JPH0742308Y2 - ゴキブリ用毒餌の収納容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、ゴキブリを駆除するた
めに用いられるゴキブリ用毒餌の収納容器に関するもの
である。

【０００２】

【従来の技術】従来、ゴキブリの駆除方法としては、粘
着剤を内蔵した紙箱による捕獲或いは液体殺虫剤の噴霧
等の手段が一般的であったが、近年、ゴキブリの通り道
や集まりやすい場所に、ホウ酸、澱粉及び特殊誘引剤等
からなるホウ酸ダンゴと称する毒餌を仕掛けておき、こ
れをゴキブリに食べさせて駆除する方法が広く採られて
いる。そして、このような毒餌は無包装のままで使用す
ると安全性に問題があるため、通常は容器の中に入れて
使用するようになっており、この種のゴキブリ用毒餌の
収納容器として、薄板状のプラスチックシートの上板と
下板にそれぞれ下方及び上方に向けて突起部を設けてお
き、この突起部を有する上板と下板とにより毒餌を挟持
した形態のものが知られている（例えば、実開昭６４−
６８７８号公報参照）。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
たゴキブリ用毒餌の収納容器は、容器の側方が開口して
いることからゴキブリが中の毒餌を食べやすいという利
点はあるものの、上板と下板の双方に絞り加工を施した
樹脂成形品を使用しているので、材料費が嵩むとともに
上板と下板の嵌め合わせ工程や超音波シール等による接
着工程が必要であり、製造コストが高いという問題点が
あった。

【０００４】本考案は、上記のような問題点に鑑みてな
されたものであり、その目的とするところは、製造コス
トが低く、さらには安全性をも確保したゴキブリ用毒餌
の収納容器を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本考案のゴキブリ用毒餌の収納容器は、底板部から
不連続状態で突設した所定幅の周壁部によって囲まれる
毒餌収納用の凹所を備えた樹脂成形品からなる容器本体
と、前記凹所に毒餌を収納した後に前記周壁部の上面に
熱接着されるシート状の蓋材とからなり、該蓋材は最内
面に熱接着性のある樹脂層を備えるとともに、少なくと
もポリエステルフィルムを積層してなることを特徴とし
ている。

【０００６】

【作用】上述の構成からなる本考案の収納容器では、断
続的な周壁部が毒餌を容器内に保持するように作用する
とともに、側面において周壁部のない部分がゴキブリに
とって中の毒餌を食べる入口の役目を果たす。また、所
定幅の周壁部は、人の指が奥まで入って毒餌に触れるの
を防止する機能を発揮する。また、蓋材の最内面に設け
た熱接着性のある樹脂層は、蓋材の容器本体への貼着を
容易ならしめ、蓋材に積層したポリエステルフィルムは
熱接着時の耐熱性を有するとともに蓋材に強度を持たせ
る役目を果たす。

【０００７】

【実施例】図１は本考案の一実施例としてのゴキブリ用
毒餌の収納容器を示す斜視図、図２は図１のＸ−Ｘ断面
における拡大図、図３は各構成部分を離間した状態で示
す斜視図である。

【０００８】これらの図に示されるように、ゴキブリ用
毒餌の収納容器１は、容器本体２と、この容器本体２内
に毒餌Ｐを収納した後に貼着されるシート状の蓋材３と
からなる。

【０００９】容器本体２はポリ塩化ビニル、ポリプロピ
レン等の剛性のあるプラスチックをシート成形（真空成
形或いは圧空成形）してなるもので、周囲の底板部２ａ
から不連続状態で円弧状に３ヶ所突設した周壁部２ｂに
よって囲まれる毒餌収納用の凹所２ｃを備えた形状をし
ている。なお、この容器本体２は射出成形で形成しても
よいものである。一方、蓋材３は容器本体２と材質的に
熱融着性のある樹脂層を最内面に備えたシートを打ち抜
いて形成されたものである。

【００１０】本実施例では、容器本体２にポリプロピレ
ンを使用し、蓋材３として外側から順にポリエステルフ
ィルム、アルミ箔、ポリプロピレンフィルムを積層した
シートを使用した。なお、ポリエステルフィルムとアル
ミ箔の間に説明文等の印刷を適宜施している。

【００１１】上記の収納容器１を製造するに際しては、
複数の容器本体２をその底板部２ａで連設してなる樹脂
成形品を形成し、各容器本体２の凹所２ｃ内に毒餌Ｐを
充填した後、蓋材３をロール供給し打ち抜くと同時に各
容器本体２の周壁部２ｂ上面にヒートシールして貼着す
る。そして、各容器本体２を底板部２ａで切断して単体
の収納容器１を形成する。なお、底板部２の境界に破断
可能なミシン目を入れた状態で商品とし、使用時にこの
ミシン目で単体の収納容器１を適宜切り取って使用する
ようにしてもよい。

【００１２】上記の収納容器１は、周壁部２ｂが毒餌Ｐ
を容器内に保持した状態となり、しかもゴキブリは周壁
部２ｂの間の隙間から侵入して中の毒餌Ｐを食べること
ができる。そして、従来のものと同様に、蓋材３をつけ
たままゴキブリの通り道や集まりやすい場所に仕掛けて
使用される。

【００１３】なお、上記実施例では、容器本体２として
周壁部２ｂを３ヶ所に突設したものを挙げて説明した
が、例えば不連続部分が対向する位置にくるようにして
２ヶ所突設したものであっても構わない。また、図４、
図５に示すように、凹所２ｃが四角形状となるように周
壁部２ｂを断続的に４ヶ所形成したものであってもよ
い。何れにしても毒餌Ｐを収納保持でき、ゴキブリが食
べれる入口が設けられる形状であれば、周壁部の形状は
任意である。

【００１４】

【考案の効果】以上説明したように、本考案のゴキブリ
用毒餌の収納容器は、底板部から不連続状態で突設した
所定幅の周壁部によって囲まれる毒餌収納用の凹所を備
えた樹脂成形品からなる容器本体と、前記凹所に毒餌を
収納した後に前記周壁部の上面に熱接着されるシート状
の蓋材とで構成したことにより、材料費が安くて済みし
かも蓋材をヒートシールして貼着するだけで簡単に作製
できることから製造コストを低くすることができる。ま
た、容器本体における周壁部のない部分がゴキブリの入
口になるが、周壁部の所定幅を適宜設定し、人の指が凹
所まで簡単には入らないようにして、毒餌に触れる恐れ
のない安全なものにすることができる。 また、最内面に
熱接着性の樹脂層を備え且つ少なくともポリエステルフ
ィルムを積層した構成の蓋材を使用したことにより、蓋
材を容器本体の上面にヒートシールにより容易に貼着す
ることができるとともに、蓋材は引き裂き強度や突刺し
強度に優れるので、運搬中や使用時に破れることのない
安全なものを提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例としてのゴキブリ用毒餌の収
納容器を示す斜視図である。

【図２】図１のＸ−Ｘ断面における拡大図である。

【図３】図１の収納容器の各構成部分を離間した状態で
示す斜視図である。

【図４】容器本体の他の例を示す斜視図である。

【図５】容器本体のさらに他の例を示す斜視図である。

【符号の説明】

１ 収納容器 ２ 容器本体 ２ａ 底板部 ２ｂ 周壁部 ２ｃ 凹所 ３ 蓋材

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 底板部から不連続状態で突設した所定幅
   の周壁部によって囲まれる毒餌収納用の凹所を備えた樹
   脂成形品からなる容器本体と、前記凹所に毒餌を収納し
   た後に前記周壁部の上面に熱接着されるシート状の蓋材
   とからなり、該蓋材は最内面に熱接着性のある樹脂層を
   備えるとともに、少なくともポリエステルフィルムを積
   層してなることを特徴とするゴキブリ用毒餌の収納容
   器。