JPH0743328Y2 - 工業化住宅用軒先ユニット - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、工業化住宅を構成する軒先ユニットに関す
る。

［背景技術］ 近年、工場で住宅の各構成部分を居室ユニット、浴室ユ
ニット、屋根ユニット等の住宅ユニットとして作製した
後、これらの住宅ユニットを建築現場に搬送し、各住宅
ユニットを組み立てるようにした工業化住宅が施工され
るようになってきている。しかし、軒先部分について
は、建築現場でカバー部材、ブラケット等の必要な部材
を住宅の躯体に取付けることにより組み立てていた。

工場で軒先部分も一体に取付けられた屋根ユニット又は
住宅ユニットを作製し、これを現場に搬送して組み立て
れば、現場で軒先部分を部材から組み立てる必要はなく
なる。しかし、このような軒先部分も取付けられた屋根
ユニット又は住宅ユニットは、許容される車両制限幅を
越えていて搬送できないため、実際上は施工することが
できなかった。そこで、屋根ユニット又は住宅ユニット
とは、別体ではあるが、軒先部分もユニットとして一体
化されたものが要望されていた。

［考案が解決しようとする課題］ 上述したような軒先ユニットを用いれば、現場で部材か
ら軒先を組み立てる作業は要らなくなる。このような工
業化住宅の組立において、屋根ユニット間のコーキング
作業等は、作業者が梯子等に乗って行っているが、この
軒先ユニットが作業者用の足場を有していれば便利であ
る。

そこで、本考案は、作業者用の足場を有する工業化住宅
用軒先ユニットを提供することを目的とする。

［課題を解決するための手段］ 本考案は、カバー部材とこのカバー部材を支持する複数
のブラケットとを有して構成され、これらのブラケット
により住宅の躯体に取付けられる工業化住宅用軒先ユニ
ットであって、上面に雨水流通用の凹部を形成し、この
凹部の幅寸法を作業者が歩行できる大きさとすると共
に、この凹部の底面を作業者用足場としたことを特徴と
する。

［実施例］ 図面を参照して本考案に係る工業化住宅用軒先ユニット
の一実施例を説明する。

第１図は、工業化住宅における住宅の躯体１に複数の桁
側軒先ユニット10と妻側軒先ユニット40とが連続して取
付けられている状態、第２図は、妻側軒先ユニット40が
住宅の躯体１に取付けられている状態を示す。

第１図と第２図に示すように、妻側軒先ユニット40は、
カバー部材41と、このカバー部材41を支持する複数のブ
ラケット42とが固定されることにより構成され、これら
のブラケット42により住宅の躯体１に取付けられる。

前記カバー部材41は、軒先ユニット40の外面部材であ
り、上面側に雨水流通路となる凹部43が形成されてい
る。この凹部43は、雨水が住宅の外側に流れ落ちるよう
に住宅の内側が高くされた傾斜した底面43Aを有する。
この凹部43の幅寸法は、図示しない例えば屋根ユニット
間のコーキング作業等を行う作業者が歩行できる大きさ
（例えば355mm）とすると共に、この凹部43の底面43Aを
作業者用足場とする。この凹部43においては、底面43A
の裏面に補強用の板材44が支持部材45を介して取付けら
れ、更に底面43Aの中央部でボルト２によりブラケット4
2側に固定されている。なお、凹部43の上面には、図示
しない防水シートが設けられる。

前記ブラケット42は、第２図の紙面と直交する方向であ
って、互いに逆方向に形成された上面板46と下面板47と
を有している。この下面板47の一端部には、後述する剣
先ボルト22が挿通される孔部47Aが形成されている。ま
た、このブラケット42の上部の略中央には、上記板材44
が螺着されるナット48が溶接等により固定されている。

このブラケット42の下面板47には、支持部材49が設けら
れる。この支持部材49の位置する部分のカバー部材41と
住宅の外壁材27との間には、乾式シール部材29と弾性シ
ール部材30とが設けられている。この弾性シール部材30
は、例えば防水性発泡材より成るものである。

一方、躯体１側において、柱４のブラケット42の下面板
47が取付けられる部分には、フック21が固定され、この
フック21の上面には先端部がテーパ状となっている剣先
ボルト22が固定されている。この剣先ボルト22を、上記
下面板47の孔部47Aに挿通された状態で座金７を介して
ナット３で締め付け、更にボルト２とナット３により、
軒先ユニット40が躯体１に取付けられる。

上述した本実施例によれば、雨水流通路用の凹部43が、
作業者が歩行できる幅寸法をもっていることに加えて、
底面43Aの裏面に補強用の板材44が取付けられているた
め、屋根ユニット間のコーキング作業等を行う作業者が
安全に作業を行うことができる。

また、凹部43の底面43Aは、傾斜面となっているため、
雨水の流通がスムーズである。

なお、上記実施例では、底面43Aの裏面に補強用の板材4
4を取付けたが、底面43Aが充分な強度を有していれば、
必ずしもこの板材44を取付けなくてもよい。

また、上記実施例では、桁側軒先ユニット40を例に説明
したが、本考案は、妻側軒先ユニット10についても同様
に適用できる。

［考案の効果］ 本考案によれば、軒先をユニットとして取付けた際の軒
先ユニットに作業者が乗って、屋根の作業を行うことが
できる。

なお、本考案について、IPCを「E04F10/08」などとして
いわゆるパトリス検索を行ったところ、本考案のような
「工業化住宅用軒先ユニット」は見当たらず、該当分野
における本考案の斬新性が明らかになった。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例に係る軒先ユニットの斜視
図、第２図は妻側軒先ユニットの断面図である。 １…躯体、10…桁側軒先ユニット、40…妻側軒先ユニッ
ト、41…カバー部材、42…ブラケット、43…凹部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】カバー部材とこのカバー部材を支持する複
   数のブラケットとを有して構成され、これらのブラケッ
   トにより住宅の躯体に取付けられる工業化住宅用軒先ユ
   ニットであって、上面に雨水流通用の凹部を形成し、こ
   の凹部の幅寸法を作業者が歩行できる大きさとすると共
   に、この凹部の底面を作業者用足場としたことを特徴と
   する工業化住宅用軒先ユニット。