JPH0741678A - ヒドロシリル化反応用触媒 - Google Patents

ヒドロシリル化反応用触媒

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JPH0741678A
JPH0741678A JP20902693A JP20902693A JPH0741678A JP H0741678 A JPH0741678 A JP H0741678A JP 20902693 A JP20902693 A JP 20902693A JP 20902693 A JP20902693 A JP 20902693A JP H0741678 A JPH0741678 A JP H0741678A
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俊夫 猿山
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敦 冨樫
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 新規なヒドロシリル化反応用触媒、特にヒド
ロシリル化反応によって硬化するオルガノポリシロキサ
ン組成物の硬化促進触媒として有用なヒドロシリル化反
応用触媒を提供する。 【構成】 白金系触媒とガラス転移点が50〜200℃
の範囲内にあるポリカーボネート樹脂から構成される平
均粒子径0.1〜20μmの微粒子であり、該微粒子中
に含まれる白金系触媒の量が白金金属原子として0.0
1〜5重量%であるヒドロシリル化反応用触媒。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はヒドロシリル化反応用触
媒に関し、特に、ヒドロシリル化反応によって硬化する
オルガノポリシロキサン組成物の硬化促進触媒として有
用なヒドロシリル化反応用触媒に関するものである。
【0002】
【従来の技術と解決すべき課題】塩化白金酸,塩化白金
酸とジビニルテトラメチルジシロキサンとの錯体等の白
金系触媒は、ビニル基含有オルガノポリシロキサンとケ
イ素原子結合水素原子含有オルガノハイドロジェンポリ
シロキサンを主成分とするオルガノポリシロキサン組成
物の硬化促進触媒として使用されている。ところが、こ
れらの白金系触媒は、室温下においても触媒活性が高い
ものであり、例えば、これを添加配合したオルガノポリ
シロキサン組成物は貯蔵安定性に劣り、室温で長期間保
存することができないという問題点があった。そのた
め、白金系触媒を熱可塑性樹脂中に含有させたり、熱可
塑性樹脂によりマイクロカプセル化する試みが行われて
いる。例えば、特開昭49−134786号公報,特開
昭58−37053号公報,特開平2−4833号公報
においては、白金系触媒を含有するシリコーン樹脂微粒
子触媒ないしはマイクロカプセル触媒が提案されてい
る。これらのシリコーン樹脂微粒子触媒は、これを添加
配合したオルガノポリシロキサン組成物の耐熱性を損な
うことがなく、その貯蔵安定性を向上させるという長所
があった。しかし、この種のシリコーン樹脂微粒子触媒
は、シリコーン樹脂そのものの軟化点やガラス転移点を
正確にコントロールすることが難しく、結果として触媒
活性を正確にコントロールすることが難しいという問題
点があった。また、この種のシリコーン樹脂微粒子触媒
は一般の硬化性オルガノポリシロキサン組成物の添加剤
として常用されているオルガノシランや低重合度のオル
ガノポリシロキサン油に溶解し易いものであり、オルガ
ノシランや低重合度のオルガノポリシロキサン油を含有
するオルガノポリシロキサン組成物に適用しても、その
効果を発揮しないことがあるという問題点があった。
【0003】さらに、特開昭58−37053号公報,
特開昭64−45468号公報,特開昭64−4744
2号公報,特開昭64−51140号公報,特開平3−
68659号公報では、白金系触媒を含有する有機系熱
可塑性樹脂微粒子触媒ないしはマイクロカプセル触媒が
提案されている。これらの提案では有機系熱可塑性樹脂
の例として、特開昭58−37053号公報においては
ポリエステル樹脂が具体例として挙げられている。特開
昭64−45468号公報,特開昭64−47442号
公報および特開昭64−51140号公報においては、
ポリエチレン,ポリスチレン,ポリ塩化ビニル,ポリ塩
化ビニリデン,ポリ塩化ビニルとポリ塩化ビニリデンの
共重合体,ポリメチルメタクリレートなどのポリアクリ
レート、ポリアクリルニトリル,アクリロニトリルとス
チレンの共重合体,ポリアミド,ポリエステル,酢酸セ
ルロース等のセルロースエステル、セルロースアセテー
トブチラートが具体例として挙げられている。特開平3
−68659号公報ではポリエチレン,ポリスチレン,
ポリアクリレート,スチレン−アクリロニトリル共重合
体が具体例として挙げられている。しかし、これらの有
機系熱可塑性樹脂微粒子触媒を製造することは難しく、
特に白金系触媒を多量に含有し、この白金系触媒の触媒
活性を正確にコントロールできる熱可塑性樹脂微粒子触
媒を得ることは難しいという問題点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは上記問題
点を解消するために鋭意検討した結果、本発明に到達し
た。即ち、本発明の目的は、上記のような欠点がない新
規なヒドロシリル化反応用触媒を提供することにあり、
また、これをヒドロシリル化反応で硬化するオルガノポ
リシロキサン組成物の硬化促進触媒として使用した場合
には、その貯蔵安定性を著しく向上できる新規なヒドロ
シリル化反応用触媒を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段およびその作用】本発明
は、白金系触媒とガラス転移点が50〜200℃の範囲
内にあるポリカーボネート樹脂から構成される平均粒子
径0.1〜20μmの微粒子であり、該微粒子中に含ま
れる白金系触媒の量が白金金属原子として0.01〜5
重量%であるヒドロシリル化反応用触媒に関する。
【0006】これを説明すると、本発明に使用されるヒ
ドロシリル化反応用触媒としては、塩化白金酸,アルコ
ール変性塩化白金酸,白金とオレフィンの錯体,白金の
ジケトン錯体,塩化白金酸とジビニルテトラメチルジシ
ロキサンとの錯体等の白金化合物触媒,アルミナ,シリ
カ,カーボンブラックなどに担持された白金などで例示
される白金金属触媒が例示される。これらの中でも触媒
活性の高さの点から塩化白金酸とジビニルテトラメチル
ジシロキサンの錯体が好ましい。これらの白金系触媒は
単独で使用することができるが、白金系触媒を溶解する
液体に溶解した触媒組成物としても使用することもでき
る。
【0007】本発明に使用されるポリカーボネート樹脂
は、ガラス転移点が50〜200℃の温度範囲内にある
ことが必要である。これは、ガラス転移点が50℃より
低いとこれをヒドロシリル化反応によって硬化するオル
ガノポリシロキサン組成物の硬化促進触媒として使用し
た場合、その貯蔵安定性を向上させることができなくな
る。また、200℃より高くなると触媒活性を発現する
温度が高くなり過ぎて実質的に触媒としての機能を果た
さなくなるからである。この点からポリカーボネート樹
脂のガラス転移点は70〜180℃の範囲内にあること
が好ましい。このようなポリカーボネート樹脂として
は、一般式
【化1】 (式中、Rは炭化水素基である。)で表される基本構造
を有する重合体が例示され、これらの中でも上式中Rが
芳香族炭化水素基であるポリカーボネート樹脂が好まし
い。かかるポリカーボネート樹脂としては、2,2−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンから得られるポ
リカーボネート樹脂、2,2−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)ブタンから得られるポリカーボネート樹脂、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)イソブタンか
ら得られるポリカーボネート樹脂が代表的である。
【0008】本発明のヒドロシリル化反応触媒中の白金
系触媒の含有量は、白金金属原子として0.01〜5重
量%の範囲内にあり、特に、0.05〜2重量%の範囲
内にあることが好ましい。これらの範囲より少ないと、
触媒としての活性が低下し、また、多過ぎると、白金系
触媒をポリカーボネート樹脂中に留めておくことが困難
になる。本発明のヒドロシリル化反応用触媒の大きさ
は、平均粒子径で0.1〜20μmの範囲内にあること
が必要である。0.1μmより小さいと、これを硬化性
オルガノポリシロキサン組成物に添加配合した場合の貯
蔵安定性が低下する。また、20μmより大きいとヒド
ロシリル化反応用触媒として触媒活性が低下する。
【0009】かかるヒドロシリル化反応用触媒は、例え
ば、白金系触媒とポリカーボネート樹脂を低沸点溶媒に
溶解させてから界面活性剤の水溶液に滴下してO/W型
エマルジョンとし、徐々に低沸点溶媒を除去することに
よって固形の微粒子を生成させ、この水溶液から生成し
た固形微粒子を回収することによって製造することもで
きる。また、白金系触媒とポリカーボネート樹脂を有機
溶媒に溶解させ、ついで該有機溶媒溶液を熱気流中に噴
霧し有機溶媒を揮発させると共に噴霧状態で白金系触媒
を含有するポリカーボネート樹脂を微粒子状に固化させ
る方法によって製造することもできる。これらの方法の
中でも、後者の方法が好ましい。これらの方法によって
製造された本発明のヒドロシリル化反応用触媒はそのま
まヒドルシリル化反応用触媒として使用できるが、これ
をポリカーボネート樹脂を溶解しないが白金系触媒は溶
解する溶剤によって洗浄して、その微粒子表面に付着し
ている白金系触媒を洗浄除去してもよい。
【0010】以上のような本発明のヒドロシリル化反応
用触媒は、これをヒドロシリル化反応によって硬化する
オルガノポリシロキサン組成物の硬化促進触媒として使
用すれば、これを添加配合したオルガノポリシロキサン
組成物は常温で長期間未硬化状態で貯蔵でき、しかも貯
蔵中に硬化特性が変化せず、加熱することによって速や
かに硬化するオルガノポリシロキサン組成物となる。
【0011】
【実施例】つぎに本発明を実施例にて説明する。実施例
中、粘度は25℃における値である。%は重量パーセン
トを示す。尚、実施例および比較例において、ヒドロシ
リル化反応用触媒の特性の評価は次のようにして行っ
た。 ○評価方法 粘度1,500cpのα,ω−ジビニルポリジメチルシ
ロキサン100gに、ヘキサメチルジシラザンで疏水化
処理されたヒュームドシリカ20gを均一に混合した
後、平均分子式がMe3SiO(Me3SiO)3(Me
HSiO)5SiMe3(式中、Meはメチル基であ
る。)で示されるシロキサン2.8gとフェニルブチノ
ール0.04gを添加して、均一に混合した。ついでこ
の混合物にヒドロシリル化反応用触媒を白金金属含有量
が5ppmとなる量添加し、十分に混合して加熱硬化性オ
ルガノポリシロキサン組成物を得た。これらの組成物の
加熱硬化特性をキュラストメータ5型[オリエンテック
株式会社製]により130℃、150℃、170℃の温
度条件下で測定した。加熱硬化特性はトルクが最終値の
10%になるまでの時間(T10)、90%に達するまで
の時間(T90)で求めた。T10は硬化開始時間、T90
硬化完了時間と見なすことができる。また、これらの組
成物の貯蔵安定性を加速試験で調べた。即ち、この加熱
硬化性オルガノポリシロキサン組成物を50℃で45日
間エージングした後、150℃における硬化特性を測定
した。さらに、50℃で硬化するまでに要する日数を測
定した。
【0012】
【参考例】
白金ビニルシロキサン錯体組成物の調製 6gの塩化白金酸水溶液(白金含有量33%)と16g
の1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサンを35g
のイソプロピルアルコールに溶解した。この溶液に10
gの重炭酸ソーダを加えて懸濁状態で撹拌しながら70
〜80℃で30分反応させた。次いで、冷却してから固
形分を濾過して、白金ビニルシロキサン錯体組成物のイ
ソプロピルアルコール溶液を得た(白金含有量4.2
%)。
【0013】
【実施例1】500gの2,2−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)プロパンから得られたポリカーボネート樹脂
(三菱瓦斯化学株式会社製,商品名ユーピロンH−30
00,ガラス転移点145〜150℃)を8.5kgのジ
クロロメタンに溶解させ、さらに1.0kgのトルエンを
添加混合した。このトルエン溶液に参考例で得た白金ビ
ニルシロキサン錯体組成物のイソプロピルアルコール溶
液47.6gを添加混合することによって均一溶液を得
た。この溶液を、2流体ノズルを使って、窒素ガスを熱
気流にしたスプレードライヤー内に連続して噴霧した。
ここで窒素ガスの熱気流温度はスプレードライヤー入り
口で100℃、出口で70℃であり、熱気流速度は1.
3m3/分であった。5.5時間の運転後、バッグフィル
ターによって420gの微粒子を捕集した。この微粒子
の平均粒子径は1.5μmであり、その形態は走査電子
顕微鏡(SEM)によって若干の凹みを有する球状体で
あることが確認された。また、蛍光X線によって測定し
た白金金属の含有量は3,900ppmであった。得られた
ヒドロシリル化反応用触媒の特性を前述の方法に従って
測定して、これらの測定結果を表1に示した。この測定
結果から、上記ヒドロシリル化反応用触媒を添加配合し
たオルガノポリシロキサン組成物は貯蔵安定性に優れ、
しかも貯蔵中にその硬化性は殆んど変化しないことが確
認された。
【0014】
【実施例2】実施例1において、白金ビニルシロキサン
錯体組成物のイソプロピルアルコール溶液の添加量を2
3.8gに変えた以外は実施例1と同様にして、4時間
の運転後に340gの白色の微粒子を得た。この微粒子
の平均粒子径は1.8μmであり、その形態はSEMに
よって若干の凹みを有する球状体であることが確認され
た。また、蛍光X線によって測定した白金金属の含有量
は2,000ppmであった。得られたヒドロシリル化反応
用触媒の特性を前述の方法に従って測定して、これらの
測定結果を表1に示した。
【0015】
【比較例1】実施例1において、ポリカーボネート樹脂
の代わりに軟化点145℃の平均式(C65Si
3/20.9(Me2SiO)0.1で示されるシリコーン樹
脂を使用した以外は実施例1と同様にして、白色の微粒
子を得た。この微粒子の平均粒子径は1.2μmであ
り、白金金属の含有量は4,000ppmであった。得られ
たヒドロシリル化反応用触媒の特性を前述の方法に従っ
て測定して、これらの測定結果を表1に併記した。
【0016】
【比較例2】実施例1において、ポリカーボネート樹脂
の代わりにアクリル樹脂(三菱レイヨン株式会社製,商
品名アクリペットVH)を使用した以外は実施例1と同
様にして、白色の微粒子を得た。この微粒子の平均粒子
径は1.4μmであり、白金金属の含有量は3,900pp
mであった。得られたヒドロシリル化反応用触媒の特性
を前述の方法に従って測定して、これらの測定結果を表
1に併記した。
【0017】
【表1】
【0018】
【発明の効果】本発明のヒドロシリル化反応用触媒は白
金系触媒とガラス転移点が50〜200℃の範囲内にあ
るポリカーボネート樹脂から構成される平均粒子径が
0.1〜20μmの微粒子であり、該微粒子中に含まれ
るヒドロシリル化反応用触媒の量が白金金属原子として
0.01〜5重量%であるので、触媒活性が正確にコン
トロールされており、これをヒドロシリル化反応で硬化
するオルガノポリシロキサン組成物の硬化促進触媒とし
て使用した場合には、その貯蔵安定性を著しく向上でき
るという特徴を有する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 83/05

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 白金系触媒とガラス転移点が50〜20
    0℃の範囲内にあるポリカーボネート樹脂から構成され
    る平均粒子径0.1〜20μmの微粒子であり、該微粒
    子中に含まれる白金系触媒の量が白金金属原子として
    0.01〜5重量%であるヒドロシリル化反応用触媒。
  2. 【請求項2】 1分子中に2個以上のアルケニル基を含
    有するジオルガノポリシロキサンと1分子中に3個以上
    のケイ素結合水素原子を含有するオルガノハイドロジェ
    ンポリシロキサンを主成分とするオルガノポリシロキサ
    ン組成物の硬化促進触媒である、請求項1記載のヒドロ
    シリル化反応用触媒。
JP20902693A 1993-07-29 1993-07-29 ヒドロシリル化反応用触媒 Expired - Lifetime JP3464506B2 (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5789334A (en) * 1995-08-31 1998-08-04 Dow Corning Toray Silicone Co., Ltd. Microparticle catalysts for hydrosilylation reactions and thermosetting silicone compositions containing said catalyst

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5789334A (en) * 1995-08-31 1998-08-04 Dow Corning Toray Silicone Co., Ltd. Microparticle catalysts for hydrosilylation reactions and thermosetting silicone compositions containing said catalyst

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