JPH0743781Y2 - カセットテープレコーダ・エンドレス動作回路 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案はカセットテープレコーダ・エンドレス動作回
路、さらに詳しくはオートリバース方式のカセットテー
プレコーダを用い、一連の音声信号を繰り返し録音又は
再生できるカセットテープレコーダ・エンドレス動作回
路に関するものである。

［従来の技術］ 従来のオートリバース方式のカセットテープレコーダで
において、一連の音声信号を繰り返し録音又は再生を行
うためには、録音テープに特別な加工を施したり、テー
プエンドで反転させるなどの方法がある。

［考案が解決しようとする課題］ 上記のように従来では、一連の音声信号を繰り返し録音
又は再生を行うためには、録音テープに特別な加工を施
したり、テープエンドで反転させるなどの方法がある
が、録音テープに特別な加工を施す場合にはそれだけ手
数がかかり、且つ汎用性が無くなる。

またテープエンドで反転させる場合には、誤って録音で
きないテープエンドのリーダーテープ部に録音を試みて
しまったり、リーダテープ部の再生を試みてしまったり
する等の問題点があった。

この考案はかかる課題を解決するためになされたもの
で、録音テープに何等特別な加工を施すことなく、誤っ
てリーダテーブ部を録音・再生に用いる恐れのないカセ
ットテープレコーダ・エンドレス動作回路を得ることを
目的としている。

［課題を解決するための手段］ この考案に係わるカセットテープレコーダ・エンドレス
動作回路は、左右のリールパルス信号を利用することに
より、テープの終端と始端とを検出してエンドレス動作
を制御することとしたものである。

［作用］ リールパルス、すなわち右側又は左側のリールが所定角
度回転することに発生するパルスにおいて、左側リール
のテープを右側リールに巻き取るときのテープの走行方
向を順方向、その逆のテープの走行方向を逆方向とした
場合、録音再生時のテープの走行速度を一定にとする
と、順方向走行の開始点では右側リールのテープが巻か
れた直径は小さいのでリールの回転速度は速く、したが
って右リールパルス信号のパルス繰り返し周期は短く、
テープが段々巻かれて行くに従ってその周期が長くな
り、左側リールのテープが殆ど全部右側リールに巻きと
られた時点（順方向走行の終端に近い時点）では右リー
ルパルス信号の周期は最大となる。また左リールパルス
信号の周期は右リールパルス信号の逆に変化する。

従って左右のリールパルス信号を利用することにより、
テープの終端と始端とを検出してエンドレス動作を制御
することが可能となる。

［実施例］ 以下、この考案の実施例を図面を用いて説明する。第１
図はこの考案の一実施例を示すブロック図で、図におい
て、右リールパルス信号入力（１）は右リールの回転軸
に結合したパルス発生器（図示せず）から出力されるパ
ルス信号の入力であり、右リールが所定角度回転するご
とに１本のパルスが入力される。左リールパルス信号入
力（２）は左リールの回転軸に結合したパルス発生器
（（図示せず）から出力されるパルス信号の入力であ
り、左リールが上記所定角度回転するごとに１本のパル
スが入力される。

リーダテープ検出信号入力（３）は録音又は再生におい
てリーダテープ部が検出されたときに出力される信号の
入力であり、テープ走行方向識別信号入力（４）はテー
プを駆動するモータの制御回路（図示せず）から発せら
れ、該モータの回転方向に従って論理が変化する信号で
ある。

これら信号の発生に関しては従来の装置と同様であるの
でその説明を省略する。なお、上記モータの回転方向の
変更制御はリーダーテープ検出信号の後、好適な時間を
経て実行されるので、テープ走行方向識別信号はリーダ
テープ検出信号に従って発生するともいうことができ
る。

また、本願考案の装置においても従来の装置と同様、レ
コーダ停止時間中はリーダテープ検出器（図示せず）の
発光素子と受光素子との距離が離れ、リーダテープ検出
信号入力（３）は立ち下がるように構成されている。
（５），（６）はそれぞれナンドゲート、（７）はノア
ゲートで、ナンドゲート（５），（６）およびノアゲー
ト（７）を総称して入力側ゲート回路という。

（８）はリトリガブルワンショットマルチ、（９）はフ
リップフロップ（以下F/Fと略記する）、（10）はワン
ショットマルチ、（11）は微分回路、（12），（13）は
アンドゲートで、アンドゲート（12），（13）を総称し
て出力側ゲート回路という。

また（15）は停止信号出力、（16）は順方向走行起動信
号出力、（17）は逆方向走行起動信号出力で、出力（1
6），（17）を総称して走行方向反転起動信号という。
順方向走行起動信号出力（16）はテープを駆動するモー
タを順方向に回転させるよう命令する信号であり、逆方
向走行起動信号出力（17）は該モータを逆方向に回転さ
せるよう命令する信号である。たとえばパルスモータが
使用されている場合、停止信号出力（15）によってパル
スモータへの入力パルスが阻止され、順方向走行起動信
号出力（16）によって該モータへ入力される２相パルス
の位相関係がモータの順方向走行の位相に接続される。
従って、順方向走行起動信号出力（16）が存在しても、
停止信号出力（15）が存在して該モータにパルスが入力
されていない間は該モータは順方向へは駆動されず、停
止信号出力（15）が終わって、該モータパルスが供給さ
れて始めて該モータは順方向へ走行する。

第２図は第１図の各部の信号波形を示す動作タイムチャ
ートで、図において（1s），（2s），（3s），（4s），
（15s），（16s），（17s）は、それぞれ第１図の信号
（１），（２），（３），（４），（15），（16），
（17）の波形を示し、第２図の（Ｃ），（Ｄ），
（Ｅ），（Ｆ）は、それぞれ第１図に同一アルファベッ
トで示す点の波形を示す。

信号（１），（２）の波形が第２図に示すようになるこ
とは、先に説明した通りである。ゲート（５）の出力
（Ａ）は、順方向走行期間の右リールパルス信号入力を
反転したものであり、ゲート（６）の出力（Ｂ）は、逆
方向走行期間の左リールパルス信号入力を反転したもの
である。そして出力（Ａ），（Ｂ）を反転して論理和を
とった出力（Ｃ）は、第２図の波形（Ｃ）に示す通りに
なる。

波形（Ｃ）の立ち下がり点で、リトリガブルワンショッ
トマルチ（８）をトリガする。そしてリトリガブルワン
ショットマルチ（８）はトリガされて立ち上がるが、波
形（Ｃ）の周期がリトリガブルワンショットマルチ
（８）の時定数より小さい場合には、波形（Ｃ）の立ち
下がり点でリトリガされてオン状態を保つ。

順方向走行の終わりに近くなり、波形（Ｃ）の周期がリ
トリガブルワンショットマルチ（８）の時定数T1よりも
大きくなると、リトリガブルワンショットマルチ（８）
はトリガされた点からT1の後トリガオフされ、波形
（Ｃ）の次の立ち下がりでトリガオンされ、その出力は
第２図の波形（Ｄ）に示すようになる。

F/F（９）の出力は、波形（Ｄ）の立ち下がりでリセッ
トされ、リーダーテープ検出信号入力（３）の立ち下が
りでリセットされ、その出力は波形（Ｅ）のようにな
る。ワンショットマルチ（10）は波形（Ｅ）の立ち上が
りでトリガオンされ、時定数に従って所定時間T2の後ト
リガオフされる波形（Ｆ）を発生する。

したがって波形（Ｆ）の立ち上がり点で停止信号出力
（15）を出力し、モータ（図示せず）を停止後は（慣性
のため停止信号出力から所定時間経過後モータが停止す
る）、逆方向起動信号出力（17）の斜線部が有効とな
り、逆方向走行にうつり、テープ走行方向識別信号
（４）も論理が反転する。

逆方向走行から停止を経て順方向走行に移る場合も同様
な動作を行う。

以上のようにしてエンドレス動作を繰り返し、リールパ
ルス信号入力によりテープエンドを検出することで、誤
ってリーダテープ部を録音，再生に用いる恐れを防止で
きる。

［考案の効果］ この考案は以上説明したように、録音ープに何等特別な
加工を施すことなく、従来のオートリバース方式のカセ
ットテープレコーダが発生している信号を利用するだけ
で、誤ってリーダテープ部を録音，再生に用いる恐れを
防止できるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を示すブロック図、第２図
は第１図の各部の信号波形を示す動作タイムチャート。 （１）……右リールパルス信号入力、（２）……左リー
ルパルス信号入力、（３）……リーダーテープ検出信
号、（４）……テープ走行方向識別信号入力、（５），
（６），（７）……入力側ゲート回路、（８）……リト
リガブルワンショットマルチ、（９）……フリップフロ
ップ、（10）……ワンショットマルチ、（11）……微分
回路、（12），（13）……出力側ゲート回路、（14）…
…インバータ、（15）……停止信号出力、（16）……順
方向走行起動信号出力、（17）……逆方向走行起動信号
出力。 なお、各図中同一符号は同一又は相当部分を示すものと
する。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】オートリバース方式のカセットテープレコ
   ーダを用い、一連の音声信号を繰り返し録音又は再生で
   きるカセットテープレコーダ・エンドレス動作回路にお
   いて、 左側リールのテープを右側リールに巻き取るときのテー
   プの走行方向を順方向、その逆の走行方向を逆方向と
   し、 右側リールの所定回転角度ごとに発生する右リールパル
   ス信号と、左側リールの所定回転角度ごとに発生する左
   リールパルス信号と、テープの両終端において検出され
   るリーダテープ検出信号と、上記テープの走行方向が順
   方向であるか逆方向であるかを示すテープ走行方向識別
   信号とを入力し、順方向走行の間は上記右リールパルス
   信号を出力し、逆方向走行の間は上記左リールパルス信
   号を出力する入力側ゲート回路、 この入力側ゲート回路の出力パルスの立ち下がり点でト
   リガされ、上記リールパルスのパルス繰り返し周期の最
   大値（左リールパルスと右リールパルスで同一の値にな
   る）よりも小さく、その最小値よりも十分に大きな時定
   数を有するリトリガブルワンショットマルチ、 このリトリガブルワンショットマルチの出力の立ち下が
   り点でセットされるフリップフロップ、 このフリップフロップを上記リーダテープ検出信号の立
   ち下がり点でリセットする手段、 上記フリップフロップの立ち上がり点でトリガされ所定
   の時定数を有するワンショットマルチ、 このワンショットマルチの出力からテープの走行停止を
   制御する停止信号出力を発生する微分回路、 上記ワンショットマルチの出力と上記テープ走行方向識
   別信号入力とから順方向起動信号出力と逆方向起動信号
   出力を発生させる出力側ゲート回路、 を備えたことを特徴とするカセットテープレコーダ・エ
   ンドレス動作回路。