JPH0741564A - 気相成長炭素繊維の複合材料 - Google Patents
気相成長炭素繊維の複合材料Info
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- JPH0741564A JPH0741564A JP5179254A JP17925493A JPH0741564A JP H0741564 A JPH0741564 A JP H0741564A JP 5179254 A JP5179254 A JP 5179254A JP 17925493 A JP17925493 A JP 17925493A JP H0741564 A JPH0741564 A JP H0741564A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 90°方向曲げ強度、衝撃強度、層間剪断強
度などの機械的強度に極めて優れた長繊維複合材料を得
る。 【構成】 直径0.01〜3.0μmかつ平均アスペク
ト比2〜100で、アスペクト比が200以上のものを
実質的に含まない気相成長炭素繊維を、樹脂母材中に1
〜10重量%充填してなる樹脂複合材料の母材と、長繊
維とから長繊維強化複合材料を構成する。
度などの機械的強度に極めて優れた長繊維複合材料を得
る。 【構成】 直径0.01〜3.0μmかつ平均アスペク
ト比2〜100で、アスペクト比が200以上のものを
実質的に含まない気相成長炭素繊維を、樹脂母材中に1
〜10重量%充填してなる樹脂複合材料の母材と、長繊
維とから長繊維強化複合材料を構成する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は長繊維複合材料に関し、
さらに詳細には気相成長炭素繊維と樹脂マトリックスと
に基づく長繊維複合材料の改良に関するものである。
さらに詳細には気相成長炭素繊維と樹脂マトリックスと
に基づく長繊維複合材料の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、長繊維を、例えばプラスチック、
メタル、ゴム、セメント等のマトリックスに対し、充填
材として分散させた長繊維複合材料が、種々の分野で使
用され、あるいは開発されつつある。長繊維複合材料
は、FRP、FRM、FRR、FRC等として知られ、
その機械的強度、耐熱性、耐摩耗性等に極めて優れてい
ることも知られている。
メタル、ゴム、セメント等のマトリックスに対し、充填
材として分散させた長繊維複合材料が、種々の分野で使
用され、あるいは開発されつつある。長繊維複合材料
は、FRP、FRM、FRR、FRC等として知られ、
その機械的強度、耐熱性、耐摩耗性等に極めて優れてい
ることも知られている。
【0003】本出願人は、先に気相法による創生微細炭
素繊維につき、特開昭61−70014号として特許出
願を行った。また、前記特開昭61−70014号によ
る創生微細炭素繊維は、直径が0.01〜1.0μmと
いう極めて細い直径を有することから、これを充填剤と
した複合材料を直径の大きい連続繊維に対し、母材とし
て複合化させれば強度の高い複合材料が得られることを
突き止め、特公平4−30972号として特許出願し
た。
素繊維につき、特開昭61−70014号として特許出
願を行った。また、前記特開昭61−70014号によ
る創生微細炭素繊維は、直径が0.01〜1.0μmと
いう極めて細い直径を有することから、これを充填剤と
した複合材料を直径の大きい連続繊維に対し、母材とし
て複合化させれば強度の高い複合材料が得られることを
突き止め、特公平4−30972号として特許出願し
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本出願人が先に開発し
た特公平4−30972号で得られる創生微細炭素繊維
は、アスペクト比2〜200が好ましいとされている
が、実際には長さが極めて長い繊維も含まれるため、こ
れらの繊維が本発明のように長繊維の複合材料の樹脂中
に混合して使用すると、その複合材料の機械的性質に悪
影響を与える難点があった。
た特公平4−30972号で得られる創生微細炭素繊維
は、アスペクト比2〜200が好ましいとされている
が、実際には長さが極めて長い繊維も含まれるため、こ
れらの繊維が本発明のように長繊維の複合材料の樹脂中
に混合して使用すると、その複合材料の機械的性質に悪
影響を与える難点があった。
【0005】そこで、本発明者は鋭意研究を重ねた結
果、0.01〜3.0μmの直径を有する気相法炭素繊
維を、均一に混合できる長さにまで粉砕することによ
り、少量の気相成長炭素繊維により、複合材料としての
優れた効果を発揮し得ることを突き止めた。さらに、こ
の気相成長炭素繊維を充填材とした複合材料を母材とし
て長繊維と複合化させれば、母材は既に強化されている
ために、特に90°方向曲げ強度、衝撃強度、層間剪断
強度も著しく改善されることを突止めた。
果、0.01〜3.0μmの直径を有する気相法炭素繊
維を、均一に混合できる長さにまで粉砕することによ
り、少量の気相成長炭素繊維により、複合材料としての
優れた効果を発揮し得ることを突き止めた。さらに、こ
の気相成長炭素繊維を充填材とした複合材料を母材とし
て長繊維と複合化させれば、母材は既に強化されている
ために、特に90°方向曲げ強度、衝撃強度、層間剪断
強度も著しく改善されることを突止めた。
【0006】そこで、本発明の目的は、90°方向曲げ
強度、衝撃強度、層間剪断強度などの機械的強度に極め
て優れた長繊維複合材料を提供することにある。
強度、衝撃強度、層間剪断強度などの機械的強度に極め
て優れた長繊維複合材料を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明の長繊維強化複合材料は、直径0.01〜
3.0μmかつ平均アスペクト比2〜100で、アスペ
クト比200以上のものを実質的に含まない気相成長炭
素繊維を、樹脂母材中に1〜10重量%充填してなる樹
脂複合材料の母材と、長繊維とからなることを特徴とす
る。
に、本発明の長繊維強化複合材料は、直径0.01〜
3.0μmかつ平均アスペクト比2〜100で、アスペ
クト比200以上のものを実質的に含まない気相成長炭
素繊維を、樹脂母材中に1〜10重量%充填してなる樹
脂複合材料の母材と、長繊維とからなることを特徴とす
る。
【0008】この場合、前記長繊維としては、炭素繊維
を好適に使用することができる。
を好適に使用することができる。
【0009】
【作用】本発明の気相成長炭素繊維の複合材料におい
て、気相成長炭素繊維の複合量は1〜10重量%、好ま
しくは1〜7重量%、最も好ましいのは3〜5重量%で
ある。複合量が10重量%以上になると90°方向の曲
げ強度が低下し、1%以下では気相成長炭素繊維複合の
効果が現れない。
て、気相成長炭素繊維の複合量は1〜10重量%、好ま
しくは1〜7重量%、最も好ましいのは3〜5重量%で
ある。複合量が10重量%以上になると90°方向の曲
げ強度が低下し、1%以下では気相成長炭素繊維複合の
効果が現れない。
【0010】また、気相成長炭素繊維としては、その結
晶構造は熱処理温度によって異なり、002面の面間隔
が0.335nm〜0.355nmのものが得られる
が、そのいずれも使用できる。樹脂との接着性の点では
面間隔が0.345nm〜0.355nmのものが好ま
しい。
晶構造は熱処理温度によって異なり、002面の面間隔
が0.335nm〜0.355nmのものが得られる
が、そのいずれも使用できる。樹脂との接着性の点では
面間隔が0.345nm〜0.355nmのものが好ま
しい。
【0011】本発明において、長繊維としては、炭素、
ガラス、アルミナ、炭化ケイ素、ボロンなど、どのよう
な材料でも良いが、その内でも炭素繊維が特に好まし
い。炭素繊維としては、PAN系、ピッチ系どちらでも
良い。また、繊維径、強度、弾性率、伸度は問わない。
ガラス、アルミナ、炭化ケイ素、ボロンなど、どのよう
な材料でも良いが、その内でも炭素繊維が特に好まし
い。炭素繊維としては、PAN系、ピッチ系どちらでも
良い。また、繊維径、強度、弾性率、伸度は問わない。
【0012】本発明において、複合材料の充填材として
使用する気相成長炭素繊維の製造は、前記特開昭61−
70014号公報におけると同様に行うことができる。
使用する気相成長炭素繊維の製造は、前記特開昭61−
70014号公報におけると同様に行うことができる。
【0013】アスペクト比が大きくなると、繊維同士の
凝集が発生し易くなり、多くのフロックを形成して、繊
維の均一分散が困難になる。したがって、気相成長炭素
繊維を樹脂と混合するに当たって、予め気相成長炭素繊
維を切断しておくべきことは知られている。しかし、長
繊維と樹脂と気相成長炭素繊維との複合材料において、
気相成長炭素繊維をそのまま使用すれば、0°方向引張
強度と90°方向引張強度と0°曲げ強度は改善される
が、90°方向曲げ強度、層間剪断強度、圧縮強度、衝
撃強度などは改善されず、予め気相成長炭素繊維を粉砕
し、添加量を少量とすることによってそれらが改善され
ることは驚くことであり、その理由は不明である。
凝集が発生し易くなり、多くのフロックを形成して、繊
維の均一分散が困難になる。したがって、気相成長炭素
繊維を樹脂と混合するに当たって、予め気相成長炭素繊
維を切断しておくべきことは知られている。しかし、長
繊維と樹脂と気相成長炭素繊維との複合材料において、
気相成長炭素繊維をそのまま使用すれば、0°方向引張
強度と90°方向引張強度と0°曲げ強度は改善される
が、90°方向曲げ強度、層間剪断強度、圧縮強度、衝
撃強度などは改善されず、予め気相成長炭素繊維を粉砕
し、添加量を少量とすることによってそれらが改善され
ることは驚くことであり、その理由は不明である。
【0014】これらの特性は構造材料には重要な項目で
あり、本発明によりCFRPのかかる用途へめざましく
応用されるようになることが予想される。
あり、本発明によりCFRPのかかる用途へめざましく
応用されるようになることが予想される。
【0015】分散の難易度を考慮すると、気相成長炭素
繊維としては、直径0.01〜3μmで、アスペクト比
が平均2〜100、好ましくは直径0.1〜2μm、平
均アスペクト比が3〜50、更に好ましくは直径0.1
〜1μm、平均アスペクト比が5〜20であるのが良
い。ここに示すアスペクト比は平均値であるが、アスペ
クト比が200を越えるような気相成長炭素繊維が少量
でも含まれることは好ましくない。
繊維としては、直径0.01〜3μmで、アスペクト比
が平均2〜100、好ましくは直径0.1〜2μm、平
均アスペクト比が3〜50、更に好ましくは直径0.1
〜1μm、平均アスペクト比が5〜20であるのが良
い。ここに示すアスペクト比は平均値であるが、アスペ
クト比が200を越えるような気相成長炭素繊維が少量
でも含まれることは好ましくない。
【0016】また、アスペクト比のバラツキの少ない気
相成長炭素繊維を得るには、特公昭62−49363号
で示される方法で得られた創生微細炭素繊維を適当な粉
砕手段により粉砕するのが好ましい。粉砕手段としては
限定はないが、小球体と共に攪拌するアクアマイザー
(登録商標)やボールミル、ジェットミルでもよいが、
気流中で激しく攪拌して、繊維と攪拌羽根や壁と、また
繊維同士を衝突させて粉砕するハイブリダイザー(登録
商標)に気相成長炭素繊維単独を装填し、処理する高衝
撃処理が好ましい。気相成長炭素繊維のハイブリダイザ
ー中における滞在時間、攪拌羽根の回転数により繊維直
径方向を破断することなく、繊維長さを調整することが
できるので、特にハイブリダイザーが好ましい。なお、
ハイブリダイザーは、その周速を120〜60m/s、
好ましくは90〜70m/sの範囲とする。
相成長炭素繊維を得るには、特公昭62−49363号
で示される方法で得られた創生微細炭素繊維を適当な粉
砕手段により粉砕するのが好ましい。粉砕手段としては
限定はないが、小球体と共に攪拌するアクアマイザー
(登録商標)やボールミル、ジェットミルでもよいが、
気流中で激しく攪拌して、繊維と攪拌羽根や壁と、また
繊維同士を衝突させて粉砕するハイブリダイザー(登録
商標)に気相成長炭素繊維単独を装填し、処理する高衝
撃処理が好ましい。気相成長炭素繊維のハイブリダイザ
ー中における滞在時間、攪拌羽根の回転数により繊維直
径方向を破断することなく、繊維長さを調整することが
できるので、特にハイブリダイザーが好ましい。なお、
ハイブリダイザーは、その周速を120〜60m/s、
好ましくは90〜70m/sの範囲とする。
【0017】また、粉砕しない場合は、繊維生成条件で
平均アスペクト比を小さくしても、かなりの大アスペク
ト比繊維を含んでおり、本発明の効果を得ることができ
ない。
平均アスペクト比を小さくしても、かなりの大アスペク
ト比繊維を含んでおり、本発明の効果を得ることができ
ない。
【0018】本発明において、気相成長炭素繊維を充填
する母材として、特にエポキシ樹脂を挙げることができ
る。エポキシ樹脂は、各種変性させたり、あるいは改質
のための添加剤(気相成長炭素繊維以外の物質:ゴム状
粒子、熱可塑性樹脂粒子、カーボンブラック等)を加え
ても良い。エポキシ樹脂以外には、フェノール樹脂、ポ
リイミド樹脂といったエポキシ樹脂と同様の熱硬化性樹
脂、Nylon、PPS、PEEKといった熱可塑性樹
脂も使用することはむろん可能である。
する母材として、特にエポキシ樹脂を挙げることができ
る。エポキシ樹脂は、各種変性させたり、あるいは改質
のための添加剤(気相成長炭素繊維以外の物質:ゴム状
粒子、熱可塑性樹脂粒子、カーボンブラック等)を加え
ても良い。エポキシ樹脂以外には、フェノール樹脂、ポ
リイミド樹脂といったエポキシ樹脂と同様の熱硬化性樹
脂、Nylon、PPS、PEEKといった熱可塑性樹
脂も使用することはむろん可能である。
【0019】本発明によれば、連続繊維を使った複合材
料で、マトリックスに気相成長炭素繊維を予め混合して
おくことで、90°方向曲げ強度、層間剪断強度、衝撃
強度等を向上させることが可能である。更に熱伝導を従
来の1/2にすることが可能である。また、ここで述べ
ている90°方向曲げ強度とは、一般に繊維軸が、長繊
維の配向方向に対して90°方向の曲げ強度のことであ
る。それに対し、長繊維が配向している方向を0°方向
という。
料で、マトリックスに気相成長炭素繊維を予め混合して
おくことで、90°方向曲げ強度、層間剪断強度、衝撃
強度等を向上させることが可能である。更に熱伝導を従
来の1/2にすることが可能である。また、ここで述べ
ている90°方向曲げ強度とは、一般に繊維軸が、長繊
維の配向方向に対して90°方向の曲げ強度のことであ
る。それに対し、長繊維が配向している方向を0°方向
という。
【0020】かかる効果は、プリプレグが織物プリプレ
グではなく、一方向プリプレグの場合に特に顕著であ
る。
グではなく、一方向プリプレグの場合に特に顕著であ
る。
【0021】
【実施例】次に、本発明の実施例につき説明する。
【0022】気相成長炭素繊維の製造 ベンゼンとフェロセンとをそれぞれ別々の容器中で加熱
ガス化させ、水素ボンベと窒素ボンベとからそれぞれガ
スを導出させて、水素:窒素:ベンゼン:フェロセンの
比を82.7:7.5:8.6:1.2とし、かつ総流
量を665ml/min(0℃、1atm換算)とし、
この混合ガスを内径52mmかつ1070℃の均熱部3
00mmの円筒状反応管に連続的に流動通過させた。そ
の結果、直径0.8μmかつ平均長さ180μmである
炭素繊維が得られた。
ガス化させ、水素ボンベと窒素ボンベとからそれぞれガ
スを導出させて、水素:窒素:ベンゼン:フェロセンの
比を82.7:7.5:8.6:1.2とし、かつ総流
量を665ml/min(0℃、1atm換算)とし、
この混合ガスを内径52mmかつ1070℃の均熱部3
00mmの円筒状反応管に連続的に流動通過させた。そ
の結果、直径0.8μmかつ平均長さ180μmである
炭素繊維が得られた。
【0023】上記で得られた気相成長炭素繊維を、ハイ
ブリダイザーにて8000回転で2分間粉砕することに
より、平均直径0.8μmかつ平均長さ12μm(アス
ペクト比15)からなる本発明に供する気相成長炭素繊
維を得た。
ブリダイザーにて8000回転で2分間粉砕することに
より、平均直径0.8μmかつ平均長さ12μm(アス
ペクト比15)からなる本発明に供する気相成長炭素繊
維を得た。
【0024】また、ハイブリダイザーの回転数を変えて
平均アスペクト比の異なる気相成長炭素繊維を作成し
た。その時のハイブリダイザー条件と平均アスペクト比
の関係を表1に示す。
平均アスペクト比の異なる気相成長炭素繊維を作成し
た。その時のハイブリダイザー条件と平均アスペクト比
の関係を表1に示す。
【0025】複合材料の製造 実施例1 硬化材としてジシアンジアミドを反応当量分含むエポキ
シ樹脂(シェル化学(株)製エピコート828相当)
に、上記で得られた直径0.8μmかつ平均長さ12μ
mの気相成長炭素繊維を5重量%加え、これを真空脱泡
しながら混練した。この気相成長炭素繊維入り樹脂を直
径7μm、強度350kg/mm2 、弾性率24ton
/mm2 のPAN系炭素繊維を一方向に配列させたシー
トに塗布して一方向プリプレグを作成した。このプリプ
レグを一方向に積層し、オートクレーブ中、130℃、
3kg/cm2 、2時間にて成形して、厚さ3.0mm
の平板を作成した。この平板につき、90°方向の曲げ
強度試験を行った結果は、表2に示す通りである。ま
た、前記平板についての衝撃強度および層間剪断力を測
定した結果は、表3に示す通りである。
シ樹脂(シェル化学(株)製エピコート828相当)
に、上記で得られた直径0.8μmかつ平均長さ12μ
mの気相成長炭素繊維を5重量%加え、これを真空脱泡
しながら混練した。この気相成長炭素繊維入り樹脂を直
径7μm、強度350kg/mm2 、弾性率24ton
/mm2 のPAN系炭素繊維を一方向に配列させたシー
トに塗布して一方向プリプレグを作成した。このプリプ
レグを一方向に積層し、オートクレーブ中、130℃、
3kg/cm2 、2時間にて成形して、厚さ3.0mm
の平板を作成した。この平板につき、90°方向の曲げ
強度試験を行った結果は、表2に示す通りである。ま
た、前記平板についての衝撃強度および層間剪断力を測
定した結果は、表3に示す通りである。
【0026】比較例1 表1に示されるハイブリダイザー無処理気相成長炭素繊
維を使用して、上記と全く同様にして成形体を作成し、
上記と同様に測定した90°方向の曲げ強度は、表2に
示す通りである。
維を使用して、上記と全く同様にして成形体を作成し、
上記と同様に測定した90°方向の曲げ強度は、表2に
示す通りである。
【0027】実施例2 表1の6000rpm、2minの条件でハイブリダイ
ザー処理した直径0.8μm、長さ15μm、平均アス
ペクト比19の気相成長炭素繊維を使用して、上記と全
く同様にして成形体を作成し、上記と同様に測定した9
0°方向の曲げ強度は、10.1kg/mm2 であっ
た。
ザー処理した直径0.8μm、長さ15μm、平均アス
ペクト比19の気相成長炭素繊維を使用して、上記と全
く同様にして成形体を作成し、上記と同様に測定した9
0°方向の曲げ強度は、10.1kg/mm2 であっ
た。
【0028】実施例3 表1の5000rpm、2minの条件でハイブリダイ
ザー処理した直径0.8μm、長さ20μm、平均アス
ペクト比25の気相成長炭素繊維を使用して、上記と全
く同様にして成形体を作成し、上記と同様に測定した9
0°方向の曲げ強度は、10.0kg/mm2 であっ
た。
ザー処理した直径0.8μm、長さ20μm、平均アス
ペクト比25の気相成長炭素繊維を使用して、上記と全
く同様にして成形体を作成し、上記と同様に測定した9
0°方向の曲げ強度は、10.0kg/mm2 であっ
た。
【0029】実施例4 硬化材としてジシアンジアミドを反応当量分含むエポキ
シ樹脂(シェル化学(株)製エピコート828相当)
に、上記で得られた直径0.8μmかつ平均長さ12μ
mの気相成長炭素繊維を3重量%加え、これを真空脱泡
しながら混練した。この気相成長炭素繊維入り樹脂を直
径7μm、強度350kg/mm2 、弾性率24ton
/mm2 のPAN系炭素繊維に塗布して一方向プリプレ
グを作成した。このプリプレグを一方向に積層し、オー
トクレーブ中、130℃、3kg/cm2 、2時間にて
成形して、厚さ3.0mmの平板を作成した。この平板
につき、90°方向の曲げ強度試験を行った結果は、表
2に示す通りである。また、前記平板についての衝撃強
度および層間剪断力を測定した結果は、表3に示す通り
である。
シ樹脂(シェル化学(株)製エピコート828相当)
に、上記で得られた直径0.8μmかつ平均長さ12μ
mの気相成長炭素繊維を3重量%加え、これを真空脱泡
しながら混練した。この気相成長炭素繊維入り樹脂を直
径7μm、強度350kg/mm2 、弾性率24ton
/mm2 のPAN系炭素繊維に塗布して一方向プリプレ
グを作成した。このプリプレグを一方向に積層し、オー
トクレーブ中、130℃、3kg/cm2 、2時間にて
成形して、厚さ3.0mmの平板を作成した。この平板
につき、90°方向の曲げ強度試験を行った結果は、表
2に示す通りである。また、前記平板についての衝撃強
度および層間剪断力を測定した結果は、表3に示す通り
である。
【0030】比較例2 前記気相成長炭素繊維の含まれていない炭素繊維プリプ
レグから、上記と全く同様にして成形体を作成し、上記
と同様に測定した90°方向の曲げ強度は、表2に示す
通りであり、また衝撃強度および層間剪断力を測定した
結果は、表3に示す通りである。
レグから、上記と全く同様にして成形体を作成し、上記
と同様に測定した90°方向の曲げ強度は、表2に示す
通りであり、また衝撃強度および層間剪断力を測定した
結果は、表3に示す通りである。
【0031】比較例3 硬化材としてジシアンジアミドを反応当量分含むエポキ
シ樹脂(シェル化学(株)製エピコート828相当)
に、上記で得られた直径0.8μmかつ平均長さ12μ
mの気相成長炭素繊維を20重量%加え、これを真空脱
泡しながら混練した。この気相成長炭素繊維入り樹脂を
直径7μm、強度350kg/mm2 、弾性率24to
n/mm2 のPAN系炭素繊維に塗布して一方向プリプ
レグを作成した。このプリプレグを一方向に積層し、オ
ートクレーブ中、130℃、3kg/cm2 、2時間に
て成形して、厚さ3.0mmの平板を作成した。この平
板につき、90°方向の曲げ強度試験を行った結果は、
表2に示す通りである。また、前記平板についての衝撃
強度および層間剪断力を測定した結果は、表3に示す通
りである。
シ樹脂(シェル化学(株)製エピコート828相当)
に、上記で得られた直径0.8μmかつ平均長さ12μ
mの気相成長炭素繊維を20重量%加え、これを真空脱
泡しながら混練した。この気相成長炭素繊維入り樹脂を
直径7μm、強度350kg/mm2 、弾性率24to
n/mm2 のPAN系炭素繊維に塗布して一方向プリプ
レグを作成した。このプリプレグを一方向に積層し、オ
ートクレーブ中、130℃、3kg/cm2 、2時間に
て成形して、厚さ3.0mmの平板を作成した。この平
板につき、90°方向の曲げ強度試験を行った結果は、
表2に示す通りである。また、前記平板についての衝撃
強度および層間剪断力を測定した結果は、表3に示す通
りである。
【0032】実施例5 直径0.8μm、長さ130μmの創生微細炭素繊維
を、5000rpm、2minの条件でハイブリダイザ
ーで粉砕して平均アスペクト比25の気相成長炭素繊維
を得た。次に、反応性希釈剤と混合されたビスマレイミ
ド樹脂(米国、HEXCEL社製F650)95重量%
と上記で作成した気相成長炭素繊維5重量%を混合して
母材樹脂を作成した。この母材樹脂を使用して実施例1
と同様に一方向プリブレグを作成した。このプリブレグ
を積層し、177℃、6kg/cm2 、の条件下で6h
r硬化反応をおこさせ複合材料を得た。そのときの90
°方向の曲げ強度は12.6kg/mm2 、層間剪断強
度は11.9kg/mm2 であった。比較のため、気相
成長炭素繊維の含まれていない炭素繊維プリブレグか
ら、上記と同様にして成形体を作成し、同様に測定を行
った。そのときの90°方向の曲げ強度は11.6kg
/mm2 、層間剪断強度は10.5kg/mm2であっ
た。
を、5000rpm、2minの条件でハイブリダイザ
ーで粉砕して平均アスペクト比25の気相成長炭素繊維
を得た。次に、反応性希釈剤と混合されたビスマレイミ
ド樹脂(米国、HEXCEL社製F650)95重量%
と上記で作成した気相成長炭素繊維5重量%を混合して
母材樹脂を作成した。この母材樹脂を使用して実施例1
と同様に一方向プリブレグを作成した。このプリブレグ
を積層し、177℃、6kg/cm2 、の条件下で6h
r硬化反応をおこさせ複合材料を得た。そのときの90
°方向の曲げ強度は12.6kg/mm2 、層間剪断強
度は11.9kg/mm2 であった。比較のため、気相
成長炭素繊維の含まれていない炭素繊維プリブレグか
ら、上記と同様にして成形体を作成し、同様に測定を行
った。そのときの90°方向の曲げ強度は11.6kg
/mm2 、層間剪断強度は10.5kg/mm2であっ
た。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】
【表3】
【0036】以上、本発明の好適な実施例につき説明し
たが、本発明はこれらの実施例に限定されることなく、
当業界で知られたその他のマトリックス材料に適応する
ことができる等、本発明の思想および範囲内において種
々の設計変更をなし得ることが了解されよう。
たが、本発明はこれらの実施例に限定されることなく、
当業界で知られたその他のマトリックス材料に適応する
ことができる等、本発明の思想および範囲内において種
々の設計変更をなし得ることが了解されよう。
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、大アスペクト比の繊維
を含まない気相成長炭素繊維を樹脂母材中に充填してな
る樹脂複合材料の母材とし、これに長繊維を複合化させ
ているため、90°方向曲げ強度、層間剪断強度、衝撃
強度等の諸物性が改善された長繊維強化複合材料が得ら
れる。
を含まない気相成長炭素繊維を樹脂母材中に充填してな
る樹脂複合材料の母材とし、これに長繊維を複合化させ
ているため、90°方向曲げ強度、層間剪断強度、衝撃
強度等の諸物性が改善された長繊維強化複合材料が得ら
れる。
【0038】長繊維が一方向に配列された長繊維強化複
合材料にとって、90°方向曲げ強度が向上することは
驚くべき効果であり、今後の用途に期待される。
合材料にとって、90°方向曲げ強度が向上することは
驚くべき効果であり、今後の用途に期待される。
Claims (3)
- 【請求項1】 直径0.01〜3.0μmかつ平均アス
ペクト比2〜100で、アスペクト比が200以上のも
のを実質的に含まない気相成長炭素繊維を、樹脂母材中
に1〜10重量%充填してなる樹脂複合材料の母材と、
長繊維とからなることを特徴とする長繊維強化複合材
料。 - 【請求項2】 長繊維が炭素繊維である請求項1記載の
複合材料。 - 【請求項3】 長繊維が一方向に配列された請求項1記
載の複合材料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17925493A JP3342925B2 (ja) | 1993-05-21 | 1993-07-20 | 気相成長炭素繊維の複合材料 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14284093 | 1993-05-21 | ||
JP5-142840 | 1993-05-21 | ||
JP17925493A JP3342925B2 (ja) | 1993-05-21 | 1993-07-20 | 気相成長炭素繊維の複合材料 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0741564A true JPH0741564A (ja) | 1995-02-10 |
JP3342925B2 JP3342925B2 (ja) | 2002-11-11 |
Family
ID=26474722
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17925493A Expired - Lifetime JP3342925B2 (ja) | 1993-05-21 | 1993-07-20 | 気相成長炭素繊維の複合材料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3342925B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011231297A (ja) * | 2010-04-30 | 2011-11-17 | Wisukaa Kk | 樹脂複合材料及び接着剤 |
JP2016006131A (ja) * | 2014-06-20 | 2016-01-14 | 学校法人同志社 | プリプレグ積層体 |
JPWO2020255786A1 (ja) * | 2019-06-18 | 2020-12-24 |
-
1993
- 1993-07-20 JP JP17925493A patent/JP3342925B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011231297A (ja) * | 2010-04-30 | 2011-11-17 | Wisukaa Kk | 樹脂複合材料及び接着剤 |
JP2016006131A (ja) * | 2014-06-20 | 2016-01-14 | 学校法人同志社 | プリプレグ積層体 |
JPWO2020255786A1 (ja) * | 2019-06-18 | 2020-12-24 | ||
WO2020255786A1 (ja) * | 2019-06-18 | 2020-12-24 | 三井化学株式会社 | 一方向性繊維強化樹脂シート並びにそれを含む積層体及び自動車部材 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3342925B2 (ja) | 2002-11-11 |
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