JPH0743565B2 - ホログラムレンズの作成方法 - Google Patents

ホログラムレンズの作成方法

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JPH0743565B2
JPH0743565B2 JP61014445A JP1444586A JPH0743565B2 JP H0743565 B2 JPH0743565 B2 JP H0743565B2 JP 61014445 A JP61014445 A JP 61014445A JP 1444586 A JP1444586 A JP 1444586A JP H0743565 B2 JPH0743565 B2 JP H0743565B2
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弘之 池田
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Description

【発明の詳細な説明】 〔概要〕 本発明は、レンズなどの球面光学素子を媒体として正の
球面収差又はコマ収差を発生させ、該収差波を物体波と
して参照波との干渉縞をホログラム作成板上に形成し、
ホログラムレンズを作成することにより、再生波を無収
差とすることができ、加えて高NAでブラッグ角条件をも
満たすことにより、回折効率の高い再生波を得ることの
できるホログラムレンズの作成方法である。
〔産業上の利用分野〕
本発明は、無収差かつ回折効率の高い再生波を得ること
のできるホログラムレンズの作成方法に関する。
〔従来の技術〕
レーザディスク装置等において、情報を光学的に読取る
場合は、第7図のように、対物レンズ19で平行光20を細
いビーム18に絞る必要がある。このような用途におい
て、光ピックアップ用のレンズを高速で移動させて読取
りが行なわれるので、アクセス時間を短縮したりするた
めには、出来るだけ軽く、かつ小型であることが必要で
あり、駆動装置等を小型化する上でも肝要である。その
ため、レンズ等の光学素子をホログラム素子に置き換え
ていく方向に開発、研究が進められている。またホログ
ラムレンズは小型軽量なため、レーザプリンタなどにお
いて、情報をドットの組み合わせで光学的に記録する場
合、第8図のように半導体レーザ21から発生したレーザ
光22を平行光20にする際に必要である。また同様にし
て、ホログラムレンズはホログラムスキャナにも適して
いる。
光の波面変換素子として、特開昭57−45512号公報など
に記載されているように、第9図の如きレンズがある
が、欠点としては、波面の収差補正のためには、多数枚
の組み合わせレンズが必要なため、調整が難しく、また
大型で、重く、しかも高価である。
軽く安価なホログラムレンズ1枚でもレンズ機能が得ら
れることは知られているので、ホログラムレンズを実用
化できれば、上記のような問題は一掃できる。
ホログラムレンズの再生波には、小型、軽量、安価で、
直接変調可能な利点を持つ、半導体レーザ光を使用する
趨勢にある。ところが、半導体レーザ光の波長は、高い
回折効率をもつホログラム作成材料の感度域外のため、
感度内の波長域である325〜632.8mmのような、低波長レ
ーザでホログラムを作成する必要がある。このため、ホ
ログラムの作成条件と再生条件の違いにより、再生波に
収差が生じるという問題がある。
第10図(a)に示すように、波長λの平面波をホログ
ラム23に入射し、期待どおりの無収差が得られたとす
る。このホログラムレンズ23を用いて、同図(b)のよ
うに波長λより低い波長λで再生すると、NAが大き
くなるにつれて、正の収差が増大する球面収差波となる
ことがわかる。したがって、この波長λで、(b)の
正の収差波をホログラムレンズ作成板に照射して、ホロ
グラムを作成すれば、(a)のように波長がλのレー
ザ光で再生したとき、完全に無収差となる。
そこでこの特性を利用し、ホログラム作成時に、平行ガ
ラス板を用いることで物体波に収差をもたせて、再生波
を無収差とするインライン型ホログラムレンズがある。
しかし、インライン型ホログラムレンズは、レンズ中央
の回折効率が0%のため、集光効率が小さいという欠点
が発生する。このため、同じく平行ガラス板を用い、作
成波に収差を持たせて、再生波を無収差とする、off−a
xis型(軸外し型)ホログラムレンズが提案されている
(1984年8月20日 The 13th Congress of the Interna
tional Comission for Optics(ICO−13)digestp.520
〜521キャノン、桑山、他)。
このホログラムレンズは、第11図(a)に示すように、
波長がλの収束球面波25を、平行ガラス板26に入射す
ることにより収差を発生させ、これと参照波27の平行光
とで、ホログラム作成板に干渉縞を形成してホログラム
レンズ28を作成し、(b)図のように波長λのレーザ
光からなる再生波29で再生すると、無収差となるもので
ある。実際には第11図(b)において、レーザ光が収束
する焦点距離fは、通常4〜6mm程度とするため、第12
図のように参照波27である平行光は、逆方向から平行ガ
ラス板26に入射し、裏面で反射させる手法が提案されて
いる。すなわち、参照波27をレンズ31側から照射する
と、収束球面波25を作るレンズ31に当たってしまい、作
成が不可能となるからである。レンズ31を非常に大きく
すれば、該レンズ31側から参照光27を入射しても、レン
ズ31に当らないが、実用性に乏しい。
〔発明が解決しようとする問題点〕
ところが第12図のように、平行ガラス板26で収差補正す
る方法は、ホログラム作成のための調整が難しく、平行
ガラス面とホログラム面との多重反射の干渉によりノイ
ズが生じるという問題があった。さらに収差波を得るた
めのパラメータが、平行ガラス板26の板厚と屈折率のみ
のため、収差補正も充分でない。また第12図のような作
成法では、参照波27の波面は、平行光に限られてしま
い、参照波を任意の波面とすると、平行ガラスによる収
差が生じるという問題もある。
一方、第11図(b)においては再生波29は一般にブラッ
グ角条件を満たさないため、十分な回折効率が得られな
い場合がある。そこで高い回折効率を必要とする場合に
は、ブラッグ角条件を満たす必要がでてくる。そのため
には第11図(a)の作成時の物体波25−1もホログラム
レンズ28に対してその入射角を傾ける必要があるが、そ
のようにすると波長による差が単純な球面収差とはなら
ず、ホログラムレンズの作成が困難になるという問題点
も有していた。
本発明は上記問題点を除くため、凹レンズなどの球面光
学素子を媒体として発生される物体波により球面収差を
補正でき、加えて高NAでブラッグ角条件を満たし高い回
折効率の再生波を得るために、コマ収差、非点収差をも
補正することのできるホログラムレンズの作成方法を提
供することを目的とする。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明の原理を、第6図に基づき説明する。本発明は、
所定の再生波長λおよび再生波入射角θを有する再
生波9(第4図参照)にて用いられるホログラムレンズ
を、再生波長λより短い所定の作成波長λを有する
参照波14と、これと同じ波長λを有する物体波13とを
ホログラム作成波としてホログラム作成材料11上に干渉
縞を形成することにより作成するものである。
そして、本発明では、参照波14がホログラム作成材料11
に入射する際の入射角である参照波入射角θ′は、ホ
ログラムレンズがブラッグ角条件を満たすように再生波
入射角θ、作成波長λ及び干渉縞の空間周波数f0
対して、 θ′=θR/2+sin-1(λ・f0/2cos(θR/2)) なる関係を有するように設定される。
更に、物体波13は収束球面波15を光学レンズ10に該光学
レンズ10の光軸17を外して入射されることにより発生さ
れ、この光学レンズは、物体波13が参照波入射角θ
において再生波長λと作成波長λとの差に対応する
非点収差及びコマ収差を有するように設定される。
第6図は、本発明によるホログラムレンズの作成方法の
第2の実施例の構成側面図である。波長λの収束波15
を凸レンズ10に傾けて入射させると、コマ収差及び非点
収差波を発生できる。これを物体波13としてホログラム
作成材料11に入射させる。一方、平行光を参照波14とし
て入射角θ′で入射させ、ホログラムを作成する。
〔作用〕
本発明では、レンズを用いて収差を発生するため、レン
ズ厚み、曲率などのパラメータを最適化することで、再
生波を無収差に近付けることが可能となる。また、参照
波14の入射角θ′が、再生波のブラッグ角条件を高NA
で満たすように設定されるため、再生波の回折効率を高
めることが可能となる。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例につき詳細に説明を行う。
なお、実施例を説明する前に、第1図に示す1つの参考
例について説明を行う。第1図において、まず収束波6
は凹レンズ1により正の球面収差を持たされていること
がわかる。この球面収差は、再生波の波長をλ、物体
波4の波長をλとすると、前記第10図で説明したよう
に波長がλからλに短くなったことによって増大す
る正の球面収差に等しくする。一方、参照波5は入射角
θを有する。上記のようにホログラムを作成し、第2
図に示すようにホログラムレンズ2への再生波8の入射
角θを、 とすれば、回折波7を無収差で結像点Pに結像させるこ
とが可能となる。なお、凹レンズの曲率などのパラメー
タを最適化することにより、細かい収差補正が可能であ
る。この場合、減衰最小自乗法(DLS法)を用いて波面
収差が最も小さくなるように最適化による自動設計を行
っている。
第1図、第2図において、作成波としてArレーザ(λ
=488nm)を用いた。また、凹レンズ1の各パラメータ
は上記自動設計により、中心厚みd=4mm、曲率R=200
mmと設定し、材質はBK7を用い、前記Arレーザでの屈折
率N=1.52223である。また、物体波4である収束波6
が凹レンズ1の上面から収束するまでの距離F=30mm、
レンズ下面中央からホログラム作成材料2までの距離dL
=22.3mmである。また、ホログラム基板3(ガラス厚み
t=0.3mm 屈折率NG=1.5)の収差も考慮した。再生波
は、半導体レーザダイオード光(λ=787nm)とした
時、回折波7の焦点距離は4.55172mmである。この時、
第3図に示すようにNA0.45で波面収差はλ/4内に入って
いることがわかる。こうして回折限界のホログラムレン
ズが得られることがわかる。なお、凹レンズ1の曲率R
の自由度があるため、凹レンズ1と、ホログラム作成材
料2の間隔dLを長くすることが可能なため、参照波5が
容易に入射できるという利点がある。
次に、本発明の一実施例について説明を行う。まず、上
述した参考例によれば、第2図に示すようにその再生波
8の中心出射角は0゜であり、作成波の中心出射角も0
゜であり、作成と再生の波長が異なるためにブラッグ角
条件を満たさない。そのため、回折効率はそれほど高く
ない。従って、ブラッグ角条件を満たす高い回折効率の
再生波(回折波)が必要である。
次に、このようなブラッグ角条件を満たすホログラムレ
ンズに必要な作成波について延べる。
今、第4図(a)を波長λで無収差となるホログラム
レンズとする。しかし、これを波長λでは作成できな
い。従って、λより短い波長λで作成する。第4図
(a)のホログラムレンズ中心でブラッグ角条件を満た
すには、干渉縞の傾きは、第4図(b)のように である必要がある。従って無収差となり、ブラッグ角条
件を満たすホログラムは、ホログラム面で第4図(b)
と同一の干渉縞の分布(空間周波数)を持ち、干渉縞の
傾きがレンズ中心で のものである。
これを低い波長λ、例えば632.8nm(He−Neレーザ)
で作成することを考える。第5図は、これを示したもの
である。第4図(a)のホログラムレンズのホログラム
面の中心の干渉縞の分布即ち、空間周波数をf0とする。
波長λで干渉縞の傾きが、 、また空間周波数をf0とするホログラムレンズを得るた
めには、本出願人らが、1983年(昭和58年)春季応用物
理学会講演予稿集6P−W−6で示したように、 θ′=θR/2+sin-1(λ・f0/2cos(θR/2))・・
・(2) となる入射角θ′で作成すればよい。
第4図(a)の、仮想的に作成したホログラムレンズを
入射角θでなく、第5図(a)に示す入射角θ′の
平面図(波長λ)を入射すると、同図(a)、(b)
に示すような非点収差、コマ収差(出射角θ )が発生
する。従って、波長λでこのような収差波c、入射角
θ′の平面波でホログラムを作成すれば第4図(a)
の無収差、高効率ホログラムレンズが得られる。
次に、この実施例を具体的に示す。
実現したい第4図(a)に示したホログラムレンズは波
長λ=780nm、焦点距離f=10mm又、再生波9の入射
角θを60゜とする。これを、λ=632.8nm(He−Ne
レーザ)で作成する。第6図にこの具体的な実施例を示
す。作成波の参照波14である平行光の入射角θ′は
(2)式より、54゜となる。そして、一方の収差波であ
る物体波13は図に示すように、収束球面波15を、傾けた
凸レンズ10に入射し発生する。各パラメータは最適化に
よる自動設計で、レンズ中心厚みd′=10mm、レンズ曲
率R′=115mm、前記He−Neレーザでのレンズ屈折率N
=1.73903とし、材質はSF18を用いる。また、物体波で
ある収束波15が凸レンズ10の上面から仮想的な収束点Q
に収束するまでの距離F′=26.399mm、レンズ下面中央
からホログラム作成材料11までの距離dL′=30mm、同じ
くレンジ下面中央とホログラム中心との距離h=10.34m
m、凸レンズ10のホログラム面に対する傾き角dθ=2.9
1゜、物体波13の光軸16とレンズ光軸17とのレンズ上面
方向の距離g=6.516mm、レンズ光軸17と該光軸17に平
行で点Qを通る軸とのレンズ上面方向の距離e=9.206m
mである。また、ホログラム基板12の収差も考慮した。
こうして、作成したホログラムを、第4図(a),
(b)のように、λ=780nmの半導体レーザで、θ
=60゜の入射角で入射すると、焦点距離f=10mm、NA=
0.2で、たて球面収差8μm以内の、ほぼ回折限界であ
り、高い回折効率を持つホログラムレンズが得られた。
本発明により作成されたホログラムレンズは、光デイス
ク用対物レンズなどに応用し、高精度な光ビーム処理を
実現することができる。
〔発明の効果〕
本発明によれば、コマ収差を低減させ高NAでブラッグ角
条件を満たす回折効率の高い再生波の得られるホログラ
ムレンズを作成することが可能である。
また、レンズなどの球面光学素子は、角パラメータの自
由度が大きく、細かい収差補正が可能である。
【図面の簡単な説明】
第1図は、一参考例の方法の構成側面図、 第2図は第1図の方法により作成されたホログラムレン
ズの構成側面図、 第3図は、上記一参考例の方法における波面収差とNAの
関係図、 第4図(a),(b)は、ブラッグ角条件を満たすホロ
グラムレンズの構成側面図、 第5図(a),(b)は、第4図のホログラムレンズを
作成するのに必要な作成波の説明図、 第6図は、本発明の一実施例施例の構成側面図、 第7図は、対物レンズの収光作用を示す側面図、 第8図は、対物レンズの平行光作成作用を示す側面図、 第9図は、従来の凹凸レンズの組み合わせによる収差補
正を示す側面図、 第10図(a),(b)は、ホログラムレンズ作成波とし
て収差波を使用できる原理を示す側面図、 第11図(a),(b)、第12図は、従来の平行ガラス板
による収差波発生方法を示す側面図である。 1……凹レンズ、 2,11……ホログラム作成材料、 4,13……物体波、 5,14……参照波、 6,15……収束波、 8,9……再生波、 10……凸レンズ、 λ……ホログラム作成波長、 λ……再生波長、 θr……再生波長入射角、 θc′……参照波入射角、 f0……干渉縞の空間周波数.
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加藤 雅之 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内 (72)発明者 池田 弘之 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内 (72)発明者 稲垣 雄史 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内 (56)参考文献 特開 昭60−122982(JP,A)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】所定の再生波長(λ)および再生波入射
    角(θ)を有する再生波(9)にて用いられるホログ
    ラムレンズを、前記再生波長(λ)より短い所定の作
    成波長(λ)を有する参照波(14)と、該作成波長と
    同じ波長(λ)を有する物体波(13)とをホログラム
    作成波としてホログラム作成材料(11)上に干渉縞を形
    成することにより作成するホログラムレンズの作成方法
    において、 前記参照波(14)の前記ホログラム作成材料(11)に対
    する参照波入射角(θ′)は、前記ホログラムレンズ
    がブラッグ角条件を満たすように前記再生波入射角(θ
    )、前記作成波長(λ)、及び前記干渉縞の空間周
    波数(f0)に対して、 θ′=θR/2+sin-1(λ・f0/2cos(θR/2)) なる関係を有するように設定され、 前記物体波(13)は収束球面波(15)を光学レンズ(1
    0)に該光学レンズ(10)の光軸(17)を外して入射さ
    せることにより発生され、該光学レンズ(10)は前記物
    体波(13)が前記参照波入射角(θ′)において前記
    再生波長(λ)と前記作成波長(λ)との差に対応
    する非点収差及びコマ収差を有するように設定されるこ
    とを特徴とするホログラムレンズの作成方法。
  2. 【請求項2】前記光学レンズ(10)は凸レンズまたは凹
    レンズであることを特徴とする特許請求の範囲第1項記
    載のホログラムレンズの作成方法。
  3. 【請求項3】前記光学レンズ(10)はホログラム作成面
    に対し所定の傾き角(dθ)を持たせて配置されること
    を特徴とする特許請求の範囲第1項記載のホログラムレ
    ンズの作成方法。
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DE86401720T DE3689344T2 (de) 1985-07-31 1986-07-31 Laserstrahlscanner und Herstellungsverfahren.
EP86401720A EP0214018B1 (en) 1985-07-31 1986-07-31 Laser beam scanner and its fabricating method
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