JP2540323Y2 - 建築用シヤツター - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、建築物の開口部に取付
けられる建築用シヤツターに関するものである。

【０００２】

【従来技術及び考案が解決しようとする課題】一般に、
この種建築用シヤツターのなかには、例えばオーバーヘ
ツド式のものの如く、開口部左右両側のガイドレールに
案内されて昇降するシヤツターカーテンを、巻取収納す
ることなく、上記ガイドレールの上端に延長して設けら
れる収納ガイドレールの案内で収納するようにしたもの
があり、そしてこの様なものでは、シヤツターカーテン
下端の座板部をワイヤ等の長尺部材で吊持し、該長尺部
材を開口上部に設けられる巻取ドラムに巻取ることでシ
ヤツターカーテンの収納を行つていた。

【０００３】しかるにこの場合、シヤツターカーテン
は、常に自重を圧縮方向に受けることになるため、シヤ
ツターカーテンを構成するスラツトが面一状とならずに
くの字状に折曲したり、中央部が膨出したりする不具合
があり、この結果、シヤツターカーテンとガイドレール
との摺動抵抗が増し、殊更大きな操作力を要して操作性
に劣る許りか、外観上も好ましくなく問題となつてい
た。

【０００４】またさらに、前記長尺部材は、巻取り若し
くは繰出し時に他部材との接触によつて摩耗する惧れが
あるため、強度的に十分な余裕のある殊更頑強なものを
用いなければならない不都合があつた。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本考案は、上記の如き実
情に鑑みこれらの欠点を一掃することができる建築用シ
ヤツターを提供することを目的として創案されたもので
あつて、開口部左右両側のガイドレールに案内されて昇
降するシヤツターカーテンを、上記ガイドレールの上端
に延長して設けられる収納ガイドレールの案内で収納し
てなる建築用シヤツターにおいて、前記左右の収納ガイ
ドレール内に、基端が収納ガイドレールの収納端に固定
される可撓性の長尺部材をそれぞれ添わせる一方、シヤ
ツターカーテンの上端部には、上記左右の長尺部材を先
端側から巻取つてシヤツターカーテンを収納せしめる巻
取ドラムを設けたことを特徴とするものである。

【０００６】そして本考案は、この構成によつて、建築
用シヤツターにおける操作性、外観並びに安全性を著し
く向上させることができるようにしたものである。

【０００７】

【実施例】次に、本考案の一実施例を図面に基づいて説
明する。図面において、１は建築用シヤツターのシヤツ
ターカーテンであつて、該シヤツターカーテン１は、複
数のスラツト２をインターロツク結合により折曲自在に
一連状に連結して形成されるものであるが、その左右両
端には回動自在なローラ３が突設されている。

【０００８】４は開口部左右両側に立設されるガイドレ
ールであつて、該ガイドレール４は、前記ローラ３を転
動自在に内嵌することによつてシヤツターカーテン１の
昇降案内を行うものであるが、左右ガイドレール４の上
端には、一巻毎に所定間隔を存するべく渦巻形状に形成
される収納ガイドレール５がそれぞれ延設されている。
即ち、シヤツターカーテン１は、左右ガイドレール４か
ら収納ガイドレール５に連続的に案内されることによつ
て一巻毎に所定間隔を存した渦巻状に収納されるように
なつている。

【０００９】また、６は可撓性のワイヤであつて、該ワ
イヤ６は、前記左右の各収納ガイドレール５内に添うよ
う配されるが、その基端は収納ガイドレール５の収納端
に固定されている。

【００１０】一方、７は最上スラツト２の背面に設けら
れるシヤフトであつて、該シヤフト７は、左右両端およ
び中央の三点をブラケツト８によつて回動自在に軸支さ
れるものであるが、その左右端部にはガイドプーリ９を
経由して前記左右のワイヤ６を巻取る巻取ドラム１０が
それぞれ固設されている。

【００１１】さらに、１１は前記シヤフト７の中央部に
設けられるバランススプリングであつて、該バランスス
プリング１１は、前記ワイヤ６を弛緩無く巻取ドラム１
０に巻取るべくシヤフト７をワイヤ巻取回転方向に常時
付勢するものであるが、その付勢力は、開閉位置に応じ
て変化するシヤツターカーテン１の落下荷重に略一致す
るよう設定されている。

【００１２】叙述の如く構成された本考案の実施例にお
いて、シヤツターカーテン１は、閉鎖位置で持ち上げ操
作されると、渦巻状の収納ガイドレール５内に添うワイ
ヤ６がバランススプリング１１の付勢力によつて巻取ド
ラム１０に巻取られることで半自動的に収納ガイドレー
ル５に渦巻状に収納されることになり、また、収納位置
で引き下し操作されると、ワイヤ６がバランススプリン
グ１１の付勢力に抗しながら巻取ドラム１０から繰出さ
れることで減速しながら閉鎖位置まで下降することにな
る。

【００１３】この様に、本考案にあつては、左右ガイド
レール４に昇降案内されるシヤツターカーテン１を、ガ
イドレール４に延長して設けられる収納ガイドレール５
の案内で収納するものでありながら、シヤツターカーテ
ン１は、収納ガイドレール５内に添うワイヤ６を、最上
スラツト２に設けた巻取ドラム１０が巻取もしくは繰出
しすることで昇降することになる。つまり、シヤツター
カーテン１は、従来の様に下端部ではなく、上端部でワ
イヤ６に吊持されることになるため、従来の如くシヤツ
ターカーテン１が自重を圧縮方向に受けることがない。
従つて、シヤツターカーテン１を構成するスラツト２が
圧縮方向の力によつてくの字状に折曲したり、中央部が
膨出したりする不具合を確実に防止できることになり、
この結果、シヤツターカーテン１とガイドレール４との
摺動抵抗を軽減して操作性を著しく向上させることがで
きる許りか、外観も良好なものとできる。

【００１４】しかも、収納ガイドレール５内に添うワイ
ヤ６は、シヤツターカーテン１側に設けられる巻取ドラ
ム１０によつて先端側から巻取られるものであるから、
収納ガイドレール５と擦れ合うことがない。従つて、他
部材と擦れ合う惧れのある従来のものの様に摩耗を考慮
して殊更頑強なワイヤを用いなければならないような不
都合を解消することができる許りでなく、安全性の向上
も計ることができる。

【００１５】さらに、最上スラツト２に軸支されたシヤ
フト７は、シヤツターカーテン１の剛性アツプを計るこ
とになるので、シヤツターカーテン１の変形防止を確実
なものとできる。

【００１６】また、実施例においては、収納ガイドレー
ル５を渦巻状に形成しているので、収納ガイドレール５
を直線的に延設するものに比して取付け場所の制約を少
なくすることができる。

【００１７】尚、本考案は、前記実施例に限定されない
ものであることは勿論であつて、例えばシヤツターカー
テンをベルト等の長尺部材で吊持するようにしたり、収
納ガイドレールを直線状に形成しても良いことは言うま
でもない。

【００１８】

【作用効果】以上要するに、本考案は叙述の如く構成さ
れたものであるから、開口部左右両側のガイドレールに
案内されて昇降するシヤツターカーテンを、上記ガイド
レールの上端に延長して設けられる収納ガイドレールの
案内で収納するものであるが、シヤツターカーテンは、
その上端部に設けられる巻取ドラムが、収納ガイドレー
ル内に添う長尺部材を先端側から巻取ることで上昇して
収納ガイドレールに収納されることになる。即ち、シヤ
ツターカーテンの上端部を吊持することになるため、下
端部が吊持される従来のものの様にシヤツターカーテン
が自重を圧縮方向に受けてしまうことがない。従つて、
自重によつてくの字状に折曲したり、中央部が膨出した
りする等のシヤツターカーテンの変形を確実に防止でき
ることになり、この結果、ガイドレールの摺動抵抗を軽
減して操作性の著しい向上を計ることができる許りか、
外観も良好なものとできる。

【００１９】しかも、収納ガイドレール内に添う長尺部
材は、シヤツターカーテン側に設けられる巻取ドラムに
よつて先端側から巻取られるものであるから、収納ガイ
ドレールと擦れ合う惧れがない。従つて、従来のものの
様に摩耗を考慮して殊更頑強なものを用いなければなら
ない不都合を解消できる許りか、安全性も著しく向上さ
せることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】建築用シヤツターの正面図である。

【図２】建築用シヤツターの縦断面図である。

【図３】建築用シヤツターの要部斜視図である。

【符号の説明】

１ シヤツターカーテン ２ スラツト ４ ガイドレール ５ 収納ガイドレール ６ ワイヤ ７ シヤフト １０ 巻取ドラム １１ バランススプリング

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 開口部左右両側のガイドレールに案内さ
   れて昇降するシヤツターカーテンを、上記ガイドレール
   の上端に延長して設けられる収納ガイドレールの案内で
   収納してなる建築用シヤツターにおいて、前記左右の収
   納ガイドレール内に、基端が収納ガイドレールの収納端
   に固定される可撓性の長尺部材をそれぞれ添わせる一
   方、シヤツターカーテンの上端部には、上記左右の長尺
   部材を先端側から巻取つてシヤツターカーテンを収納せ
   しめる巻取ドラムを設けたことを特徴とする建築用シヤ
   ツター。