JPH0694515B2 - プリプレグ - Google Patents

プリプレグ

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JPH0694515B2
JPH0694515B2 JP31511686A JP31511686A JPH0694515B2 JP H0694515 B2 JPH0694515 B2 JP H0694515B2 JP 31511686 A JP31511686 A JP 31511686A JP 31511686 A JP31511686 A JP 31511686A JP H0694515 B2 JPH0694515 B2 JP H0694515B2
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、先進複合材料として、強度、弾性率、さらに
はこれを比重で除した、比強度、比弾性率の大なること
を要求される構造体に用いられるプリプレグに関する。
さらに詳しくは、プリプレグの粘着性と柔軟性を確保し
つつ、強化繊維の方向以外の強度、特に、衝撃後圧縮強
度、非繊維軸引張強度、に対して顕著に改良のなされた
構造体を与えるプリプレグに関する。
[従来の技術] 先進複合材料は、強化繊維と、マトリックス樹脂を必須
の構成要素とする不均一材料であり、このため、繊維軸
方向の物性とそれ以外の方向の物性に大きな差が存在す
る。たとえば、落錘衝撃に対する抵抗性は層間剥離強度
によって支配され、強化繊維の強度を向上させても抜本
的な改良には結びつかないことが知られている。このた
め、繊維軸方向以外の物性を改良することを目的とし
て、マトリックス樹脂の靭性を改良することの他に、種
々の方法による改良が提案されている。
USP 3,472,730(1969年)では、繊維強化シートの片
面あるいは両面にエラストマー性物質により改質した熱
硬化性樹脂からなる独立外層フィルム(Separate Exter
ior Film)を配することにより耐層間剥離力の改善がな
されることが開示されている。
特開昭51-58484(特公昭58-31296)では、繊維強化エ
ポキシ樹脂プリプレグの表面にポリエーテルスルホンフ
ィルムを存在させることで、成形性および曲げ強度の改
善がなされるとが開示されている。
特開昭54-3879,特開昭56-115216,特開昭60-44334で
は、繊維強化シートの層間に短繊維チップ、チョップド
ストランド、ミルドファイバーを配し、層間強度の向上
がなされることが開示されている。
特開昭60-63229では、繊維強化プリプレグの層間にエ
ラストマーで改質したエポキシ樹脂フィルムを配して層
間強度の改善がなされることが開示されている。
USP 4,539,253(1985年)(対応特開昭60-231738)で
は、繊維強化プリプレグの層間に軽量繊維を基材とす
る、不織布、織布、マット、キャリアーにエラストマー
で改質したエポキシ樹脂を含浸させたフィルムを配して
層間強度の改善がなされることが開示されている。
USP 4,604,319(1986年)(対応特開昭60-231738)で
は、繊維強化プリプレグの層間に熱可塑性樹脂フィルム
を配して層間強度の改善がなされることが開示されてい
る。
[発明が解決しようとする問題点] これらの手法は、その効果が不十分であるばかりでな
く、それぞれに欠点を有している。エラストマー改質熱
硬化性樹脂を含む独立外層フィルムを用いた場合には、
エラストマーの含量が多くなると耐熱性が低下し、エラ
ストマーの含量が少ないと層間強度の改善効果は、非常
に少ない。
また、熱可塑性樹脂フィルムを用いた場合には耐熱性の
良好な熱可塑性樹脂フィルムを用いることにより耐熱性
と層間強度の改善効果の両立がなされるが熱硬化性樹脂
の利点である粘着性が失われる。また、耐溶剤性が良く
ないという熱可塑性樹脂の一般的欠点が複合材料に反映
してしまう。また、層間に繊維を有しない層が形成され
るため、繊維含有率の高いコンポジットが得られないと
いう欠点を有している。
また、短繊維チョップ、チョップドストランドミルドフ
ァイバーを用いることは、層間を厚くするため、コンポ
ジット全体として強度低下を招く。
本発明者らは上記欠点のない繊維方向以外の物性、特に
耐衝撃性の優れた繊維強化複合材料について鋭意研究を
行った結果、新たな構成要素[C]として、樹脂を素材
とする微粒子を用いることで、これらの欠点を克服し
て、かつ、予想をはるかに上回る、繊維軸方向以外の物
性が大幅に改良された複合材料を与えるプリプレグを得
ることができ、本発明の完成に致った。
なお、特開昭58-205758には、シートモールディングコ
ンパウンドの表面に熱可塑性樹脂の粉末を付着せしめる
ことで表面の保護、着色を容易にする効果が示されてい
るが、本発明とは構成、効果が、全く異なっている。す
なわち、強化繊維として短繊維が用いられているために
コンポジットの補強効果には限界がある。また、特公昭
61-29265には、シート材料の外層にそれより薄いシート
材料を密着させた複合シートを用いて、仕上り外観の良
好な複合材料を得ているが、これも本発明とは構成、効
果が、全く異なっている。
[問題点を解決するための手段] 本願発明は前記特許請求の範囲の欄に記載のとおりの構
成を有する。
以下の記述においては構成要素[B]と構成要素[C]
の両方からなる部分の名称をマトリックス樹脂と呼び、
構成要素[B]のみをさすベース樹脂と区別して用い
る。
(強化繊維の説明) 本発明に構成要素[A]として用いられる要素は炭素繊
維および/または黒鉛繊維からなる強化繊維である。一
般に先進複合材料として用いられる耐熱性および引張強
度の良好な繊維、たとえば、炭素繊維、黒鉛繊維、アラ
ミド繊維、炭化ケイ素繊維、アルミナ繊維、ボロン繊
維、タングステンカーバイト繊維、ガラス繊維などのう
ち、比強度、比弾性率が良好で軽量化に大きな寄与が認
められる、炭素繊維および/または黒鉛繊維を強化繊維
として用いるものである。炭素繊維や黒鉛繊維は用途に
応じてあらゆる種類の炭素繊維や黒鉛繊維を用いること
が可能であるが、引張強度450kgf/mm2、引張伸度1.7%
を有する高強度高伸度炭素繊維が最も適している。ま
た、本発明には長繊維状の強化繊維を用いるが、その長
さ5cm以上であることが好ましい。それより短い場合、
強化繊維の強度を複合材料として十分に発現させること
が困難となる。また、炭素繊維や黒鉛繊維は他の強化繊
維を混合して用いてもかまわない。また、強化繊維はそ
の形状や配列を限定されず、たとえば、単一方向、ラン
ダム方向、シート状、マット状、織物状、組み紐状であ
っても使用可能である。また、特に、比強度、比弾性率
が高いことを要求される用途には強化繊維を単一方向に
引き揃えられた配列が最も適しているが、取り扱いの容
易なクロス(織物)状の配列も本発明には適している。
(ベース樹脂の説明) 本発明に構成要素[B]として用いられる要素はベース
樹脂である。
本発明に用いるベース樹脂には熱硬化性樹脂および熱硬
化性樹脂と熱可塑性樹脂を混合した樹脂が挙げられる。
本発明に用いる熱硬化性樹脂は、熱または光や電子線な
どの外部からのエネルギーにより硬化して、少なくとも
部分的に三次元硬化物を形成する樹脂であれば特に限定
されない。好ましい熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹
脂があげられ、一般に硬化剤や硬化触媒と組合せて用い
られる。
本発明に適した熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂が用い
られる。特に、アミン類、フェノール類、炭素炭素二重
結合を有する化合物を前駆体とするエポキシ樹脂が好ま
しい。具体的には、アミン類を前駆体とするエポキシ樹
脂として、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタ
ン、トリグリシジル−p−アミノフェノール、トリグリ
シジル−m−アミノフェノール、トリグリシジルアミノ
クレゾールの各種異性体、フェノール類を前駆体とする
エポキシ樹脂として、ビスフェノールA型エポキシ樹
脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノール
S型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹
脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、炭素炭素二
重結合を有する化合物を前駆体とするエポキシ樹脂とし
ては、脂環式エポキシ樹脂等が、あげられるが、これに
限定されない。またこれらのエポキシ樹脂をブロム化し
たブロム化エポキシ樹脂も用いられる。テトラグリシジ
ルジアミノジフェニルメタンに代表される芳香族アミン
を前駆体とするエポキシ樹脂は耐熱性が良好で強化繊維
との接着性が良好なため本発明に最も適している。
エポキシ樹脂はエポキシ硬化剤と組合せて、好ましく用
いられる。エポキシ硬化剤はエポキシ基と反応しうる活
性基を有する化合物であればこれを用いることができ
る。好ましくは、アミノ基、酸無水物基、アジド基を有
する化合物が適している。具体的には、ジシアンジアミ
ド、ジアミノジフェニルスルホンの各種異性体、アミノ
安息香酸エステル類が適している。具体的に説明する
と、ジシアンジアミドはプリプレグの保存性に優れるた
め好んで用いられる。またジアミノジフェニルスルホン
の各種異性体は、耐熱性の良好な硬化物を与えるため本
発明には最も適している。アミノ安息香酸エステル類と
しては、トリメチレングリコールジ−p−アミノベンゾ
エートやネオペンチルグリコールジ−p−アミノベンゾ
エートが好んで用いられ、ジアミノジフェニルスルホン
に比較して、耐熱性に劣るものの、引張伸度に優れるた
め、用途に応じて選択して用いられる。
本発明に、ベース樹脂として、上記の熱硬化性樹脂に熱
可塑性樹脂を混合して用いることも好適である。本発明
に好適な熱可塑性樹脂は、主鎖に、炭素炭素結合、アミ
ド結合、イミド結合、エステル結合、エーテル結合、カ
ーボネート結合、ウレタン結合、尿素結合、チオエーテ
ル結合、スルホン結合、イミダゾール結合、カルボニル
結合から選ばれる結合を有する熱可塑性樹脂であり、よ
り好ましくは、ポリアクリレート、ポリアミド、ポリア
ラミド、ポリエステル、ポリカーボナート、ポリフェニ
レンスルフィド、ポリベンズイミダゾール、ポリイミ
ド、ポリエーテルイミド、ポリスルホン、ポリエーテル
スルホン、ポリエーテルエーテルケトンのようなエンジ
ニアリングプラスチックに属する熱可塑性樹脂の一群で
ある。特に、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリス
ルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテル
ケトンは耐熱性に優れるので本発明に最適である。
これらの熱可塑性樹脂は、市販のポリマーを用いても良
く、また、市販のポリマーより分子量の低い、いわゆる
オリゴマーを用いても良い。オリゴマーとしては、熱硬
化性樹脂と反応しうる官能基を末端または分子鎖中に有
するオリゴマーがさらに好ましい。
熱硬化性樹脂と反応しうる官能基を末端または分子鎖中
に有するオリゴマーを用いた例としては、官能基として
芳香族アミンを末端に有し、ポリスルホン、ポリエーテ
ルスルホン、ポリエーテルケトンを骨格とする例があ
り、特開昭60-15420および特開昭61-212543および特開
昭61-212544が、挙げられる。また、J.E.McGrathらも第
31回サスペシンポジウム(31th SAMPE(1986)580)で
発表している。また、特開昭61-228016においても同様
の例が示されている。これらによるといずれも耐熱性が
良好で靭性の高い硬化物を与えていることがわかる。ま
た、官能基として芳香族アミンを末端に有し、ポリスル
ホンを骨格とする例として、特開昭58-134111および特
開昭59-36127が示され、J.E.McGrathらも第30回サスペ
シンポジウム(30th SAMPE(1985)947)で発表してい
る。これらは、耐熱性が良好で靭性の高い硬化物を与え
ていることを示している。
熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂の混合物は、それらを単独
で用いた場合より良好な結果を与える。これは、熱硬化
性樹脂が、一般に脆い欠点を有しながらオートクレーブ
による低圧成型が可能であるのに対して、熱可塑性樹脂
が、一般に強靭である利点を有しながらオートクレーブ
による低圧成型が困難であるという二律背反した特性を
示すため、これらを混合して用いることで物性と成形性
のバランスをとることができるためである。
成形性は最も単純には樹脂組成物の昇温過程における最
低粘度で表される。プリプレグに適した最低粘度の下限
はプリプレグ中の樹脂含有量や積層の枚数や硬化方法や
硬化条件(温度、圧力)により著しく異なるため、一概
に規定できないが、オートクレーブを用いた成形では、
一般には1ポイズ以上、より好ましくは10ポイズ以上が
適し、積層枚数が増えるとさらに最低粘度の高い樹脂系
(例えば10〜100ポイズ)が最適となる。
昇温過程の粘度は、コーンプレート式回転粘度計あるい
は、B型粘度計を用いて測定できる。昇温速度は、一般
に0.5〜5℃が適当であるが、昇温速度を変化させると
粘度挙動も変化するので一般には毎分1〜2℃の昇温速
度で測定される。
以上により、ベース樹脂100重量部に対する熱可塑性樹
脂成分は0〜50重量%、より好ましくは0〜30重量%で
ある。
また、エポキシ樹脂に微粉末状シリカなどの無機質微粒
子やエラストマーなどを少量混合することも可能であ
る。
本発明においては、ベース樹脂としてさらに、マレイミ
ド樹脂、アセチレン末端を有する樹脂、ナジック酸末端
を有する樹脂、シアン酸エステル末端を有する樹脂、ビ
ニル末端を有する樹脂、アリル末端を有する樹脂が好ま
しく用いられる。これらは、適宜、エポキシ樹脂や、他
の樹脂と混合しても良い。また、反応性希釈剤を用いた
り、熱可塑性樹脂やエラストマーなどの改質剤を混合し
て用いてもかまわない。
マレイミド樹脂は、末端にマレイミド基を平均2個以上
含む化合物である。ジアミノジフェニルメタンを原料と
するビスマレイミドが好適に用いられる。アセチレン末
端を有する樹脂およびナジック酸末端を有する樹脂で
は、主鎖に、フェニレン骨格やイミド骨格またはスルホ
ン骨格に代表される耐熱性の高い骨格を有し、両末端に
アセチレン基およびナジック酸基を有する化合物が好ま
しい。シアン酸エステル末端を有する樹脂は、ビスフェ
ノールAに代表される多価フェノールのシアン酸エステ
ル化合物が好適である。シアン酸エステル樹脂は、特に
ビスマレイミド樹脂と組合せることによりプリプレグに
適した樹脂とすることができ、三菱ガス化学(株)製BT
レジンが市販されており、本発明に適している。これら
は一般にエポキシ樹脂より、耐熱性と耐水性が良好であ
る半面、靭性や耐衝撃性が劣るため用途に応じて選択し
て用いられる。本発明においてエポキシ樹脂の代わりに
これらの他のベース樹脂を用いても、本発明の効果は同
様である。また、ビニル末端を有する樹脂およびアリル
末端を有する樹脂は、市販の汎用樹脂が用いられるが耐
熱性が前述の樹脂群より劣るので、主として希釈剤とし
て用いられる。
(微粒子の説明) 構成要素[C]は、ポリ酢酸ビニル、ポリアミド、ポリ
カーボナート、ポリアセタール、ポリフェニレンオキシ
ド、ポリフェニレンスルフイド、ポリアリレート、ポリ
エステル、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリエーテ
ルイミド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリ
エーテルエーテルケトン、ポリアラミド、ポリベンゾイ
ミダゾール、ポリエチレン、ポリプロピレン、酢酸セル
ロース、酪酸セルロースからなる群から選ばれた1種以
上の樹脂を素材とする粒径150mμ以下の微粒子である。
微粒子であればベース樹脂と混ぜた時にベース樹脂中に
分散した状態で存在するため、みかけ上マトリックス樹
脂にはベース樹脂の特性が支配的に現れ、強化繊維に含
浸した時でもベース樹脂のもつ粘着性および変形性(ド
レープ性)を保持し、取扱い性に優れたプリプレグを得
ることができる。したがって、微粒子の特性としては粘
着性および変形性(ドレープ性)が要求されないため、
微粒子として選択できる素材は広範に及ぶ。
このため従来、性能が優れているにもかかわらずマトリ
ックス樹脂として使用することが困難であった樹脂でも
微粒子化して用いることによりマトリックス樹脂を構成
する成分として使用し、マトリックス樹脂の性能を改良
することができる。
微粒子の素材 市販品として入手可能な熱硬化性樹脂微粒子としては、
たとえば、東レ(株)製エポキシ樹脂トレパールEP−B,
鐘紡(株)製フェノール樹脂ベルパールR−800などが
挙げられる。また、微粒子を市販品として入手すること
ができない場合でも上記の樹脂を粉砕することにより微
粒子化することが可能であるし、さらに分級することに
より希望の粒子径の範囲のものだけを使用することがで
きる。
特に、ポリアミド、ポリカーボナート、ポリアセター
ル、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンスルフィ
ド、ポリアリレート、ポリエステル、ポリアミドイミ
ド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリスルホン、
ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、
ポリアラミド、ポリベンズイミダゾールは耐衝撃性に優
れるので本発明に使用する微粒子の素材として適してい
る。この中でもポリアミドの靭性は特に優れており非品
質透明ナイロンに属するものを使用することにより耐熱
性をも兼ね備えることができる。市販品として入手可能
な熱可塑性樹脂微粒子としては、例えば、東レ(株)製
ナイロン12微粒子SP−500などが挙げられる。また、微
粒子を市販品として入手することができない場合でも上
記の樹脂を粉砕することにより微粒子化することが可能
である。また、樹脂を溶媒に溶解の後霧状に飛散させ乾
燥させるスプレードライ法や、沈殿法により微粉末状に
することもできる。また、これらの処理の後、さらに分
級することにより希望の粒子径の範囲のものだけを使用
することができる。これら、微粒子を得る方法について
は本発明において限定されるものではなく公知の方法が
応用できる。
微粒子の分布 微粒子はマトリックス樹脂中に様々なかたちで分布させ
ることが可能であり、その分布の様式により複合材料と
したときの特徴が多様化し、それぞれ異なった効果を発
現させることができる。
たとえば微粒子をマトリックス樹脂に均一に分散させる
場合はマトリックス樹脂全体の性質を平均的に改質する
効果がある。この場合には、単に混合した微粒子の量に
対応したベース樹脂の改質効果を期待できることはもち
ろんのこと、さらには分散させた微粒子がマトリックス
樹脂中でベース樹脂と分離した領域を形成するため、い
わゆる相分離構造を形成してそのモルフォロジー効果を
発揮する。すなわち、微粒子がベース樹脂中に孤立した
微小領域を形成する場合は海島構造を生成するのであ
る。また、微粒子とベース樹脂との親和性を考慮するこ
とによって異種ドメイン間の境界領域における両成分の
混合状態を設計することも容易にできるのである。この
ようにしてモルフォロジーのコントロールされたマトリ
ックス樹脂は耐衝撃性に優れるなど単に多成分のブレン
ドでは得られないような複合効果を発揮するのである。
このことは、ポリマーアロイ等の多相系高分子の分野で
行われているポリマーブレンドやブロック、グラフトポ
リマーを用いての多相構造設計と等しい効果が本発明に
よる微粒子の分散によっても実現できることを意味して
いる。
次に、微粒子をマトリックス樹脂の特定の部分に集中さ
せて用いる場合は、その特定部分の特性が改質される。
複合材料のような異方性の強い材料では材料全体に均一
な応力が発揮することはほとんどなく、たいていの場合
応力は特定の部分に集中する。特にシート状のプリプレ
グを積層して得られる繊維強化複合材料の場合、外部か
らの衝撃力など外力がかかる場合、シートとシートの間
すなわち層間に大きな応力がかかることが知られてい
る。従って、靭性に優れた微粒子が層間に比較的高濃度
で分布している場合には層間靭性の向上に著しい効果を
もたらす。
特に、層間靭性を向上させようとする場合、プリプレグ
の表裏あるいは片面に熱可塑性樹脂を主要成分とする明
確に分離したフィルム層をもうけることが特開昭60-231
738に開示されているが、本発明に用いる微粒子ではそ
のような分離層を形成することを必要としない。繊維強
化複合材料が衝撃などの歪を受けた時に発生する内部応
力は層間を中心とする層に対して垂直方向の分布であ
り、むしろ微粒子をその分布に合わせて存在させて明確
に分離させないほうが改質効果、補強効果が大きい。
すなわち、ここで実現させる複合材料の最大の特徴は特
異な性質を有する素材が適切な場所に配置されていると
いう意味で、マトリックス樹脂がベース樹脂と微粒子成
分とのハイブリッド型になっているということなのであ
る。
さらには、特開昭60-231738の場合との大きな違いは特
開昭60-231738が分離フィルム層を存在させているため
にプリプレグの粘着性が低下したり、複合材料としたと
きの繊維含有率を高くできないなどの欠点を伴っている
のに対して、本発明による分布をもたせた微粒子の分散
ではこのような問題を全く有していないということなの
である。
微粒子の形状・粒径 本発明に用いる微粒子の形状は球状に限られるものでは
ない。もちろん球状であってもよいが、樹脂塊を粉砕し
た微粉体や、スプレードライ法、再沈殿法で得られる微
粒子のごとく形状さまざまの状態で一向に差し支えな
い。その他、繊維を短く切断したミルドファイバー状で
も、また針状、ウイスカー状でも差し支えない。特に球
状の粒子を使用したい場合は懸濁重合法で得られる製品
がそのまま使える。
微粒子の大きさは粒径で表現されるが、この場合の粒径
とは遠心沈降速度法などで求められる体積平均粒径を意
味する。
微粒子の粒径は目的とする微粒子の分布によってその範
囲が異なる。
微粒子をマトリックス樹脂に均一に分散させる場合、強
化繊維の種類や配列によっても異なるが粒径は2μm以
下の範囲が適し、より好ましくは0.5μm以下のものが
よい。2μmをこえると強化繊維中のフィラメントどう
しのすきまに侵入しにくくなるので均一分散が困難にな
る。
一方、微粒子をプリプレグの内部よりも表面に多く配置
させる場合、これも強化繊維の種類や配列およびプリプ
レグの製造法によって異なるが粒径は0.01μm〜150μ
mの範囲が適し、より好ましくは2μm〜60μmのもの
である。この範囲の粒径の微粒子を含むマトリックス樹
脂を強化繊維に含浸させる場合には微粒子が強化繊維の
フィラメント間のすきまから排除されるため、プリプレ
グの表面に近づくにしたがって高濃度になるような分布
をなす。ただし、微粒子の形状がミルドファイバー状、
針状、ウイスカー状のように異方性の大きなものの場合
は粒径が小さくともフィラメント間に侵入しにくくプリ
プレグの表面に排除される傾向がある。
プリプレグ製造の過程で微粒子を微粒子単独の散布によ
り導入する製造法をとる場合は微粒子はプリプレグの表
面に付着するので、粒径はとくに限定されない。
いずれにしても粒径が150μmをこえる場合は強化繊維
の配列を乱したり、積層して得られる複合材料の層間を
必要以上に厚くするため複合材料としたときの物性を低
下させる欠点がある。ただし、150μmをこえる粒径を
もつ微粒子でも成形中にベース樹脂に部分的に溶解し小
さくなる素材の粒子や、あるいは成形中の加熱により変
形することで、フィラメント間や複合材料の層間を成形
前より狭くする素材もあり、その場合には適したものと
して使用できる。
微粒子は成形後に元の形状を保持していてもまた形状を
消失してもかまわないがそれぞれに一長一短があり、目
的に応じて使い分けることができる。微粒子が熱硬化性
樹脂の場合は上記のいずれでもあまり効果に差がないが
熱可塑性樹脂の場合にはそれぞれ次のような効果を生ず
る。しかも違いは微粒子が複合材料の層間のような特定
の部分に高濃度で集中した構造の場合に特に顕著に現れ
る。
すなわち、元の形状を保持する場合には熱可塑性樹脂成
分である微粒子が孤立分散するため熱可塑性樹脂の欠点
である有機溶剤に接触した時の劣化および連続荷重下で
のクリープ現象がマトリックス樹脂全体に現れることが
なく、耐溶剤性並びに耐クリープ性に優れた複合材料が
得られる。しかしながらベース樹脂と微粒子との親和性
が極めて乏しい場合には応力が発生した時ベース樹脂と
微粒子とのはく離が生じ、ここが材料の欠点になる恐れ
がある。その意味ではベース樹脂と微粒子との間にはあ
る程度の部分相溶性あるいは反応性があるほうが好まし
い。
一方、成形後に粒子形状が消失する場合は熱可塑性樹脂
成分である微粒子がある程度一体化し、連続的な部分を
形成するため耐溶剤性の低下あるいは耐クリープ性の低
下をもたらすことが懸念される。しかしながらベース樹
脂と微粒子との接着が十分に強い場合は、応力発生時に
両者のはく離が生ずることのない良好な複合材料が得ら
れる。
微粒子の量 微粒子の量としてはマトリックス樹脂に対して0.1重量
%〜80重量%の範囲が適している。1重量%以下では微
粒子の効果がほとんど現れず、また80重量%をこえると
ベース樹脂との混合が困難になるうえ、マトリックス樹
脂としての粘着性も大幅に低下してしまう。
微粒子をプリプレグの表面など特定の部分に集中させて
配置させる場合は、1重量%〜30重量%の比較的少ない
量でも著しい効果を発揮する。特にベース樹脂の剛性を
複合材料の圧縮強度の発現に生かしたまま破断伸度の高
い柔軟な特性を有する微粒子で複合材料の層間を高靭化
するような目的で使用する場合は、むしろ2重量%〜20
重量%の少ない範囲のほうが好適である。
本発明のプリプレグは、その成形法や成形条件を特に限
定することなく用いられる。一般に用いられるオートク
レーブ成形の他、プレス成形が良好である。また、幅の
細いプリプレグとして型に巻きつけてから加熱硬化させ
て成形物を得ることも可能である。また、成形物の形状
も平板状の物や円筒状の物など、求める形状に適したプ
リプレグの種類と成形法を選択することで、自由に得る
ことができる。また、本発明によるプリプレグを成形し
て得られる複合材料は、従来の複合材料より全般的に信
頼性が増した複合材料となっているため、その用途は限
定されない。とくに信頼性が重要な複合材料の要求され
る航空機用途や精密部品、大変形に耐えることが必要な
スポーツ用途、振動減衰性の要求される音響用途など、
幅広い分野に応用できる。
これまでに、複合材料の層間靭性を向上させる目的で種
々の試みがされているが、本発明による方法はそれらの
欠点を解消するものである。特開昭60-231738にプリプ
レグの表裏あるいは片面に熱可塑性樹脂を主要成分とす
る明確に分離したフィルム層をもうけることを特徴とし
たプリプレグが開示されているが、本発明に開示する微
粒子を用いたプリプレグではそのような分離層を形成す
ることを必要としない。熱可塑性樹脂を主要成分とする
明確に分離したフィルム層は、プリプレグのタック、ド
レープを明らかに疎外するが、本発明におけるプリプレ
グではその欠点が存在しない。さらに、繊維強化複合材
料が衝撃などの歪を受けた時に発生する内部応力は層間
に対して垂直方向に働くため、分離層を形成すること
で、新たな欠点となる可能性を有する境界を生じさせる
より、靭性の改良効果を有する微粒子を層間に対して垂
直方向に一定の勾配を持った濃度分布で存在させるほう
が改質結果、補強効果が大きいと考えられる。
[作用] 本発明における微粒子が複合材料の耐衝撃性をはじめと
する種々の物性向上にはたす作用機構は明確ではない。
しかし、ベース樹脂はプリプレグの状態では粘着性と柔
軟性をもたらす一方、硬化後ではマトリックス樹脂全体
の剛性を高める働きをする。微粒子はベース樹脂の粘着
性、柔軟性を損なうことなく、微粒子の存在する樹脂部
分の接着力、許容変形量を向上させるため、複合材料と
して物性の向上がなされるものと考えられる。そのた
め、物性の改善効果は、微粒子の分布様式に依存するも
のと考えられる。さらに、種々の物性は、応力の集中す
る層間の樹脂物性に大きく依存する場合が多く、微粒子
が層間に多く存在する場合により顕著な効果をもたらす
ものと思われる。
[発明の効果] 本発明の微粒子を有する複合材料はプリプレグとしての
粘着性、柔軟性を確保しつつ繊維強化複合材料としたと
きに、微粒子を含まない従来の繊維強化複合材料に比較
して、強化繊維の方向以外の強度、特に、衝撃後圧縮強
度、層間剪断強度、非繊維軸引張強度、に対して顕著に
改良のなされた構造体を与えることができる。
以下、実施例により本発明をより詳細に説明する。
[実施例1] 以下の構成よりなる一方向プリプレグを製造した。プリ
プレグはあらかじめ強化繊維にベース樹脂を含浸させた
のち、その表裏に微粒子を散布する方法によって製造し
た。単位面積あたりのベース樹脂量は69g/m2、単位面積
あたりの炭素繊維量は152g/m2であった。単位面積あた
りの微粒子量は5.2g/m2であった。
ここで、微粒子は、プリプレグの両側の表面に均一に分
散していることを光学顕微鏡で観察した。
強化繊維−炭素繊維T800(東レ(株)製) ベース樹脂−以下の組成を有する樹脂組成物 1)テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン(住友
化学工業(株)製、ELM434)−−−−−−−−−−90重
量部 2)ビスフェノールF型エポキシ樹脂 (大日本インキ工業(株)製、エピクロン830) −−−
−−−−10重量部 3)4,4′ジアミノジフェニルスルホン(住友化学工業
(株)製スミキュアS)−−−−−−−−−−−35重量
部 4)ポリエーテルスルホン5003P(ICI社製)−−−−−
−−−−−15重量部 微粒子−ナイロン12粒子、SP−500(平均粒径7μ
m、東レ(株)製) −−−−−−−−12.2重量部 このプリプレグを48枚疑似等方的に積層し、通常のオー
トクレーブによる成形を180℃で2時間、6kgf/cm2の圧
力下で行った。積層後の複合材料の厚さは6.5mmであ
り、炭素繊維の体積含量は60%であった。複合材料の断
面を光学顕微鏡で観察すると、ナイロン粒子は若干扁平
な球状であり所々粒子同士が融着してベース樹脂に不連
続に存在し、さらにその粒子の分布は層間部分に集中的
であり層内になるほど少なくなることが確認された。こ
のものの顕微鏡写真を図1に示した。
疑似等方硬化板を縦254mm、横124mmに切削して、中心に
1000インチ・ポンド/インチの落錘試験衝撃を与えたの
ち、超音波探傷機により損傷面積を測定したところ2.1
平方インチであった。ついで、ASTM D−695に従い衝
撃後の圧縮強度を測定したところ30.9kgf/mm2であっ
た。
つぎに、このプリプレグを単一方向に16枚積層して同様
に成形し、約2mmの厚さを有する複合材料とし、幅1.9m
m、長さ127mm,試験長60mm、変位速度2.5mm/minで繊維方
向と垂直に引張試験を行った。この時の引張り強度は9.
0kgf/mm2であった。
[実施例2] “グリルアミド"TR−55(三菱化成(株))を衝撃式粉
砕機により粉砕し、分級することにより30μm以下の粒
径とした。このものを用いて以下の構成よりなる一方向
プリプレグを製造した。単位面積あたりのベース樹脂量
は69g/m2、単位面積あたりの炭素繊維量は151g/m2であ
った。単位面積あたりの微粒子量は5.2g/m2であった。
ここで、微粒子は、プリプレグの両側の表面に均一に分
散していることを光学顕微鏡で観察した。
強化繊維−炭素繊維T800(東レ(株)製) ベース樹脂−実施例1と同一 微粒子−グリルアミド(粒径30μm以下) このプリプレグを48枚疑似等方的に積層し、実施例1と
同様に成形し評価した。中心に1000インチ・ポンド/イ
ンチの落錘試験衝撃を与えたのち、超音波探傷機により
損傷面積を測定したところ2.0平行インチであった。つ
いで、ASTM D−695に従い衝撃後の圧縮強度を測定し
たところ33.0kgf/mm2であった。
また、繊維方向と垂直に引張試験を行ったところ、引張
り強度は9.2kgf/mm2であった。
[実施例3] ポリブチレンテレフタレート(東レ(株)製)を衝撃式
粉砕機により粉砕し、分級することにより30μm以下の
粒径とした。このものを用いて以下の構成よりなる一方
向プリプレグを製造した。単位面積あたりのベース樹脂
量は69g/m2、単位面積あたりの炭素繊維量は150g/m2
あった。単位面積あたりの微粒子量は5.2g/m2であっ
た。ここで、微粒子は、プリプレグの両側の表面に均一
に分散していることを光学顕微鏡で観察した。
強化繊維−炭素繊維T800(東レ(株)製) ベース樹脂−実施例1と同一 微粒子−ポリブチレンテレフタレート (粒径30μm以下) このプリプレグを48枚疑似等方的に積層し、実施例1と
同様に形成し評価した。中心に1000インチ・ポンド/イ
ンチの落錘試験衝撃を与えたのち、超音波探傷機によ損
傷面積を測定したところ2.8平方インチであった。つい
で、ASTM D−695に従い衝撃後の圧縮強度を測定した
ところ23.4kgf/mm2であった。
このように、実施例3は実施例1,2ほど高い損傷後の圧
縮強度を示さなかった。このことは微粒子とベース樹脂
の接着性が、ナイロン12やグリルアミドでは強固である
のに対してポリブチレンテレフタレートでは、比較的弱
いことを暗示している。しかし、比較例1よりも明らか
に良好な衝撃後の圧縮強度を示している。
[実施例4] 微粒子として、フェノール樹脂微粒子であるベルパール
R−800(粒径1〜30μm、鐘紡(株)製)を用い、以
下の構成よりなる一方向プリプレグを製造した。単位面
積あたりのベース樹脂量は70g/m2、単位面積あたりの炭
素繊維量は150g/m2であった。単位面積あたりの微粒子
量は5.2g/m2であった。
ここで、微粒子は、プリプレグの両側の表面に均一に分
散していることを光学顕微鏡で観察した。
強化繊維−炭素繊維T800(東レ(株)製) ベース樹脂−実施例1と同一。
微粒子−ベルパールR−800 (粒径1〜30μm、鐘紡(株)製) このプリプレグを48枚疑似等方的に積層し、実施例1と
同様に成形し評価した。中心に1000インチ・ポンド/イ
ンチの落錘試験衝撃を与えたのち、超音波探傷機により
損傷面積を測定したところ2.2平方インチであった。つ
いで、ASTM D−695に従い衝撃後の圧縮強度を測定し
たところ25.0kgf/mm2であった。
また、繊維方向と垂直に引張試験を行ったところ、引張
り強度は9.1kgf/mm2であった。
[実施例5] 実施例2と同一の微粒子を用いて、以下の構成よりなる
一方向プリプレグを製造した。単位面積あたりのベース
樹脂量は69g/m2、単位面積あたりの炭素繊維量は150g/m
2であった。単位面積あたりの微粒子量は5.2g/m2であっ
た。
ここで、微粒子は、プリプレグの両側の表面に均一に分
散していることを光学顕微鏡に観察した。
強化繊維−炭素繊維T800(東レ(株)製) ベース樹脂−以下の組成を有する樹脂組成物 1)2,2−ビス(4−マレイミドフェニル)メタン −−
−−−−−−8.5重量部 2)2,2−ビス(シアナトフェニル)プロパン −−−−
−−−−−76.5重量部 3)ビスフェノールF型エポキシ樹脂(大日本インキ工
業(株)製エピクロン830) −−−−−−−−−−15重
量部 4)ジクミルパーオキシド −−−−−−−−−0.1重量
部 5)ポリエーテルスルホン5003P(三井東圧(株)
製、) −−−−−−−−−−−9重量部 微粒子−グリルアミド (平均粒径30μm) このプリプレグを48枚疑似等方的に積層し、実施例1と
同様に成形し評価した。中心に1000インチ・ポンド/イ
ンチの落錘試験衝撃を与えたのち、超音波探傷機により
損傷面積を測定したところ2.0平方インチであった。つ
いで、ASTM D−695に従い衝撃後の圧縮強度を測定し
たところ30.9kgf/mm2であった。
また、繊維方向と垂直に引張試験を行ったところ、引張
り強度は9.0kgf/mm2であった。
[実施例6]末端アミノ基を有するポリスルホンオリゴ
マーの合成 特開昭61−212544に示された方法を部分的に修正して末
端アミノ基を有するポリスルホンオリゴマーを合成し
た。撹拌装置、温度計、窒素シール導入管および、ジム
ロートを備えた1の3ツ口フラスコにビスフェノールA
を45.7g(0.2モル)、カセイソーダ16.7g(純度96%と
して0.40モル)、およびジメチルスルホキシド250mを仕
込み、129度で4時間撹拌して、ナトリウムフェノラー
トを合成した。80℃まで冷却し、これに、ジクロルジフ
ェニルスルホンを54.6g(0.19モル)をジメチルスルホ
キシド300mに溶解して加え、ふたたび昇温して114℃で
4時間撹拌した。ジムロート冷却管をリービッヒ冷却管
に代えジメチルスルホキシドを減圧留去する事により濃
縮し、冷却後、クロルベンゼンを300m加えて撹拌した。
生成した塩を減圧濾過して、濾液を激しく撹拌したエタ
ノールに沈殿させることによりオリゴマーを沈殿させ
た。収量は81.8gであった。このものの粘度を25℃、ク
ロロホルム中、0.2g/d測定したところ、ηsp/c=0.187
であった。これにより、数平均分子量約6000の、水酸基
末端を有するオリゴマーであることが確認された。この
ものの構造式は構造式[1]で示され、nは約13と計算
される。
水酸基末端を有するオリゴマーを特開昭61−212544と全
く同様の方法により、水酸基と当量のp−ニトロ安息香
酸ベンゾイルをピリジン溶媒中で反応させp−ニトロ安
息香酸ジエステルとしてから、オートクレーブ中でPt/C
触媒で水素添加することにより末端アミノ構造を有する
ポリスルホンオリゴマーとした。得られた末端アミノ構
造を有するポリスルホンオリゴマーをさらにエタノール
中で再沈殿することにより精製した。ここで、活性水素
当量が1560g/eqとなったことから、末端反応が定量的に
進行したことを確認した。同様の操作を繰り返して以下
に必要な量の末端アミノ構造を有するポリスルホンオリ
ゴマーを得た。
[実施例7] 実施例6で得た末端アミノ構造を有するポリスルホンオ
リゴマーと、実施例2と同一のグリルアミド微粉末を用
いて以下の構成よりなる一方向プリプレグを製造した。
単位面積あたりのベース樹脂量は70g/m2、単位面積あた
りの炭素繊維量は150g/m2であった。単位面積あたりの
微粒子量は5.2g/m2であった。
ここで、微粒子は、プリプレグの両側の表面に均一に分
散していることを光学顕微鏡で観察した。
強化繊維−炭素繊維T800(東レ(株)製) ベース樹脂−以下の組成を有する樹脂組成物 1)テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン(住友
化学工業(株)製、ELM434)−−−−−−−−−−90重
量部 2)ビスフェノールF型エポキシ樹脂(大日本インキ工
業(株)製、エピクロン830) −−−−−−−10重量部 3)4,4′ジアミノジフェニルスルホン(住友化学工業
(株)製、スミキュアS)−−−−−−−−−−35重量
部 4)実施例[6]で得た末端アミノ構造を有するポリス
ルホンオリゴマー −−−−−−−−−−30重量部 微粒子−グリルアミド (粒径30μm以下) このプリプレグを48枚疑似等方的に積層し、実施例1と
同様に成形し評価した。中心に1000インチ・ポンド/イ
ンチの落錘試験衝撃を与えたのち、超音波探傷機により
損傷面積を測定したところ1.8平方インチであった。つ
いで、ASTM D−695に従い衝撃後の圧縮強度を測定し
たところ33.8kgf/mm2であった。
また、繊維方向と垂直に引張試験を行ったところ、引張
り強度は9.3kgf/mm2であった。
[実施例8] 実施例2と、同様の炭素繊維とベース樹脂と微粒子を用
い、単位面積あたりの樹脂量が75g/m2、単位面積あたり
の炭素繊維量は150g/m2のプリプレグを作成し、グリル
アミドを単位面積あたり5.2g/m2含むプリプレグを作成
し、さらにこのプリプレグを幅3cmにスリットしてヤー
ンプリプレグとした。このものを、離型処理の施された
直径12cmのマンドレルに巻きつけ、ヘリカル状に巻いた
後、バッグに包みオーブンで180℃で2時間加熱するこ
とにより厚さ1.2mmの円筒状の成形物を得た。この成形
物の断面を観察すると、平板状に成形した実施例2と同
様にボイドのない良好な複合材料が得られた。
[比較例1] 微粒子を含まない他は実施例1〜4とほぼ同様である一
方向プリプレグを製造した。単位面積あたりのベース樹
脂量は75g/m2、単位面積あたりの炭素繊維量は150g/m2
であった。
このプリプレグを48枚疑似等方的に積層し、実施例1と
同様に成形し評価した。中心に1000インチ・ポンド/イ
ンチの落錘試験衝撃を与えたのち、超音波探傷機により
損傷面積を測定したところ8.6平方インチであった。つ
いで、ASTM D−695に従い衝撃後の圧縮強度を測定し
たところ18.1kgf/mm2であった。
また、繊維方向と垂直に引張試験を行ったところ、引張
り強度は8.3kgf/mm2であった。
[比較例2] 微粒子を含まない他は実施例5と全く同様である、一方
向プリプレグを製造した。このプリプレグを48枚疑似等
方的に積層し、実施例1と同様に成形し評価した。中心
に1000インチ・ポンド/インチの落錘試験衝撃を与えた
のち、超音波探傷機により損傷面積を測定したところ8.
8平方インチであった。ついで、ASTM D−695に従い衝
撃後の圧縮強度を測定したところ18.0kgf/mm2であっ
た。
また、繊維方向と垂直に引張試験を行ったところ、引張
り試験は8.1kgf/mm2であった。
[比較例3] 微粒子を含まない他は実施例7と全く同様である、一方
向プリプレグを製造した。このプリプレグを48枚疑似等
方的に積層し、実施例1と同様に成形し評価した。中心
に1000インチ・ポンド/インチの落錘試験衝撃を与えた
のち、超音波探傷機により探傷面積を測定したところ6.
4平方インチであった。ついで、ASTM D−695に従い衝
撃後の圧縮強度を測定したところ21.5kgf/mm2であっ
た。
また、繊維方向と垂直に引張試験を行ったところ、引張
り強度は8.8kgf/mm2であった。
【図面の簡単な説明】
図1に、実施例1で成形した複合材料中の繊維の構造を
示す断面写真を示した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−192733(JP,A) 特開 昭58−51120(JP,A) 特開 昭61−225253(JP,A) 特開 昭58−219218(JP,A) 特開 昭59−96122(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】次の構成要素[A]、[B]、[C]を必
    須とし、[C]を0.1〜80重量%含有するプリプレグ。 [A]:炭素繊維および/または黒鉛繊維からなる強化
    繊維 [B]:熱硬化性樹脂を主体としてなるベース樹脂 [C]:ポリ酢酸ビニル、ポリアミド、ポリカーボナー
    ト、ポリアセタール、ポリフェニレンオキシド、ポリフ
    ェニレンスルフイド、ポリアリレート、ポリエステル、
    ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、
    ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエ
    ーテルケトン、ポリアラミド、ポリベンゾイミダゾー
    ル、ポリエチレン、ポリプロピレン、酢酸セルロース、
    酪酸セルロースからなる群から選ばれた1種以上の樹脂
    を素材とする粒径150mμ以下の微粒子
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