JPH0743452A - 不要信号抑圧装置 - Google Patents

不要信号抑圧装置

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JPH0743452A
JPH0743452A JP5189685A JP18968593A JPH0743452A JP H0743452 A JPH0743452 A JP H0743452A JP 5189685 A JP5189685 A JP 5189685A JP 18968593 A JP18968593 A JP 18968593A JP H0743452 A JPH0743452 A JP H0743452A
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昌二郎 井上
Takeo Tsukada
健雄 塚田
Yasuhiro Harasawa
康弘 原沢
Tetsuo Kirimoto
哲郎 桐本
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Japan Steel Works Ltd
Mitsubishi Electric Corp
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Japan Steel Works Ltd
Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 この発明はレーダが受信するクラッタ等の目
標物以外からの反射信号を除去する不要信号抑圧装置に
関するもので、クラッタと同時に目標信号も受信した場
合に、クラッタの中心周波数の推定精度を確保し、目標
信号のドップラ周波数に近接したクラッタの抑圧性能と
目標信号保存性能を確保することを目的とする。 【構成】 受信信号中のクラッタのドップラ中心周波数
を推定する中心周波数推定手段と、その中間値を選択す
るメディアンフィルタと、クラッタの帯域幅を推定する
帯域幅推定手段と、複数種類のノッチフィルタを備えた
不要信号抑圧装置であって、ノッチ周波数を調整してク
ラッタを抑圧するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明はフィルタを利用した不
要信号抑圧装置に関し、例えばレーダにおいて適応信号
処理を応用して受信された信号のうち目標信号以外のク
ラッタ等による反射エコーを除去するクラッタ抑圧装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、レーダにより受信されるクラッタ
等目標信号からの反射エコー以外の不要な信号を除去す
るためのクラッタ抑圧装置として、例えば電子情報通信
学会論文誌B Vol.J70−B No.4 pp.
515−523(1987年4月号)の渡辺秀明らによ
る「複数セグメントMEMを用いたアダプティブクラッ
タ抑圧装置」に開示されたものが知られている。
【0003】図11は、従来のクラッタ抑圧装置の構成
を示す回路のブロック図である。図において21a,2
1bは反射係数計算手段、22a,22bは遅延素子、
23a,23b,23c,23dは複素乗算器、24
a,24b,24c,24dは複素加算器である。ま
た、X(n),fm (n),bm (n)(n=1〜3,
m=1,2)は各々次式で示される信号のベクトル表現
であり、pm は反射係数である。
【0004】 X(n)=[X1 (n),X2 (n),・・・,XK (n)]T (1a) fm (n)=[f1 m(n),f2 m(n),・・・,fk m(n)]T (1b) bm (n)=[b1 m(n),b2 m(n),・・・,bk m(n)]T (1c) Pm =diag[ρ1 m,ρ2 m,・・・,ρk m] (1d) ただし、Tは転置を表し、diag[〜]は対角行列を
表す。
【0005】ここでレーダは、受信した一連の受信電波
を位相検波してベースバンドの受信信号に変換した後、
これを標本化、量子化してディジタル信号に変換する。
このディジタルは受信電波の位相を保持しており、いわ
ゆるI信号(In−phase)、Q信号(quadr
ature−phase)を夫々実部、虚部を持つ複素
信号である。信号の標本化は全ての受信信号に対して同
じタイミングで行われる。即ち、送信信号を送信した時
点より一定時間送れた後、一定周期で標本化が行われ、
1つの受信信号からはX1 (n),X2 (n),・・
・,Xk (n)で示される総数k個のディジタル信号が
生成される。ここでは、nをヒット番号と呼び、kは標
本化の順番を表すもので以下このkをレンジビン番号と
呼ぶ。以上述べたようなレーダで得られたディジタル信
号X(n)がクラッタ抑圧装置の入力信号として転送さ
れる。以下、この信号を入力信号と呼ぶ。また、数字m
は図11に示すようなラティスフィルタのステージ番号
を表すものである。
【0006】では、次に図11に従って従来装置の動作
について説明する。レーダ受信機から転送される入力信
号は、ステージ1のラティスフィルタに入力される。こ
のとき、入力信号X(n)は式(2a),(2b)に示
されるように、前向予測誤差信号ベクトルf0 (n)、
後向予測誤差信号ベクトルb0 (n)として用いられ
る。
【0007】 f0 (n)=X(n) (2a) b0 (n)=X(n) (2b)
【0008】ステージ1のラティスフィルタは信号ベク
トルf0 (n),b0 (n)から式(3a),(3b)
により信号ベクトルf1 (n),b1 (n)を生成す
る。 f1 (n)=f0 (n)+P10 (n−1) (3a) b1 (n)=b0 (n−1)+P1 *0 (n) (3b) ただし、式(3a),(3b)の演算において、乗算は
複素乗算器23a,23bで実施され、加算は複素加算
器24a,24bにて実施され、単位遅延は遅延素子2
2aで実施される。これと同時に、反射係数計算手段2
1aはf0 (n),b0 (n)を入力して式(4a)に
示されるように反射係数ベクトルP1 を計算する。
【0009】
【数1】
【0010】式(4a)に示される反射係数算出のアル
ゴリズムは、公知のBurg法によるものを応用したも
ので、前向予測誤差ベクトルf1 (n)と後向予測誤差
ベクトルb1 (n)の平均電力和を最小化するアルゴリ
ズムである。
【0011】次いでステージ2のラティスフィルタは予
測誤差ベクトルf1 (n),b1 (n)を入力して、次
の式(5a),(5b)に基づいて信号ベクトルf2
(n),b2 (n)を生成する。
【0012】 f2 (n)=f1 (n)+P21 (n−1) (5a) b2 (n)=b1 (n−1)+P2 *1 (n) (5b)
【0013】式(5a),(5b)の演算における乗算
は乗算器23c,23dで実施され、加算は複素加算器
24c,24dで実施され、信号ベクトルb1 (n)に
施される単位遅延は遅延演算子22bで実施される。こ
れと同時に反射係数計算手段21bは、f1 (n),b
1 (n)を入力して、式(5a),(5b)に必要な反
射係数ベクトルP2 を以下の式(6a),(6b)に基
づいて生成する。
【0014】
【数2】
【0015】式(5a),(5b)に示される反射係数
2 算出のアルゴリズムは、式(4a),(4b)同様
Burg法によるものである。最後にステージ2の予測
誤差信号ベクトルf2 (3)がクラッタ抑圧装置の出力
信号として外部に取り出される。
【0016】以上述べたように、従来のクラッタ抑圧装
置では、入力信号X(n)から逐次予測誤差信号、及び
後向き予測誤差を生成しつつ、出力信号の平均電力を最
小化することによって入力信号に含まれるクラッタを消
去しようとするものであった。これは、図12に示すよ
うにクラッタと目標信号のドップラ周波数は大きく異な
ることを前提にしている。一般にこのような適応アルゴ
リズムを用いたフィルタによる処理は適応アルゴリズム
により調整しなければならない荷重(図11では反射係
数に相当)数が多くなる程演算量が増え処理時間もかか
る。図13に示すように目標信号のドップラ周波数とク
ラッタのドップラ周波数が近接しているような状況でク
ラッタ抑圧性能と目標信号保存性能の双方を確保するた
めには、フィルタのカットオフ特性が鋭くなるように荷
重数を著しく増す必要がある。また、このようなクラッ
タ抑圧装置において、高いクラッタ抑圧性能を確保する
ための条件の1つとして、反射係数の計算には抑圧する
信号、即ちクラッタのみを含んでいることが必要となる
が、目標信号が含まれていた場合には目標信号のドップ
ラ周波数の情報が反射係数に含まれ、正確にクラッタに
対してフィルタのノッチを形成できない場合がある。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】従来の不要信号抑圧装
置は以上のように構成されているので、レーダにおいて
受信されるクラッタのうち、ブラッグ散乱により発生す
る海面からの不要反射エコーのドップラスペクトルと目
標信号のドップラスペクトルは近接することが多く、目
標信号保存性能を確保しつつ、このような海面クラッタ
を高い精度で抑圧するためには、カットオフ特性の急峻
なノッチフィルタが必要であり、従来の適応フィルタを
応用した不要信号抑圧装置では困難であった。
【0018】この発明は、上記のような問題点を解消す
るためになされたもので、予めカットオフ特性の急峻な
ノッチフィルタを数種類設計しておき、クラッタの帯域
幅に近い阻止域特性を有するノッチフィルタを随時選択
することによって、クラッタ抑圧性能と目標信号保存性
能を確保することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】第1の発明に係わる不要
信号抑圧装置では、以下の(a)〜(i)を有し、受信
信号から不要信号であるクラッタ数を求める不要信号数
判定手段と、受信信号の高周波数成分又は低周波数成分
を抽出する例えばHPF,LPFである周波数域選択手
段と、その出力信号からクラッタの中心周波数を推定す
る中心周波数推定手段と、その推定値に基づいて、中間
値を出力するメディアンフィルタと、ノッチを少なくと
も2つの周波数に有するノッチフィルタを設けたことを
特徴とするものである。 (a)受信信号を入力し、受信信号中の不要信号数を求
める不要信号数判定手段、(b)上記不要信号数判定手
段の結果に基づき受信信号の転送経路を選択するスイッ
チ、(c)上記スイッチにより転送された受信信号を入
力し、所定の周波数成分を抽出する周波数域選択手段、
(d)上記周波数域選択手段の出力信号から不要信号の
中心周波数を随時推定する中心周波数推定手段、(e)
上記中心周波数推定手段の出力に基づいて中央値を求め
て出力するメディアンフィルタ、(f)受信信号中の所
定の周波数成分と中心周波数推定手段で求めた中心周波
数から、不要信号の帯域幅を推定する帯域幅推定手段、
(g)上記帯域幅推定手段の出力に基づいて少なくとも
2つのノッチを有する最適なノッチフィルタを選択する
双ノッチフィルタ選択手段、(h)上記双ノッチフィル
タ選択手段により選択されたノッチフィルタの荷重を、
上記メディアンフィルタの出力に基づいて調整するフィ
ルタ荷重調整手段、(i)上記フィルタ荷重調整手段で
求めた荷重に基づいて受信信号の持つ不要信号を抑圧す
るフィルタ処理部。
【0020】第2の発明に係わる不要信号抑圧装置で
は、以下の(a)〜(i)を有し、受信信号から不要信
号であるクラッタ数を推定する不要信号数判定手段と、
受信信号中の所定の周波数成分を抽出する周波数域選択
手段と、その出力信号から不要信号の中心周波数を推定
する中心周波数推定手段と、その推定値に基づいて、最
大値と最小値を除いて平均操作を行う最大・最小値除去
平均手段と、ノッチを少なくとも2つの周波数に有する
ノッチフィルタを設けたことを特徴とするものである。 (a)受信信号を入力し、受信信号中の不要信号数を推
定する不要信号数判定手段、(b)上記不要信号数判定
手段の結果から受信信号の転送経路を選択するスイッ
チ、(c)受信信号を入力し、所定の周波数成分を抽出
する周波数域選択手段、(d)上記周波数域選択手段の
出力信号から距離毎に不要信号の中心周波数を随時推定
する中心周波数推定手段、(e)上記中心周波数推定手
段の出力に基づいて最大値と最小値を除いて平均化を行
なう最大・最小値除去平均手段、(f)上記スイッチの
出力信号と中心周波数推定手段の出力から、不要信号の
帯域幅を推定する帯域幅推定手段、(g)上記帯域幅推
定手段の出力に基づいて少なくとも2つのノッチを有す
る最適なノッチフィルタを選択する双ノッチフィルタ選
択手段、(h)上記双ノッチフィルタ選択手段により選
択されたノッチフィルタの荷重を、上記最大・最小値除
去平均手段の出力に基づいて調整するフィルタ荷重調整
手段、(i)上記フィルタ荷重調整手段で求めた荷重に
基づいて受信信号の持つ不要信号を抑圧するフィルタ処
理部。
【0021】第3の発明に係わる不要信号抑圧装置は、
以下の(a)〜(j)を有し、受信信号の高周波数成分
又は低周波数成分を抽出する例えばHPF,LPFであ
る周波数域選択手段と、その出力信号から不要信号であ
るクラッタの中心周波数を確定する中心周波数推定手段
と、その推定値に基づいて中間値を出力するメディアン
フィルタ及び、信号の転送先を選択するスイッチを設け
たことを特徴とするものである。 (a)受信信号を入力し、所定の周波数成分を抽出する
周波数域選択手段、(b)上記周波数域選択手段の出力
信号か一度処理済の信号の一方を選択して出力するスイ
ッチ、(c)上記スイッチの出力信号から不要信号の中
心周波数を随時推定する中心周波数推定手段、(d)上
記中心周波数推定手段の出力に基づいて中央値を求めて
出力するメディアンフィルタ、(e)上記スイッチの出
力信号と中心周波数推定手段で求めた中心周波数から、
不要信号の帯域幅を推定する帯域幅推定手段、(f)上
記帯域幅推定手段の出力に基づいて最適なノッチフィル
タを選択するノッチフィルタ選択手段、(g)上記ノッ
チフィルタ選択手段により選択されたノッチフィルタの
荷重を、上記メディアンフィルタの出力に基づいて調整
するフィルタ荷重調整手段、(h)上記フィルタ荷重調
整手段により計算された荷重に基づいて受信信号の持つ
不要信号を抑圧するフィルタ処理部、(i)上記フィル
タ処理部に転送する信号を受信信号とするか、上記周波
数域選択手段に接続されているスイッチの出力信号にす
るかを選択するスイッチ、(j)上記フィルタ処理部の
出力を本不要信号抑圧装置の出力信号として出力する
か、前記周波数域選択手段に接続されているスイッチに
転送するかを選択するスイッチ。
【0022】第4の発明に係わる不要信号抑圧装置で
は、以下の(a)〜(j)を有し、受信信号の高周波数
成分又は低周波数成分を抽出する、例えばHPF,LP
Fである周波数域選択手段と、その出力信号から不要信
号であるクラッタの中心周波数を推定する中心周波数推
定手段と、その推定値に基づいて最大値と最小値を除い
て平均操作を行う最大・最小値除去平均手段及び、信号
の転送先を選択するスイッチを設けたことを特徴とする
ものである。 (a)受信信号を入力し、所定の周波数成分を抽出する
周波数域選択手段、(b)上記周波数域選択手段の出力
信号か一度処理済の信号の一方を選択して出力するスイ
ッチ、(c)上記スイッチの出力信号から不要信号の中
心周波数を随時推定する中心周波数推定手段、(d)上
記中心周波数推定手段の出力に基づいて最大値と最小値
を除いて平均化を行なう最大・最小値除去平均手段、
(e)上記スイッチの出力信号と中心周波数推定手段で
求めた中心周波数から、不要信号の帯域幅を推定する帯
域幅推定手段、(f)上記帯域幅推定手段の出力に基づ
いて最適なノッチフィルタを選択するノッチフィルタ選
択手段、(g)上記ノッチフィルタ選択手段により選択
されたノッチフィルタの荷重を、上記最大・最小値除去
平均手段の出力に基づいて調整するフィルタ荷重調整手
段、(h)上記フィルタ荷重調整手段で求めた荷重に基
づいて受信信号の持つ不要信号を抑圧するフィルタ処理
部、(i)上記フィルタ処理部に転送する信号を受信信
号とするか、上記周波数域選択手段に接続されているス
イッチの出力信号にするかを選択するスイッチ、(j)
上記フィルタ処理部の出力を本不要信号抑圧装置の出力
信号として出力するか、前記周波数域選択手段に接続さ
れているスイッチに転送するかを選択するスイッチ。
【0023】第5の発明に係わる不要信号抑圧装置で
は、以下の(a)〜(c)を有し、受信信号を分岐して
高周波数域通過フィルタと低周波数域通過フィルタで夫
々処理した後、同等の処理を並列に実行することを特徴
としたものである。 (a)受信信号を分岐して入力し、所望の高周波数成分
を抽出する高周波数域通過フィルタ、(a1)上記高周
波数域通過フィルタの出力信号から距離毎に不要信号の
中心周波数を随時推定する中心周波数推定手段、(a
2)上記中心周波数推定手段の出力に基づいて、中央値
を求めて出力するメディアンフィルタ、(a3)上記高
周波数域通過フィルタの出力信号と中心周波数推定手段
の出力から、不要信号の帯域幅を推定する帯域幅推定手
段、(a4)上記帯域幅推定手段の出力に基づいて最適
なノッチフィルタを選択するノッチフィルタ選択手段、
(a5)上記ノッチフィルタ選択手段により選択された
ノッチフィルタの荷重を、上記メディアンフィルタの出
力に基づいて調整するフィルタ荷重調整手段、 (b)受信信号を分岐して入力し、所望の低周波数成分
を抽出する低周波数域通過フィルタ、(b1)上記低周
波数域通過フィルタの出力信号から距離毎に不要信号の
中心周波数を随時推定する中心周波数推定手段、(b
2)上記中心周波数推定手段の出力に基づいて、中央値
を求めて出力するメディアンフィルタ、(b3)上記低
周波数域通過フィルタの出力信号と中心周波数推定手段
の出力から、不要信号の帯域幅を推定する帯域幅推定手
段、(b4)上記帯域幅推定手段の出力に基づいて最適
なノッチフィルタを選択するノッチフィルタ選択手段、
(b5)上記ノッチフィルタ選択手段により選択された
ノッチフィルタの荷重を、上記メディアンフィルタの出
力に基づいて調整するフィルタ荷重調整手段、 (c)上記フィルタ荷重調整手段により計算された荷重
に基づいて受信信号の持つ不要信号を抑圧するフィルタ
処理部。
【0024】第6の発明に係わる不要信号抑圧装置で
は、以下の要素を備えて構成したものである。 (a)受信信号を分岐して入力し、所望の高周波数成分
を抽出する高周波数域通過フィルタ、(a1)上記高周
波数域通過フィルタの出力信号から距離毎に不要信号の
中心周波数を随時推定する中心周波数推定手段、(a
2)上記中心周波数推定手段の出力に基づいて最大値と
最小値を除いて平均化を行なう最大・最小値除去平均手
段、(a3)上記高周波数域通過フィルタの出力信号と
中心周波数推定手段で求めた中心周波数から、不要信号
の帯域幅を推定する帯域幅推定手段、(a4)上記帯域
幅推定手段の出力に基づいて最適なノッチフィルタを選
択するノッチフィルタ選択手段、(a5)上記ノッチフ
ィルタ選択手段により選択されたノッチフィルタの荷重
を、上記最大・最小値除去平均手段の出力に基づいて調
整するフィルタ荷重調整手段、 (b)受信信号を分岐して入力し、所望の低周波数成分
を抽出する低周波数域通過フィルタ、(b1)上記低周
波数域通過フィルタの出力信号から距離毎に不要信号の
中心周波数を随時推定する中心周波数推定手段、(b
2)上記中心周波数推定手段の出力に基づいて最大値と
最小値を除いて平均化を行なう最大・最小値除去平均手
段、(b3)上記低周波数域通過フィルタの出力信号と
中心周波数推定手段で求めた中心周波数から、不要信号
の帯域幅を推定する帯域幅推定手段、(b4)上記帯域
幅推定手段の出力に基づいて最適なノッチフィルタを選
択するノッチフィルタ選択手段、(b5)上記ノッチフ
ィルタ選択手段により選択されたノッチフィルタの荷重
を、上記最大・最小値除去平均手段の出力に基づいて調
整するフィルタ荷重調整手段、 (c)上記フィルタ荷重調整手段により計算された荷重
に基づいて受信信号の持つ不要信号を抑圧するフィルタ
処理部。
【0025】
【作用】第1の発明における不要信号抑圧装置は、不要
信号であるクラッタの数と中心周波数と帯域幅を推定
し、2つの異なる周波数にノッチを有するノッチフィル
タの振幅特性をクラッタに応じて選択し、ノッチ周波数
のみを調整してクラッタ抑圧処理を行なうと共に、クラ
ッタの中心周波数推定時にメディアンフィルタを使用す
るものである。
【0026】第2の発明における不要信号抑圧装置は、
クラッタの数と中心周波数と帯域幅を推定し、2つの異
なる周波数にノッチを有するノッチフィルタの振幅特性
をクラッタに応じて選択し、ノッチ周波数のみを調整し
てクラッタ抑圧処理を行なうと共に、クラッタの中心周
波数推定時に最大値と最小値を除去して平均化するもの
である。
【0027】第3の発明における不要信号抑圧装置は、
前処理のフィルタで選別された単一クラッタの中心周波
数と帯域幅を推定し、それに応じて選択されたノッチフ
ィルタでこれを抑圧する処理を繰り返して行うと共に、
クラッタの中心周波数推定時にメディアンフィルタを使
用するものである。
【0028】第4の発明における不要信号抑圧装置は、
前処理のフィルタで選別された単一クラッタの中心周波
数と帯域幅を推定し、それに応じて選択されたノッチフ
ィルタでこれを抑圧する処理を繰り返して行うと共に、
クラッタの中心周波数推定時に最大値と最小値を除去し
て平均化するものである。
【0029】第5の発明における不要信号抑圧装置は、
前処理のフィルタで選別された単一クラッタの中心周波
数と帯域幅を推定し、それに応じて選択されたノッチフ
ィルタでこれを抑圧する処理を並列に行うと共に、クラ
ッタの中心周波数推定時にメディアンフィルタを使用す
るものである。
【0030】第6の発明における不要信号抑圧装置は、
前処理のフィルタで選別された単一クラッタの中心周波
数と帯域幅を推定し、それに応じて選択されたノッチフ
ィルタでこれを抑圧する処理を並列に行うと共に、クラ
ッタの中心周波数推定時に最大値と最小値を除去して平
均化するものである。
【0031】
【実施例】
実施例1.以下、この発明の一実施例を図について説明
する。図中、従来例と同一または同等部分は同一符号を
付し、重複説明を省く。図1において、30はクラッタ
の数を推定するクラッタ数判定手段、1は周波数域選択
手段、2dは信号の転送経路を切り換えるスイッチ、3
は入力信号中のクラッタドップラ周波数を推定する中心
周波数推定手段、4は中心周波数推定手段から転送され
た中心周波数の中間値を計算して出力するメディアンフ
ィルタ、5はクラッタのスペクトル帯域幅を推定する帯
域幅推定手段、10は帯域幅推定手段5の出力から、そ
のクラッタを抑圧するのに最適と思われる予め設計した
周波数の異なる2つのノッチを有するカットオフ特性の
急峻なノッチフィルタを選択し、その係数を出力する双
ノッチフィルタ選択手段、7は双ノッチフィルタ選択手
段10から転送される係数と、メディアンフィルタ4か
ら転送される中心周波数とからノッチフィルタ荷重を計
算することにより、ノッチフィルタのノッチ周波数をク
ラッタに対して移動させるフィルタ荷重調整手段、8a
はフィルタ荷重調整手段から転送されるノッチフィルタ
荷重を用いて受信信号の処理をおこなうフィルタ処理部
である。なお、以下の説明では便宜上、周波数域選択手
段1はHPFであるとする。
【0032】レーダ受信機では、海面からの不要エコー
であるクラッタを受信する。このクラッタがブラック散
乱によって生じた場合、図2のように正負双方のドップ
ラ周波数域に上記クラッタが出現することが多い。そこ
で、本実施例では、まず受信信号に対してFETなどに
よるフーリエ変換を施し、クラッタのピークの数をしき
い値検出する。例えばピーク数が2の場合には、クラッ
タ数は2と判定されスイッチ2dはIに設定される。次
いで受信信号は周波数域選択手段1により、正のドップ
ラ周波数領域に存在するクラッタのみが抽出され中心周
波数推定手段3に転送される。ピーク数が1の場合に
は、クラッタ数は1と判定されスイッチ2dはIIに設
定されるので、受信信号がそのまま中心周波数推定手段
3に転送される。
【0033】今、クラッタ中心周波数推定方法の原理を
解析的に説明するために、中心周波数推定手段3の入力
信号xk (n)が次式の数学モデルで与えられたとす
る。 xk (n)=S・exp[j2πfs ]・Δk0,k +C(k)・[j2πfc ] +e(n) (6) ただし、C(k):複素ガウス信号(クラッタ) S:目標信号振幅 Δk0,k:クロネッカのデルタ記号 e(n):複素ガウス信号(受信機雑音) fs :目標信号周波数 fc :クラッタ中心周波数 k:レンジビン番号 n:ヒット番号 burgの方法に基いてラティス反射係数ρk を計算す
ると式(7)で表せられる。
【0034】
【数3】
【0035】ただし、E[ ]は平均操作を示す。ここ
で、式(6)を式(7)に代入し、目標信号、クラッ
タ、受信機雑音は互いに統計的に独立であったことを考
慮すると式(8)が得られる。
【0036】
【数4】
【0037】更に、目標信号電力、受信機雑音電力はク
ラッタ電力に比較して無視できるとすると式(8)は式
(9)の形に近似できる。 ρk =esp[j2πfc ] (9) よって、ラティス反射係数ρk を用いて式(10)の演
算を行うことで、クラッタの中心周波数が推定できる。 fc ={arctan(Qρk /Iρk )}/2π (10) ただし、QρK :ρK の虚部 Iρk :ρk の実部
【0038】中心周波数推定手段3で計算された中心周
波数は、メディアンフィルタ4に転送される。メディア
ンフィルタ4では、まず入力された複数の中心周波数が
ソーティング即ち値の小さなものから大きなものへと並
び換えられ、番号がつけられる。そして、その中間の番
号に相当する値がメディアンフィルタ4の出力信号とし
て選択され、フィルタ荷重調整手段7に転送される。
【0039】一方、中心周波数推定手段3に入力される
信号は分岐され、帯域幅推定手段5に転送される。帯域
幅推定手段5では、入力信号中のクラッタのスペクトル
帯域幅を推定し、その結果を双ノッチフィルタ選択手段
10に転送する。この帯域幅推定手段5の動作の詳細
は、別途説明する。双ノッチフィルタ選択手段10で
は、帯域幅推定手段5で推定された帯域幅を入力し、式
(11)に示す演算を行って最適なノッチフィルタを決
定する。この場合、ノッチフィルタ係数とその阻止域幅
はROMのような記憶装置に記憶しておく。 dif=(BWf (L)−BWe ) (11) L=1,LL ここで、dif→minとする。 ただし、LL:設計したノッチフィルタの総数 BWf (L):L番目のノッチフィルタの阻止域幅 BWe :推定したクラッタの帯域幅
【0040】フィルタ荷重調整手段7では、例えば所望
の振幅特性を有するディジタルノッチフィルタの係数か
らフィルタ処理部8aに転送するノッチフィルタ荷重を
計算する。図2に示すブラッグ散乱によるクラッタのド
ップラスペクトルの間隔fBは一般に式(12)から計
算できることが多く、ノッチ周波数の間隔をfB に合わ
せておけば、一方のクラッタのドップラ周波数を推定し
て、一方のノッチをそのクラッタドップラ周波数に移動
させるだけで、双方のクラッタを抑圧することができ
る。 fB =(g/πλ)0.5 (12) ただし、g:重力加速度 λ:電波波長
【0041】一般に、FIR(Finite Impu
lse Response)型のノッチフィルタ設計時
の係数は実数であり、そのままの係数値をノッチフィル
タの荷重値として用いると、ノッチフィルタのノッチは
図3のようにクラッタのドップラ周波数から外れた周波
数に形成され、クラッタは除去できない。そこでフィル
タ荷重調整手段10では、この係数値と推定周波数決定
手段3から転送されたクラッタドップラ中心周波数f0
を用いて、式(13)に示す演算を行うことにより、図
4に示すようにノッチフィルタのノッチを推定したクラ
ッタドップラ中心周波数に対して形成するようノッチフ
ィルタ荷重を調整する。 ai =di ・exp[j2πf0 ・i] (13) i=0,1,・・・,L ただし、L:ノッチフィルタ段数、di :調整前ノッチ
フィルタ荷重
【0042】計算された荷重ai は、フィルタ処理部8
aへ転送される。フィルタ処理部8aでは、図2に示す
ノッチフィルタ(ここでFIR型フィルタ)へ式(1
3)の荷重ai を適用し、受信信号のフィルタリングを
行う。即ち、式(14)の演算を行う。
【0043】
【数5】
【0044】式(14)により、推定したクラッタドッ
プラ中心周波数領域のクラッタ成分が除去される。
【0045】さて、帯域幅推定手段の動作について説明
する。本発明では、前記ブラッグ散乱によるクラッタの
ドップラスペクトルは、ガウス関数で模擬できるものと
考え、AR(Auto−Regressive)モデル
でこれを推定している。平均値0、標準偏差σのガウス
関数を図5に示す。このようなガウス関数をS(f)と
すると、次の式(15)が成り立つ。 S(σ)=exp[−0.5]×S(0) (15) また、AR係数Am (m=1,2)によるパワースペク
トルは、次の式(16)で表される。
【0046】
【数6】
【0047】上記AR係数は、レンジビン番号、ヒット
番号の情報を含めて記すと、式(18)〜(21)の漸
化式によって得られる。初期値は次式で与えられる。 f0 (k,n)=X(k,n) (17a) b0 (k,n)=X(k,n) (17b)
【0048】
【数7】
【0049】式(15)に式(16)を代入して整理す
ると、次の式(22)が得られる。
【0050】
【数8】
【0051】式(22)の4次方程式を解いてα、即ち
σを求めた後、式(23)に従って帯域幅BWe を計算
する。 BWe =2.35482×σ (23) ただし、4次方程式の解は4つ得られるので、これらの
解から適切なものを選択する必要がある。ここでは、式
(22)の4次方程式の解から選択されるべき値はσの
2π倍の値であるから、(1)整数であること、(2)
2π以下の値を示すこと、を条件に選択する。これで1
つに絞れ切れない場合は、クラッタ抑圧フィルタの阻止
域幅がクラッタの阻止域幅より大きくないとクラッタを
除去することができないので、残された解のうち最大値
を推定した帯域幅として出力する。
【0052】実施例2.次に、第2の実施例を説明す
る。図6において、従来例及び上記実施例と同等部分は
同一符号を付し、重複説明を省く。上記第1の発明の実
施例と相違するところは、メディアンフィルタの代わり
に、入力される複数の中心周波数の最大値と最小値を除
去した後に平均操作を行う、最大値・最小値除去平均手
段を設けた点である。メディアンフィルタでは、中間値
を出力するためにデータのソーティングを行っており、
ある程度処理に時間が必要である。この実施例では、中
間値を選択する代わりに最大値・最小値を除去してから
平均操作を行うことで、演算量を軽減しメディアンフィ
ルタを使用した場合とほぼ同等の性能を得ることができ
る。
【0053】実施例3.次に、第3の実施例を説明す
る。図7において、従来例及び上記実施例と同等部分は
同一符号を付し、重複説明を省く。上記第1の実施例と
相違するところは、信号の転送先を制御するスイッチを
3か所に設け、単一周波数に対してノッチを形成するノ
ッチフィルタをシリアルに2度使用して双方のクラッタ
を抑圧する点である。なお、以下の説明では、便宜上周
波数域選択手段1はHPFであるとする。第1及び第2
の実施例では、正負双方に出現するクラッタを抑圧する
ために、ノッチを2つ有するノッチフィルタを使用し
た。これは、多くの場合クラッタ間の周波数間隔fB
式(12)で計算できることが前提となっていたが、海
面の状態や天候によっては、式(12)が成り立たない
場合も考えられる。本実施例では、このような場合にも
対応できるように、まず、周波数域選択手段により、正
の周波数に存在するクラッタを抽出する。このとき各ス
イッチ2a,2b,2cはIに設定される。この信号を
中心周波数推定手段3の入力信号として、クラッタの中
心周波数を推定し、メディアンフィルタにより中間値を
選択する。スイッチ2cの出力信号は分岐されて帯域幅
推定手段5に転送され、クラッタの帯域幅が推定され、
この結果に基づいてノッチフィルタが選択される。メデ
ィアンフィルタの出力であるクラッタ中心周波数の推定
値を用いてノッチフィルタ選択手段から転送される係数
がフィルタ荷重調整手段で調整され、フィルタ処理部8
aに転送される。フィルタ処理部では受信信号に対して
上記フィルタ荷重調整手段で係数を調整されたノッチフ
ィルタでフィルタリングが行われ、正の周波数領域のク
ラッタが抑圧される。しかし、この時点では負の周波数
領域のクラッタが抑圧されずに残っているので、スイッ
チ2bにより、フィルタ処理部の出力信号はスイッチ2
cへ転送される。ここで、各スイッチはIからIIへ設
定され、フィルタ処理部の出力信号は再度中心周波数3
に入力される。そして同様な処理が本信号に施されるの
で、残りのクラッタがフィルタ処理部で抑圧され、クラ
ッタ抑圧後の信号のスイッチ2bの出力信号として得ら
れる。
【0054】実施例4.次に、第4の実施例を説明す
る。図8において、従来例及び上記実施例と同等部分は
同一符号を付し、重複説明を省く。上記第3の実施例と
相違するところは、メディアンフィルタの代わりに、入
力される複数の中心周波数の最大値と最小値を除去した
後に平均操作を行う、最大値・最小値除去平均手段を設
けた点である。メディアンフィルタでは、中間値を出力
するためにデータのソーティングを行っており、ある程
度処理に時間が必要である。第4の実施例では、中間値
を選択する代わりに最大値・最小値を除去してから平均
操作を行うことで、演算量を軽減しメディアンフィルタ
を使用した場合とほぼ同等の性能を得ることができる。
【0055】実施例5.次に、第5の実施例を説明す
る。図9において、従来例及び上記実施例と同等部分は
同一符号を付し、重複説明を省く。上記第1〜第4の実
施例と相違するところは、前処理のフィルタとして、高
周波数域通過フィルタと低周波数域通過フィルタを並列
に設け、夫々のフィルタの出力信号に対して並列に同等
の処理を行うよう装置を構成した点である。まず、受信
信号は分岐されて夫々高周波数域通過フィルタ、低周波
数域通過フィルタに転送される。これらのフィルタで
は、正の周波数領域に存在するクラッタ、負の周波数領
域に存在するクラッタが夫々抽出される。以下他の実施
例と同様にクラッタの中心周波数、帯域幅が推定され、
これに基づきノッチフィルタが選択される一連の処理が
並列に行われる。選択されて調整された2種類のノッチ
フィルタの係数は、フィルタ処理部に転送され、受信信
号中のクラッタは夫々のドップラ周波数にノッチを形成
するノッチフィルタによってフィルタリングされるの
で、クラッタが抑圧された出力信号が得られる。なお、
並列化を行うことによりH/W量が増大するデメリット
があるが、これは並列処理アーキテクチャ、並列プロセ
ッサの導入により対応できる。
【0056】実施例6.次に、第6の実施例を説明す
る。図10において、従来例及び上記実施例と同等部分
は同一符号を付し、重複説明を省く。上記第5の実施例
と相違するところは、メディアンフィルタの代わりに、
入力される複数の中心周波数の最大値と最小値を除去し
た後に平均操作を行う、最大値・最小値除去平均手段を
設けた点である。メディアンフィルタでは、中間値を出
力するためにデータのソーティングを行っており、ある
程度処理に時間が必要である。第4の実施例では、中間
値を選択する代わりに最大値・最小値を除去してから平
均操作を行うことで、演算量を軽減しメディアンフィル
タを使用した場合とほぼ同等の性能を得ることができ
る。
【0057】
【発明の効果】以上のように、請求項1の発明によれ
ば、ブラッグ散乱によって生じるクラッタのドップラ周
波数間隔が送信周波数により決定できる状況であれば、
2つのノッチを有するカットオフ特性の急峻なノッチフ
ィルタを用意し、入力信号中の一方のクラッタドップラ
周波数を推定してその周波数にノッチを移動させてクラ
ッタを抑圧することにより、クラッタと同時にドップラ
周波数の近接した目標信号を受信した場合でも、クラッ
タ抑圧性能と共に目標信号保存性能を確保できる効果が
ある。また、メディアンフィルタを設けたので、中心周
波数推定時に目標信号の情報を含んでいても、目標信号
の影響を受けずにクラッタを抑圧することができる装置
を提供できるという効果がある。
【0058】請求項2,4,6の発明によれば、メディ
アンフィルタの代わりに入力データの最大値と最小値を
除去して平均操作を行う手段を設けたので、請求項1の
発明におけるクラッタ処理の演算量を低減した装置を提
供できるという効果がある。
【0059】請求項3の発明によれば、単一のノッチを
有するノッチフィルタによる処理をシリアルに複数回行
うことにより、ブラッグ散乱によるクラッタのドップラ
周波数間隔が送信周波数により決定できないような状況
であっても、請求項1の発明と同等な性能が得られる装
置を提供できるという効果がある。
【0060】請求項5の発明によれば、請求項3の発明
でシリアルに行っている処理を並列に行うことにより、
処理が高速化された装置を提供できるという効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例1を示す構成図である。
【図2】この発明の実施例1の動作を説明するための周
波数スペクトル図である。
【図3】この発明の実施例1の動作を説明するための周
波数スペクトル図である。
【図4】この発明の実施例1の動作を説明するための周
波数スペクトル図である。
【図5】この発明の実施例1の動作を説明するための周
波数スペクトル図である。
【図6】この発明の実施例2を示す構成図である。
【図7】この発明の実施例3を示す構成図である。
【図8】この発明の実施例4を示す構成図である。
【図9】この発明の実施例5を示す構成図である。
【図10】この発明の実施例6を示す構成図である。
【図11】従来装置の構成を示すブロック図である。
【図12】従来例の動作を説明するための周波数スペク
トル図である。
【図13】従来例の動作を説明するための周波数スペク
トル図である。
【符号の説明】
1 周波数域選択手段 2a,2b,2c,2d スイッチ 3,3a,3b 中心周波数推定手段 4,4a,4b メディアンフィルタ 5,5a,5b 帯域幅推定手段 6,6a,6b ノッチフィルタ選択手段 7,7a,7b フィルタ荷重調整手段 8a,8b フィルタ処理部 9,9a,9b 最大・最小値除去手段 10 双ノッチフィルタ選択手段 30 不要信号数判定手段 31 LPF 32 HPF
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 原沢 康弘 神奈川県鎌倉市大船五丁目1番1号 三菱 電機株式会社電子システム研究所内 (72)発明者 桐本 哲郎 神奈川県鎌倉市大船五丁目1番1号 三菱 電機株式会社電子システム研究所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーダにおいて、以下の要素を有する不
    要信号抑圧装置 (a)受信信号を入力し、受信信号中の不要信号数を求
    める不要信号数判定手段、(b)上記不要信号数判定手
    段の結果に基づき受信信号の転送経路を選択するスイッ
    チ、(c)上記スイッチにより転送された受信信号を入
    力し、所定の周波数成分を抽出する周波数域選択手段、
    (d)上記周波数域選択手段の出力信号から不要信号の
    中心周波数を随時推定する中心周波数推定手段、(e)
    上記中心周波数推定手段の出力に基づいて中央値を求め
    て出力するメディアンフィルタ、(f)受信信号中の所
    定の周波数成分と中心周波数推定手段で求めた中心周波
    数から、不要信号の帯域幅を推定する帯域幅推定手段、
    (g)上記帯域幅推定手段の出力に基づいて少なくとも
    2つのノッチを有する最適なノッチフィルタを選択する
    双ノッチフィルタ選択手段、(h)上記双ノッチフィル
    タ選択手段により選択されたノッチフィルタの荷重を、
    上記メディアンフィルタの出力に基づいて調整するフィ
    ルタ荷重調整手段、(i)上記フィルタ荷重調整手段で
    求めた荷重に基づいて受信信号の持つ不要信号を抑圧す
    るフィルタ処理部。
  2. 【請求項2】 レーダにおいて、以下の要素を有する不
    要信号抑圧装置 (a)受信信号を入力し、受信信号中の不要信号数を求
    める不要信号数判定手段、(b)上記不要信号数判定手
    段の結果に基づき受信信号の転送経路を選択するスイッ
    チ、(c)上記スイッチにより転送された受信信号を入
    力し、所定の周波数成分を抽出する周波数域選択手段、
    (d)上記周波数域選択手段の出力信号から不要信号の
    中心周波数を随時推定する中心周波数推定手段、(e)
    上記中心周波数推定手段の出力に基づいて最大値と最小
    値を除いて平均化を行なう最大・最小値除去平均手段、
    (f)受信信号中の所定の周波数成分と中心周波数推定
    手段で求めた中心周波数から、不要信号の帯域幅を推定
    する帯域幅推定手段、(g)上記帯域幅推定手段の出力
    に基づいて少なくとも2つのノッチを有する最適なノッ
    チフィルタを選択する双ノッチフィルタ選択手段、
    (h)上記双ノッチフィルタ選択手段により選択された
    ノッチフィルタの荷重を、上記最大・最小値除去平均手
    段の出力に基づいて調整するフィルタ荷重調整手段、
    (i)上記フィルタ荷重調整手段で求めた荷重に基づい
    て受信信号の持つ不要信号を抑圧するフィルタ処理部。
  3. 【請求項3】 レーダにおいて、以下の要素を有する不
    要信号抑圧装置 (a)受信信号を入力し、所定の周波数成分を抽出する
    周波数域選択手段、(b)上記周波数域選択手段の出力
    信号か一度処理済の信号の一方を選択して出力するスイ
    ッチ、(c)上記スイッチの出力信号から不要信号の中
    心周波数を随時推定する中心周波数推定手段、(d)上
    記中心周波数推定手段の出力に基づいて中央値を求めて
    出力するメディアンフィルタ、(e)受信信号中の所定
    の周波数成分と中心周波数推定手段で求めた中心周波数
    から、不要信号の帯域幅を推定する帯域幅推定手段、
    (f)上記帯域幅推定手段の出力に基づいて最適なノッ
    チフィルタを選択するノッチフィルタ選択手段、(g)
    上記ノッチフィルタ選択手段により選択されたノッチフ
    ィルタの荷重を、上記メディアンフィルタの出力に基づ
    いて調整するフィルタ荷重調整手段、(h)上記フィル
    タ荷重調整手段で求めた荷重に基づいて受信信号の持つ
    不要信号を抑圧するフィルタ処理部、(i)上記フィル
    タ処理部に転送する信号を受信信号とするか、上記周波
    数域選択手段に接続されているスイッチの出力信号にす
    るかを選択するスイッチ、(j)上記フィルタ処理部の
    出力を本不要信号抑圧装置の出力信号として出力する
    か、前記周波数選択手段に接続されているスイッチに転
    送するかを選択するスイッチ。
  4. 【請求項4】 レーダにおいて、以下の要素を有する不
    要信号抑圧装置 (a)受信信号を入力し、所定の周波数成分を抽出する
    周波数域選択手段、(b)上記周波数域選択手段の出力
    信号か一度処理済の信号の一方を選択して出力するスイ
    ッチ、(c)上記スイッチの出力信号から不要信号の中
    心周波数を随時推定する中心周波数推定手段、(d)上
    記中心周波数推定手段の出力に基づいて最大値と最小値
    を除いて平均化を行なう最大・最小値除去平均手段、
    (e)受信信号中の所定の周波数成分と中心周波数推定
    手段で求めた中心周波数から、不要信号の帯域幅を推定
    する帯域幅推定手段、(f)上記帯域幅推定手段の出力
    に基づいて最適なノッチフィルタを選択するノッチフィ
    ルタ選択手段、(g)上記ノッチフィルタ選択手段によ
    り選択されたノッチフィルタの荷重を、上記最大・最小
    値除去平均手段の出力に基づいて調整するフィルタ荷重
    調整手段、(h)上記フィルタ荷重調整手段で求めた荷
    重に基づいて受信信号の持つ不要信号を抑圧するフィル
    タ処理部、(i)上記フィルタ処理部に転送する信号を
    受信信号とするか、上記周波数域選択手段に接続されて
    いるスイッチの出力信号にするかを選択するスイッチ、
    (j)上記フィルタ処理部の出力を本不要信号抑圧装置
    の出力信号として出力するか、前記周波数選択手段に接
    続されているスイッチに転送するかを選択するスイッ
    チ。
  5. 【請求項5】 レーダにおいて、以下の要素を有する不
    要信号抑圧装置 (a)受信信号を分岐して入力し、所望の高周波数成分
    を抽出する高周波数域通過フィルタ、(a1)上記高周
    波数域通過フィルタの出力信号から不要信号の中心周波
    数を随時推定する中心周波数推定手段、(a2)上記中
    心周波数推定手段の出力に基づいて、中央値を求めて出
    力するメディアンフィルタ、(a3)上記高周波数域通
    過フィルタの出力信号と中心周波数推定手段で求めた中
    心周波数から、不要信号の帯域幅を推定する帯域幅推定
    手段、(a4)上記帯域幅推定手段の出力に基づいて最
    適なノッチフィルタを選択するノッチフィルタ選択手
    段、(a5)上記ノッチフィルタ選択手段により選択さ
    れたノッチフィルタの荷重を、上記メディアンフィルタ
    の出力に基づいて調整するフィルタ荷重調整手段、 (b)受信信号を分岐して入力し、所望の低周波数成分
    を抽出する低周波数域通過フィルタ、(b1)上記低周
    波数域通過フィルタの出力信号から不要信号の中心周波
    数を随時推定する中心周波数推定手段、(b2)上記中
    心周波数推定手段の出力に基づいて、中央値を求めて出
    力するメディアンフィルタ、(b3)上記低周波数域通
    過フィルタの出力信号と中心周波数推定手段で求めた中
    心周波数から、不要信号の帯域幅を推定する帯域幅推定
    手段、(b4)上記帯域幅推定手段の出力に基づいて最
    適なノッチフィルタを選択するノッチフィルタ選択手
    段、(b5)上記ノッチフィルタ選択手段により選択さ
    れたノッチフィルタの荷重を、上記メディアンフィルタ
    の出力に基づいて調整するフィルタ荷重調整手段、 (c)上記フィルタ荷重調整手段により計算された荷重
    に基づいて受信信号の持つ不要信号を抑圧するフィルタ
    処理部。
  6. 【請求項6】 レーダにおいて、以下の要素を有する不
    要信号抑圧装置 (a)受信信号を分岐して入力し、所望の高周波数成分
    を抽出する高周波数域通過フィルタ、(a1)上記高周
    波数域通過フィルタの出力信号から不要信号の中心周波
    数を随時推定する中心周波数推定手段、(a2)上記中
    心周波数推定手段の出力に基づいて最大値と最小値を除
    いて平均化を行なう最大・最小値除去平均手段、(a
    3)上記高周波数域通過フィルタの出力信号と中心周波
    数推定手段で求めた中心周波数から、不要信号の帯域幅
    を推定する帯域幅推定手段、(a4)上記帯域幅推定手
    段の出力に基づいて最適なノッチフィルタを選択するノ
    ッチフィルタ選択手段、(a5)上記ノッチフィルタ選
    択手段により選択されたノッチフィルタの荷重を、上記
    最大・最小値除去平均手段の出力に基づいて調整するフ
    ィルタ荷重調整手段、 (b)受信信号を分岐して入力し、所望の低周波数成分
    を抽出する低周波数域通過フィルタ、(b1)上記低周
    波数域通過フィルタの出力信号から不要信号の中心周波
    数を随時推定する中心周波数推定手段、(b2)上記中
    心周波数推定手段の出力に基づいて最大値と最小値を除
    いて平均化を行なう最大・最小値除去平均手段、(b
    3)上記低周波数域通過フィルタの出力信号と中心周波
    数推定手段で求めた中心周波数から、不要信号の帯域幅
    を推定する帯域幅推定手段、(b4)上記帯域幅推定手
    段の出力に基づいて最適なノッチフィルタを選択するノ
    ッチフィルタ選択手段、(b5)上記ノッチフィルタ選
    択手段により選択されたノッチフィルタの荷重を、上記
    最大・最小値除去平均手段の出力に基づいて調整するフ
    ィルタ荷重調整手段、 (c)上記フィルタ荷重調整手段により計算された荷重
    に基づいて受信信号の持つ不要信号を抑圧するフィルタ
    処理部。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR102065538B1 (ko) * 2019-08-08 2020-01-13 한화시스템(주) 재밍신호 보상장치 및 그 방법

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