JPH074196Y2 - ２剤混合容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は２剤混合容器に係り、特に２つの容器の間を隔
離膜で仕切り、外部操作によってこの隔離膜を破り、夫
々の容器に収容された２剤を混合するようにした容器に
関する。

〔従来の技術〕

従来より、２つの容器の間を隔離膜で仕切り、外部操作
によってこの隔離膜を破り、夫々の容器に収容された２
剤を混合するようにした容器としては、例えば実開昭60
-4433号公報に記載されているものがある。

これは第４図に示すように、第１剤Ａを収容する有底筒
体20に、第２剤Ｂを収容する有蓋筒体21を螺合し、有底
筒体20の底部に隔離膜22を設けて両者を区画してある。
そして有蓋筒体21の下縁に破断可能部23を形成し、この
破断可能部23の下縁を有底筒体20の上縁に接近させてあ
る。有底筒体20の上縁内側には前記隔離膜22を突き破る
ための爪突起24が設けられ、この爪突起24と一体的にパ
ッキン25が設けられ、有底筒体20と有蓋筒体21との気液
密性が保たれている。

使用に際しては、破断可能部23を破断してバージンシー
ルを取り除いた後、有底筒体20と有蓋筒体21とを相対的
に回転させて有底筒体20と有蓋筒体21とを接近させる
と、爪突起24が隔離膜22に突き刺さって第１剤Ａと第２
剤Ｂとが混合するようになっている。

〔考案が解決しようとする課題〕

ところが、前記した従来のものにおいては、第１容器と
第２容器とをスライド可能かつ気液密的に結合する必要
があるため、特に前記の構造が複雑化し、また密閉性と
操作性を両立させるために密閉部分に高い精度が要求さ
れるという問題がある。

本考案は前記事項に鑑みてなされたもので、簡単な構造
で密閉性と操作性とを両立できるようにした２剤混合容
器を提供することを技術的課題とする。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は前記技術的課題を解決するために、以下のよう
な構成とした。

即ち、筒状に形成した有蓋筒体１の底部側縁部２に環状
の取り付け体３を液密に嵌着する。

この取り付け体３の内面から漏斗状に形成した可撓部４
を延出しこの可撓部４を介して有底筒体５を形成して、
有底筒体５を押入可能とする。

そして、この有底筒体５の開口縁部６に隔離膜７を貼付
してこの有底筒体５の内部を第１液収容部とする。

前記有蓋筒体１の蓋部裏面８に前記隔離膜７に臨む破砕
爪９を垂設し、有蓋筒体１内の空間部を第２液収容部と
する。

前記有蓋筒体１の蓋部に注出部10を形成して２剤混合容
器とした。

〔作用〕

有底筒体５の底部を押すと、取り付け体３の内面から漏
斗状に形成した可撓部４が湾曲して有底筒体５が前進す
る。

すると、この有底筒体５の開口縁部６に貼付した隔離膜
７が、有蓋筒体１の蓋部裏面８に垂設された破砕爪９に
接触して破断される。

これにより、第３図に示すように有底筒体５の内部に収
容された第１液Ａが有蓋筒体１内の空間部に収容された
第２液Ｂに混合する。

〔実施例〕

本考案の実施例を第１図ないし第３図に基づいて説明す
る。

有蓋筒体１は筒状の本体部に蓋部を一体成型してなり、
この蓋部に注出部10を形成してある。この有蓋筒体１の
底部側縁部２には螺条が形成されている。

そしてこの底部側縁部２には環状の取り付け体３が液密
に螺着されている。この取り付け体３は底部側縁部２を
内外から挟持するように断面「Ｕ」字状に形成されてい
る。

そしてこの取り付け体３の内面から可撓部４を延出して
ある。この可撓部４は第２図に示すように可撓部４の中
心部に至るにしたがって容器外に突出する方向にテーパ
が付けられており全体漏斗状に形成されている。

さらに、この可撓部４の中央縁部には有底筒体５が形成
されている。有底筒体５はその底部に底蓋5aを嵌合する
ことによりカップ状に形成されている。この有底筒体５
の開口縁部６にはアルミ箔製の隔離膜７が貼付され、有
底筒体５の内部には第１液Ａの収容部となっている。

一方、前記有蓋筒体１の蓋部裏面８には前記隔離膜７に
臨む破砕爪９が垂設されている。この破砕爪９と前記隔
離膜７との距離は可撓部４の屈曲ストロークよりも短く
設定されている。そして、有蓋筒体１内の空間部には第
２液Ｂが収容されている。

前記した構成においてその動作を説明する。

まず、第２図に示す状態におて、有底筒体５の底部を押
すと、取り付け体３の内面から漏斗状に形成した可撓部
４が内部方向に湾曲して有底筒体５が前進する。

すると、第３図に示すように、前記有底筒体５の開口縁
部６に貼付した隔離膜７が、有底筒体１の蓋部裏面８に
垂設された破砕爪９に接触して破断される。これによ
り、第１液Ａが第２液Ｂに混合し得る状態となるから、
容器全体を振ってよく混合する。

この後、前記注出部10の先端を切除し、適宜注出する。

〔考案の効果〕

本考案によれば、有蓋筒体１の底部側縁部２に環状の取
り付け体３を液密に嵌着し、この取り付け体３の内面か
ら漏斗状に形成した可撓部４を延出しこの可撓部４を介
して有底筒体５を形成し、有底筒体５の底部を押すこと
により、取り付け体３の内面から漏斗状に形成した可撓
部４が湾曲して有底筒体５が前進し、この有底筒体５の
開口縁部６に貼付した隔離膜７が破砕爪９に接触して隔
離した薬剤が混合するように構成したので、従来のもの
のように第１容器と第２容器とをスライド可能かつ気液
密的に結合する必要がなくなり構造を簡素化することが
できる。

また、漏斗状に形成した可撓部４の湾曲により有底筒体
５を前進させて混合するものであるため、密閉性と操作
性を両立させることができ、液漏れの虞れもない。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第３図は本考案の実施例を示し、第１図は
分解斜視図、第２図は混合前の状態を示す断面図、第３
図は混合後の状態を示す断面図、第４図は従来の２剤混
合容器を示す断面図である。 １……有蓋筒体、２……底部側縁部、３……取り付け
体、４……可撓部、５……有底筒体、６……開口縁部、
７……隔離膜、８……蓋部裏面、９……破砕爪、10……
注出部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】筒状に形成した有蓋筒体１の底部側縁部２
   に環状の取り付け体３を液密に嵌着し、この取り付け体
   ３の内面から漏斗状に形成した可撓部４を延出しこの可
   撓部４を介して有底筒体５を形成して、有底筒体５を押
   入可能とし、この有底筒体５の開口縁部６に隔離膜７を
   貼付してこの有底筒体５の内部を第１液収容部とし、前
   記有蓋筒体１の蓋部裏面８に前記隔離膜７に臨む破砕爪
   ９を垂設し、有蓋筒体１内の空間部を第２液収容部と
   し、前記有蓋筒体１の蓋部に注出部10を形成したことを
   特徴とする２剤混合容器。