JPH0741840Y2 - 避難梯子 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は主として一般住宅のベランダ等に常設置される
避難梯子の改良に関し、とくに安全性と取扱い性の向上
ならびにコストの低減をはかることを目的とする。

（従来の技術） 住宅のベランダ等に常設される公知の伸縮型避難梯子と
しては、たとえば左右一対に平行に並び、かつ複数本が
同芯的に緩嵌された筒枠群の対向する各下端にタラップ
を架設し、最外側の筒枠を除く他の筒枠の上端部外周に
外側筒枠の内面に摺接し、且つ筒枠方向に幅をもつ外部
板上段を設け、最内側の筒枠を除く他の筒枠の下端部内
面に内側筒枠の外面に摺接し、且つ筒枠方向に幅をもつ
内部板状段を設け、両板状段の当たりによって筒枠同志
の脱出が阻止されるようになっている伸縮型避難梯子
（実開昭57-117200号）や、伸縮自在に構成された梯子
の最上部に位置する１対の両縦柱体の上端部に支持部材
を固定し、同梯子の最下部に位置する１対の両縦柱体の
下端部に、前記支持部材に嵌着して固設し得る連結部材
を突設した高所避難用梯子連結装置（実開昭54-25797
号）などが知られる。

（考案の解決すべき課題） しかしながらこれらのものにあってはいずれも下方に伸
長する部分の径が次第に小さくなるために構造的に不安
定であるばかりでなく、各伸長する部分毎に水平なタラ
ップが１段限りそれぞれ設けられており、構造が複雑で
コスト高となること、さらに取扱性にも問題があり、非
常時の用に供し得ないことが比較的多い。また一度使用
に供した後に再度現状に復元する作業も容易ではなく、
さらに防犯上の危険のある場合も多い。

（課題を解決するための手段） 本考案は上記した従来技術における問題点を解決し、と
くに非常時の取扱い性と安全性を向上し、しかもコスト
の低減をはかるようにしたものであって、具体的には横
桟を架け渡した左右一対の支柱を長さ方向伸縮自在にス
ライドできるようにした第１段から第ｎ段にわたる複数
段の外梯子と、第１段の外梯子の上端部に連結され、上
端部を回動自在に軸着したところの横桟を架け渡した内
梯子と、該内梯子の中間寄りの位置に一端を固定され、
前記第２段以後の各梯子の横桟の下側に挿通して各梯子
を担持する支持レバーとからなり、非常時に内梯子の下
方部を外梯子より離間させることにより支持レバーから
第２段以後の梯子を自動的に外して伸長させるようにし
た避難梯子に関する。

また本考案は、左右一対の支柱を長さ方向伸縮自在にス
ライドできるようにした第１段から第ｎ段にわたる複数
段の外梯子と第１段の外梯子の上端部に連絡され、上端
部を回動自在に軸着したところの横桟を架け渡した内梯
子と、該内梯子の中間寄りの位置に一端を固定され、前
記第２段以後の各梯子の横桟の下側に挿通して各梯子を
担持する支持レバーとからなり、非常時に内梯子の下方
部を外梯子より離間させることにより支持レバーから第
２段以後の梯子を自動的に外して伸長させるようにする
とともに、前記複数段に伸縮自在とした各外梯子には一
定の間隔を介して複数の横桟を架け渡してなることを特
徴とした避難梯子にも関する。

（作用） 内梯子の比較的下方部を外梯子に対して離間する方向に
手前側に引き寄せると、支持レバーがこれに追従して引
き戻され、該支持レバーに担持されている第２段以後の
外梯子がすべて外れるまで内梯子を引き、これにより外
梯子は順次支持レバーから外れて順次下方に伸長して直
ちに使用に供することが可能となる。

また使用後は最上段に一端を縛りつけたロープを引っ張
るなどして第２段以後の外梯子を互いに重ね合わせた状
態にて内梯子を戻して支持レバーを第２段以後の各横桟
の下側に挿通させた後再度担持させる。

（実施例） 以下において本考案の具体的な内容を図の実施例をもと
に説明すると、１は第１段の外梯子、２は第２段の外梯
子、３は第３段の外梯子、４は第４段の外梯子、６は天
板、７は内梯子、９は支持レバーを示す。

第１段から第４段の外梯子１、２、３、４はそれぞれ左
右一対の支柱間に等間隔毎に横桟1a、2a、3a、4aが架け
渡され、しかも第４段の外梯子４を除いてはすべて一定
の間隔を介して複数の横桟が架け渡されており、また各
外梯子の一対の支柱は第４〜５図にも示したように断面
がＨ型をしたアルミ鋼材により支柱が形成されていると
共にそれぞれにフランジ1b、2b、3b、4bを有し、しかも
各段の外梯子１、２、３、４におけるフランジ1bと2b、
2bと3b、3bと4bを相互にその内側を重ね合わせて支柱に
沿って長さ方向伸縮自在にスライド可能に構成されてい
る。

また伸縮する各支柱の下端部にはそれぞれ下部ストッパ
ー1c、2c、3cが、さらに上端部には上部ストッパー2d、
3d、4dが一体に設けられており、第１段と段２段の外梯
子１と２はストッパー1cと2dが、第２段と第３段の外梯
子２と３はストッパー2cと3dが、さらに第３段と第４段
の外梯子３と４はストッパー3cと4dがそれぞれ対設され
て両者の衝合によりそれ以上の伸長を規制できるように
なっている。

さらに伸縮する各支柱の各段相互間には特に図示はしな
いが、収縮して第２図に示したように各横桟2a、3a、4a
が略水平方向に揃った位置でそれ以上の摺動を規制する
ようにした規制手段が講じられている。

尚外梯子は上記した４段の構成に限られるものではな
く、２段以上であれば、ｎ段に至るまで何段にしても構
成することが可能である。

天板６は第１段の外梯子の上端部に一体的に取りつけら
れ、しかも下面には台板6aが設けられている。

内梯子７は前記外梯子と同様に左右一対の支柱間に略等
間隔毎に横桟7aが架け渡されており、上端部をピン８に
より天板６又は台板6aに対して回動自在に取りつけられ
ている。

支持レバー９は上記内梯子の左右の支柱におけるそれぞ
れの中間寄りの位置にピン10により左右一対回動自在に
固定されるとともに、ベランダ18の支柱17に対し、断面
がコの字形をした箱型のガイド11により、摺動自在に保
持されており、しかもその先端部には第６図に示されて
いるように、作動爪12がピン12aを支点として回動可能
に軸着されており、しかもその後部突起13と、支持レバ
ー９の比較的先端寄りの位置に突設された突起14との間
にはバネ15が介装されており、これにより（作動爪には
常時第６図において反時計方向作動爪の先端が上方に移
動する方向）に付勢されている。

尚図中において５は第４段の外梯子４の下端部に下方に
向けて突設された石突き、16は手摺棒である。

上記の構成においてベランダ18の支柱17の外側にボルト
止めその他の手段により第１段の外梯子１を一体的に固
定するとともに、台板6aを支柱17の上端部に跨がらせて
内梯子７を支柱17の内側に垂下させ、しかも支持レバー
９をガイド11により支柱17に保持させる。

尚支持レバーは第１段の外梯子１における横桟1aに保持
させるようにしてもよい。

しかして第１段から第ｎ段に至すべての外梯子を第２図
に示すように収縮状態にした後、内梯子７を第３図に示
されている位置から支柱17に向けて押圧すると、支持レ
バー９は前方に前進して第２図に示すように各外梯子の
横桟2a3a、4aの下側に位置し、先端の作動爪12の先端が
最終の第ｎ段の外梯子における横桟の外側端部に係合
し、これによりすべての外梯子が支持レバー９上に支承
担持される。

尚この場合において必要に応じて台板6a等にロープ19の
一端を結び、該ロープ19により最終第ｎ段の外梯子４を
固定すると一層安全性が向上する。

又非常時には上記のロープをほどいた後、内梯子７を第
３図に示したように手前側（ベランダの支柱17から離間
させる側）に引き寄せると、作動爪12の先端は横桟と圧
接し、バネの弾発力に抗して軸12aを支点として下方に
押し下げられ、各外梯子の横桟4a、3a、2aの下側をすり
抜けて外梯子の担持を解除し、これにより第２段以後の
外梯子が自重により下方に伸延される（第１図参照）。

（考案の効果） 本考案は上記した通り、横桟を架け渡した左右一対の支
柱に沿って長さ方向伸縮自在にスライドできるようにし
た第１段から第ｎ段にわたる複数段の外梯子と、第１段
の外梯子の上端部に連結され、上端部を回転自在に軸着
したところの横桟を架け渡した内梯子と、該内梯子の中
間寄りの位置に一端を固定され、前記第２段以後の各梯
子の横桟の下側に挿通して各梯子を担持する支持レバー
とからなり、非常時に内梯子の下方部を外梯子より離間
させることにより支持レバーから第２段以後の梯子を自
動的に外して伸長させるようにしたものであるから緊急
時の取扱い性に優れ、操作が簡単かつ確実であり、防犯
上も問題がない。

また複数段に伸縮自在とした各外梯子には一定の間隔を
介して複数の横桟を架け渡すようにしたものであるため
に在来品に比して伸縮段数が減少し、また下段の支柱が
順次細くなるようなこともなく、さらに第４段の外梯子
が石突きにより地上に確実に固定され、しかも避難時に
外梯子に撓みを生じて危険をもたらすようなこともな
い。しかも構造が簡素化し製造コストを著しく低減化す
ることができる等種々の有益な効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例をあらわした避難梯子のベラ
ンダ取付状態の斜視図、 第２図は折りたたんだ状態の半裁縦断面図、 第３図は梯子の伸延時における要部を拡大した半裁縦断
面図、 第４図は第３図におけるＡ部分の拡大図、 第５図は第４図におけるＢ−Ｂ線矢視方向の切断平面
図、 第６図は支持レバーの先端部分の拡大側面図である。 １……第１段の外梯子 ２……第２段の外梯子 ３……第３段の外梯子 ４……第４段の外梯子 ５……石突き、６……天板 6a……台板、７……内梯子 ９……支持レバー、11……ガイド 12……作動爪、15……バネ 16……手摺棒

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】横桟を架け渡した左右一対の支柱を長さ方
   向伸縮自在にスライドできるようにした第１段から第ｎ
   段にわたる複数段の外梯子と、第１段の外梯子の上端部
   に連絡され、上端部を回動自在に軸着したところの横桟
   を架け渡した内梯子と、該内梯子の中間寄りの位置に一
   端を固定され、前記第２段以後の各梯子の横桟の下側に
   挿通して各梯子を担持する支持レバーとからなり、非常
   時に内梯子の下方部を外梯子より離間させることにより
   支持レバーから第２段以後の梯子を自動的に外して伸長
   させるようにした避難梯子。
2. 【請求項２】左右一対の支柱を長さ方向伸縮自在にスラ
   イドできるようにした第１段から第ｎ段にわたる複数段
   の外梯子と、第１段の外梯子の上端部に連絡され、上端
   部を回動自在に軸着したところの横桟を架け渡した内梯
   子と、該内梯子の中間寄りの位置に一端を固定され、前
   記第２段以後の各梯子の横桟の下側に挿通して各梯子を
   担持する支持レバーとからなり、非常時に内梯子の下方
   部を外梯子より離間させることにより支持レバーから第
   ２段以後の梯子を自動的に外して伸長させるようにする
   とともに、前記複数段に伸縮自在とした各外梯子には一
   定の間隔を介して複数の横桟を架け渡してなることを特
   徴とした請求項（１）に記載の避難梯子。