JPH0743265Y2 - パイプ操作機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、地中孔掘削時に使用す
るボーリングロッド又は水道管・ガス管その他のパイプ
類を連結・脱着・切り離し・埋設する作業の際に、パイ
プの移送・保持、パイプの姿勢変更を行なう為のパイプ
操作機に関する。

【０００２】

【従来の技術】ボーリング作業やアンカー打設作業等に
おいて、地中孔掘削をする際には、その深度が増すにつ
れ次々にボーリングロッドを連結して削進していく工法
が広く利用されている。そして、従来よりこのボーリン
グロッド連結作業では、ボーリングロッドをクレーン等
のワイヤーにより吊持して、又は人手によって掘削装置
上の所定位置まで移送する。その後、掘削装置へのボー
リングロッドの取付け及び打設済のボーリングロッドと
の連結の作業は人手でもって吊込んだボーリングロッド
を保持しながら夫々螺合させるというやり方が通例とな
っていた。

【０００３】又、ボーリングロッドに限らず水道管・ガ
ス管等のパイプ埋設の際にも、ワイヤーで該パイプを吊
持して移送するという方法が使われている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】ところが、上記した如
くワイヤーを使用した吊り込み方式によるパイプの移送
作業は、風に煽られ易く所望位置への配置が難しいとい
う作業性の悪いものであった。又、パイプを動かす自由
度が低く、所定の位置・姿勢にパイプを動かすことが難
しく、作業性が悪いものであった。

【０００５】又、特にボーリングロッド連結の際には、
掘削装置とボーリングロッド及びボーリングロッド同士
を夫々螺合させる必要があるため、吊り込んだ後のボー
リングロッドを所定位置で保持しておく作業者が必要で
ある上に作業能率も悪かった。その上、一般的に工事現
場は削孔時に使用する水のため足場が悪く、数十ｋｇも
あるボーリングロッドの人手による連結作業は大変危険
でもあった。

【０００６】本考案は上記した従来技術の問題点に鑑み
てなされたものであり、その課題はパイプの移動の自由
度が高く、所定の位置への移動及び姿勢への変更が容易
にすることができ、パイプの連結・脱着・切り離し・埋
設・格納・移載・移動が容易にできる。

【０００７】

【課題を解決するための手段】かかる課題を解決した本
考案の要旨は、 １） 垂直方向に上下動できるベースに第１のフレーム
を旋回自在に取付け、同第１のフレームの下端に起伏自
在に第２のフレームを取付け、同第２のフレームの下部
に直交する二方向に独立してスライドする二段の摺動フ
レームを設け、下段の同摺動フレームに前記第２のフレ
ームを起伏する軸に対して直交する方向にパイプを把持
する把持機構を設け、しかも同把持機構が、シリンダー
で開閉する一対の開閉アームの下端にローラ取付板を枢
支し、同ローラ取付板の内側それぞれに上下一対のロー
ラを取付け、更にローラ取付板と開閉アームとを連動す
るリンクを設けた構造であるパイプ操作機にある。

【０００８】

【作用】本考案のパイプ操作機は、トラック・無限軌道
車等に装置されるクレーンのワイヤ・可動アーム・ブー
ムの先端に下向きに、又はロッド打込み装置・パイプ連
結装置の下方に上向きに取付けられて使用される。

【０００９】本考案では、パイプ・ロッドは把持機構に
よって把持されるが、ベースの上下動によって上下方向
に把持したパイプを移動でき、第１フレームの旋回によ
って把持したパイプを旋回でき、又第２のフレームの起
伏によって把持したパイプを上下方向に傾けることがで
き、これによって傾斜したボーリングロッド載置台等に
のせることが容易にできる。更に、直交する方向の二段
のスライドする摺動台の動きによって、起伏した第２の
フレームの取付面に対し直交する二方向に独立して把持
したパイプを動かすことができる。

【００１０】以上の様に、把持されたパイプは上下・旋
回・起伏・直交する二方向の移動が許容され、所要の位
置・姿勢に容易にできる。大きな移動は、これを装置し
たトラック・無限軌道車・作業車・装置の移動又は可動
アーム・ブームの操作によって行なう。

【００１１】更に、把持機構が一対の開閉アームの内側
にローラ取付板を枢支し、このローラ取付板の内側に上
下一対のローラを取付けるものでは、開閉アームが大き
く拡がればリンクが上昇し、ローラ取付板のローラを下
方向に動かす方向にローラ取付板を動かして、パイプ径
にかかわらずパイプ中心に向ってローラが把持し、パイ
プを確実に保持する。このように、この把持機構では小
さな径のパイプでも大きな径のパイプでも落下すること
なくしっかりと把持できる。又把持しながらパイプの回
転（パイプの断面中心まわりの回転）を許容でき、他の
パイプとの螺合部分の脱着に有効となる。

【００１２】

【実施例】以下、本考案の実施例について図面に基づき
説明する。本実施例は、無限軌道車に搭載した可動アー
ムの先端に下向きに本考案のパイプ操作機を装置した例
である。

【００１３】図１は実施例の正面図、図２は同側面図、
図３は第２フレームの起伏機構を示す説明図、図４，５
は使用状態を示す説明図である。

【００１４】図中、１はベース、２は同ベース１を上下
動させる油圧シリンダー、３は第１のフレーム、４はベ
ース１の下端に取付けたフランジ部、５は同フランジ部
４に取付けた旋回用モータ、６は第１のフレーム３の上
部外周に設けた歯車、７は旋回用モータ５によって回動
され、前記歯車６と噛合するピニオンギヤ、８はベアリ
ング、９は第１のフレーム３の下端に架設された回転
軸、１０は回転軸９の軸端の歯面、１１は同歯面１０と
噛合するラック軸、１２は同ラック軸１１をピストンロ
ッドとする両引きの油圧シリンダー、１３は回転軸９に
取付けた第２のフレーム、１４は同第２のフレーム１３
に取付けた第１の摺動フレーム、１５は同摺動フレーム
１４を摺動させるリニアレール、１６は第１の摺動フレ
ーム１４を駆動する油圧シリンダー、１７は第２の摺動
フレーム、１８は第２の摺動フレーム１７を第１の摺動
フレーム１４にスライドさせるリニアレール、１９は第
２の摺動フレーム１７を駆動する油圧シリンダー、２０
は第２の摺動フレーム１７に取付けた把持機構、２１は
同把持機構２０の取付板、２２，２３は開閉アーム、２
４は同開閉アーム２２，２３を開閉駆動するアーム間に
架設された油圧シリンダー、２５，２６は開閉アーム２
２，２３の枢軸、２７は一対の開閉アーム２２，２３の
開閉を同期させる連係部、２８はローラ、２９は同ロー
ラ２８を取付ける三角状のローラ取付板、３０は同ロー
ラ取付板２９の枢軸、３１はパイプ、３２は無限軌道車
３３上に搭載され、旋回・屈曲・上下・伸縮できる可動
アーム、３３は無限軌道車、３４はパイプを地中に打ち
込むパイプ打ち込み装置、３５は同打ち込み装置３４の
パイプ送り台、３６は開閉アーム２２，２３とローラ取
付板２９とを連動するリンクである。

【００１５】この実施例では、キャタビラを使った無限
軌道車３３によって所要のパイプ打ち込み装置のある場
所に移動し、可動アーム３２を旋回・伸縮・屈曲させて
本実施例のパイプ操作機を所要の位置に大略移動させ
る。

【００１６】次に、油圧シリンダー２を作動させ、把持
機構２０の上下方向の高さを調整する。その後旋回用モ
ータ５を作動させ、ピニオンギヤ７を回動させ、これを
噛合した歯車６を回転させ、これを固着した第１のフレ
ーム３を垂直軸まわりに回転させる。これによって、パ
イプ３１を把持アーム２２，２３で把持できる方向にす
る。

【００１７】次に、両引きの油圧シリンダー１２を作動
させ、ラック軸１１を移動させ、これと噛合する回転軸
９を回転させ、これに取付けられた第２のフレーム１３
を起伏自在として、この回転軸９と直交する方向にパイ
プを把持する把持機構２０を上下方向に傾けることがで
き、これによってパイプ３１を傾いた状態で保持して、
傾斜したパイプ送り台３５へのパイプの脱着を容易にす
る。

【００１８】更に、第２のフレーム１３には直交する二
方向にスライドする摺動フレーム１４，１７によって、
この二方向の移動を独立して調整できる。以上の動きに
よって、容易且つ迅速に所要の位置に移動させることが
できる。パイプ３１の把持は、油圧シリンダー２４を作
動させ、開閉アーム２２，２３を開き、その間にパイプ
３１が挿入されるように上記の運動機能によって開閉ア
ーム２２，２３を移動させる。パイプ３１を挿入した所
で、油圧シリンダー２４を作動させると開閉アーム２
２，２３が閉じ、リンク３６によってローラ取付板２９
は枢軸３０まわりに回転し、内側の上下一対のローラ２
８がパイプ３１の径に応じてパイプに接触してパイプ３
１を保持する。保持した後に、ベース１の昇降、第１の
フレーム３の旋回、第２のフレーム１３の起伏、二台の
摺動フレーム１４，１７のスライドによって所要の位置
・姿勢にパイプ３１を変える。パイプ３１の開放は、上
記の把持の行程を逆に行なうことで行なえる。

【００１９】

【考案の効果】以上説明した様に、本考案によれば、パ
イプの連結・脱着・切り離し・埋設等のパイプ作業のパ
イプの移送・保持・姿勢変更を容易且つ迅速に行なえ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例の正面図である。

【図２】実施例の同側面図である。

【図３】実施例の使用状態を示す説明図である。

【図４】第２のフレームの起伏機構を示す一部切欠断面
図である。

【図５】実施例の使用状態を示す説明図である。

【符号の説明】

１ ベース ２ 油圧シリンダー ３ 第１のフレーム ４ フランジ部 ５ 旋回用モータ ６ 歯車 ７ ピニオンギヤ ８ ベアリング ９ 回転軸 １０ 歯車 １１ ラック軸 １２ 油圧シリンダー １３ 第２のフレーム １４ 摺動フレーム １５ リニアレール １６ 油圧シリンダー １７ 第２の摺動フレーム １８ リニアレール １９ 油圧シリンダー ２０ 把持機構 ２１ 取付板 ２２ 開閉アーム ２３ 開閉アーム ２４ 油圧シリンダー ２５ 枢軸 ２６ 枢軸 ２７ 連係部 ２８ ローラ ２９ ローラ取付板 ３０ 枢軸 ３１ パイプ ３２ 可動アーム ３３ 無限軌道車 ３４ パイプ打ち込み装置 ３５ パイプ送り台 ３６ リンク

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 垂直方向に上下動できるベースに第１の
   フレームを旋回自在に取付け、同第１のフレームの下端
   に起伏自在に第２のフレームを取付け、同第２のフレー
   ムの下部に直交する二方向に独立してスライドする二段
   の摺動フレームを設け、下段の同摺動フレームに前記第
   ２のフレームを起伏する軸に対して直交する方向にパイ
   プを把持する把持機構を設け、しかも同把持機構が、シ
   リンダーで開閉する一対の開閉アームの下端にローラ取
   付板を枢支し、同ローラ取付板の内側それぞれに上下一
   対のローラを取付け、更にローラ取付板と開閉アームと
   を連動するリンクを設けた構造であるパイプ操作機。