JPH0743427Y2 - オーバーヘッド式ドア - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、ドア本体の収納スペースに規制がある場合
のオーバーヘッド式ドアに係り、詳しくは、建物構造に
よってはドア本体の収納スペースである屋内側天井高さ
および奥行き方向に規制がある場合や、天井側に梁が出
ている場合でも、設置することができるオーバーヘッド
式ドアに関するものである。

〔従来の技術〕

一般に、オーバーヘッド式ドアは、間口開口部の躯体側
に設けた垂直レール部と水平レール部とからなるガイド
レールにドア本体を収嵌し、このドア本体を常時吊り上
げ方向に付勢するスプリングなどの付勢手段を設けてド
ア本体のバランスを維持し、上記ガイドレールに沿って
上記ドア本体を垂直レール部から水平レール部側に送り
こんで収納するものである。

このオーバーヘッド式ドアは、間口開口部が大きい場合
でもドア本体とスプリングのバランスにより、手動で容
易に開閉でき、また開閉速度もスピーディなために、開
閉スピードが要求される消防署、倉庫等に設置されてい
る。

しかし、オーバーヘッド式ドアは、間口開口部の有効高
さに対してその高さ分のドア本体をそのままの形で屋内
側に収納するので、屋内側にドア本体の収納スペースが
必要になり、建物構造により天井高さが充分とれず、し
かも、奥行き寸法に規制がある場合や、天井から梁が出
ている場合には、オーバーヘッド式ドアを設置すること
ができず採用されなかった。

したがって、上記のような規制がある場合には、止むを
得ず、スラットを連結したシャッターカーテンを巻取シ
ャフトに直接巻取るいわゆる電動式，チェーン式，ある
いはバランス式形態がある通常のシャッターを設置して
いた。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかしながら、上記従来のシャッターでは、シャッター
カーテンを巻取シャフトに直接巻取るため、巻取時のス
ラット同士のきしみ音は避けられず、また間口開口部が
大きい場合には、電動式のものにしなければならず、電
力コスト、停電時の問題があり、しかも、開閉スピード
が遅いというような問題点があった。

この考案は、上記問題点に鑑みてなされたもので、ドア
本体の収納スペースである屋内側天井高さおよび、奥行
き方向に規制がある場合でも、設置することができるオ
ーバーヘッド式ドアを提供することを目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

この考案は、上記の目的を達成するために、垂直レール
部と水平レール部とからなるガイドレールにドア本体を
収嵌し、このドア本体を常時吊り上げ方向に付勢する付
勢手段を設け、上記ガイドレールに沿って上記ドア本体
を垂直レール部から水平レール部側に送りこんで収納す
るオーバーヘッド式ドアにおいて、上記水平レール部の
先端側を下向方向に折曲して下向レール部を形成し、そ
の下向レール部にドア本体の先端が当接するパネルを滑
動自在に収嵌すると共に、該パネルを介して下向レール
部にあるドア本体を閉鎖側に付勢する引戻機によるバラ
ンス手段を設けたオーバーヘッド式ドアを構成したもの
である。

〔作用〕

この考案によれば、水平レール部の先端側を下向方向に
折曲して下向レール部を形成し、その下向レール部にド
ア本体を閉鎖側に付勢するバランス手段を設けたことに
より、ドア本体が下向レール部に移動すると、ドア本体
の先端側は上方に引戻すバランス手段に当接しつつ収納
されることになり、ドア本体のバランスが維持されるこ
とになる。すなわち、ドア本体の上部側に荷重が移動す
る収納状態を、バランス手段により常にドア本体を閉鎖
側に付勢状態としているので、ドア閉鎖時にその操作力
が小さくてすむことになる。よって、ドア本体の収納ス
ペースである屋内側天井高さおよび、奥行き方向に規制
がある場合でもオーバーヘッド式ドアを設置することが
できる。

〔実施例〕

この考案に係る一実施例を図面に基づいて説明する。

図面の第１図はオーバーヘッド式ドアの閉鎖状態を示す
側面図、第２図はオーバーヘッド式ドアの開放状態を示
す側面図、第３図はオーバーヘッド式ドアの内観正面図
である。

第１図から第３図に示すようにオーバーヘッド式ドアＡ
は、ドア本体１と、このドア本体１を案内するガイドレ
ール２と、ドア本体１を吊り上げ方向に付勢する付勢手
段３と、ガイドレール２の下向レール部2aに設けたバラ
ンス手段Ｂで構成している。

上記ドア本体１は、第３図で示すように蝶番４を介して
上下向方向に複数のドアパネル５を連結してなり、この
ドアパネル５の両側端にそれぞれローラブラケットを介
してローラ６を設けている。

上記ガイドレール２は、間口開口部の両端に設けた垂直
レール部７と水平レール部８からなり、この水平レール
部８の先端側を下向方向に折曲して下向レール部2aを形
成している。

この下向レール部2aの下端部にはドア本体１の落下を防
止するストッパ2bを設けている。また、ガイドレール２
に上記ローラ６を収嵌して、ドア本体１を滑動自在にし
ている。

上記付勢手段３は、ドア本体１を吊下げるワイヤロープ
９と、そのワイヤロープ９を巻取自在にする巻取シャフ
ト10と、上記ワイヤロープ９を巻取方向に付勢する捩り
コイルスプリング11,11とからなる。

この巻取シャフト10の両側には、第３図で示すようにワ
イヤドラム12,12を、また中央部に捩りコイルスプリン
グ11,11を設け、上記ドア本体１の両側下端部1aに設け
た吊り元13とこのワイヤドラム12にそれぞれ上下端部を
接続した上記ワイヤロープ９を常時巻取方向に付勢し
て、ドア本体１をバランスさせ、安定状態に保持してい
る。

上記バランス手段Ｂは、下向レール部2aに設けてドア本
体１の先端1bが下向レール部2aに移動する時に、そのパ
ネル16が先導し、移動したときにドア本体１の先端側を
引上機17で上方に付勢すると共に、ドア本体１の先端1b
がストッパ2bとの接触衝撃を緩衝するもので、ガイドレ
ール２の下向レール部2aに収嵌したパネル16と、そのパ
ネル16を吊り上げ方向に付勢する引戻機17とからなる。

このパネル16の両側端前後にそれぞれガイドローラブラ
ケットを介してガイドローラ18を設け、パネル16を滑動
自在にしており、ドア本体１の上端部1bと当接するパネ
ル16の前端部16aに緩衝材を設けている。

上記引戻機17は、パネル16を吊り上げる引戻用ワイヤロ
ープ19と、その引戻用ワイヤロープ19を巻取自在にする
引戻用巻取シャフト20とからなる。

この引戻用巻取シャフト20の両側端は、下向レール部2a
の上方躯体に取付けたブラケット21に回動自在に支持さ
れており、この引戻用巻取シャフト20の両側に引戻用ワ
イヤドラム22を、また中央部に図示しない引戻用捩りコ
イルスプリングを設けている。

この引戻用捩りコイルスプリングは、一端を躯体側に取
付け、他端を引戻用巻取シャフト20に取付けて、上記パ
ネル16の両側後端部16bに設けた吊り元と、引戻用ワイ
ヤドラム22にそれぞれ上下端部を接続した上記引戻用ワ
イヤロープ19を常時巻取方向に付勢している。このた
め、上記パネル16は引戻機17により第１図に示すように
下向レール部2aの上部側に位置して待機する。

次にオーバーヘッド式ドアの作動および作用を説明す
る。

このオーバーヘッド式ドアＡは、ドア本体１をガイドレ
ール２の垂直レール部７側に移動して間口開口部を閉鎖
する。

また、ドア本体１を水平レール部８側に移動して間口開
口部を開放すると共に、ドア本体１を水平レール部８側
に収納するので、ドア本体１をガイドレール２に沿って
水平レール部８側へ移動すると、当初はドア本体１の上
端部1bがパネル16の前端部16aと当接する。ドア本体１
がさらに移動すると、第２図に示すようにドア本体１の
上端部1aはパネル16と共に下向レール部2aの下部に位置
する。

パネル16は、引戻機17により常時吊り上げ方向に付勢さ
れているので、下向レール部2aで下方に下がったドア本
体１の上端部1b側の重量分を上方向へ付勢しながら支え
て、ドア本体１のバランスを維持することができる。よ
って、ドア本体１の開閉操作は良好となる。

また、ドア本体１は、パネル16を介してストッパ2bに当
接するので、ドア本体１上端部1bが直接的に固定的なス
トッパに衝突するのとは異なり、衝撃が吸収されドア本
体１、とりわけその上端部1baを破損することがなくな
る。

そして、ドア本体１の上端部1bと当接し、ドア本体１を
押圧するのがパネル16であることにより面接触となるの
で、安定的に押圧することができる。

さらに、引戻用ワイヤロープ19と引戻用巻取シャフト20
とからなる引戻機17に代えて、一端を躯体側に、他端を
パネル16の吊り元に取付けた引張ばねであっても上記と
同様に作用する。

上記オーバーヘッド式ドアＡでは、ガイドレール２の水
平レール部８先端側を躯体に沿って下向方向に折曲した
下向レール部2aを形成したことにより、ドア本体の収納
スペースである屋内側天井高さおよび、奥行き方向に規
制がある場合でも、ガイドレール２を配置することがで
きる。

また、バランス手段Ｂを設けたことにより、常時ドア本
体１のバランスを維持することができる。よって、オー
バーヘッド式ドアを設置することができる。

〔考案の効果〕

この考案は以上のように構成したので、ドア本体の収納
スペースである屋内側天井高さおよび、奥行き方向に規
制がある場合でも、開閉スピードが早く、間口開口部が
大きい場合でも電動化する必要のないオーバーヘッド式
ドアを設置することができる。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の実施例に係り、第１図はオーバーヘッ
ド式ドアの閉鎖状態を示す側面図、第２図はオーバーヘ
ッド式ドアの開放状態を示す側面図、第３図はオーバー
ヘッド式ドアの内観正面図である。 Ａ……オーバーヘッド式ドア Ｂ……バランス手段、１……ドア本体 1a……下端部、1b……上端部 ２……ガイドレール、2a……下向レール部 ３……付勢手段、７……垂直レール部 ８……水平レール部、16……パネル 17……引戻機

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】垂直レール部と水平レール部とからなるガ
   イドレールにドア本体を収嵌し、このドア本体を常時吊
   り上げ方向に付勢する付勢手段を設け、上記ガイドレー
   ルに沿って上記ドア本体を垂直レール部から水平レール
   部側に送りこんで収納するオーバーヘッド式ドアにおい
   て、 上記水平レール部の先端側を下向方向に折曲して下向レ
   ール部を形成し、その下向レール部にドア本体の先端が
   当接するパネルを滑動自在に収嵌すると共に、該パネル
   を介して下向レール部にあるドア本体を閉鎖側に付勢す
   る引戻機によるバランス手段を設けたことを特徴とする
   オーバーヘッド式ドア。