JPH0742286B2 - チアゾリジン誘導体 - Google Patents

チアゾリジン誘導体

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JPH0742286B2
JPH0742286B2 JP61198733A JP19873386A JPH0742286B2 JP H0742286 B2 JPH0742286 B2 JP H0742286B2 JP 61198733 A JP61198733 A JP 61198733A JP 19873386 A JP19873386 A JP 19873386A JP H0742286 B2 JPH0742286 B2 JP H0742286B2
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孝雄 吉岡
大能 堀越
皖一 中村
邦宏 笹原
▲とよ▼矩 竹林
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は血糖降下作用を示す医薬として有用な新規チア
ゾリジン誘導体に関するものである。
従来の枝術および本発明の目的 本発明者等は、さきに一般式 (式中、W,U,R1,R2,R3,R4およびnは後述するものと同
意義を示す。) を有するチアゾリジン誘導体を合成し、得られた化合物
が血糖降下作用を表わすことを見出した。〔特開昭60-5
1189号および特願昭60-35324号〕今回、一般式(II)に
対応する後記一般式(I)で表わされる硫酸エステル
が、有意な血糖降下作用を示し、しかも一般式(II)の
化合物に比べて持続性において優れていることを見出
し、抗糖尿病剤として有用であることを認め、これらの
知見に基づいて本発明を完成するに至つた。
発明の構成 本発明の新規なチアゾリジン誘導体は、一般式 で示される化合物およびその薬理上許容される塩を含む
ものである。
上記式中、Wはメチレン基、カルボニル基または式C=
N−OV基(式中、Vは水素原子、スルホ基、アシル基ま
たは置換基を有していてもよいアルキル基を示す。)を
示し、Uはメチレン基を示すが、Wがカルボニル基また
は式C=N−OV基(式中、Vは前述したものと同意義を
示す。)を示すときには、R1と共に二重結合を形成して
もよく、R1は水素原子または炭素数1乃至8個を有する
直鎖状若しくは分枝鎖状のアルキル基を示すが、Wがカ
ルボニル基または式C=N−OV基(式中、Vは前述した
ものと同意義を示す。)を示すときには、Uと共に二重
結合を形成してもよく、R2およびR4は同一または異なつ
て水素原子または炭素数1乃至5個を有する直鎖状若し
くは分枝鎖状のアルキル基を示し、R3は炭素数1乃至10
個を有する直鎖状若しくは分枝鎖状のアルキル基を示
し、nは1乃至3の整数を示す。
前記一般式(I)において好適には、R1におけるアルキ
ル基としては例えばメチル、エチル、プロピル、イソプ
ロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、ペンチ
ル、イソペンチル、ヘキシル、1,3−ジメチルブチル、
ヘプチル、オクチル、1−メチルヘプチル、2−エチル
ヘキシルのような炭素数1乃至8個を有するアルキル基
であり、R3におけるアルキル基としてはメチル、エチ
ル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、se
c−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、
ネオペンチル、ヘキシル、1,1−ジメチルブチル、1,3−
ジメチルブチル、ヘプチル、オクチル、1−メチルヘプ
チル、2−エチルヘキシル、1,1,3,3−テトラメチルブ
チル、デシルのような炭素数1乃至10個を有するアルキ
ル基であり、V,R2およびR4におけるアルキル基としては
例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチ
ル、イソブチル、sec−ブチル、ペンチル、イソペンチ
ルのような炭素数1乃至5個を有するアルキル基をあげ
ることができる。
Vが置換基を有するアルキル基を示す場合、該置換基と
してはフエニル基、p−メチルフエニル基、m−クロロ
フエニル基、o−メトキシフエニル基のような置換基を
有していてもよいアリール基若しくは、カルボキシル
基、エトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基
のようなアルコキシカルボニル基をあげることができ
る。
Vがアシル基を示す場合、Vとしてはアセチル基のよう
な脂肪族アシル基、ベンゾイル基、p−メチルベンゾイ
ル基のような置換基を有していてもよい芳香族アシル基
またはニコチノイル基のような複素環アシル基をあげる
ことができる。Vとして好適なものは水素原子、カルボ
キシアルキル基、アルコキシカルボニルアルキル基、さ
らに好適には水素原子、カルボキシメチル基または1−
カルボキシ−1−メチルエチル基であり、Uとして好適
なものはメチレン基であり、Wとして好適なものはメチ
レン基、カルボニル基であり、さらにメチレン基であ
る。
本発明の前記一般式(I)で表わされる目的化合物は、
常法に従つて薬理上許容し得る無毒性塩とすることがで
きるが、そのような塩として例えばリチウム、ナトリウ
ム、カリウムのようなアルカリ金属の塩;カルシウム、
バリウムのようなアルカリ土類金属の塩;アルミニウム
塩;あるいはリジン、アルギニンのような塩基性アミノ
酸の塩などをあげることができる。また、塩がたとえば
アルカリ金属の塩を示すときには、そのモノ塩若しくは
ジ塩の形にすることができる。
なお、前記化合物(I)において、Uがメチレン基であ
る場合はクロマン環の2位およびチアゾリジン環5位の
炭素原子がそれぞれ不斉炭素原子であり、それらに基づ
く各異性体もまた本発明の化合物に包含される。また、
前記化合物(I)において、UとR1で二重結合を構成す
る場合はチアゾリジン環5位の炭素原子が不斉炭素原子
であり、それに基づく異性体もまた本発明の化合物に包
含される。
さらに、化合物(I)のチアゾリジン部分については、
以下に示すような互変異性体が考えられるが、これらを
単一の一般式(I)で表現する。
本発明によつて得られる前記一般式(I)を有するチア
ゾリジン誘導体としては例えば以下に記載する化合物を
あげることができる。
なお、表中の略号において、 Pn:ペンチル Oc:オクチル TMB:1,1,3,3−テトラメチルブチルを表わす。
上記例示化合物のうちで、好適な化合物として化合物N
o.1,3,4,18,26,28,29および32をあげることができ、最
も好適な化合物は化合物No.1,3およびそれらのモノナト
リウム塩である。
本発明の前記一般式(I)を有する硫酸エステル誘導体
は、一般式 (式中、R1,R2,R3,R4,W,Uおよびnは前述したものと同
意義を示す。) を有するチアゾリジン誘導体を硫酸エステル化して製造
することができる。
本方法を実施するに当つて、反応は常法に従つて化合物
(II)をピリジン、ピコリン、ルチジン、トリエチルア
ミンのような有機塩基の存在下でクロルスルホン酸と接
触させることによつて行なわれる。反応温度は特に限定
はないが、通常は50乃至100℃の加温下が好適である。
反応時間は反応温度によつても異なるが、通常は10分間
乃至2時間である。本反応において溶媒を使用する場
合、それはトルエン、キシレンのような芳香族炭化水素
類、テトラヒドロフラン、ジオキサンのようなエーテル
類、酢酸エチルのようなエステル類、アセトニトリルの
ようなニトリル類およびこれらの混合溶媒であり、ニト
リル類が好ましい。化合物(II)とクロルスルホン酸の
使用モル比は特に限定はないが、化合物(II)1モルに
対して、クロルスルホン酸0.5乃至10モルである。
反応終了後、本反応の目的化合物は常法に従つて反応混
合物から採取される。例えば反応終了後、石油エーテ
ル、ヘキサンのような反応生成物を溶かさない溶剤で洗
浄し、得られた残留物に水を加えた後、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウムのような水酸化アルカリ水溶液を加
えてpH6.5付近に調整し、有機溶剤で抽出するか、また
は本反応で溶媒を使用する場合、反応終了後、反応混合
物を氷水中に注ぎ、酢酸エチルなどの有機溶剤で直接抽
出し、抽出液より溶剤を留去することによつて得ること
ができる。
製造された、一般式(I)で表わされる化合物は反応系
内の酸性度もしくは塩基性度に応じて、所望の型、すな
わち遊離型、ピリジニウム塩のような有機塩基の塩型、
モノアルカリ塩型もしくはジアルカリ塩型として存在す
ることができ、かつ、系内の酸性度もしくは塩基性度を
調節することにより、上記の所望する型のいずれかで単
離することができる。たとえばピリジニウム塩型で単離
し、所望の量の水酸化アルカリ等の塩基類を作用せしめ
ることにより、任意に、上記のような所望の型に変換
し、かつ、単離することができる。
化合物(I)はまた、脱水剤の存在下、化合物(II)と
硫酸によるエステル化反応で製造してもよい。脱水剤と
してはN,N′−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DC
C)、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチ
ルカルボジイミドもしくはその塩酸塩のような鉱酸塩で
例示されるカルボジイミド類があげられるが、1−(3
−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミ
ドの塩酸塩が好適である。該エステル化反応は通常溶媒
中で行われる。該溶媒としては、トルエン、キシレンの
ような芳香族炭化水素類、テトラヒドロフラン、ジオキ
サンのようなエーテル類、ジクロロメタン、クロロホル
ムのようなハロゲン化炭化水素類、アセトニトリルのよ
うなニトリル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセ
トアミドのようなアミド類、スルホラン、ジメチルスル
ホキシド、水およびこれらの混合溶媒があげられるが、
アミド類が好適である。化合物(II)と硫酸との使用モ
ル比は、通常化合物(II)1モルに対し、硫酸1乃至5
モル、好適には1乃至2モルである。化合物(II)と該
脱水剤との使用モル比は、通常、化合物(II)1モルに
対し、脱水剤1乃至10モル、好適には3乃至6モルであ
る。反応温度、反応時間等の反応条件は用いられる原
料、溶媒などによつて異なるが、通常、反応温度は0乃
至50℃、好適には室温付近であり、反応時間は約10分間
乃至2日間、好適には1乃至3時間である。
得られた前記一般式(I)を有する目的化合物もしくは
その塩類は、常法、例えばカラムクロマトグラフイー、
再結晶法、再沈殿法などによつて精製することができ
る。
発明の効果 本発明の前記一般式(I)を有するチアゾリジン誘導体
は、抗糖尿作用薬理試験において、有意な薬効を表わ
す。例えば5−〔4−(6−ヒドロキシ−2,5,7,8−テ
トラメチルクロマン−2−イルメトキシ)ベンジル〕チ
アゾリジン−2,4−ジオン硫酸エステル〔第1表記載の
化合物No.1〕は、KK系マウスを用いた血糖降下試験にお
いて有意な血糖降下作用(50mg/kg経口投与後、18時間
での血糖降下率は、18.9±5.2%)を示し、また、ウシ
水晶体より調製したアルドース還元酵素50%阻害濃度は
5.5×10-6モルを示した。
さらに、例えば上記の化合物No.1を犬に5mg/kg経口投与
した血中(血漿)濃度測定試験において、高い血中濃度
〔血中濃度下面積値、▲AUC8 0▼:8.0±1.8μg・h/ml〕
が得られ、しかも持続性を示した。
従つて、前記一般式(I)を有する化合物およびその薬
理上許容される塩は、糖尿病およびそれらの合併症の治
療を目的とする抗糖尿病剤として有用である。その投与
形態としては例えば錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、
シロツプ剤などによる経口投与法あるいは皮下注射、静
脈内注射などの注射剤、点眼剤若しくは坐剤等による非
経口投与法があげられる。その投与量は投与方法、症
状、年令などによつて異なるが、例えば経口投与では成
人に対して1日30mg乃至3gであり、これを2乃至3回に
分けて投与することができる。
以下に実施例をあげて本発明をさらに具体的に説明す
る。
実施例1a) 5−〔4−(6−ヒドロキシ−2,5,7,8−テトラメチル
クロマン−2−イルメトキシ)ベンジル〕チアゾリジン
−2,4−ジオン硫酸エステル クロルスルホン酸7.3g(62.64ミリモル)のピリジン(2
0ml)溶液中に、5−〔4−(6−ヒドロキシ−2,5,7,8
−テトラメチルクロマン−2−イルメトキシ)ベンジ
ル〕チアゾリジン−2,4−ジオン〔特開昭60-51189号記
載の方法によつて製造〕5g(11.32ミリモル)のピリジ
ン(10ml)溶液を加え、70〜80℃で1時間加温した。反
応終了後、反応混合物に石油エーテル50mlを加えて、上
澄液をデカンテーシヨンにより除去し、この操作をさら
に2回繰り返した。得られた残渣に水10mlを加え、2規
定の水酸化ナトリウム水溶液でpH6.5付近に調整して、
酢酸エチルで抽出した。酢酸エチルを減圧下に留去し、
融点140.5〜142.5℃を有する白色粉末として目的化合物
5.72gを得た。
IRスペクトル(Nujol)νcm-1: 3600〜3300,1270,10501 H-nmrスペクトル(CD3CN)δppm: 7.2(2H,d)、6.9(2H,d)、4.6(1H,dd)、 4.0(1H,d)、3.9(1H,d)、3.3(1H,dd)、 3.1(1H,dd)、2.6(2H,t)、2.19(3H,s)、 2.18(3H,s)、2.1(1H,m)、2.0(3H,s)、 1.9(1H,m)、1.4(3H,s) 質量スペクトル(m/e,グリセロールをマトリツクスに用
いるFAB法で測定): 〔M+H〕+=522 〔M−H〕-=520 より分子量MW=521 実施例1b) 実施例1a)で用いたと同じ出発物質(270mg,0.61mmol)
と1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカ
ルボジイミド・塩酸塩(588mg,3mmol)に2.5mlのジメチ
ルホルムアミドを加え懸濁液とし氷冷下、濃硫酸50μl
(0.92mmol)を加え室温で2時間攪拌した。反応液をそ
のままシリカゲルカラムクロマトグラフイー(溶離液:
ベンゼン:エタノール:酢酸エチル9:1:0.5(100ml);
6:2:0.5(100ml);6:3:0.5(100ml);5:5:1(100ml)で
順次溶出)に付して精製した。溶出液を減圧濃縮し、約
1mlのメタノールに溶解した後、3mlのアセトンを加え約
30mlのエーテルで沈殿とし、取、乾燥し、白色粉末状
の目的化合物166mgを得た。NMRスペクトルは実施例1a)
で得たそれと一致した。
実施例2 5−〔4−(6−ヒドロキシ−2,5,7,8−テトラメチル
クロマン−2−イルメトキシ)ベンジル〕チアゾリジン
−2,4−ジオン硫酸エステルのナトリウム塩 実施例1a)で用いたと同じ出発物質6.25g(14.2ミリモ
ル)とピリジン3.36g(42.5ミリモル)のアセトニトリ
ル溶液(65ml)にクロルスルホン酸2.48g(21.2ミリモ
ル)を加え、82℃で1時間加温した。反応終了後、酢酸
エチル(375ml)と水(250ml)を加え、水層を分離し、
有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。次いで、酢酸
エチルを減圧下で留去し、硫酸エステルのピリジニウム
塩の粗結晶を得た。この粗結晶を酢酸エチル(125ml)
と水(80ml)に溶解し、2規定水酸化ナトリウム水溶液
7.4mlを加えた。次いで、有機層を除去し、水層を冷却
して得られた析出物を取した。これを減圧下加熱乾燥
し、淡黄色粉末状の目的化合物5.31gを得た。
元素分析 C24H26O8NS2Na・1H2Oとして 計算値 C,51.33;H,5.04;N,2.49; S,11.42;Na,4.09% 測定値 C,51.11;H,5.12;N,2.47; S,11.30;Na,4.20% 註) 註)イオンクロマト定量法による。
実施例3〜9 実施例1に準じて以下の化合物を製造した。該化合物は
対応する出発物質と異なるRt値(HPLCにおける保持時
間)を示した。該化合物の構造については、実施例1に
準じて、FABマススペクトルから分子量を測定して確認
した。
フロントページの続き (72)発明者 笹原 邦宏 東京都品川区広町1丁目2番58号 三共株 式会社内 (72)発明者 竹林 ▲とよ▼矩 東京都品川区広町1丁目2番58号 三共株 式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−5980(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 〔式中、Wはメチレン基、カルボニル基または式C=N
    −OV基(式中、Vは水素原子、スルホ基、アシル基また
    は置換基を有していてもよいアルキル基を示す。)を示
    し、Uはメチレン基を示すが、Wがカルボニル基または
    式C=N−OV基(式中、Vは前述したものと同意義を示
    す。)を示すときには、R1と共に二重結合を形成しても
    よく、R1は水素原子または炭素数1乃至8個を有する直
    鎖状若しくは分枝鎖状のアルキル基を示すが、Wがカル
    ボニル基または式C=N−OV基(式中、Vは前述したも
    のと同意義を示す。)を示すときには、Uと共に二重結
    合を形成してもよく、R2およびR4は同一または異なつて
    水素原子または炭素数1乃至5個を有する直鎖状若しく
    は分枝鎖状のアルキル基を示し、R3は炭素数1乃至10個
    を有する直鎖状若しくは分枝鎖状のアルキル基を示し、
    nは1乃至3の整数を示す。〕 を有するチアゾリジン誘導体およびその薬理上許容され
    る塩。
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