JPH0743797U - 長尺物の搬送クレーン - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 モノレール２にモータ１４等で駆動される車
輪３を介してサポートビーム５で吊下された環状レール
６と、この環状レール６に小車輪７を介して取付けら
れ、モータ９等で駆動され、ワークロールＷＲ等の長尺
物の軸方向を走行方向に合致させるための旋回ビーム８
と、この旋回ビーム８の前後端に取付けられ、長尺物を
把持し、且つ一定ストローク昇降するチャッキング機構
２０とからなる長尺物の搬送クレーン１。 【効果】 環状レール、旋回ビーム、チャッキング機構
という簡単な構成でありながら、ワークロール等の長尺
物をその軸方向を走行方向にした状態で運搬することが
できる。そして、長尺物が自己旋回する恐れは無いの
で、作業員の負担は軽微となる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案はワークロール等の長尺物の搬送クレーンに関する。

【０００２】

【従来の技術】

図６は従来のクレーンによる長尺物の搬送方式を示す図（図面は符号の向きに 見るものとする。）であり、工場建屋１００の柱１０１，１０１にガーダ１０２ ，１０２を架け渡し、これらガーダ１０２，１０２上にレール１０３，１０３を 敷設し、これらレール１０３，１０３に天井クレーンと称する搬送クレーン１０ ４を架け渡し、この搬送クレーン１０４で、圧延機１０５のためのワークロール １０６を適宜搬送する。

【０００３】 圧延機１０５では上下一対のワークロール１０６，１０６でステンレスシート 等を圧延するが、ワークロール１０６表面に傷が発生すると製品品質が低下する こと、又、生産計画に基づいて異なった外径のワークロールに交換すること、な どからワークロール１０６は、ワークロール置物（図示せず）と圧延機１０５と の間を頻繁に搬送される。

【０００４】 搬送クレーン１０４は、ワークロール１０６の運搬以外に、工場建屋１００内 の物品の移動や圧延機１０５の修理等に広く使用される。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

上記した通り、搬送クレーン１０４が汎用であるために、ワークロール１０６ の運搬に好適とは言えない。 例えば、図６に示す通り工場内に障害物１０７があればそれをかわすためにワ ークロール１０６を更に巻上げたり、旋回する必要があり、作業員の負担は大き い。

【０００６】 そこで、本発明の目的は運搬頻度が大きいワークロール１０６等の長尺物を運 搬するに好適な搬送クレーンを提供し、作業員の負担を軽減することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するべく本考案は、モノレールにモータ等で駆動される車輪を 介してサポートビームで吊下された環状レールと、この環状レールに小車輪を介 して取付けられ、モータ等で駆動され、ワークロール等の長尺物の軸方向を走行 方向に合致させるための旋回ビームと、この旋回ビームの前後端に取付けられ、 長尺物を把持し、且つ一定ストローク昇降するチャッキング機構とから長尺物の 搬送クレーンを構成する。

【０００８】

【作用】

一対のチャッキング機構でワークロール等の長尺物を把持し、一定ストローク 上昇し、走行方向に長尺物の軸方向を合わせるべき旋回ビームを旋回した後に、 モノレールに沿って搬送クレーンを走行させる。

【０００９】

【実施例】

本考案の実施例を添付図面に基づいて以下に説明する。図面は符号の向きに見 るものとする。

【００１０】 図１は本考案の長尺物の搬送クレーンの正面図であり、長尺物の搬送クレーン １はＩ型モノレール２に車輪３…を介して走行自在に取付けられたサドルビーム ４と、このサドルビーム４から吊下したサポートビーム５，５の下端に取付けら れた環状レール６と、この環状レール６に小車輪７…を介して取付けられた旋回 ビーム８と、この旋回ビーム８の両端に取付けられたチャッキング機構２０，２ ０とからなる。

【００１１】 なお、旋回ビーム８はサドルビーム４に下向きに固着された旋回モータ９、カ ップリング１０及びシャフト１１を介して旋回される。 又、前記車輪３はチェーン１２、ギヤ１３を介して正逆される。

【００１２】 図２は図１の右側面図であり、前記車輪３，３は図２上部の自走用モータ１４ で駆動される。 又、前記旋回ビーム８は角パイプであり、それにチャッキング機構２０が取付 けられているわけである。

【００１３】 図３は本考案のチャッキング機構の断面図であり、旋回ビーム８の上面にシリ ンダユニット２１が下向きに取付けられ、これのピストンロッド２２にプレート ２３が取付けられ、このプレート２３にロッド２４，２４及びクッションばね（ 圧縮ばね）２５，２５を介してロアプレート２６が吊下され、このロアプレート ２６にアイドルギヤケース２７が取付けられ、このアイドルギヤケース２７の内 部のアイドルギヤ２８に上下２本のラックバー２９，３０が噛合され、上のラッ クバー２９の図右端に右アーム３１がボルト止めされ、同様に下のラックバー３ ０の図左端に左アーム３２がボルト止めされ、上記左・右アーム３１，３２に一 対のＶブロック３３，３３が互に対向してボルト止めされている。

【００１４】 ロアプレート２６に固着された油圧シリンダ３５のピストンロッド３６は右ア ーム３１にねじ連結されている。 油圧シリンダ３５を進動すれば、右アーム３１が矢印、上ラックバー２９が 矢印の如く移動し、アイドルギヤ２８が左回転し（矢印）、下のラックバー ３０は左から右へ移動し（矢印）、結果、左アーム３２は矢印の如く移動す る。

【００１５】 よって、左・右アーム３１，３２は同速度で近接してワークロールＷＲを把持 する。 油圧シリンダ３５を退動すると、上記説明の逆の順により左・右アーム３１， ３２は同速度で分離し、ワークロールＷＲを離す。

【００１６】 以上の構成からなる長尺物の搬送クレーンの作用を次に説明する。 図４は本考案の長尺物の搬送クレーンの作用図であり、圧延機４０の一側には 新ロール置台４１と旧ロール置台４２とが設けられ、これら置台４１，４２とロ ール仮置き台車４３との間に前記Ｉ型モノレール２が敷設されている。

【００１７】 Ｉ型モノレール２は必要に応じてアール部２ａ，２ｂを含み、適当に基礎から の支柱４４…で支えられている。

【００１８】 Ｉ型モノレール２に沿って走行する搬送クレーン１は先ずロール仮置き台車４ ３上方Ａに臨み、所望のワークロールＷＲをチャック（把持）し、一定ストロー ク上昇した後に、走行を開始する。 この走行中、長尺のワークロールＷＲの軸方向はＩ型モノレール２と同一方向 とされている。

【００１９】 新ロール置台４１に至ったら、ワークロールＷＲを矢印の如く９０°程旋回 してワークロールＷＲの軸方向を圧延機４０と直角な向きとし、ワークロールＷ Ｒを下降してアンチャックする。

【００２０】 旧ロール置台４２から古いワークロールＷＲをチャックしてロール仮置き台車 ４３へ移し換えることは、以上の逆順なので説明を省略するが、古いワークロー ルＷＲをチャックし、一定ストローク上昇した直後に旋回（矢印）して、ワー クロールＷＲの軸方向を走行方向に合せることに特徴がある。 なお、ロール仮置き台車４３は長いシリンダ４５で押し引きされるので、その 位置精度は良好である。

【００２１】 図４で説明しなかったチャッキング機構の作用を次に説明する。 図５（ａ），（ｂ）はチャッキング機構の作用図である。ワークロールＷＲは 製品や生産計画の都合上複数の異なる外径のものを準備する場合が多い。

【００２２】 本考案のチャッキング機構２０はワークロールＷＲを下面基準で並べた場合で も、チャック（把持）できる構造となっている。

【００２３】 即ち、図５（ａ）は最小径ロールＷＲ１をチャックする図であり、図３のシリ ンダユニット２１の下降動作により、左・右アーム３１，３２は最小径ロールＷ Ｒ１に好適なレベルまで下ろされる。この位置で左・右アーム３１，３２はロー ルＷＲ１を把持する。

【００２４】 図５（ｂ）は最大径ロールＷＲ２をチャックする図であり、想像線で示した左 ・右アーム３１，３２は図５（ａ）と同じレベルまで下げられた後に、矢印方 向に始動する。 左・右アーム３１，３２はＶ溝３３ａの斜面がロールＷＲ２に倣うので矢印 の如く斜めに上昇し、結果、実線で示した左・右アーム３１，３２の位置となっ て最大径ロールＷＲ２を正しく把持する。

【００２５】 この際、左・右アーム３１，３２に機械的に連結されているロアプレート２６ は、寸法ａだけ上昇する。この寸法ａはクッションばね２５が短縮し、ロッド２ ４がプレート２３から突出することで吸収される。

【００２６】 この様に実施例のチャッキング機構２０によれば、異なる径のワークロールＷ Ｒ１，ＷＲ２を簡単にロール置台４１，４２やロール仮置き台車４３へ載置する こともしくは吊り上げることができる。

【００２７】 尚、本考案の搬送クレーンはワークロール等のローラの他、パイプや円柱など の長尺物の運搬に使用できる。

【００２８】

【考案の効果】

以上に述べた通り本考案は、環状レール、旋回ビーム、チャッキング機構とい う簡単な構成でありながら、ワークロール等の長尺物をその軸方向を走行方向に した状態で運搬することができる。そして、長尺物が自己旋回する恐れは無く、 もって作業員の負担は軽微となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の長尺物の搬送クレーンの正面図

【図２】図１の右側面図

【図３】本考案のチャッキング機構の断面図

【図４】本考案の長尺物の搬送クレーンの作用図

【図５】本考案のチャッキング機構の作用図

【図６】従来のクレーンによる長尺物の搬送方式を示す
図

【符号の説明】

１…長尺物の搬送レール、２…モノレール、３…車輪、
４…サドルビーム、５…サポートビーム、６…環状レー
ル、７…小車輪、８…旋回ビーム、９…旋回モータ、１
４…自走用モータ、２０…チャッキング機構、ＷＲ，Ｗ
Ｒ１，ＷＲ２…ワークロール（長尺物）。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 高尾 敏昭 富山県上新川郡大沢野町高内122番地 日 本カーボンエンジニアリング株式会社内 (72)考案者 横内 俊征 富山県上新川郡大沢野町高内122番地 日 本カーボンエンジニアリング株式会社内

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 モノレールにモータ等で駆動される車輪
   を介してサポートビームで吊下された環状レールと、こ
   の環状レールに小車輪を介して取付けられ、モータ等で
   駆動され、ワークロール等の長尺物の軸方向を走行方向
   に合致させるための旋回ビームと、この旋回ビームの前
   後端に取付けられ、長尺物を把持し、且つ一定ストロー
   ク昇降するチャッキング機構とからなる長尺物の搬送ク
   レーン。