JPH0741858A - 無方向性電磁鋼板の製造方法 - Google Patents

無方向性電磁鋼板の製造方法

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JPH0741858A
JPH0741858A JP5191318A JP19131893A JPH0741858A JP H0741858 A JPH0741858 A JP H0741858A JP 5191318 A JP5191318 A JP 5191318A JP 19131893 A JP19131893 A JP 19131893A JP H0741858 A JPH0741858 A JP H0741858A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】低鉄損の無方向性電磁鋼板の製造方法を提供す
る。 【構成】Si:1.5〜3.5 %、Mn:0.2〜4.0 %、Al:2.5〜4.
5 %を含有し、残部はFeおよび不可避的不純物からなる
鋼スラブを熱間圧延後、圧下率3〜20%で冷間圧延を施
してから 650〜1000℃で中間焼鈍を行い、次いで圧下率
75〜90%で冷間圧延を施した後、仕上焼鈍を行う鉄損の
低い無方向性電磁鋼板の製造方法。 【効果】一般的な製造工程により、特に高周波域で鉄損
が低く、冷間加工性と打ち抜き加工性に優れた無方向性
電磁鋼板を製造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電気機器の鉄心として
広く用いられる鉄損の低い無方向性電磁鋼板の製造方法
に関し、とりわけ高周波域で使用される電気機器の鉄心
に適した無方向性電磁鋼板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】最近の電気機器では高効率化や小型軽量
化の観点から、高周波域で使用される傾向が高まりつつ
ある。そのため高周波域でエネルギー損失が低いような
電気機器の鉄心が求められており、それを構成する材料
である電磁鋼板もまた高周波域で鉄損の低いことが要望
されている。
【0003】電磁鋼板の鉄損は、ヒステリシス損と渦電
流損から構成されており、それぞれ周波数の一乗と二乗
に比例して増大する。したがって、高周波域で電磁鋼板
の鉄損を低減するためには、高周波域において鉄損に占
める割合の大きい渦電流損を低減させることが有効であ
る。従来、渦電流損を低減させる方法として、鋼板の電
気抵抗を上昇させることや板厚を薄くすることが行われ
てきた。
【0004】鋼中にSiを磁歪の最小値を示す6.5 %まで
添加すると、ヒステリシス損を損なうことなく、鋼板の
電気抵抗を上昇させて渦電流損を低減することができる
ことが知られている。このような高Si含有鋼の製造方法
は、特開昭62−103321号公報に示されている。しかし、
Si含有量が高くなると鋼は脆くなり、加工成形性が劣化
することから、鋼板の製造や加工には特殊な条件や設備
が必要となる。
【0005】特開昭62−196354号公報および特開昭62−
196358号公報には、Si:2.5〜7.0 %とともに、W:0.05
〜3.0 %、Mo:0.05〜3.0 %、Ti:0.05〜3.0 %、Mn:
0.1〜11.5%、Ni:0.1〜20.0%、Co:0.5〜20.0%、Cr:0.
1〜10.0%およびAl:0.5〜13.0%のうちから選んだ1種
または2種以上を20.0%を越えない範囲で含有させるこ
とで、磁気特性と機械的特性の両方を満足させた高張力
軟磁性鋼板が示されている。
【0006】しかしこれらの鋼板では、合金成分の含有
量が多くなるにつれて機械的特性は改善されるが、磁気
特性が劣化する傾向にあるため、前記二つの特性を兼ね
備えた鋼板は、通常の条件や設備では得られにくい。さ
らに、このような高合金軟磁性鋼板では、冷間圧延時や
打ち抜き加工時の加工性にも問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前述したように 6.5%
Si鋼に代表される高Si含有鋼板は、優れた軟磁気特性を
有する反面、極めて脆いため、通常のプロセスにおける
冷間圧延では製造が困難である。たとえ特殊な条件下で
冷間圧延に成功しても、最終製品からさまざまな形状の
鉄心に打ち抜くことは困難である。
【0008】本発明の目的は、現状の通常の設備で実現
可能な条件で冷間圧延しても、高周波域における鉄損が
低く、かつ冷間圧延性と打ち抜き加工性に優れた無方向
性電磁鋼板を製造することができる方法を提供すること
にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は次の製造
方法にある。
【0010】重量%で、Si:1.5〜3.5 %、Mn:0.2〜4.0
%およびAl:2.5〜4.5 %を含有し、残部はFeおよび不可
避的不純物からなる鋼スラブを熱間圧延した後、圧下率
3〜20%で冷間圧延を施してから 650〜1000℃で中間焼
鈍を行い、次いで圧下率75〜90%で冷間圧延を施した
後、仕上焼鈍を行う鉄損の低い無方向性電磁鋼板の製造
方法。
【0011】本発明者らは、高Si鋼板と同程度に良好な
磁気特性を有し、かつ冷間圧延性、打ち抜き加工性に優
れた無方向性電磁鋼板の製造方法を確立すべく詳細に検
討した結果、下記、の知見を得た。
【0012】適正量のSi、Mn、Alの複合添加により電
気抵抗を増加させた鋼板では、 6.5%前後のSiを単独添
加して電気抵抗を増加させた鋼板と同等の良好な磁気特
性が得られる。しかも、打ち抜き加工性はSi単独添加の
場合に比べ優れている。
【0013】冷間圧延は中間焼鈍を挟む2回の冷間圧
延とし、1回目の圧下率は3〜20%、2回目の圧下率は
75〜90%とすることが、さらなる磁気特性と冷間圧延時
の加工性の改善に有効である。
【0014】
【作用】以下に、本発明の構成要件毎に作用効果を説明
する。%は重量%を意味する。
【0015】(1)素材鋼スラブの組成 (a) Si:1.5〜3.5 % Siは磁気特性に大きな影響を与える元素であり、含有量
が増加するほど鋼板の電気抵抗が上昇して渦電流損が低
下し、そのために鉄損が低減する。しかし、Si含有量が
3.5 %を超えると、加工性が劣化して冷間圧延が困難と
なるとともに、打ち抜き加工性も悪化する。一方、1.5
%未満の含有量では鋼板の電気抵抗が低いことから鉄損
の低減が望めず、さらに高周波域における渦電流損の抑
制も期待できない。よって、Si含有量の適正範囲は 1.5
〜3.5 %とした。
【0016】(b) Mn:0.2〜4.0 % Mnは熱間と冷間での圧延性を高める効果を有する元素で
ある。冷間圧延性の改善は、Mnの固溶効果により中間焼
鈍時の結晶粒径の粗大化が抑制された結果によるものと
も考えられる。この効果を得るには、Mn含有量を0.2 %
以上とすることが必要である。また、MnはSiと同様に鋼
板の電気抵抗を上昇させ渦電流損を抑制する作用があ
り、鉄損を低下させることができる。
【0017】しかし、Mn含有量が4.0 %を超えると固溶
効果による強度が上昇しすぎて冷間圧延性が悪化する。
また、焼鈍温度や他の元素含有量によっては、α−γ変
態を生じさせるために、優れた磁気特性が得られない。
このため、その上限を4.0 %とした。
【0018】(c) Al:2.5〜4.5 % Alは、Siとほぼ同等に電気抵抗を上昇させる効果を有す
る元素である。したがって、Si、Mnの含有量に応じて適
正量のAlを複合添加することにより、高周波域において
極めて良好な磁気特性を得ることができる。さらに、Si
単独添加の場合よりも冷間加工性と打ち抜き加工性が優
れたものが得られる。
【0019】Si、MnとAlの複合添加は、単に電気抵抗が
増加した以上の高周波域での磁気特性改善効果を生じさ
せる。この理由は、これらの元素を最適なバランスで含
有させることにより、高周波域での磁気特性に有利な磁
区構造が形成されるためであると考えられる。
【0020】上記の磁気特性の改善効果は、Al含有量が
2.5 %未満では得られない。すなわち、Al含有量が2.5
%未満では電気抵抗が低すぎるために、鉄損の低下が望
めず、特に高周波域での鉄損の低減効果は希薄である。
【0021】一方、Al含有量が4.5 %を超えると冷間圧
延や打ち抜き加工時に割れが発生しやすくなるため、そ
の上限値を4.5 %とした。
【0022】上記三元素以外の含有量は鋼スラブではな
るべく低く抑えることが望ましい。
【0023】Cは鉄損に悪影響を与えるので 0.010%以
下、さらに言えば 0.005%以下が望ましい。製品段階で
残存したCは磁壁移動の障害物となる炭化物を生成し、
ヒステリシス損を増大させるので好ましくない。
【0024】SはMnと結合して炭化物と同様に磁壁移動
の障害となるMnS を生成し、磁気特性の劣化をもたら
す。そのため、S含有量は低いほど好ましく、0.006 %
以下、さらに言えば 0.003%以下とするのがよい。
【0025】Pは鋼板を脆化させるので、 0.020%以下
とするのが望ましい。
【0026】NはAlと結合して磁壁移動の障害となるAl
N を生成するため、低くすることが必要である。このた
め0.0060%以下とすることが望ましい。
【0027】なお、冷間加工や打ち抜き加工の際の割れ
防止の観点から、Bを0.0020%以下の範囲で含有させて
もよい。
【0028】(2)製造工程 次に、製造工程および条件の限定理由について説明す
る。
【0029】素材の鋼スラブは前記の組成を有する。こ
れは、転炉、電気炉などで溶製し、必要があれば真空脱
ガスなどの処理を施した溶鋼を、連続鋳造法でスラブに
したもの、あるいはインゴットにして分塊圧延したもの
のいずれでもよい。
【0030】スラブの熱間圧延条件については特に限定
しない。しかし、望ましい温度範囲は、スラブ加熱温度
で1100〜1270℃、圧延仕上温度で 700〜950 ℃である。
【0031】(a) 冷間圧延 冷間圧延条件は、高周波域で優れた磁気特性を得るため
に極めて重要な要件である。上記の熱間圧延を施した
後、後述する中間焼鈍を挟んで圧下率を3〜20%とする
1回目の冷間圧延(以下、一次冷延という)と圧下率を
75〜90%とする2回目の冷間圧延(以下、二次冷延とい
う)を行う。
【0032】中間焼鈍を行わない場合(冷間圧延を一
次、二次の2回に分けない場合)、割れが発生して所定
の圧下率が得られない。まして、冷間圧延を2回に分け
て行う場合でも、一次冷延時の圧下率が3%未満の場合
では、中間焼鈍により結晶粒が粗くなるため、二次冷延
で割れが発生しやすくなる。また、一次冷延の圧下率が
20%を超える場合、あるいは二次冷延の圧下率が75%未
満および90%を超える場合では、仕上焼鈍において磁気
特性に有効な集合組織を発達させることができない。
【0033】すなわち、いずれの冷間圧延においても、
上記の圧下率の範囲とすることで、鋼板の割れ発生を抑
制して、良好な磁気特性を有する鋼板を製造することが
できる。
【0034】冷間圧延は室温でもよいが、割れ防止の観
点から鋼板を350 ℃以下に加熱して実施してもよい。35
0 ℃を超えると圧延時の鋼板の形状制御が困難になると
ともに、圧延油も特殊な性状のものを用いる必要が生じ
るためである。
【0035】(b)中間焼鈍 中間焼鈍は、一次冷延で形成された加工組織を再結晶さ
せることが目的である。熱延板に前記の一次圧延を施し
た後、中間焼鈍を行って再結晶させることにより、磁気
特性の改善と二次冷延時の割れ抑制が達成できる。焼鈍
の方法は箱焼鈍方式、連続焼鈍方式のいずれでもよい。
【0036】焼鈍温度が 650℃未満では熱延板の再結晶
が十分に進行せず、焼鈍の効果が得られない。一方、焼
鈍温度が1000℃を超えると結晶粒が粗大化しすぎて、二
次冷延時に割れが生じやすくなる。したがって、中間焼
鈍温度は 650〜1000℃とした。箱焼鈍の場合には 650〜
900 ℃が、連続焼鈍の場合には 750〜1000℃が、それぞ
れ望ましい。
【0037】(c) 仕上焼鈍 二次冷延により所定の板厚に仕上げられた鋼板は、焼鈍
して再結晶と粒成長を行わせることにより、良好な磁気
特性を有するものにすることができる。この場合の焼鈍
も箱焼鈍方式、連続焼鈍方式のいずれでもよく、その条
件は特に限定する必要はないが、焼鈍温度の範囲は700
℃以上、1250℃以下とするのが望ましい。700 ℃未満で
は再結晶と粒成長が十分に達成できない。一方、1250℃
を超えると磁気特性に大きな改善効果はみられず、経済
的にも見合わない。
【0038】
【実施例】
〔試験1〕表1に示す組成の供試鋼A〜O(15種類)を
真空高周波炉で溶製し、50kgインゴットとした。これら
の供試鋼はSi、AlおよびMnの含有量を大きく変化させた
ものである。全ての鋼種において、C: 0.0030%以下、
P:0.015%以下、S: 0.0020%以下、N: 0.0030%以下
であり、その他の元素も不可避的不純物のレベルであ
る。
【0039】
【表1(1)】
【0040】
【表1(2)】
【0041】各インゴットを1200℃に加熱後、仕上温度
850 ℃の熱間圧延により厚さ2.3 mmの板材とした。次
に、圧下率10%で厚さ2.07mmまで一次冷間圧延を施して
から、750 ℃で1時間均熱の箱焼鈍による中間焼鈍を実
施し、次いで圧下率83%で厚さ0.35mmまで二次冷延を行
った。
【0042】冷間圧延は一次二次ともに試験片を100 ℃
に加熱して行い、この結果、鋼種A〜J、NおよびOは
目標の板厚まで圧延できたが、鋼種K、LおよびMでは
二次冷延で割れが発生し、それ以上の圧延はできなかっ
た。そのため、鋼種K、LおよびMは試験片を200 ℃ま
で加熱して、目標の板厚まで同じ圧下率で二次冷延を行
った。しかし、鋼種Mでは、両エッジから耳割れが発生
したため、300 ℃まで加熱して、同様の二次冷延を行っ
た。
【0043】二次冷延鋼板に1000℃で1分間均熱の仕上
焼鈍を施した後、圧延方向および圧延直角方向を長手方
向として、幅30mm、長さ280 mmのエプスタイン磁気特性
測定試験片を打ち抜いた。しかし、鋼種K、Oでは打ち
抜き端面に小さな亀裂が生じ、また鋼種L、Mでは亀裂
が大きく試験片が欠落した。したがって、鋼種K、L、
M、Oについては、放電加工により上記と同じ形状のエ
プスタイン磁気特性測定試験片を作製した。
【0044】これらの試験片を用いて、800 ℃で2時間
の歪取り焼鈍を実施した後、エプスタイン磁気測定器に
より磁気特性を測定した。これらの一連の試験結果を併
せて表1に示す。
【0045】本発明で定める条件を全て満たして、鋼種
A〜Iから製造された鋼板は、冷間圧延や打ち抜き加工
で割れの発生がなく良好な加工性を示すとともに、磁気
特性も、良好なレベルを有することが明らかである。
【0046】Al含有量が本発明で定める下限より低い鋼
種Jから製造された鋼板では、製造条件が本発明範囲で
あっても、本発明例を凌ぐほどの磁気特性が得られな
い。Al含有量が本発明で定める上限より高い鋼種Kから
製造された鋼板では、同様に、100 ℃での二次冷延時と
打ち抜き加工時に割れが発生した。
【0047】Mn含有量が高すぎる鋼種M、Oから製造さ
れた鋼板では、α−γ変態が生じたため本発明例よりも
磁気特性に劣り、鋼種Oでは固溶強化のため、打ち抜き
加工時に割れが発生した。
【0048】Si含有量が高すぎる鋼種L、Mから製造さ
れた鋼板では、二次冷延で割れが発生しやすく、打ち抜
き加工時でも割れが発生した。このように、これらの鋼
種は極めて使いにくい材料である。
【0049】〔試験2〕試験1における鋼種F(化学組
成は本発明で定める範囲)のインゴットから、試験1と
同様の方法で厚さ2.3 mmの熱延板に仕上げた後、表2に
示す条件に従い、100 ℃で一次冷延を実施し、中間焼鈍
として750 ℃で1時間均熱の箱焼鈍を行った。さらに、
表2に示す条件に従い、100 ℃で二次冷延を行った後、
試験1と同様の方法でエプスタイン磁気特性測定試験片
を作製し、磁気特性を測定した。
【0050】条件1〜3では中間焼鈍温度を、条件4〜
8では主に一次冷延の圧下率を、それぞれ変化させた。
これらの一連の試験結果を併せて表2に示す。
【0051】
【表2】
【0052】中間焼鈍温度が本発明で定める上限を超え
る条件1では、粒成長しすぎたために脆くなり、二次冷
延時に割れが発生した。同様に、中間焼鈍温度が低い条
件3では、再結晶が十分でないために本発明例に比べて
磁気特性が劣る。中間焼鈍を省いた条件4では、冷間圧
延に必要な延性が得られず、割れが発生した。
【0053】一次冷延の圧下率が低すぎる条件5と高す
ぎる条件8では、それ以外の条件が本発明の範囲内であ
っても、仕上焼鈍後の集合組織が本発明例に比べて悪く
なったいるために、磁気特性に劣る。
【0054】本発明で定める条件を全て満たす条件2、
6および7では、いずれも優れた磁気特性と加工性を示
している。
【0055】〔試験3〕試験1における鋼種Fのインゴ
ットから、試験1と同様の方法で厚さ1.5 mm、同3.0 m
m、同6.0 mmの熱延板に仕上げた後、表3に示す条件に
従い、100 ℃で一次冷延を実施し、中間焼鈍として900
℃で1分間均熱の連続焼鈍を行った。さらに、表3に示
す条件に従い、100 ℃で二次冷延を行った後、試験1と
同様の方法でエプスタイン磁気特性測定試験片を作製
し、磁気特性を測定した。
【0056】条件9〜11では二次冷延の圧下率をそれぞ
れ変化させた。これらの一連の試験結果を併せて表3に
示す。
【0057】
【表3】
【0058】二次冷延の圧下率が、本発明で定める範囲
より低い条件9と高い条件11では、加工性は問題ないも
のの、仕上焼鈍後の集合組織が悪くなり、本発明例を示
す条件10と比べて磁気特性が劣る。条件10では、優れた
磁気特性を示している。
【0059】
【発明の効果】本発明の方法によれば、一般的な製造工
程により、特に高周波域で鉄損が低く、しかも冷間加工
性と打ち抜き加工性に優れた無方向性電磁鋼板を製造す
ることができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量%で、Si:1.5〜3.5 %、Mn:0.2〜4.0
    %およびAl:2.5〜4.5 %を含有し、残部はFeおよび不可
    避的不純物からなる鋼スラブを熱間圧延した後、圧下率
    3〜20%で冷間圧延を施してから 650〜1000℃で中間焼
    鈍を行い、次いで圧下率75〜90%で冷間圧延を施した
    後、仕上焼鈍を行う鉄損の低い無方向性電磁鋼板の製造
    方法。
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