダボを有する取付板を形成してなる、回動部材と；
基板の両側裏面側に二つの嵌合孔又は凹部を有する固定
板を形成するとともに、前記基板の表面に摺動部材を固
定してなるスライド部材と；前記棚板の前板裏面長さ方
向に固定し、前記摺動部材を横方向にスライド可能に支
持するレール部材と；前記取付板と固定板を当接させ、
前記ダボと一方の前記嵌合孔又は凹部を嵌合させた状態
で、該取付板と固定板を締めつけて、前記回動部材を水
平となした使用状態と垂直となした収納状態とを固定す
るための締着具と；よりなり、使用状態において前記照
明具の電源コードを、前記回動部材の上面に配線し、ス
ライド部材の下方から基板の背面に配線するとともに、
それぞれ回動部材の上面と基板に固定し、前記棚板の下
面に配線してなるスライド照明装置を構成した。

〔作用〕

以上の如き内容からなる本考案の机上棚におけるスライ
ド照明装置は、机上棚の上段棚板下面に別途設けられた
蛍光灯による照度が不足する場合、又は特に高い照度を
必要とする作業をする場合に、その照明灯を適宜位置に
横方向スライドさせて、机天板上を照らすことが可能で
あり、また該照明灯は棚板の前板前方に突出しているの
で、机天板上の最も使用頻度の高い中央部を照らすこと
が可能であり、更に蛍光灯を用いているので、その発熱
量が少なく、使用者の頭部を過度に加熱することはない
のである。

また、照明具を棚板の下方に収納できるもので、商品を
梱包する際に、照明具を破損することが無いのである。

〔実施例〕

次に添付図面に示した実施例に基づき更に本考案の詳細
を説明する。

第１図は本考案の代表的実施例を示し、第２図はその分
解斜視図を示し、図中Ａは机、Ｂは机上棚、Ｃはスライ
ド照明装置をそれぞれ示している。机Ａの天板１の後部
上面には、机上棚Ｂが適宜固定手段にて取付けられ、該
机上棚Ｂの上段棚板２の前板２′の前方へスライド照明
装置Ｃの照明具３を配し、横方向スライド可能となした
ものである。

前記机上棚Ｂは、両側板4,4と背板５及び前記上段の棚
板２、更に下段には左右一段に本棚６を設け、他側には
下段の棚板を兼ねる引出し７を設けたものである。

前記スライド照明装置Ｃは、前記照明具３と、該照明具
３を前記棚板２に横方向スライド可能に支持具８にて取
付けたものである。

前記照明具３は、棚板２の横巾の略半分の長さを有し、
その内部には第３図に示す如く発熱量の少ない蛍光灯９
を配し、外部をシェード10で覆った構造のものである。

前記支持具８は、第２図及び第３図に示す如く、照明具
３に固定する側面視略Ｌ字形の回動部材11と、該回動部
材11に回動可能に連結するスライド部材12と、前記棚板
２の前板２′の裏面長さ方向に固定し、該スライド部材
12を横方向スライド可能に支持するレール部材13とより
なる。

前記回動部材11は、金属板にて立片14と基片15を側面視
略Ｌ字形に形成し、該立片14を前記照明具３の背面にビ
ス止め可能となし、この固定状態で前記基片15を照明具
３の下端と略一致させ、また基片15の両側を上方へ折曲
して補強し、その遊端側に取付板16を形成し、その中央
部には通孔17を形成するとともに、該通孔17から所定距
離離れた位置の内面にダボ18を突設したものである。

前記スライド部材12は、金属製の基板19の両側を裏面側
へ折曲して補強し、該折曲片の下方側に固定板20を形成
し、該固定板20の中央部には孔又は螺孔21を形成し、本
実施例では一方の固定板20には螺孔21a、他方の固定板2
0には孔21bを形成し、該孔又は螺孔21から所定距離離れ
た位置に該孔又は螺孔21を中心として中心角を略90度に
設定して二つの嵌合孔22及び23を形成し、更に該基板19
の表面側には上下縁にその長さ方向に沿って上下に開口
した溝24,24を形成した合成樹脂製の摺動部材25をビス
止め等適宜手段にて固定したものである。ここで、前記
嵌合孔22及び23の位置は、該スライド部材12の基板19を
垂直となし、前記回動部材11の基片15を水平となした使
用状態で、該回動部材11のダボ18が嵌合孔22に外方から
嵌合し、また基片15を垂直となした収納状態で、該ダボ
18が嵌合孔23に嵌合するように位置設定している。

前記回動部材11とスライド部材12を連結するには、該回
動部材11の取付板16,16の内面側にそれぞれスライド部
材12の固定板20,20の外面を当接させ、一方の取付板16
の外方から締着具26の螺軸27をその通孔17に挿通し且つ
固定板20の螺孔21aを螺合させ、そして他方の固定板20
の内方からスラプリングワッシャ28を装着したビス29を
その孔21b及び取付板16の通孔17に挿通して外方の締着
具30に螺合させ、前記取付板16のダボ18を固定板20の嵌
合孔22又は23に嵌合させた状態で取付板16と固定板20を
互いに締めつけるのである。また、前記締着具26及び30
を緩めれば、ダボ18と嵌合する嵌合孔22及び23の位置を
変更でき、即ち回動部材11とスライド部材12を90度回転
させることができるのである。ここで、本実施例では両
締着具26及び30を異なったものを用いたが、両者は同一
のものを用いることができ、また両方の取付板16にダボ
18を設けたが、その一方のみでもよく、それに応じて固
定板20の嵌合孔22及び23も一方にのみ設ければ足りるの
である。更に、固定板20には嵌合孔22及び23を形成した
が、単に凹部でもよいのである。

前記レール部材13は、第３図に示す如く、断面略コ字形
の互いの遊端を内方へ折曲して案内片31,31を形成し、
両案内片31,31間には間隔を設けて、前記スライド部材1
2の慴動部材25の溝24,24をスライド可能に嵌合し得るよ
うになしたものであり、該レール部材13は前記棚板２の
前板２′の背面の横方向にビス止め等で固定したもので
ある。

しかして、本考案のスライド照明装置Ｃは、第３図に実
線で示した使用状態又は第４図に示した状態、即ちスラ
イド部材12の基板19を垂直となした状態で、その慴動部
材25の溝24,24を前記レール部材13の案内片31,31にスラ
イド可能に嵌合し、前記回動部材11の基片15を水平とな
した使用状態に設定すると、該回動部材11の立片14に固
定した照明具３は、前記前板２′の前方に位置し、該照
明具３の角度が使用状態に固定され、この状態で慴動部
材25がレール部材13に対して滑ることによって横方向へ
スライドするのである。ここで、この状態では、前記ダ
ボ18と嵌合孔22が嵌合することにより、照明具３の角度
が使用状態に固定されている。こうして、照明具３を横
方向に移動させて、天板１の上面の前後中央部における
所望位置を蛍光灯９によって照らすことが可能となり、
前記棚板２の下面に別途設けた図示しない蛍光灯ととも
に、天板１上面の照度の向上を図るのである。尚、スラ
イド部材12を両側端に移動させた場合にその移動を規制
する当止板32,32を前記レール部材13の両端に折曲形成
し、該当止板32の内面側に前記慴動部材25を当接するよ
うになしている。

また、本考案は、前記締着具26,30を緩めて回動部材11
をスライド部材12に対して90度回転させ、第３図に想像
線で示した収納状態又は第５図に示した収納状態となせ
ば、この状態では前記ダボ18と嵌合孔23が嵌合し、照明
具３の角度が収納状態に固定され、机上棚Ｂの棚板２の
下方で両側板4,4の内方に照明具３を収納でき、該机上
棚Ｂの梱包がコンパクトになるとともに、スライド照明
装置Ｃの損傷を防止することができるのである。

尚、前記照明具３の電源コード33は、第２図及び第３図
に示すように、回動部材11の立片14に開口した挿通孔34
を通し、基片15に保持具35にて固定し、またスライド部
材12の基板19の一部を切起して形成した挟持片36で巻回
し、該挟持片36の遊端を慴動部材25の背面にビス止めし
て固定した後、前記棚板２の下面に配線している。

〔考案の効果〕

以上にしてなる本考案の机上棚におけるスライド照明装
置によれば、机上棚の上段棚板の前板前方に蛍光灯を有
する照明具を配し、該照明具を棚板に対して横方向スラ
イド可能に支持具にて支持してなるので、机上棚の上段
棚板下面に別途設けられた蛍光灯による照度が不足する
場合、又は特に高い照度を必要とする作業をする場合
に、その照明灯を適宜位置に横方向スライドさせて、机
天板上を照らすことができ、しかも該照明灯は棚板の前
板前方に突出しているので、机天板上の最も使用頻度の
高い中央部を照らすことができ、更に蛍光灯を用いてい
るので、その発熱量が少なく、使用者の頭部を従来の発
熱灯を用いた場合のように過度に加熱することはないの
である。

そして取付板のダボと固定板の嵌合孔又は凹部とを嵌合
することにより該照明具の角度が使用状態又は収納状態
に固定されるので、該照明具を使用する場合に使用状態
から不意に回転することなく安定であり、また収納状態
においてはやはり該照明具が固定されているので商品の
梱包時には机上棚の梱包がコンパクトになり、また該照
明具が不意に回転することがないので破損することがな
いのである。またレール部材が棚板裏面長さ方向に固定
しているので、レール部材が前面から見えず外観性を損
なうことがないのである。さらに、該照明具の電源コー
ドを回動部材の上面に配線し、スライド部材の下方から
基板の背面に配線するとともに、回動部材の上面と基板
に固定し、棚板の下面に配線しているので、該照明具が
使用状態にあるときに電源コードが前面から見えず、ま
た保護されているので、電源コードが破損しないのであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のスライド照明装置を装着した机上棚と
机の全体斜視図、第２図はスライド照明装置の要部の分
解斜視図、第３図は同じく装着状態の要部の縦断面図、
第４図は同じく使用状態の簡略縦断面図、第５図は照明
具を回転格納した状態の簡略縦断面図である。 A:机、B:机上棚、C:スライド照明装置、1:天板、2:棚
板、２′：前板、3:照明具、4:側板、5:背板、6:本棚、
7:引出し、8:支持具、9:蛍光灯、10:シェード、11:回動
部材、12:スライド部材、13:レール部材、14:立片:15:
基片、16:取付板、17:通孔、18:ダボ、19:基板、20:固
定板、21:孔又は螺孔、21a:螺孔、21b:孔21、22:嵌合
孔、23:嵌合孔、24:溝、25:慴動部材、26:締着具、27:
螺軸、28:スプリングワッシャ、29:ビス、30:締着具、3
1:案内片、32:当止板、33:電源コード、34:挿通孔、35:
保持具、36:挟持片。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】使用状態では机上棚の上段棚板の前板前方
   で該棚板に対して横方向スライド可能であり、また収納
   状態では棚板の下方へ収納可能である照明具を備えたス
   ライド照明装置であって、 蛍光灯を有する照明具と、 前記照明具の背面に固定し、両側遊端にダボを有する取
   付板を形成してなる、回動部材と、 基板の両側裏面側に二つの嵌合孔又は凹部を有する固定
   板を形成するとともに、前記基板の表面に摺動部材を固
   定してなるスライド部材と、 前記棚板の前板裏面長さ方向に固定し、前記摺動部材を
   横方向スライド可能に支持するレール部材と、 前記取付板と固定板を当接させ、前記ダボと一方の前記
   嵌合孔又は凹部を嵌合させた状態で、該取付板と固定板
   を締めつけて、前記回動部材を水平となした使用状態と
   垂直となした収納状態とを固定するための締着具と、 よりなり、使用状態において前記照明具の電源コード
   を、前記回動部材の上面に配線し、スライド部材の下方
   から基板の背面に配線するとともに、それぞれ回動部材
   の上面と基板に固定し、前記棚板の下面に配線してなる
   ことを特徴とする机上棚におけるスライド照明装置。