JPH0741615A - ポリプロピレン樹脂組成物の塗装体 - Google Patents

ポリプロピレン樹脂組成物の塗装体

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JPH0741615A
JPH0741615A JP20699893A JP20699893A JPH0741615A JP H0741615 A JPH0741615 A JP H0741615A JP 20699893 A JP20699893 A JP 20699893A JP 20699893 A JP20699893 A JP 20699893A JP H0741615 A JPH0741615 A JP H0741615A
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JP
Japan
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rubber
weight
ethylene
polypropylene
resin composition
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JP20699893A
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English (en)
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Shintaro Kikuchi
慎太郎 菊地
Eiji Kuchiki
栄治 朽木
Tatsuo Teraya
竜男 寺屋
Koichi Yokoyama
公一 横山
Yuji Fujita
祐二 藤田
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Tonen General Sekiyu KK
Original Assignee
Tonen Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 (a)ポリプロピレン30〜98重量%と、
(b)不飽和グリシジル化合物で変性したゴムを2重量
%以上含有するゴム2〜60重量%と、(c)無機フィ
ラー0〜60重量%とを含有するポリプロピレン樹脂組
成物の成形体表面を塗装してなることを特徴とするポリ
プロピレン樹脂組成物の塗装体。 【効果】 ポリプロピレン樹脂組成物の成形体表面に前
処理を施さずとも、塗料との密着性の良好な塗装体が容
易に得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動車の内外装部品、家
電部品、あるいは電装部品などの工業用材料として好適
なポリプロピレン樹脂組成物の塗装体に関する。
【0002】
【従来の技術およびその課題】ポリプロピレン系樹脂
は、軽量で、成形性に優れ、機械的強度などの力学的特
性、絶縁性、耐薬品性などが良好であり、自動車の内外
装部品、家電部品、あるいはハウジングなど様々な工業
分野で広く使用されている。しかしながら、ポリオレフ
ィン系樹脂は無極性のため成形体を塗装する場合、塗料
とポリプロピレン成形体との密着性が悪く、塗膜が剥離
してしまうという問題がある。そこでポリプロピレン系
樹脂成形体については、一般に表面処理をした後に塗装
が実施されている。
【0003】塗装前の表面処理は、ポリプロピレン成形
体表面の脱脂や極性付与等の目的で行なわれるものであ
り、具体的にはトリクロロエタンなどのハロゲン化炭化
水素溶剤による表面処理の後、コロナ放電やプラズマジ
ェット等によって表面を酸化したり、極性基を生成させ
たりしている。本発明の目的は塗装前に表面処理を行な
うことなく、塗装した場合に堅固に密着した塗膜が形成
されるするポリプロピレン樹脂組成物の塗装体を提供す
ることにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意検討を
重ねた結果、ポリプロピレン樹脂に不飽和グリシジル化
合物で変性したエラストマーを配合したポリプロピレン
樹脂を成形すると表面処理を行なわずとも各種塗料との
密着性に優れた塗装体が得られることを確認し、本発明
に到達したものである。
【0005】すなわち、本発明は、(a)ポリプロピレ
ン30〜98重量%と、(b)不飽和グリシジル化合物
で変性したゴムを2重量%以上含有するゴム2〜60重
量%と、(c)無機フィラー0〜60重量%とを含有す
るポリプロピレン樹脂組成物の成形体を塗装してなるポ
リプロピレン樹脂組成物の塗装体である。
【0006】以下、本発明のポリプロピレン樹脂組成物
成形体について詳細に説明する。本発明に係る塗装体の
(a)成分であるポリプロピレンは、プロピレンの単独
重合体の他、プロピレンと、エチレンまたは炭素数4以
上のα−オレフィンとのランダム、ブロック、グラフト
等の共重合体、およびこれらの混合物である。ここで、
炭素数4以上のα−オレフィンとしては、ブテン−1、
ヘキセン−1、3−メチルブテン−1、4−メチル−ペ
ンテン−1、ヘプテン−1、オクテン−1、デセン−1
などが挙げられる。また前記共重合体としてはプロピレ
ン成分の含有量が50モル%以上のものが好ましく、8
0モル%以上のものがさらに好ましい。
【0007】上記ポリプロピレンの中では、ホモポリプ
ロピレン、ランダムポリプロピレンおよびプロピレン−
エチレンブロック共重合体(エチレン含量1〜30重量
%)が好ましく、中でも3〜80g/10分程度のメルトフ
ローレート(MFR,JISK7210,荷重2.16kg,230
℃)を有するものが好ましい。これらのポリプロピレン
は単独で用いても良いし、2種以上を同時に使用しても
良い。
【0008】本発明による塗装体の(b)成分として使
用する変性原料のゴム、および前記変性ゴムと共に使用
されるゴムとしては、スチレン系ゴムおよびオレフィン
系ゴムが挙げられる。スチレン系ゴムとは、具体的に
は、スチレン系モノマーと、スチレン系モノマーと共重
合し得るモノオレフィンまたはジオレフィンなどの他の
モノマーとのランダム、ブロック、グラフト等の共重合
体、およびこれら共重合体の水添物をいう。
【0009】ここで、スチレン系モノマーとしては、ス
チレン、α−クロロスチレン、2,4−ジクロロスチレ
ン、p−メトキシスチレン、p−メチルスチレン、p−
フェニルスチレン、p−ジビニルベンゼン、p−(クロ
ロメトキシ)−スチレン、α−メチルスチレン、o−メ
チル−α−メチルスチレン、m−メチル−α−メチルス
チレン、p−メチル−α−メチルスチレン、p−メトキ
シ−α−メチルスチレンなどが挙げられる。これらの中
ではスチレンが好ましく用いられる。
【0010】ジオレフィンとしては、例えば、ジシクロ
ペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、シクロオクタジ
エン、メチルノルボルネン等の非共役ジエン、またはブ
タジエン、イソプレン等の共役ジエンが挙げられる。こ
れらの中ではブタジエン、イソプレンが好ましい。ま
た、モノオレフィンとしては、エチレンの他、プロピレ
ン、ブテン−1、ヘキセン−1、3−メチルブテン−
1、4−メチル−ペンテン−1、ヘプテン−1、オクテ
ン−1、デセン−1等の炭素数3以上のα−オレフィン
が挙げられ、これらの中ではエチレン、プロピレンが好
ましい。
【0011】スチレン系ゴムは、上記の適当なモノマー
を周知の適当な方法、例えばアニオン重合やラジカル重
合によって共重合することによって得ることができる。
本発明で好ましく用いられるスチレン系ゴムの具体例と
しては、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重
合体(SBS)およびその水添物であるスチレン−エチ
レン−ブチレン−スチレンブロック共重合体(SEB
S)、スチレン−ブタジエン共重合体(SB)およびそ
の水添物、スチレン−エチレン−ブチレンブロック共重
合体(SEB)、スチレン−イソプレン共重合体(S
I)およびその水添物、スチレン−エチレン−プロピレ
ンブロック共重合体(SEP)、スチレン−イソプレン
−スチレンブロック共重合体(SIS)およびその水添
物であるスチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブ
ロック共重合体(SEPS)が挙げらる。
【0012】上記原料ゴムはスチレン系モノマー含有量
が5〜65重量%であるものがよく、特に15〜50重
量%のものが好ましい。このような好ましい原料スチレ
ン系ゴムは市販のものを適宜選択して使用することがで
きる。
【0013】本発明で使用されるオレフィン系ゴムは、
エチレンと、プロピレン、ブテン−1、ヘキセン−1、
4−メチル−ペンテン−1等のエチレン以外のα−オレ
フィンの1種または2種以上との共重合体ゴムである。
具体例としては、エチレン−プロピレン共重合体ゴム
(EPR)、エチレン−ブテン共重合体ゴム(EB
R)、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム(E
PDM)等を挙げることができる。エチレン−プロピレ
ン−ジエン共重合体ゴム(EPDM)中のジエン成分と
しては、ジシクロペンタジエン、1,4−ヘキサジエ
ン、シクロオクタジエン、メチレンノルボルネン等の非
共役ジエン、またはブタジエン、イソプレン等の共役ジ
エンが挙げられる。
【0014】オレフィン系ゴム中のエチレン含有量は5
〜95重量%が好ましく、より好ましくは10〜90重
量%である。エチレンの含有量が5重量%未満、あるい
は95重量%を超えると、ゴムとしての性質の発現が困
難となる。また、オレフィン系ゴムの結晶化度は40重
量%以下が好ましい。
【0015】本発明において使用するエチレン−プロピ
レン共重合体ゴム(EPR)は、エチレンから誘導され
る繰り返し単位の含有率が50〜80モル%、プロピレ
ンから誘導される繰り返し単位の含有率が20〜50モ
ル%であることが好ましい。より好ましくはエチレン系
の繰り返し単位の含有率が60〜70モル%、プロピン
系の繰り返し単位の含有率が30〜40モル%である。
また、EPRのMFR(230℃、2.16kg荷重)は0.01
〜50g/10分の範囲内にあるのが好ましく、 0.5〜
30g/10分がより好ましい。
【0016】本発明において使用するエチレン−ブテン
共重合体ゴム(EBR)は、エチレンから誘導される繰
り返し単位の含有率が50〜90モル%、ブテンから誘
導される繰り返し単位の含有率が10〜50モル%であ
ることが好ましい。より好ましくはエチレン系の繰り返
し単位の含有率が60〜80モル%、ブテン系の繰り返
し単位の含有率が20〜40モル%である。また、EB
RのMFR(230℃、2.16kg荷重)は0.01〜50g/
10分の範囲内にあるのが好ましく、より好ましくは
0.5〜30g/10分である。
【0017】また、本発明において使用するエチレン−
プロピレン−ジエン共重合体ゴム(EPDM)は、エチ
レンから誘導される繰り返し単位の含有率が40〜70
モル%、プロピレンから誘導される繰り返し単位の含有
率が30〜60モル%、およびジエンから誘導される繰
り返し単位の含有率が1〜10モル%であることが好ま
しい。より好ましくはエチレン系の繰り返し単位の含有
率が50〜60モル%、プロピレン系の繰り返し単位の
含有率が40〜50モル%、およびジエン系の繰り返し
単位の含有率が3〜6モル%である。さらに、EPDM
のMFR(230℃、2.16kg荷重)は0.01〜50g/1
0分の範囲内にあるのが好ましく、より好ましくは 0.1
〜30g/10分である。
【0018】本発明において使用するエチレン−プロピ
レン共重合体ゴム(EPR)、エチレン−ブテン共重合
体ゴム(EBR)、およびエチレン−プロピレン−ジエ
ン共重合体ゴム(EPDM)は、その特性を損なわない
範囲内で、例えば4−メチルペンテン−1などの他のα
−オレフィンから誘導される繰り返し単位などの他の繰
り返し単位を、10モル%以下の割合まで含んでもよ
い。
【0019】上記のスチレン系ゴムおよびオレフィン系
ゴムは、通常単独で用いるが、2種以上を併用すること
もできる。
【0020】本発明においてポリプロピレン塗装体の
(b)成分中に2重量%以上含まれる変性ゴムとは、上
述の各種ゴムを不飽和グリシジル化合物で変性したもの
をいう。
【0021】本発明において、変性剤として使用される
不飽和グリシジル化合物は、一般式(I)
【化1】 [式中、Rは水素原子または炭素数1〜6のアルキル基
であり、Arはグリシジルオキシ基を少なくとも1つ以
上有する炭素数6〜20の芳香族炭化水素基であり、n
は1〜4の整数を表わす。]、
【0022】一般式(II)
【化2】 [式中、Rは前記と同じ意味を表わす。]
【0023】または一般式(III)
【化3】 [式中、Xはメチレン基またはフェニレン基を表わし、
Rは前記と同じ意味を表わす。]で示される重合性の化
合物である。これらのうち、一般式(I) および一般式(I
I)で示される化合物が好ましい。
【0024】一般式(I) で示される不飽和グリシジル化
合物の中では、特に下記一般式で示される化合物が好ま
しい。
【化4】 [式中、Rは前記と同じ意味を表わす。]このようなグ
リシジル化合物は、例えば特開昭60-130580 号に記載さ
れている方法により製造することができる。
【0025】また、一般式(II)で示される不飽和グリシ
ジルエステルおよび一般式(III) で示される不飽和グリ
シジルエーテルとしては、グリシジルアクリレート、グ
リシジルメタクリレート(GMA)、アリルグリシジル
エーテル、2−メチルアリルグリシジルエーテル、スチ
レン−p−グリシジルエーテル等が挙げられ、中でもグ
リシジルメタクリレート(GMA)が好ましい。これら
重合性化合物は、通常単独で使用されるが、2種以上併
用することもできる。
【0026】本発明で使用する不飽和グリシジル化合物
で変性したゴムは、溶液法または溶融混練法により製造
することができる。溶液法の場合には、例えばスチレン
系ゴムおよび/またはオレフィン系ゴムと前記の不飽和
グリシジル化合物、および触媒をキシレン等の有機溶剤
に溶解し、90〜200℃の温度で0.1 〜100時間撹
拌しながら変性を行なう。また、溶融混練法の場合には
上記の出発物質および触媒を、二軸押出機等に投入し、
180〜320℃、好ましくは200〜280℃で溶融
混練する。
【0027】いずれの変性法の場合にも、触媒として通
常のラジカル開始剤、例えば、過酸化ベンゾイル、過酸
化ラウロイル、過酸化ジ−t−ブチル、過酸化アセチ
ル、過安息酸t−ブチル、過酸化ジクミル、t−ブチル
ヒドロペルオキシド等の有機過酸化物や、アゾビスイソ
ブチロニトリル、アゾビスアミジノプロパン等のアゾ化
合物類を用いることができる。触媒は変性用の不飽和グ
リシジル化合物100重量部に対して、0.06〜20重量
部程度が必要である。
【0028】ゴムと不飽和グリシジル化合物の配合割合
は、ゴム100重量部に対して不飽和グリシジル化合物
0.1 〜15重量部、好ましくは0.2 〜10重量部であ
る。グリシジル化合物の配合割合が0.1 重量部未満で
は、グラフト率が低く、変性による効果が不十分とな
り、また、15重量部以上ではゴム自体の性質が変化す
るため好ましくない。
【0029】本発明では、上述した変性ゴムを未変性ゴ
ム中に2重量%以上配合する。すなわち、本発明は
(b)成分の全てが変性ゴムである組成物を含むが、好
ましい変性ゴムの含有量は5〜50重量%である。成分
(b)中、変性ゴムの割合が2重量%未満では塗装性が
低下する。
【0030】本発明のポリプロピレン樹脂組成物塗装体
ではポリプロピレンの剛性、強度および耐熱性を改善す
るために、(c)無機フィラーを配合することができ
る。無機フィラーとしては、例えば、アルミナ、酸化マ
グネシウム、酸化カルシウム等の酸化物、水酸化アルミ
ニウム、水酸化マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウ
ム、水酸化カルシウム、酸化スズ水和物、酸化ジルコニ
ウム水和物などのような水和金属酸化物、炭酸カルシウ
ム、炭酸マグネシウム等の炭酸塩、タルク、クレー、ベ
ントナイト等のケイ酸塩、ホウ酸バリウム、ホウ酸亜鉛
等のホウ酸塩、リン酸アルミニウム、トリポリリン酸ナ
トリウム等のリン酸塩、バリウム、石こう等の硫酸塩、
亜硫酸塩、銅、鉄、鉛等の金属粉、ウォラストナイト、
マイカ、チタン酸カリウムウィスカ、炭素繊維、ガラス
繊維およびこれら2種以上の混合物等が挙げられる。こ
れらの無機フィラーは繊維状、針状、粉末状、球状、フ
レーク状等の各種形状のものを用いることができる。
【0031】上記の無機フィラーの中では、タルク、マ
イカおよびガラス繊維が好ましい。ここで、タルクは酸
化マグネシウムとケイ酸との複合塩であり、平均粒径が
0.1〜100μm程度ものが好ましい。マイカはアルカ
リ金属を含有するアルミノケイ酸塩であり、平均粒径が
5〜500μm程度で、アスペクト比が10〜500程
度のものが好ましい。また、ガラス繊維はチョップドス
トランド、ロービング等のものを使用することができ、
その繊維径は5〜30μm程度のものが好ましい。
【0032】次に上記成分(a)、(b)および(c)
の配合割合は、成分(a)が30〜98重量%、好まし
くは50〜90重量%、成分(b)が2〜60重量%、
好ましくは5〜40重量%、成分(c)が0〜60重量
%、好ましくは0〜40重量%である。成分(a)が3
0重量%未満ではポリプロピレンが少なすぎ、耐熱性、
剛性が低下し、また98重量%を超えると成分(b)、
(c)によるポリプロピレンの物性の改善効果が認めら
れない。成分(b)が2重量%未満では塗装性が改善さ
れず、60重量%を超えるとゴムの性質が低下する。成
分(c)が60重量%を超えると成形性、耐衝撃性が低
下する。
【0033】本発明においては上記した物質以外にも、
さらにその改質を目的として、通常樹脂組成物の分野で
用いられている他の充填材や強化材、熱安定剤、光安定
剤、難燃剤、可塑剤、帯電防止剤、発泡剤、造核剤等を
適宜配合することができる。
【0034】本発明のポリプロピレン樹脂組成物の塗装
体は、上記の各成分を一軸押出機、二軸押出機、バンバ
リーミキサー、混練ロール、ブラベンダー等の混練機を
用いて180〜320℃、好ましくは200〜280℃
で加熱溶融混練し成形した後塗装することにより得るこ
とができる。本発明において各成分の混練順序に特に制
限はなく、成分(a)、成分(b)および成分(c)を
一括混練してよく、また成分(a)と成分(b)を混練
した後、成分(c)を混練してもよく、その他の混練順
序もとり得るものである。
【0035】上記により得られたポリプロピレン樹脂組
成物を射出成形、押出成形等により成形した後塗装処理
するが、成形体に前処理を施すことなく、塗料を塗布す
ることにより堅固に密着した塗膜が得られる。本発明で
用いることができる塗料は特に限定されない。塗料の具
体例としては、二液型ポリウレタン樹脂塗料、ウレタン
化油、湿気硬化型ポリウレタン樹脂塗料、ブロック型ポ
リウレタン樹脂塗料などのウレタン樹脂塗料、メラミン
樹脂塗料などのアミノアルキド樹脂塗料、二液硬化型エ
ポキシ樹脂塗料、エポキシエステル塗料、ビニルエステ
ル塗料、焼付け硬化型エポキシ樹脂塗料などのエポキシ
樹脂塗料、アミノアクリル樹脂塗料、NAD型アクリル
樹脂塗料などのアクリル樹脂塗料などが挙げられる。ま
た、塗装方法も特に限定されず、通常の塗装方法が採用
される。例えば、刷毛塗装、エアスプレー塗装、エアレ
ススプレー塗装などが挙げられるが、エアスプレー塗装
が好ましい。
【0036】
【作用】本発明のポリプロピレン樹脂組成物塗装体は、
ポリプロピレンと、不飽和グリシジル化合物で変性した
ゴムを2重量%以上含有するゴムと、所望により無機フ
ィラーとを含有してなる樹脂成形体に塗料を塗布したも
のであり、成形体の表面を塗装前に処理しなくても密着
性が良好な塗膜が得られる。このような効果は、変性ゴ
ム中にグラフトされた不飽和グリシジル化合物のエポキ
シ基と塗料の極性基が反応することにより接着し、強固
に密着した塗膜が得られることよるものと考えられる。
【0037】
【実施例】以下、実施例および比較例により本発明をさ
らに詳細に説明する。なお、各実施例および比較例にお
いて原料および添加剤としては以下のものを使用した。
【0038】ポリプロピレン:プロピレン−エチレンブ
ロック共重合体(エチレン含量7重量%)、MFR(2
30℃,2.16kg荷重)15g/10分。
【0039】ゴム: (a) オレフィン系ゴム:EPR[エチレン含有量75重
量%、メルトフローレート(MFR、230℃、2.16kg
荷重)8g/10分] (b) スチレン系ゴム:SEBS[旭化成株式会社製、タ
フテック H-1041 、スチレン含有量30重量%、MFR
(190℃、2.16kg荷重)5.0 g/10分]
【0040】変性ゴム: (a) AXE変性EPR:EPR100重量部、変性剤と
して下記式
【化5】 で示される不飽和グリシジル化合物(AXE[鐘淵化学
工業(株)社製])2重量部およびラジカル開始剤(P
OX:パーヘキシン25B[日本油脂(株)社製])0.
05重量部をドライブレンドし、二軸式押出機(54mm
φ,L/D比42)を用いスクリュー回転速度150rp
m 、温度210℃で溶融混練し、MFR(230℃、2.
16kg荷重)2.0g/10 分のAXE変性EPRを得た。
【0041】(b) GMA変性EPR:変性剤としてAX
Eに代えてグリシジルメタクリレート(GMA[東京化
成(株)社製])を用いた以外は前記(a) と同様の操作
を行ない、MFR(230℃、2.16kg荷重)1.8g/10 分
のGMA変性EPRを得た。
【0042】(c) AXE変性SEBS:ゴムとしてEP
Rに代えてSEBSを用いた以外は前記(a) と同様の操
作を行ない、MFR(230℃、2.16kg荷重)0.8g/10
分のAXE変性SEBSを得た。
【0043】(d) GMA変性SEBS:変性剤としてA
XEに代えてGMAを用いた以外は前記(c) と同様の操
作を行ない、MFR(230℃、2.16kg荷重)0.4g/10
分のGMA変性SEBSを得た。
【0044】無機フィラー (a) タルク:[富士タルク社製,平均粒径3μm] (b) ガラス繊維:[チョップドストランド,繊維径10
μm]
【0045】塗料 (a) ウレタン樹脂塗料(日本ペイント社製,フレキセン
105) (b) メラミン樹脂塗料(日本ビーケミカル社製,R32
0)
【0046】実施例1〜24および比較例1〜11 ポリプロピレン(PP)と、ゴム(EPR,SEBS)
と、変性ゴム(AXE変性EPR,GMA変性EPR,
AXE変性SEBS,GMA変性SEBS)と、無機フ
ィラー(タルク,ガラス繊維)を第1表に示す割合でヘ
ンシェルミキサーでドライブレンドした後、直径45mm
の二軸押出機(L/D=28)にホッパーより一括投入
した。樹脂成分を250℃、200rpm で混練し、樹脂
組成物のペレットを得た。このようにして得られたポリ
プロピレン樹脂のペレットを射出成形により100×5
0×3mmに成形した後、塗料(ウレタン樹脂塗料,メラ
ミン樹脂塗料)をエアスプレー法により塗布し、焼付け
処理して、塗料と成形体との密着性を評価した。結果を
第1表に合せて示す。
【0047】
【表1】
【0048】
【表2】
【0049】
【表3】
【0050】なお、上記第1表に示した密着性は、得ら
れた塗装体の24mm幅セロテープ(ニチバン社製)によ
る2mm口碁盤目テストでの残率(%)である。
【0051】上記第1表から明らかなように、変性ゴム
を加えていないポリプロピレン塗装体(比較例1〜1
1)では密着性は最大でも25%程度であるのに対し
て、本発明のポリプロピレン塗装体(実施例1〜24)
は93〜100%と密着性が良好であることがわかる。
【0052】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明のポリプロ
ピレン樹脂組成物の塗装体は、ポリプロピレンと不飽和
グリシジル化合物で変性したゴムを含有するゴムと所望
により無機フィラーを含有してなる成形体表面を前処理
を施すことなく塗装してなるものであり、従来のポリプ
ロピレン塗装体より容易に製造することができ、塗料と
樹脂成形体との密着が堅固な塗膜が得られる。このよう
な本発明のポリプロピレン樹脂組成物の塗装体は、自動
車の内装および外装部品、家電部品等として好適に用い
ることができる。
フロントページの続き (72)発明者 横山 公一 埼玉県入間郡大井町西鶴ヶ岡1丁目3番1 号 東燃株式会社総合研究所内 (72)発明者 藤田 祐二 埼玉県入間郡大井町西鶴ヶ岡1丁目3番1 号 東燃株式会社総合研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)ポリプロピレン30〜98重量%
    と、(b)不飽和グリシジル化合物で変性したゴムを2
    重量%以上含有するゴム2〜60重量%と、(c)無機
    フィラー0〜60重量%とを含有するポリプロピレン樹
    脂組成物の成形体を塗装してなるポリプロピレン樹脂組
    成物の塗装体。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100263332B1 (ko) * 1997-12-31 2000-08-01 정몽규 자동차내장재용도장성이우수한폴리프로필렌수지조성물
JP2013034924A (ja) * 2011-08-05 2013-02-21 Hitachi Appliances Inc ポリプロピレン製塗装部材の製造方法並びにポリプロピレン製塗装部材及びこれを用いた家電製品

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