JPH0742037Y2 - 空調用中空パネルの取付構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、間仕切に取り付けられ、空調器が送り出す
空気を室内に導入し、室内の空気を再度空調器に戻すと
いう循環機能を有する空調用中空パネルの取付構造に関
するものである。

〔従来の技術〕

従来、一般住宅において室内を空調する場合には、ルー
ムエアコンの室内器を壁に掛けるか、または、上記室内
器を押入の上部に収納し、上記押入の上部前面に吹出口
を形成するようにしていた。

また、セントラルヒーティングによって空調する場合に
は、屋外に空調器を配置し、この空調器が送り出す空気
をダクトによって室内へ導くようにしていた。この場
合、ダクトは、室内の美観を損ねないように天井裏など
に敷設され、室内から隠蔽されていた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

ところが、ルームエアコンを用いて室内を空調する場合
には、ルームエアコンを壁に掛けると、室内の空間を圧
迫してしまい、上記ルームエアコンを押入に収納する
と、押入内の収納量を制限してしまうという問題点があ
った。

また、セントラルヒーティングによって空調する場合に
は、吹出口の小壁の前面に形成した場合、ダクトを小壁
の内部に収納しきれないので、上記小壁の裏面側に梁型
を形成してこの梁型にダクトを収納する。このため、上
記小壁の裏面側が室内である場合には、この室内の空間
を圧迫し、上記裏面側が押入内である場合には、押入内
の収納量を制限してしまうという問題点があった。ま
た、上記吹出口を天井に形成する場合には、空調工学
上、吹出口を多数設けなければならず、ダクトの敷設量
を増やさなければならないので、設備費が高くつくとい
う問題点がある上、ダクトの経路が梁などに遮られ、こ
の梁の下にダクトを通すために天井を下げなければなら
ない場合があるという問題点があった。

〔問題点を解決するための手段〕

この考案は、内部が上下方向に延在する仕切部材により
給気室と排気室とに区画され、上記給気室は、その上部
に空調器に連結される吸込口が形成されるとともに下部
に吹出口が形成され、かつ、上記吹出口内に、上記吸込
口から内部に流入された空気を下向きに向けられたルー
バーのフィンに沿って上記吹出口から下方へ向けて流出
させる傾斜面が形成され、上記排気室は、その上部に空
調器に連結される吹出口が形成されるとともに下部に吸
込口が形成され、かつ、該吸込口内に、該吸込口から内
部に流入された空気を上記吹出口へ向けて流動させる傾
斜面が形成された空調用中空パネルの取付構造であっ
て、上記給気室の吸込口および排気室の吹出口を天井裏
に位置させるとともに、上記給気室の吹出口および排気
室の吸込口を間仕切表面に位置させ、上記間仕切の一部
を構成するようにして取り付けたものである。

〔実施例〕

第１図ないし第３図は、この考案の一実施例を示す図で
ある。

これらの図において、符号１は間仕切の上部に取り付け
られた空調用中空パネル、２は空調用中空パネル１の前
面に取り付けられたルーバーである。

空調用中空パネル１は、正面視して矩形状に形成された
箱型の中空体であり、その中央部に内部を左右に二分割
する仕切板３が取り付けられている。この空調用中空パ
ネル１の内部は、上記仕切板３によって、室内へ空気を
導入する給気室４と、室内の空気を排出する排気室５と
に分割されている。上記給気室４側には、後面上部に、
図示しない空調器が送り出す空気を内部に導入する楕円
形の連結孔６（吸込口）が形成され、前面下部に、内部
の空気を室内へ流出する矩形状の吹出口７が形成されて
いる。上記排気室５側には、前面下部に、室内の空気を
内部に導入する矩形状の吸込口８が形成され、後面上部
に、内部の空気を上記空調器へ送り出す楕円形の連結孔
９が形成されている。上記吹出口７内には、連結孔６か
ら内部に導入された空気を下方へ向けて流出される傾斜
面10が形成され、上記吸込口８内にも、傾斜面10と同様
の傾斜面11が形成されている。

このような構成の空調用中空パネル１は、間仕切12の表
面に吹出口７、吸込口８を位置させ、同間仕切12の上部
に同間仕切12の一部を構成するようにして取り付けら
れ、その上部が天井13を貫通して連結孔６、連結孔９を
天井13裏に位置させている。上記連結孔６には、図示し
ないダクトを介して上記空調器の給気側が連結され、上
記連結孔９には、図示しないダクトを介して上記空調器
の排気側が連結されている。また、上記空調用中空パネ
ル１の後面には、上記間仕切12の後面を装飾する石膏ボ
ード14が取り付けられている。

ルーバー２は、横方向に延在する多数の細長いフィン15
を上下方向に所定の間隔を隔てて連設してなるものであ
る。このルーバー２は、それぞれのフィン15が長さ方向
へ向けた軸まわりに回動自在となっていて、互いのフィ
ン15が連動して同一方向に回動するように構成されてい
る。

このルーバー２は、上記間仕切12の前面上部に２個取り
付けられ、それぞれ、空調用中空パネル１前面の給気室
４側、排気室５側を覆い隠すようにして取り付けられて
いる。

なお、このルーバー２では、すべてのフィン15が回動す
るようになっているが、吹出口７前方および吸込口８前
方に配置されたフィン15だけを可動とし、その他のフィ
ン15を固定としても差し支えない。

以下に、上記のようにして取り付けられた空調用中空パ
ネル１の作用を第１図を参照して説明する。

図示しない空調器により空調された空気を連結孔６から
空調用中空パネル１の給気室４に流入すると、この空気
が給気室４内を下流し、傾斜面10に衝突する。このと
き、この空気は、コアンダー効果により傾斜面10に沿っ
て流れ、下向きのイナーシャを持って吹出口７から室内
に吹き出す。暖房時には、上記傾斜面10によって暖気を
室内の下部へ流して室内を均一に暖める。また、冷房時
には、吹出口７の前方に取り付けられたルーバー２を水
平方向に向け、室内を均一に冷却するようにする。上記
のようにして吹出口７から室内に供給された空気は、室
内を循環した後、吸込口８から排気室５に流入し、排気
室５内を上昇して連結孔９から流出する。この空気は、
上記空調器で熱交換されて、再度室内へ供給される。

上記の空調用中空パネル１の取付構造によれば、吹出口
７および吸込口８を間仕切12の上部に形成したので、空
調工学上、吹出口７および吸込口８の数を減らすことが
でき、ダクトの敷設工事を簡単にして設備費を低減する
ことができる。しかも、上記空調用中空パネル１を間仕
切12の一部を構成するようにして取り付けたので、間仕
切12の裏面側が室内であっても、この室内の空間を圧迫
することを防止することができ、間仕切12の裏面側が押
入であっても、この押入の収納量を制限することを防止
することができる。

また、この空調用中空パネル１の取付構造によれば、連
結孔６、連結孔９を天井13裏に位置させたので、天井13
裏でダクトに接続させることができ、ダクトを室内から
隠蔽して室内の美観を保つことができる。

また、この空調用中空パネル１によれば、吹出口７内
に、吸込口８から内部に流入された空気を下向きに向け
られたルーバー２のフィン15に沿って吹出口７から下方
へ向けて流出させる傾斜面10を形成し、吸込口８内にも
傾斜面11を形成したので、ルーバー２のフィン15に抵抗
を受けることなく空気を下方に流出させることができ、
吹出口７から出る気流を吹出口７から鉛直下方へ流し、
室内に供給された空気を再度空調器に戻すという様に、
室内の空気を効果的に循環させることができ、暖房時に
も室内の温度分布を均一にすることができる。

さらに、この空調用中空パネル１によれば、給気側パネ
ルと排気側パネルとを一体に形成したので、取付工事を
簡単にすることができる。

さらにまた、この空調用中空パネル１の取付構造によれ
ば、吹出口７の前方に可動式のルーバー２を取り付けた
ので、間仕切12の上部を欄間のようにして間仕切12の見
映えを良くすることができる上、吹出口７から出る気流
を任意の方向へ向けることができ、暖房時、冷房時にか
かわらず、室内の温度分布を良好に保つことができる。
その上、吸込口８の前方に取り付けられたルーバー２が
吹出口７前方のルーバー２と独立してそのフィン15を回
動させることができるので、互いのルーバー２のフィン
15を別方向へ向けることにより、吹出口７と吸込口８と
の間にショートサーキットが発生することを防止するこ
とができる。

〔考案の効果〕

この考案の空調用中空パネルの取付構造によれば、給気
室の吹出口および排気室の吸込口を間仕切に形成したの
で、空調工学上、吹出口および吸込口の数を減らすこと
ができ、ダクトの敷設工事を簡単にして設備費を低減す
ることができる。しかも、上記空調用中空パネルを間仕
切の一部を構成するようにして取り付けたので、間仕切
の裏面側が室内であっても、この室内の空間を圧迫する
ことを防止することができ、間仕切の裏面側が押入であ
っても、この押入の収納量を制限することを防止するこ
とができる。

また、この空調用中空パネルの取付構造によれば、給気
室の吸込口および排気室の吹出口を天井裏に位置させた
ので、天井裏でダクトに接続させることができ、ダクト
を室内から隠蔽して室内の美観を保つことができる。

さらに、この空調用中空パネルによれば、給気室の吹出
口内に、吸込口から内部に流入された空気を下向きに向
けられたルーバーのフィンに沿って吹出口から下方へ向
けて流出させる傾斜面を形成するとともに排気室の吸込
口内にも傾斜面を形成したので、ルーバーのフィンに抵
抗を受けることなく空気を下方に流出させることがで
き、吹出口から出る気流を吹出口から鉛直下方へ流し、
室内に供給された空気を再度空調器に戻すという様に、
室内の空気を効果的に循環させることができ、暖房時に
も室内の温度を均一にすることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第３図は、この考案の一実施例を示す図で
あって、第１図は空調用中空パネルの取付構造の断面
図、第２図は空調用中空パネルの正面図、第３図は同平
面図である。 １……空調用中空パネル、６……吸込口（連結孔）、７
……吹出孔、10……傾斜面、12……間仕切、13……天
井。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭57−130653（ＪＰ，Ａ) 実開 昭56−23344（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭54−115758（ＪＰ，Ｕ)

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】内部が上下方向に延在する仕切部材により
   給気室と排気室とに区画され、 上記給気室は、その上部に空調器に連結される吸込口が
   形成されるとともに下部に吹出口が形成され、かつ、上
   記吹出口内に、上記吸込口から内部に流入された空気を
   下向きに向けられたルーバーのフィンに沿って上記吹出
   口から下方へ向けて流出させる傾斜面が形成され、 上記排気室は、その上部に空調器に連結される吹出口が
   形成されるとともに下部に吸込口が形成され、かつ、該
   吸込口内に、該吸込口から内部に流入された空気を上記
   吹出口へ向けて流動させる傾斜面が形成された空調用中
   空パネルの取付構造であって、 上記給気室の吸込口および排気室の吹出口を天井裏に位
   置させるとともに、上記給気室の吹出口および排気室の
   吸込口を間仕切表面に位置させ、上記間仕切の一部を構
   成するようにして取り付けたことを特徴とする空調用中
   空パネルの取付構造。