JPH074384U

JPH074384U - 食品容器

Info

Publication number: JPH074384U
Application number: JP038485U
Authority: JP
Inventors: 照彦竹田
Original assignee: 株式会社サン食材
Priority date: 1993-06-21
Filing date: 1993-06-21
Publication date: 1995-01-24

Abstract

(57)【要約】【目的】駅弁などの調理済食品を収容する食品容器に関
し、食品から発生した液状成分が、容器内底部を流動し
て他の食品に染み込み、食品本来の味を損なうことがな
いとともに、液状成分によって食品の変質や腐敗などを
助長することがなく、食品の保存性に優れた食品容器を
得ることを目的とする。【構成】防水性を有する材質で製したトレー容器１内
に、吸水性を有する天然木材の薄板よりなる中敷２を設
け、この中敷２には全面に多数の貫通孔３を形成する。
これにより、液状成分は中敷上を流動することがなく中
敷に吸収され、かつ貫通孔３による通気性により食品の
変質、腐敗を防止することができる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は主に調理済食品、例えば駅弁や店売りの弁当用包装容器として利用できる食品容器に関する考案である。

【０００２】

【従来の技術】

駅弁などの食品容器には、合成樹脂製の容器や木製の容器などが利用されている。そして近年合成樹脂製のトレー容器（内容器）と紙容器（外包装体）の組合せのものなどが多く用いられるようになった。これらの食品容器は、一つの容器に仕切りを設けてごはんと複数種類のおかずを組み合わせて詰め合わせているのが普通である。また、合成樹脂製容器には、異なる食品を収容するために仕切り壁を一体に成型したものもある。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

従来の食品容器のように、一つの容器に仕切りを設けて、ごはんと複数種類のおかずを収容すると、ごはんやおかずから発生した液状成分（ドリップ）が容器内に溜まり、かつ仕切りに関係なく容器内部を流動する。容器内部を流動する液状成分は、異なる食品に染み込み食品本来の味を損なうとともに、液状成分の蒸れによって腐敗を助長し保存性を損なう欠点があった。

【０００４】異なる食品を収容するために仕切り壁を一体に成型した合成樹脂製容器でも、食品そのものの液状成分が内底部に溜まり、これが蒸れて食品の保存性や味を損なうことに変わりはない。また、一体に成型された仕切り壁は、その位置を変更できないため、詰め合わせの種類が異なるものに対し汎用性がないという欠点があった。

【０００５】上記、従来技術の欠点に鑑み、本考案は食品から発生した液状成分が、容器内を流動して他の食品に染み込み、食品本来の味を損なうことがないとともに、流れ出した液状成分によって食品が蒸れて腐敗を助長することを回避する食品容器を得ることを目的とするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

食品を収容する容器は、合成樹脂材など防水性を有する材質で製造したトレー容器１とする。このトレー容器１内には、吸水性を有する天然木材の薄板よりなる中敷２を設け、その全面には多数の貫通孔３を穿設する。

【０００７】

【作用】

本考案に係る食品容器のトレー容器１に食品を収容したのち、食品から液状成分（ドリップ）が発生すると、この液状成分の一部はトレー容器内の中敷２表面に吸収され、かつ一部は貫通孔３を通過するときにその断面から中敷自体に吸収される。さらに短時間に吸収できなかった液状成分は、中敷の下面に流れ中敷下面から中敷に吸収される。従って、食品と接している中敷上面に液状成分が溜まることがなく、かつ中敷上面において液状成分が流れて拡散することはなくなる。

【０００８】

【実施例】

以下本考案、食品容器の実施例を添付の図面に従って説明する。図１は、本考案の実施例を示す分解斜視図である。この実施例では、防水性を有する合成樹脂材で成型するトレー容器１と、トレー容器内に収容する中敷２及びトレー容器内を複数の領域に区画する仕切り板５とで内容器を形成するとともに、紙その他の材質で製造し、装飾を施すことができる外包装体６にトレー容器１を収容するものとしている。外包装体６は、図示実施例ではトレー容器１を収容する身容器6aと、上面を覆う蓋フラップ6bとで構成しているが、各種の外包装体を利用することができるとともに、外包装体は必ずしも必要ではない。

【０００９】トレー容器１内に収容する中敷２には、例えば0.5 〜１ミリ厚程度の杉や檜といった吸水性を有する天然木材を使用し、その全面に多数の貫通孔３，３を千鳥状に配置してある。貫通孔３は必ずしも等分布である必要はないが、図２に示すように少なくとも仕切り板５によって区画される一つの区画内に複数の孔が配置されるようにする。

【００１０】図示実施れいにおいては、防水性を有するトレー容器１自体の内底面の中央部に隆起部、その周囲に突条といった突部４を設け、この突部４によって中敷が支受されるものとしている。トレー容器１自体に突部４が存在することによって、トレー容器の強度を増し、トレー容器を比較的薄い合成樹脂材で成型できるようにするとともに、図３に示すようにトレー容器の内底部において、トレー容器の底面と中敷２の間に通気空間７が形成されることになる。この通気空間７は中敷自体の蒸れを防止するとともに、食品から多量の液状成分が流出したときの溜として作用し、特定の食品から流出した液状成分が他の食品に染み込むことを、より効果的に防止することになる。

【００１１】

【考案の効果】

請求項１記載の本考案食品容器によれば、一つのトレー容器内に複数の種類の食品を詰め合わせても、食品から出る液状成分がトレー容器の内底部を流動して他の食品に染み込むことがなく、個々の食品の味を損なうことがないとともに、食品から発生した液状成分は中敷に効果的に吸収され、かつ中敷の貫通孔による通気性が液による蒸れを防止し、食品が腐敗あるいは変質することを少なくし、食品の保存性に優れた食品容器することができる効果がある。

【００１２】請求項２記載の考案によれば、通気空間の存在によって中敷の貫通孔からの通気性がより優れたものとなるとともに、食品から多量の液状成分が発生した場合に、一部の液状成分を通気空間内に溜め、食品に染み込むことを回避することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案食品容器の実施例を示す分解斜視図、

【図２】本考案食品容器の実施例であって、中敷を装着
したトレー容器の平面図、

【図３】図２のIII-III 線断面図。

【符号の説明】

１…トレー容器、２…中敷、３…貫通孔、４…突
部、５…仕切り板、６…外包装体、７…通気空間。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】防水性を有する材質で製したトレー容器１
内に、吸水性を有する天然木材の薄板よりなる中敷２を
設け、この中敷にはその全面に多数の貫通孔３，３を穿
設したことを特徴とする食品容器。
【請求項２】トレー容器１の内底面には、突部４を設け
てこの突部４に中敷２を支受させ、中敷２の下方に通気
空間を形成してなる請求項１記載の食品容器。