JPH0741974A - 高濃度一液型アルカリ洗浄剤組成物およびその製造方法 - Google Patents

高濃度一液型アルカリ洗浄剤組成物およびその製造方法

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JPH0741974A
JPH0741974A JP13826994A JP13826994A JPH0741974A JP H0741974 A JPH0741974 A JP H0741974A JP 13826994 A JP13826994 A JP 13826994A JP 13826994 A JP13826994 A JP 13826994A JP H0741974 A JPH0741974 A JP H0741974A
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弘之 松田
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秀巳 大橋
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Abstract

(57)【要約】 【構成】アルカリ剤を10〜35(Na2 O基準)重量
%、および一分子中に2〜50個の極性基を有する芳香
族化合物を0.1〜20重量%含有することを特徴とす
る高濃度一液型アルカリ洗浄剤組成物、それを希釈して
なる洗浄剤組成物、並びに前記の高濃度一液型アルカリ
洗浄剤組成物の製造方法。 【効果】本発明の高濃度一液型アルカリ洗浄剤組成物
は、優れたスラリー安定化剤を含むため、高アルカリ濃
度において通常難溶性のアルコール、界面活性剤、脂肪
酸、キレート剤等を配合させることができ、洗浄剤に要
求される高洗浄性、抑泡性、低COD、低コストのすべ
てを満足する一液型洗浄剤組成物を提供することができ
る。また、本発明の製造方法によると当該洗浄剤組成物
をより安定な製品として製造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属、ガラス、陶磁
器、プラスチック等の硬質表面の洗浄に用いられる高濃
度一液型アルカリ洗浄剤組成物およびその製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術・発明が解決しようとする課題】従来よ
り、アルカリ洗浄剤は、酸の中和作用、油脂類の鹸化作
用、電気伝導性等を有することから、金属、ガラス等の
硬質表面の動植物性油脂、鉱物油、ワックス、グリー
ス、蛋白質、カーボン等の強固な汚れの洗浄剤として工
業的に利用されている。また、アルカリ洗浄剤は、汚れ
の成分や劣化・吸着状態等により異なるが、一般的には
界面活性剤およびキレート剤等の各種ビルダーが併用さ
れている。
【0003】現在のアルカリ洗浄剤は、取扱い易さ等の
面から、アルカリ基剤に各種ビルダーを配合した均一透
明な一液型の洗浄剤が主流となっている。しかし、この
一液型洗浄剤は配合できる薬剤の種類および量に大きな
制約があり、さらにアルカリ自体の濃度をあまり高くで
きないという制約がある。したがって、洗浄剤に対して
要求される性能(高洗浄性、抑泡性、低COD、低コス
ト)からみれば、このように制約の多い洗浄剤では十分
に要求を満足しているとはいえない。
【0004】本発明の目的は、かかる課題を解決すべ
く、高アルカリ濃度において通常難溶性のアルコール、
界面活性剤、脂肪酸、キレート剤等を配合させることが
でき、洗浄剤に要求される高洗浄性、抑泡性、低CO
D、低コストを満足する一液型洗浄剤組成物を提供する
ことにある。また、本発明の目的は、当該洗浄剤組成物
をより安定な製品として製造することができる製造方法
を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる一
液型アルカリ洗浄剤の欠点を改善し、配合可能な各種薬
剤の種類および量の制約を除き、アルカリ自体の濃度を
高めることをも可能とする化合物を発見し、これらの化
合物を配合することにより、上記の性能を十分に満足し
かつ安定性に優れた高濃度一液型アルカリ洗浄剤組成物
を開発することに成功し、本発明を完成するに至った。
【0006】本発明の要旨は、(1) アルカリ剤を1
0〜35(Na2 O基準)重量%、および一分子中に2
〜50個の極性基を有する芳香族化合物を0.1〜20
重量%含有することを特徴とする高濃度一液型アルカリ
洗浄剤組成物、(2) 一分子中に2〜50個の極性基
を有する芳香族化合物が、その他の置換基を有していて
もよいベンゼン誘導体、ナフタレン誘導体またはアント
ラセン誘導体であって、極性基がCOOM、SO3 M、
OSO3 M、NH2 、NO2 、NR1 H、NR2 3
およびOH(ここで、Mは水素、アルカリ金属、アルカ
リ土類金属、炭素数1〜4の脂肪族アミン、アンモニ
ア、またはアルカノールアミンを表し、R1 、R2 およ
びR3 は同一または異なる基であり、いずれも炭素数1
〜4の直鎖もしくは分岐の、飽和もしくは不飽和のカル
ボン酸基を表す。)から成る群より選ばれる1種以上で
あることを特徴とする前記(1)記載の高濃度一液型ア
ルカリ洗浄剤組成物、(3) 極性基を有する芳香族化
合物が、一分子中に2〜4個の極性基を有するものであ
る前記(2)記載の高濃度一液型アルカリ洗浄剤組成
物、(4) キレート剤の一以上をさらに含有して成る
前記(1)〜(3)いずれか記載の高濃度一液型アルカ
リ洗浄剤組成物、(5) アルコール、界面活性剤、脂
肪酸の一以上をさらに含有して成る前記(1)〜(4)
いずれか記載の高濃度一液型アルカリ洗浄剤組成物、
(6) 前記(1)〜(5)いずれか記載の高濃度一液
型アルカリ洗浄剤組成物を、アルカリ剤濃度が0.1〜
10(Na2 O基準)重量%になるよう水系溶媒により
希釈してなる洗浄剤組成物、並びに(7) 10(Na
2 O基準)重量%以上のアルカリ剤に対して、一分子中
に2〜50個の極性基を有する芳香族化合物を含む他の
成分を、常にアルカリ剤過剰の状態で攪拌下に混合する
ことを特徴とする前記(1)〜(5)いずれか記載の高
濃度一液型アルカリ洗浄剤組成物の製造方法、に関す
る。
【0007】ここで、一分子中に2〜50個の極性基を
有する芳香族化合物としては、その他の置換基を有して
いてもよいベンゼン誘導体、ナフタレン誘導体またはア
ントラセン誘導体であって、極性基がCOOM、SO3
M、OSO3 M、NH2 、NO2 、NR1 H、NR2
3 、およびOH(ここで、Mは水素、アルカリ金属、ア
ルカリ土類金属、炭素数1〜4の脂肪族アミン、アンモ
ニア、またはアルカノールアミンを表し、R1 、R2
よびR3 は同一または異なる基であり、いずれも炭素数
1〜4の直鎖もしくは分岐の、飽和もしくは不飽和のカ
ルボン酸基を表す。)から成る群より選ばれる1種以上
のものが好適に使用される。
【0008】本発明の高濃度一液型アルカリ洗浄剤組成
物に用いられるアルカリ剤は、水溶性のアルカリ剤であ
り、具体的には、苛性ソーダ、苛性カリ等の苛性アルカ
リ類、オルソ珪酸ソーダ、メタ珪酸ソーダ、一号珪酸ソ
ーダ、二号珪酸ソーダ、三号珪酸ソーダ等の珪酸ソーダ
類、トリポリリン酸ソーダ、オルソリン酸ソーダ、メタ
リン酸ソーダ等のリン酸ソーダ類等が挙げられる。これ
らのうち、好ましくは常温保管が容易という面から苛性
アルカリ類である。
【0009】アルカリは、酸の中和作用、油脂類の鹸化
作用および電気伝導性を併せもつため、本発明の洗浄剤
組成物において主役をなすものであり、その濃度は高い
方がよい。しかし、その濃度は高くすると、洗浄効果、
抑泡効果を高めるための配合薬剤であるアルコール、界
面活性剤、脂肪酸、キレート剤等を十分に溶解すること
ができず、これらの薬剤を構成成分として含めると組成
物の均一性を保持できず、安定な一液型洗浄剤組成物を
得ることが一般に困難である。そこで、本発明において
は、以下に詳述する極性基を有する芳香族化合物をスラ
リー安定化剤として用いることにより、配合可能な各種
薬剤の種類および量を飛躍的に増大させると共に10〜
35(Na2 O基準)重量%の高アルカリ濃度において
も安定かつ流動性のある一液型アルカリ洗浄剤の提供を
可能としている。即ち、本発明においては、アルカリ剤
の濃度は10〜35(Na2 O基準)重量%、好ましく
は15〜30(Na2 O基準)重量%である。10重量
%未満では後述のスラリー安定化剤がスラリー化せず、
35重量%を越えるとスラリー安定化剤がゲル化して固
化するので好ましくない。
【0010】本発明の高濃度一液型アルカリ洗浄剤組成
物において、スラリー安定化剤として用いられる一分子
中に2〜50個の極性基を有する芳香族化合物(以下、
「スラリー安定化剤」と略すことがある)は、その他の
置換基を有していてもよいベンゼン誘導体、ナフタレン
誘導体またはアントラセン誘導体等である。極性基の数
が1個のものでは洗浄液がゲル化したり、不安定なもの
であったりするため好ましくない。また、極性基の数が
50個を越えると安定な洗浄剤は得られるものの抑泡効
果が低下する傾向がある。洗浄効果および抑泡効果を総
合すると、極性基数は2〜4個が特に好ましい。
【0011】極性基としては、アルカリ水溶液中で分解
しない、あるいは分解されにくいものであって、比較的
強い親水性を示すものであれば特に限定されてないが、
例えばCOOM、SO3 M、OSO3 M、NH2 、NO
2 、NR1 H、NR2 3 およびOHからなる群より1
種以上を選ぶことができる。ここで、Mは水素、アルカ
リ金属、アルカリ土類金属、炭素数1〜4の脂肪族アミ
ン、アンモニア、またはアルカノールアミンを表し、R
1 、R2 およびR3 は同一または異なる基であり、いず
れも炭素数1〜4の直鎖もしくは分岐の、飽和もしくは
不飽和のカルボン酸基を表す。本発明においては、なか
でもCOOM、SO3 Mを含む芳香族化合物が好適に使
用される。
【0012】スラリー安定化剤の具体例としては、フタ
ル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、スルファニル酸、
トリメリット酸、トリメシン酸、1,3−ナフタレンジ
カルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、アミノ
安息香酸、1,5−ナフタレンジスルホン酸、2,6−
ナフタレンジスルホン酸、2,7−ナフタレンジスルホ
ン酸、2−ナフトール−6−スルホン酸、1,3,6−
ナフタレントリスルホン酸、1,5−ナフタレンジアミ
ン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、β−ナフタレン
スルホン酸のホルマリン縮合物等もしくはその塩等が挙
げられる。好ましくは、イソフタル酸、テレフタル酸、
2,6−ナフタレンジスルホン酸、2,7−ナフタレン
ジスルホン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、アミ
ノ安息香酸である。
【0013】スラリー安定化剤は、アルカリ水溶液に難
溶性のアルコール、ノニオン界面活性剤、アニオン界面
活性剤、両性界面活性剤および鉱物油などを高濃度アル
カリ水溶液中で均一に分散させ、安定な流動性を有する
アルカリ洗浄剤の調製を可能とする。従って、従来の均
一透明型の洗浄剤に比べ、高濃度アルカリ水溶液中での
上記難溶性薬剤の配合量を飛躍的に増大させることがで
きるため、高濃度型の洗浄剤を調製することができる。
【0014】本発明の高濃度一液型アルカリ洗浄剤組成
物中におけるスラリー安定化剤の濃度は、0.1〜20
重量%、好ましくは0.3〜5重量%である。0.1重
量%未満では安定な洗浄剤組成物が得られず、20重量
%を越えると洗浄剤の粘度が非常に増加もしくはゲル化
するため使用に不適だからである。スラリー安定化剤と
しては、上記の極性基を有する芳香族化合物を2種以上
併用することもできる。また、同種の極性基を有する脂
肪族系化合物を併用してもよい。本発明に用いられる上
記のスラリー安定化剤は、優れたスラリー安定化作用を
有するが、本発明の洗浄剤組成物の洗浄性能に対しても
抑泡性能に対しても悪影響を与えないという特性を有す
る。
【0015】本発明の高濃度一液型アルカリ洗浄剤組成
物には、製品安定性を高めるため、もしくは洗浄対象に
応じて洗浄効果を高めるため多くの薬剤を配合すること
ができる。例えば、アルコール、界面活性剤、脂肪酸、
キレート剤等であるが、なかでもキレート剤が好適に用
いられる。かかる配合薬剤について以下に述べる。
【0016】アルコールは、優れた消泡効果を有するた
め、本発明のアルカリ洗浄剤に有利に配合される。アル
カリ洗浄剤の特色として、汚れ中の油脂を分解して石鹸
を生成するため、使用時に発泡し、洗浄剤消失量の増
加、排水処理負荷の増加等のデメリットを招く場合があ
る。従って、これを防止するためアルカリ洗浄剤には消
泡剤を配合することが望ましいからである。
【0017】本発明に使用し得るアルコールとしては、
例えば、オクチルアルコール、ノニルアルコール、デシ
ルアルコール、ウンデシルアルコール、ドデシルアルコ
ール、トリデシルアルコール、パルミチルアルコール、
ミリスチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニ
ルアルコールもしくは、4−オクタノール、2−トリデ
カノール、2−ノナノール等の炭素数6〜22の飽和の
直鎖アルコール、2−エチルヘキシルアルコール、3,
5,5−トリメチルヘキサノール、イソトリデシルアル
コール、イソパルミチルアルコール、イソステアリルア
ルコール等のブチレンもしくはプロピレンの重合体をオ
キソ法によりヒドロキシル化した飽和の分岐鎖アルコー
ル、オレイルアルコール、リノレイルアルコール等の不
飽和の直鎖または分岐鎖アルコール、およびノニルフェ
ノール、オクチルフェノール、ビスフェノール等の芳香
族アルコールからなる群より選ばれる1以上のアルコー
ルが挙げられる。中でも、オクチルアルコール、2−エ
チルヘキシルアルコール、ノニルアルコール、デシルア
ルコール、ウンデシルアルコール、ドデシルアルコー
ル、イソトリデシルアルコール、イソステアリルアルコ
ール等が特に有利に配合される。本発明の高濃度一液型
アルカリ洗浄剤組成物におけるこれらのアルコールの配
合割合は、通常0〜20重量%であり、より好ましくは
0〜10重量%である。
【0018】界面活性剤は、その界面活性により汚れを
物品から引き離す働きをするため、優れた配合薬剤とな
る。界面活性剤には、ノニオン界面活性剤、アニオン界
面活性剤、カチオン界面活性剤、および両性界面活性剤
があるが、アルカリ中では不活性なカチオン界面活性剤
を除き、一般に高濃度アルカリには難溶性であり、高濃
度アルカリ洗浄剤への配合は困難である。しかし、本発
明に用いられるスラリー安定化剤の使用により、ノニオ
ン界面活性剤、アニオン界面活性剤を配合した後も安定
な高濃度一液型アルカリ洗浄剤組成物を得ることができ
る。かかるノニオン界面活性剤の例としては、一般式
【0019】
【化1】
【0020】で表される化合物が挙げられる。上式中、
3 は水素または炭素数1〜22の直鎖もしくは分岐
の、飽和もしくは不飽和の脂肪族もしくは芳香族炭化水
素基を表し、m、n、p、qはそれぞれ0〜60の整数
であり、かつm+n+p+qは1〜60を表す。
【0021】これらの化合物の具体例としては、例え
ば、ポリオキシエチレンヘキシルエーテル、ポリオキシ
エチレンオクチルエーテル、ポリオキシエチレンデシル
エーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリ
オキシエチレンパルミチルエーテル、ポリオキシエチレ
ンミリスチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリル
エーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリ
オキシエチレントリルエーテル、ポリオキシエチレンキ
シレニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニ
ルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテ
ル、ポリオキシエチレンデシルフェニルエーテル、ポリ
オキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシ
プロピレン、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン
コポリマー、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン
オクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオ
キシプロピレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエ
チレンポリオキシプロピレンデシルフェニルエーテル、
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンドデシルフェ
ニルエーテル、ポリオキシプロピレンオクチルフェニル
エーテル、ポリオキシプロピレンノニルフェニルエーテ
ル、ポリオキシプロピレンデシルフェニルエーテル、ポ
リオキシプロピレンドデシルフェニルエーテル、ポリオ
キシプロピレンブチルエーテル、ポリオキシエチレンポ
リオキシプロピレン−2−エチルヘキシルエーテル、ポ
リオキシプロピレン−2−エチルヘキシルエーテル、ポ
リオキシエチレンポリオキシプロピレン−2−エチル−
3−メチルノニルエーテル、ポリオキシプロピレン−2
−エチル−3−メチルノニルエーテル、ポリオキシエチ
レンポリオキシプロピレン−1−ブチルオクチルエーテ
ル、ポリオキシプロピレン−1−ブチルオクチルエーテ
ル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン−1−ペ
ンチルヘプチルエーテル、ポリオキシプロピレン−1−
ペンチルヘプチルエーテル、ポリオキシエチレンポリオ
キシプロピレン−1−メチルウンデシルエーテル、ポリ
オキシプロピレン−1−メチルウンデシルエーテル、ポ
リオキシエチレンポリオキシプロピレン−1−エチルデ
シルエーテル、ポリオキシプロピレン−1−エチルデシ
ルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン
−1−プロピルノニルエーテル、ポリオキシプロピレン
−1−プロピルノニルエーテル、ポリオキシエチレンポ
リオキシプロピレン−1−ブチルノニルエーテル、ポリ
オキシプロピレン−1−ブチルノニルエーテル、ポリオ
キシエチレンポリオキシプロピレン−1−ペンチルオク
チルエーテル、ポリオキシプロピレン−1−ペンチルオ
クチルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピ
レン−1−メチルドデシルエーテル、ポリオキシプロピ
レン−1−メチルドデシルエーテル、ポリオキシエチレ
ンポリオキシプロピレン−1−エチルウンデシルエーテ
ル、ポリオキシプロピレン−1−エチルウンデシルエー
テル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン−1−
プロピルデシルエーテル、ポリオキシプロピレン−1−
プロピルデシルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキ
シプロピレン−1−ヘキシルヘプチルエーテル、ポリオ
キシプロピレン−1−ヘキシルヘプチルエーテル、ポリ
オキシエチレンポリオキシプロピレン−1−ブチルデシ
ルエーテル、ポリオキシプロピレン−1−ブチルデシル
エーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン−
1−ペンチルノニルエーテル、ポリオキシプロピレン−
1−ペンチルノニルエーテル、ポリオキシエチレンポリ
オキシプロピレン−1−メチルトリデシルエーテル、ポ
リオキシプロピレン−1−メチルトリデシルエーテル、
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン−1−エチル
ドデシルエーテル、ポリオキシプロピレン−1−エチル
ドデシルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロ
ピレン−1−プロピルウンデシルエーテル、ポリオキシ
プロピレン−1−プロピルウンデシルエーテル、ポリオ
キシエチレンポリオキシプロピレン−1−ヘキシルオク
チルエーテル、ポリオキシプロピレン−1−ヘキシルオ
クチルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピ
レンイソノニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキ
シプロピレンイソララウリルエーテル、ポリオキシエチ
レンポリオキシプロピレンイソパルミチルエーテル、ポ
リオキシエチレンポリオキシプロピレンイソステアリル
エーテル等が挙げられる。
【0022】アニオン界面活性剤の具体例としては、高
級アルコール硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノ
ールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ドデシルベン
ゼンスルフォン酸ナトリウム、アルキルナフタレンスル
フォン酸ナトリウム、ジアルキルスルホコハク酸ナトリ
ウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリ
ウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸トリエ
タノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルフェニル
エーテル硫酸ナトリウム等が挙げられる。
【0023】両性界面活性剤の具体例としては、ラウリ
ルベタイン、ステアリルベタイン、オクチルベタイン、
ラウリルベタインアミンオキサイド、ラウリルカルボキ
シメチルヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン等
が挙げられる。これらの界面活性剤は単一でも2以上の
組み合わせとしても配合できる。本発明の高濃度一液型
アルカリ洗浄剤組成物における界面活性剤の配合割合
は、通常0〜20重量%であり、より好ましくは0〜1
0重量%である。
【0024】脂肪酸も配合薬剤として本発明の高濃度一
液型アルカリ洗浄剤組成物に用いられる。脂肪酸は、ア
ルカリ中で界面活性効果を示すのみでなく、一部消泡効
果をも有しているからである。
【0025】本発明の高濃度一液型アルカリ洗浄剤組成
物に配合される脂肪酸としては、例えば2,3−ジメチ
ルノナン酸、4,4−ジメチルデカン酸、2−エチル−
3−メチルノナン酸、2−メチルドコサン酸、2−プロ
ピル−3−メチルノナン酸、4,10−ジメチルドデカ
ン酸、2−メチル−2−ドデセン酸、2−エチルヘキサ
ン酸、イソノナン酸、イソデカン酸、イソパルミチン
酸、イソラウリン酸、イソミリスチン酸、イソステアリ
ン酸、イソドコサン酸、2−1’−メチル−3’,3’
−ジメチルブチル−5−メチル−7,7−ジメチルオク
タン酸、2−1’,1’,3’,3−テトラメチルブチ
ル−3−メチル−5,5−ジメチルヘキサン酸等が挙げ
られる。本発明の高濃度一液型アルカリ洗浄剤組成物に
おけるこれらの脂肪酸の配合割合は、通常0〜20重量
%であり、より好ましくは0〜10重量%である。
【0026】キレート剤は、前記のように本発明の洗浄
剤組成物に好適に配合される。キレート剤は汚れ中の金
属原子と結合してこれを除去することにより洗浄効果を
高めると共に、本発明のスラリー安定化剤との組み合わ
せにより洗浄剤製品安定性を、更に著しく向上させる機
能を有しているからである。
【0027】本発明に使用されるキレート剤としては、
例えば、グリシン、ニトリロ三酢酸、アスパラギン酸、
ジヒドロキシエチレングリシン、エチレンジアミン四酢
酸、ジエチレントリアミン五酢酸、エチレンジアミン二
酢酸、イミノ二酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸、
メタフェニレンジアミン四酢酸、ヒドロキシエチルエチ
レンジアミン三酢酸、ノルロイシンアミノ酢酸等のアル
カリ金属塩もしくは低級アミン塩などのアミノカルボン
酸類、リンゴ酸、クエン酸、グルコン酸、グルコヘプト
ン酸、粘液酸等のアルカリ金属塩もしくは低級アミン塩
などのオキシカルボン酸型キレートビルダー等が挙げら
れる。これらのうち、好ましくはエチレンジアミン四酢
酸、DL−アスパラギン酸、ニトリロ三酢酸、ジエチレ
ントリアミン五酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸で
ある。これらは、単一または2以上の組み合わせで用い
られる。
【0028】本発明の高濃度一液型アルカリ洗浄剤組成
物におけるこれらのキレート剤の配合割合は、通常0〜
20重量%であり、より好ましくは0.5〜10重量%
である。この範囲より多いと洗浄性能の飽和による薬剤
コストの無駄およびスラリー製品のゲル化又は固化が生
じる傾向がある。
【0029】本発明の高濃度一液型アルカリ洗浄剤組成
物の製造法は、常法、すなわちアルカリ剤以外の配合組
成物を均一に撹拌混合しながら、最後にアルカリ剤を添
加する方法でもよいが(実施例1〜7参照)、次のよう
な本発明の製造方法により、更に製品安定性の高いもの
を製造することができる。
【0030】即ち、本発明の製造方法は、10(Na2
O基準)重量%以上のアルカリ剤に対して、一分子中に
2〜50個の極性基を有する芳香族化合物を含む他の成
分を、常にアルカリ剤過剰の状態で攪拌下に配合するこ
とを特徴とするものである。具体的には、混合時のアル
カリ剤濃度を調整しながら各種の攪拌・混合により行う
方法が例示されるが、例えば次のような滴下法又は循環
法により、本発明の洗浄剤組成物を製造することができ
る。
【0031】滴下法では、図1に示すような装置を用い
て、所定濃度のアルカリ剤水溶液を攪拌しながら、スラ
リー安定化剤を含有する水溶液(溶解しない場合は金属
塩等にして溶解する)をアルカリ剤中に少量ずつ滴下
し、滴下終了後さらに必要によりキレート剤、界面活性
剤、アルコールおよび脂肪酸等のその他の成分を添加
し、高剪断力により均一攪拌する(実施例8の滴下法参
照)。このとき、配合比率は常にアルカリ剤が過剰にな
るようにする。なお、キレート剤、界面活性剤等の水に
溶解するものは、予めスラリー安定化剤の水溶液に添加
しておいてもよい。上記の方法では滴下速度が遅い方が
製品の安定性が優れる。
【0032】循環法では、図2に示すような装置を用い
て、ラインミキサー等の高剪断力を有するライン挿入型
の攪拌機を経由する循環ラインにより、所定濃度のアル
カリ剤(混合開始後は混合液)を循環させながら、スラ
リー安定化剤等の水溶液をアルカリ剤と一定比率で送液
しながら混合する(実施例8の循環法参照)また、必要
に応じて他の成分を更に同様に混合する。なお、この場
合にも配合比率は常にアルカリ剤が過剰になるようにす
る(最終組成も滴下法と同様)が、スラリー安定化剤等
の成分のアルカリ剤に対する送液比が小さい方が製品の
安定性が優れる。このときキレート剤、界面活性剤等の
水に溶解するものは、予めスラリー安定化剤の水溶液に
添加しておいてもよい。なお、スケールアップを考慮す
ると、工業的には循環法が有利となる。
【0033】本発明の高濃度一液型アルカリ洗浄剤組成
物は、通常使用時に水道水、イオン交換水、工業用水等
の水系溶媒により希釈される。その時の濃度は、被洗浄
物の種類や汚れの種類により異なるが、通常0.1〜1
0重量%である。従って、使用時において希釈された洗
浄剤組成物中のアルカリ濃度は、通常0.1〜10(N
2 O基準)重量%、好ましくは0.5〜5(Na2
基準)重量%となる。この範囲より小さいと洗浄性の低
下が問題となる傾向があり、この範囲より大きいと洗浄
性能が飽和するため、薬剤コストの無駄および設備腐食
の促進となる傾向がある。
【0034】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳しく説
明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定さ
れるものではない。以下の実施例に使用された薬剤を次
にまとめて示す。アルカリ剤としては、苛性ソーダ(A
−1)またはオルソケイ酸ソーダ(A−2)が、キレー
ト剤としては、グルコン酸ソーダ(B−1)またはED
TA−4Na(B−2)が、ノニオン界面活性剤として
は、ポリオキシエチレン(10モル付加)ノニルフェニ
ルエーテル(C−1)、ポリオキシエチレン(10モル
付加)ポリオキシプロピレン(10モル付加)ラウリル
エーテル(C−2)またはポリオキシプロピレン(2モ
ル付加)−2−エチルヘキシルエーテル(C−3)が、
アルコールとしては、オクチルアルコール(D−1)ま
たはイソステアリルアルコール(D−2)がそれぞれ用
いられた。
【0035】スラリー安定化剤としては、安息香酸(G
−1,比較品)、1−ナフトエ酸(G−2,比較品)、
1−ナフタレンスルホン酸(G−3,比較品)、イソフ
タル酸(H−1,発明品)、テレフタル酸(H−2,発
明品)、スルファニル酸(H−3,発明品)、トリメリ
ット酸(H−4,発明品)、2,6−ナフタレンジカル
ボン酸(H−5,発明品)、2,7−ナフタレンジスル
ホン酸(H−6,発明品)、2−ナフトール−6−スル
ホン酸(H−7,発明品)、1,3,6−ナフタレント
リスルホン酸(H−8,発明品)、またはβ−ナフタレ
ンスルホン酸ソーダホルマリン縮合物(MW:500
0)(H−9,発明品)が用いられた。
【0036】評価方法および評価基準としては、次のも
のが用いられた。 洗浄剤安定性評価:調製したアルカリ洗浄剤を一定
の温度で静置保存し、洗浄剤中の各種配合組成物(アル
コール、界面活性剤、脂肪酸)の均一状態を目視により
判定した。 評価基準:◎は流動かつ1週間以上安定の場合、○は流
動かつ3日以上安定の場合、△は流動かつ1日以上安定
の場合、×は固化もしくは1日以内に分離した場合を表
す。また、安定性評価における数字は製品の保存安定日
数を表す。
【0037】 洗浄性評価:牛脂系圧延油が付着した
鋼板ピース(10×15cm)を、調製した希釈アルカ
リ洗浄液に浸漬洗浄し、ついで電解洗浄した後、充分量
の流水により水洗した後の鋼板表面の水濡れ面積より洗
浄性を評価した。 浸漬洗浄条件:洗浄液温度80℃、浸漬時間1秒 電解洗浄条件:洗浄液温度80℃、電解時間1秒,電流
密度5A/dm2 (洗浄鋼板はマイナス極) 洗浄液濃度:各種配合洗浄剤中のアルカリ剤の濃度が2
(Na2 O基準)重量%になるように水で希釈 評価基準:○は水濡れ面積70%以上、×は水濡れ面積
70%未満を表す。
【0038】 抑泡性評価:各洗浄液に市販の牛脂系
圧延油を0.5重量%添加し、70〜80℃に加温した
状態で24時間撹拌した評価サンプル50ccを、栓付
きメスシリンダー(200cc)に入れ、それを振盪機
を用いて50回振盪した後の泡立ち量を測定した。 洗浄液濃度:洗浄性評価の場合と同じ 洗浄液温度:80℃ 評価基準:◎は泡立ち量10cc未満、○は泡立ち量1
0以上50cc未満、△は泡立ち量50以上100cc
未満、×は泡立ち量100cc以上を表す。
【0039】実施例1 アルカリ(苛性ソーダ)濃度25(Na2 O基準)重量
%、EDTA4重量%、ポリオキシエチレン(10モル
付加)ポリオキシプロピレン(10モル付加)ラウリル
エーテル3重量%、オクチルアルコール7重量%の条件
下で、芳香族系スラリー安定化剤であるイソフタル酸、
テレフタル酸、スルファニル酸、トリメリット酸各2重
量%の効果を調べた。比較のため安息香酸2重量%につ
いても調べた。その結果を表1に示す。なお、上記の洗
浄剤組成物の調製は、常法、すなわちアルカリ剤以外の
配合組成物を均一に撹拌混合(混合槽容量100ml)
しながら、最後にアルカリ剤を添加する方法により行っ
た(以下の実施例2〜7も同様)。
【0040】
【表1】
【0041】安息香酸が全くスラリー安定化効果を示さ
なかったのに対し、本発明に用いられるイソフタル酸
(H−1)、テレフタル酸(H−2)、スルファニル酸
(H−3)、トリメリット酸(H−4)は、いずれも2
重量%の濃度で優れたスラリー安定性、洗浄性、抑泡性
を示した。
【0042】実施例2 アルカリ(オルソケイ酸ソーダ)濃度20(Na2 O基
準)重量%、EDTA−4Na2重量%、ポリオキシプ
ロピレン(2モル付加)−2−エチルヘキシルエーテル
10重量%の条件下で、芳香族系スラリー安定化剤であ
る2,6−ナフタレンジカルボン酸(H−5)、2,7
−ナフタレンジスルホン酸(H−6)、2−ナフトール
−6−スルホン酸(H−7)各3重量%およびH−6と
H−7混合(2%+1%)の効果を調べた。比較のため
1−ナフトエ酸および1−ナフタレンスルホン酸につい
ても調べた。その結果を表2に示す。
【0043】
【表2】
【0044】比較品が全くスラリー安定化効果を示さな
かったのに対し、本発明に用いられる2,7−ナフタレ
ンジスルホン酸(H−6)、2−ナフトール−6−スル
ホン酸(H−7)各3重量%およびH−6とH−7混合
(2%+1%)のいずれもが優れたスラリー安定性、洗
浄性、抑泡性を示した。 実施例3 アルカリ(苛性ソーダ)濃度30(Na2 O基準)重量
%、グルコン酸ソーダ3重量%、ポリオキシエチレン
(10モル付加)ノニルフェニルエーテル1重量%、オ
クチルアルコール5重量%の条件下で、芳香族系スラリ
ー安定化剤である2,7−ナフタレンジスルホン酸(H
−6)、2−ナフトール−6−スルホン酸(H−7)、
1,3,6−ナフタレントリスルホン酸(H−8)、お
よびβ−ナフタレンスルホン酸ソーダホルマリン縮合物
(MW:5000)(H−9)各5重量%の効果を調べ
た。比較のため1−ナフタレンスルホン酸についても調
べた。その結果を表3に示す。
【0045】
【表3】
【0046】比較品が全くスラリー安定化効果を示さな
かったのに対し、本発明に用いられる2,7−ナフタレ
ンジスルホン酸(H−6)、2−ナフトール−6−スル
ホン酸(H−7)、1,3,6−ナフタレントリスルホ
ン酸(H−8)、およびβ−ナフタレンスルホン酸ソー
ダホルマリン縮合物(MW:5000)(H−9)各5
重量%のいずれもが優れたスラリー安定性、洗浄性、抑
泡性を示した。
【0047】実施例4 次に、グルコン酸ソーダ4重量%、ポリオキシエチレン
(10モル付加)ノニルフェニルエーテル1重量%、オ
クチルアルコール10重量%の条件下で、アルカリ(苛
性ソーダ)濃度を変えて、テレフタル酸(H−2)3重
量%のスラリー安定化効果等を調べた。その結果、表4
に示すように、テレフタル酸(H−2)3重量%の配合
は、10〜35(Na2 O基準)重量%の広範囲のアル
カリ濃度において優れたスラリー安定性、洗浄性、抑泡
性を示した。
【0048】
【表4】
【0049】実施例5 さらに、アルカリ(苛性ソーダ)濃度20(Na2 O基
準)重量%、グルコン酸ソーダ3重量%、EDTA−4
Na1重量%、ポリオキシエチレン(10モル付加)ポ
リオキシプロピレン(10モル付加)ラウリルエーテル
5重量%、イソステアリルアルコール5重量%の条件下
で、テレフタル酸(H−2)の配合濃度の効果を調べ
た。その結果(表5)、テレフタル酸は、0.1重量%
から20重量%の広範囲において優れたスラリー安定
性、洗浄性、抑泡性を示した。
【0050】
【表5】
【0051】実施例6 さらに、アルカリ(苛性ソーダ)濃度25(Na2 O基
準)重量%、グルコン酸ソーダ4重量%、EDTA−4
Na1重量%、ポリオキシエチレン(10モル付加)ノ
ニルフェニルエーテル1重量%、オクチルアルコール8
重量%の条件下で、2,6−ナフタレンジカルボン酸
(H−5)の配合濃度の効果を調べた。その結果(表
6)、2,6−ナフタレンジカルボン酸は、この条件下
で、0.1重量%から10重量%の広範囲において優れ
たスラリー安定性、洗浄性、抑泡性を示した。
【0052】
【表6】
【0053】実施例7 下記のスラリー安定化剤とキレート剤との組み合わせに
より、スラリー安定化剤単独の時よりも更に安定な製品
を得られるか否かを調べた。その代表的な結果を表7と
表8に示す。表7はNaOH30(Na2 O基準)重量
%、スラリー安定化剤1.0%、キレート剤2.0%
(残りイオン交換水)時の製品の安定性を示すものであ
る。一方、表8は任意の配合組成における製品安定性を
示すものである。
【0054】<スラリー安定化剤> H− 2:テレフタル酸 H− 5:2,6−ナフタレンジカルホン酸 H− 6:2,7−ナフタレンジスルホン酸 H− 7:2−ナフトール−6−スルホン酸 H−10:1,5−ナフタレンジスルホン酸 H−11:2,6−ナフタレンジスルホン酸 H−12:p−アミノ安息香酸 <キレート剤:全てNa塩> B−2:エチレンジアミン四酢酸 B−3:DL−アスパラギン酸 B−4:ジヒドロキシエチレングリシン B−5:ヒドロキシエチレンジアミン三酢酸 B−6:イミノ二酢酸 B−7:ニトリロ三酢酸 B−8:ジエチレントリアミン五酢酸 B−9:トリエチレンテトラミン六酢酸
【0055】
【表7】
【0056】
【表8】
【0057】表7、表8の結果が示すように、スラリー
安定化剤とキレート剤との組み合わせにより、スラリー
安定化剤単独の時よりも更に安定な製品を得られること
が判明した。
【0058】実施例8 アルカリ(苛性ソーダ)濃度30(Na2 O基準)重量
%、EDTA2重量%、ポリオキシエチレン(10モル
付加)ノニルフェニルエーテル3重量%の条件下で、下
記芳香族系スラリー安定化剤を滴下法および循環法によ
り製造し、製品安定性の効果を調べた。また比較のため
常法についても調べた。
【0059】滴下法は次のようにして行った。図1に示
す装置(混合槽容量1000ml)を用いて、濃度48%
の苛性ソーダ水溶液806gをパドル型羽根のDCスタ
ーラーにより攪拌(回転数500rpm)しながら、ス
ラリー安定化剤30g、EDTA20gを含有する水溶
液164gを苛性ソーダ水溶液中に少量ずつ30分間か
けて滴下した。滴下終了後さらにポリオキシエチレン
(10モル付加)ノニルフェニルエーテル30gを添加
し、更に高剪断力(ホモミキサー:8000rpm)に
より均一攪拌した。
【0060】循環法は次のようにして行った。図2に示
すような装置(混合槽容量50リットル)を用いて、ラ
インミキサー(特殊機化工業(株)製、TKロボミック
ス)を経由する循環ラインにより、濃度48%の苛性ソ
ーダ水溶液40300gを循環させながら(循環流量1
5000g/min)、スラリー安定化剤1500g、
EDTA1000g、ポリオキシエチレン(10モル付
加)ノニルフェニルエーテル1500gを含有する水溶
液9700gをアルカリ剤と一定比率(送液比0.2g
/g)で送液しながら、混合した。これらの結果を表9
に示す。
【0061】
【表9】
【0062】<芳香族系スラリー安定化剤> H 2:テレフタル酸 H 5:2,6−ナフタレンジカルボン酸 H 6:2,7−ナフタレンジスルホン酸 H 7:2−ナフトール−6−スルホン酸 H10:1,5−ナフタレンジスルホン酸 H11:2,6−ナフタレンジスルホン酸 H12:p−アミノ安息香酸
【0063】表9に示すように、滴下法および循環法に
より製造した製品の安定性は、常法よりも優れるという
結果が得られた。
【0064】
【発明の効果】本発明の高濃度一液型アルカリ洗浄剤組
成物は、優れたスラリー安定化剤を含むため、高アルカ
リ濃度において通常難溶性のアルコール、界面活性剤、
脂肪酸、キレート剤等を配合させることができ、洗浄剤
に要求される高洗浄性、抑泡性、低COD、低コストの
すべてを満足する一液型洗浄剤組成物を提供することが
できる。また、本発明の製造方法によると当該洗浄剤組
成物をより安定な製品として製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の製造方法のうち、滴下法に用
いられる装置の一例の構成模式図を示すものである。
【図2】図2は、本発明の製造方法のうち、循環法に用
いられる装置の一例の構成模式図を示すものである。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルカリ剤を10〜35(Na2 O基
    準)重量%、および一分子中に2〜50個の極性基を有
    する芳香族化合物を0.1〜20重量%含有することを
    特徴とする高濃度一液型アルカリ洗浄剤組成物。
  2. 【請求項2】 一分子中に2〜50個の極性基を有する
    芳香族化合物が、その他の置換基を有していてもよいベ
    ンゼン誘導体、ナフタレン誘導体またはアントラセン誘
    導体であって、極性基がCOOM、SO3 M、OSO3
    M、NH2 、NO2 、NR1 H、NR2 3 、およびO
    H(ここで、Mは水素、アルカリ金属、アルカリ土類金
    属、炭素数1〜4の脂肪族アミン、アンモニア、または
    アルカノールアミンを表し、R1 、R2 およびR3 は同
    一または異なる基であり、いずれも炭素数1〜4の直鎖
    もしくは分岐の、飽和もしくは不飽和のカルボン酸基を
    表す。)から成る群より選ばれる1種以上であることを
    特徴とする請求項1記載の高濃度一液型アルカリ洗浄剤
    組成物。
  3. 【請求項3】 極性基を有する芳香族化合物が、一分子
    中に2〜4個の極性基を有するものである請求項2記載
    の高濃度一液型アルカリ洗浄剤組成物。
  4. 【請求項4】 キレート剤の一以上をさらに含有して成
    る請求項1〜3いずれか記載の高濃度一液型アルカリ洗
    浄剤組成物。
  5. 【請求項5】 アルコール、界面活性剤、脂肪酸の一以
    上をさらに含有して成る請求項1〜4いずれか記載の高
    濃度一液型アルカリ洗浄剤組成物。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5いずれか記載の高濃度一液
    型アルカリ洗浄剤組成物を、アルカリ剤濃度が0.1〜
    10(Na2 O基準)重量%になるよう水系溶媒により
    希釈してなる洗浄剤組成物。
  7. 【請求項7】 10(Na2 O基準)重量%以上のアル
    カリ剤に対して、一分子中に2〜50個の極性基を有す
    る芳香族化合物を含む他の成分を、常にアルカリ剤過剰
    の状態で攪拌下に混合することを特徴とする請求項1〜
    5いずれか記載の高濃度一液型アルカリ洗浄剤組成物の
    製造方法。
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