JPH0743825Y2

JPH0743825Y2 - 磁気テ−プカセツトにおけるロツク機構

Info

Publication number: JPH0743825Y2
Application number: JP1987104487U
Authority: JP
Inventors: 健二橋爪; 優池辺; 昌寿岡村; 晴男芝
Original assignee: TDK Corp
Current assignee: TDK Corp
Priority date: 1987-07-09
Filing date: 1987-07-09
Publication date: 1995-10-09
Anticipated expiration: 2002-07-09
Also published as: JPS6412270U

Description

【考案の詳細な説明】（技術分野）本考案は磁気テープカセットに関し、特に磁気テープカ
セットの前蓋のロック機構に関する。

更に詳しくは、本考案は狭いスペースしか占有しないロ
ック機構に関する。

（従来技術とその欠点） VHSビデオ、8mmビデオ、DATテープなどに用いられる磁
気テープカセットは、磁気テープが露出される前部を有
するケースと、この前部に露出されている磁気テープを
保護するためにこの前部の両側で本体に枢着されている
前蓋とより構成されている。

前蓋はカセットの保管時などの不使用時には閉鎖されて
おり、使用時には枢動して開放される。この前蓋は閉鎖
時には外力で不用意に開放されないようにロックされ、
レコーダへ装着されたときにはレコーダ側から侵入して
くるロック解除ピンにより自動的にロックが解除される
ようなロック機構を具備している。

ロック機構には幾つかの形式が提案されているが、典型
的なものはVHSビデオカセツトに見られるように、前蓋
の軸に直交する向きでケースに設けられた軸受又は軸に
より枢動自在に支承された揺動板の先端近くに前蓋の係
止孔に係合し得る係止突起を具備させ、ばねでこの揺動
板を常時前蓋の端板のほうへ偏位させておく、レコーダ
側のロック解除ピンがこの揺動板を揺動させたときに係
止突起は係止孔からはずれる。しかし、揺動板は比較的
大きいスペースを占めるので、ケースを小型化する一方
で磁気テープの巻量を出来るだけ多く設計したい場合に
は、ロック機構の揺動板は磁気テープの走行路やガイド
ピンなどに干渉することになり限界があった。例えば最
近実用化されたVHS−Ｃ（本考案の例示に用いる）では
ケースの側壁のすぐ近くまたはさらに側壁の中に来るほ
どに大型のハブが用いられている。このためロック機構
を収容できる箇所は前蓋の枢着部近くに限定されるがこ
の部分にはガイドローラ、ガイドピンなどが配置される
のでロック機構のためのスペースはますます制限される
ことになる。

他の形のロック機構は実開昭51-15909に示されている。
この例では、ロック部材を前蓋の枢着軸にたいして直角
に前蓋の方向に滑動しうるようにケース本体に取り付
け、バネで前蓋のほうに常時偏位させておく。そしてロ
ック部材の底面から侵入してくるレコーダ側の解除ピン
がロック部材の傾斜面に作用したときにロック部材を前
蓋との係合関係から外す。ロック部材は磁気テープに干
渉しないように磁気テープから十分に後方の位置に設け
る必要があり、このために内部構造への影響が大きく、
テープ巻キハブを大きく取れないとか、ガイドピンなど
への影響の問題がある。

同種の方式は実開昭51-51718にも記載されているが、こ
の例ではロック部材はケース前部にそって設けられて前
蓋の枢着軸の軸線方向にスライドする方式であるからケ
ース前部の磁気テープの露出長さは大きく制限されてし
まう。

なおロック機構の煩雑を避けて前蓋の開閉位置に応じて
前蓋の直角を成す二つの面の１つに滑動式の棒状部材を
直接接触させ、その後端を板ばねで押圧することも行な
われている。この場合には前蓋の開閉はレコーダ側の手
段によって行なわれる。しかしこの方式にはロック機構
がないためにレコーダから外した不使用時に手や小さい
外力で前蓋が簡単に開いてしまう欠点がある。

（考案の目的）本考案の目的は、磁気テープカセットにおいて最小限度
のスペースしか占有しない前蓋用のロック機構を提供す
ることにある。本考案の具体的な目的は、カセットケー
スの一隅部のテープ走行路、テープハブ、ガイドローラ
などの込み入った箇所において、それらに干渉すること
なく前蓋のロック機構を設けることにある。

（考案の概要）本考案は、カセットケースと、その前部両端に回転軸を
中心として開閉自在に取付けられた前蓋と、前蓋ロック
機構とを含む磁気テープカセットにおいて、ロック機構
は、ケースの前記両端のうち少なくとも一方に設けられ
レコーダ側のロック解除手段により操作されるロックレ
バーと、このロックレバーを常時前記前蓋の端板の方へ
偏位させる弾性部材と、該ロックレバーの係止爪に係合
しうるように前記前蓋の少なくとも一方の端板に設けら
れた係止部とからなり、前記ロックレバーはレコーダ側
のロック解除手段と係合しうる突出部と、前記端板に平
行に延びかつ前記係止爪を支持している支持板と、前記
支持板に形成されたスロットとを有し、前記スロットに
は前記カセットケースに形成され前記ロックレバーの前
記突出部が嵌合される開口部まで延出した案内リブが嵌
入して、前記ロックレバーが滑動自在に案内されている
ことを特徴とするロック機構である。

本考案の好ましい態様よると、カセットケースと、その
前部両端に枢着された端板を有する前蓋と、前蓋ロック
機構とを含む磁気テープカセットにおいて、ロック機構
は、ケースの前記両端のうちの一方に設けられレコーダ
側のロック解除手段により操作されるロックレバーと、
このロックレバーを常時前記端板の方へ偏位させる圧縮
ばねと、該ロックレバーの係止爪に係合しうるように前
記前蓋の一方の端板に設けられた係止部とからなり、前
記ロックレバーはケース側のロック解除手段と係合しう
る部分と、後端が開放し且つ後側の壁の一部が切欠かれ
ている筒状部を有し、前記圧縮ばねは前記筒状部の内孔
に収納され、その後端はケース側からロックレバー後部
に延びたばね押えにより拘束されており、筒状部が解除
手段により後退するときばね押えが前記切欠にそって前
記内孔内に相対的に入り込む様になっていることいるこ
とを特徴とするロック機構が提供される。

本考案によるとロック機構はカセットケースの隅部の狭
いスペースに他のガイドローラ、テープフランジなどと
干渉することなく組み込むことができ、更に支持板にス
ロットを形成し、そこにカセットケース側に形成され開
口部まで延びる案内リブを嵌入させたので、ロックレバ
ーの突出部がレコーダ側のロック解除手段から押されて
後退した時にロックレバーをその滑動方向の周りに回転
させる力が作用しても、ロックが正規の位置から回転し
てはずれてしまう事故がなくなり、又案内リブを開口部
まで延出して設けたことによりロックレバーの突出部が
開口縁部に引掛ることなくロックレバーの動作不良を防
止できる利点が得られる。本考案の好ましい態様による
と、圧縮ばねはロックレバーの筒状部に収容され、しか
も切欠き内にばね押えを有するロックレバーとばねの全
厚を非常に小さくでき、狭いスペースにおいて充分にロ
ック機能を果たすことができる。

（考案の具体的な説明）以下、VHS−Ｃ型の磁気テープカセットに関連して本考
案の実施例を詳しく説明するが、本考案は前蓋を有する
型の磁気テープカセットならば、どんな形式のものにで
も適用可能なことは明らかである。

全体構成について第１図は本考案の実施例による磁気テープカセットの斜
視図であり、第２図は同分解図であり、第３図は第１図
の左下隅の要部を拡大して示した拡大斜視図、第４図は
ロックレバーを点線で示した拡大斜視図である。

図示のように、磁気テープカセットは上ケース１、下ケ
ース２を外周で合着したケース３と、ケース３の前部４
でケース３（この例では上ケース１）の両端に枢着ピン
７、７で枢着さればね８で閉蓋方向に常時押されている
前蓋５を具備している。なお９は上ケース１の透明窓で
ある。ケース３の内部にはリールハブ10、11を一体的に
有する下フランジ12、13、テープクランプ16、17及び上
フランジ14、15をそれぞれ有するリール18、19が回転自
在に収納され、それらに磁気テープ（図示せず）が巻装
されている。リール14、15は上ケース１に固定された板
ばね20により押えられている。下ケース２にはリール18
用の軸21が設けられ、またリール19用の円形開口22が設
けてある。その他上下ケース１、２を合着するための手
段等が設けられているが、主題と関係がないので省略す
る。下ケース２の前部４左隅にはガイドローラ24を支承
するピン23、ガイドローラ26を支承する軸26、及び補助
ガイドローラ28を支承する軸27が設けてあり、また右隅
にはガイドローラ30を支承する軸29、及びガイドローラ
32を支承する軸31が設けてある。磁気テープはリール18
からガイドローラ24、26ケース前部４を経てガイドロー
ラ30、32を介してリール19に至っている。補助ガイドロ
ーラ28はカセットケースをアダプターを使ってVHS用レ
コーダに装着したときにテープを側方へ案内する作用を
する。

図から分るように、カセットのケース３の前部４におい
て或る程度余裕のある部分は左右両端隅部であるが、リ
ールのフランジ12、13、14、15はケース３に対して相対
的に大きく、下フランジ12にあってはケース側壁33の厚
みの中まで延びているから隅部の余裕が少ない上に、ガ
イドローラ24、26、28が設けられているから益々狭くな
っている。第３〜４図は左隅部の状態を示す。従ってこ
の個所に従来のスライド式ロック機構や揺動式ロック機
構を取付ける余裕はないので根本的な改良が必要とな
る。本考案のロック機構40はこの問題を解決した。な
お、ロック機構40は前部左端に設けるものとして例示し
たが、右端に設けることも可能である。

ロック機構について次に、第３〜４図のほかに、第５〜９図を参照して本考
案のロック機構40を説明する。ロック機構40はロックレ
バー、前蓋側の係止部、上下ケースのロックレバー規制
及び案内手段及び圧縮ばねより成る。

第３、４及び７図を参照すると、前蓋５の左端は端板34
（右端も同様であるが説明を省く）を有し、そこに枢着
ピン７が設けられて上ケース側壁33の前端に枢着され、
第１図に示した閉鎖位置と第５図に示した開放位置の間
で枢動するようになっている。端板34の内面の一部は凹
所が形成され、ロックレバー41の係止爪42のための係止
部43（第７図）を提供している。

ロックレバー41は、上ケース33の開口44から突出しレコ
ーダ側のロック解除ピン（図示せず）により押圧される
突出部45と、この突出部から後方に延びて側壁33の四角
形の開口44の内周面、上ケース１の位置決め壁46、下ケ
ース２の位置規制リブ47の案内面49、50に接触して案内
される筒状部52（この例では四角形）と、上ケース１の
案内リブ53に嵌合するスロット54を有し且つアーム55を
介して係止爪42を有する支持板56とより構成されてい
る。支持板56は側壁33の内面により前進行程を規制さ
れ、また規制リブ47により後退行程を制限される。さら
に支持板56の下面57は規制リブの上面51により案内され
る。

ロックレバー41の筒状部52には内孔57が形成され、そこ
に圧縮コイルばね58が収容されている。圧縮ばね58は自
由な場合は第８図のように内孔57の開放端から外にはみ
出す。内孔57の後側部分上側面は切欠き59を有し、そこ
に上ケース１から下方に延びるばね押え60が突入して圧
縮ばね58の後端を押えている。筒状部52にはさらに縦ス
ロット61が入っている。これはロックレバー41の組込み
に際して、圧縮ばね58を細い治具で押えこの治具を更に
スロット61に通してばねを圧縮し、こうした状態で上ケ
ース１の所定個所へ押し入れることによって組立を行う
ためである。これにより容易迅速な組立が実行できる。

（作用効果）第８図のようにロックレバーに圧縮ばね58を組入れ、ピ
ンセットのような治具でスロット61を通してばね58を押
え込み、そのままロックレバーを矢印で示すように上ケ
ースのばね押え60、位置決め壁46及び側壁33により囲ま
れる空所へ押し入れる。このとき支持板56の上端側のス
ロット54は案内リブ53に嵌合する。最後まで押し入れる
と突出部45は開口44に嵌り込み、ばね58の後端はロック
レバーの筒状部52の内孔の開放端のところに侵入したば
ね押え60により押えられる（第６図及び第７図参照）。
なお、スペースの節約の面からはばね押え60は第６図及
び第７図のように筒状部52の内孔に突入しているのが好
ましいが、少し外側にあってレコーダの解除ピンでロッ
クレバー41が後退するときに内孔に入り込むようにして
もスペース節約の効果は大きい。

次に、下ケース２を上ケース１と合着させると、位置規
制リブ47,48の面49、50、51がロックレバーの筒状部52
の面及び支持板56の面62とそれぞれ接触してあるいは上
ケース側壁33の四角形の開口44の内周面に接触して、ロ
ックレバーの確実な支持と案内が行われる。

こうして組込まれた状態は第１図、第３図、第５図及び
第７図に示されており、前蓋５が閉鎖され、ロック機構
によってロックされた状態は第１、３、６、７図に、前
蓋が解除されて開放された状態は第５図に示される。

今、レコーダ側のロック解除ピンがロックレバー41の突
出部45に作用してこれを押すと、ロックレバーは第７図
の鎖線位置に後退し、その係止爪42は前蓋端板34の係止
部43から外れる。前蓋はレコーダ側の手段で開放され
る。逆に第５図の状態からトーションばね８によって前
蓋５が閉鎖位置へ押されると、ロックは自動的に働きロ
ックする。

第６〜７図の状態からロックレバーが後退すると、ばね
押え60は筒状部52の内孔内だけで、又は大部分内孔内に
留まる。このため、圧縮ばね58やばね押え60が占有する
スペースはほとんどロックレバー自体の占有スペースと
一致する。このように、本考案によると非常に狭いスペ
ースしかなくても十分に機能することができるという大
きい利益が得られる。

また、支持板56にスロット54を形成し、そこにカセット
ケース側に形成され開口部44まで延びる案内リブ53を嵌
入させたので、ロックレバーの突出部45がレコーダ側の
ロック解除手段から押されて後退した時にロックレバー
をその滑動方向の周りに回転させる力が作用しても、ロ
ックが正規の位置から回転してはずれてしまう事故がな
くなり、又案内リブを開口部まで延出して設けたことに
よりロックレバーの突出部が開口縁部に引掛ることなく
ロックレバーの動作不良を防止できる利点が得られる。

なお、副次的な利点としては、スロット54と案内リブ5
3、筒状部52と位置決め壁46及び規制リブ47、並びに支
持板56と突出部45の接触及び規制関係のため、アーム55
及びその先端の係止爪42が安定に支持案内される利益が
ある。

【図面の簡単な説明】第１図は本考案のロック機構を具備した磁気テープカセ
ットの１例を示す斜視図、第２図は同分解図、第３図は
ロック機構を有する同カセットの左前端部の一部破断拡
大斜視図、第４図はロックレバーを点線で示めした第３
図と同様な斜視図、第５図は前蓋開放状態の同側面図、
第６図は第５図の線Ａ−Ａ断面図、第７図は要部平面断
面図、第８図は上ケース及びロックレバーの斜視図、及
び第９図は下ケース側にあるロック機構の斜視図であ
る。 1:上ケース 2:下ケース 3:ケース 5:前蓋 7:枢着ピン 40:ロック機構 41:ロックレバー 42:係止爪 43:凹所 44:係止部 45:突出部 46:位置決め壁 47:規制リブ 48:規制リブ 49:水平面 50:垂直面 51:水平面 52:筒状部 53:案内リブ 54:スロット 55:アーム 56:支持板 57:内孔 58:圧縮ばね 59:切欠き 60:ばね押え 62:底面

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者芝晴男東京都中央区日本橋１丁目13番１号ティーディーケイ株式会社内 (56)参考文献実開昭64−881（ＪＰ，Ｕ)

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】カセットケースと、その前部両端に回転軸
を中心として開閉自在に取付けられた前蓋と、前蓋ロッ
ク機構とを含む磁気テープカセットにおいて、ロック機
構は、ケースの前記両端のうち少なくとも一方に設けら
れレコーダ側のロック解除手段により操作されるロック
レバーと、このロックレバーを常時前記前蓋の端板の方
へ偏位させる弾性部材と、該ロックレバーの係止爪に係
合しうるように前記前蓋の少なくとも一方の端板に設け
られた係止部とからなり、前記ロックレバーはレコーダ
側のロック解除手段と係合しうる突出部と、前記端板に
平行に延びかつ前記係止爪を支持している支持板と、前
記支持板に形成されたスロットとを有し、前記スロット
には前記カセットケースに形成され前記ロックレバーの
前記突出部が嵌合される開口部まで延出した案内リブが
嵌入して、前記ロックレバーが滑動自在に案内されてい
ることを特徴とするロック機構。