JPH0741512U - カメラのレンズ鏡筒 - Google Patents

カメラのレンズ鏡筒

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JPH0741512U
JPH0741512U JP7467293U JP7467293U JPH0741512U JP H0741512 U JPH0741512 U JP H0741512U JP 7467293 U JP7467293 U JP 7467293U JP 7467293 U JP7467293 U JP 7467293U JP H0741512 U JPH0741512 U JP H0741512U
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focus ring
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JP7467293U
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Inventor
智晶 小林
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旭光学工業株式会社
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 レンズ鏡筒の外径寸法を小さく設定して、小
型化を達成する事の出来るカメラのレンズ鏡筒を提供す
る。 【構成】 AF−FM切換環62とフォーカス環16と
を一体化させるクラッチ機構76は、切換環62の内周
面に全周に渡り形成されたラック部80と、フォーカス
環に取り付けられ、ラックに噛合可能なロックピニオン
アッセンブリ78Aとを備えている。このロックピニオ
ンアッセンブリは、フォーカス環に取り付けられる取り
付け本体90と、各取り付け片の支持孔に挿通される回
転軸96と、この回転軸に取り付けられるピニオンギヤ
98と、それがラックに近接する方向に回転軸を移動付
勢する板ばね100とを備えている。ここで、ラック
は、切換環がAF位置に移動された場合に切換環とフォ
ーカス環との相対回転を許容させるアンロック部84
と、切換環がMF位置に移動された場合にピニオンギヤ
と係合して切換環とフォーカス環とを一体回転する様に
結合するロック部82とを備えている。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
この考案は、例えば、自動焦点(AF)カメラ用、特に、AF一眼レフレック スカメラ用に適用されるカメラのレンズ鏡筒に関する。
【0002】
【従来の技術】
AF一眼レフカメラにおいては、従来、マニュアルフォーカス(MF)とオー トフォーカス(AF)の切換は、ボディ側に取り付けられた切換スイッチを操作 する事により行なわれていた。詳細には、従来のAF一眼レフカメラでは、その カメラボディにAF駆動軸が備えられ、交換レンズ側に、このAF駆動軸によっ て駆動されるAF従動軸が設けられている。これら両AF駆動軸及びAF従動軸 が互いに連結されている状態によりAFモードが規定される。このAFモードに おいては、AF駆動軸の回動により、AF従動軸が回動駆動され、このAF従動 軸の回動に応じてフォーカスレンズ群が光軸方向に移動させられ、フォーカシン グが実行される。また、この移動と同時に、レンズ側のフォーカスリングが回動 させられる。
【0003】 このAFモードからMFモードへの切換設定は、上述した切換スイッチを操作 して、ボディ側のAF駆動軸とレンズ側のAF従動軸との結合を外すことにより 実行される。このMFモードにおいては、撮影者の手動により、レンズ側のフォ ーカスリングが回動される。このフォーカスリングの回動に応じてフォーカスレ ンズ群が光軸方向に移動させられ、フォーカシングが実行される。
【0004】 この従来のレンズ鏡筒は、AFモード設定時にも、レンズ側のフォーカスリン グが回動する。このため、フォーカスリング自体を小さくしたり(即ち、幅狭に する)、フォーカスリングをレンズ鏡筒の先端部に配置する等の配慮により、A F動作時にこのフォーカスリングが撮影者の邪魔にならないように配慮している 。しかしながら、このフォーカスリングが小さくかつレンズ鏡筒の先端部に配設 すると、逆にMFモード設定時におけるフォーカスリングの手動操作がしにくく なる問題が指摘されている。また、上述した様に、AFモードとMFモードとの 切換スイッチは、ボディ側に設けられているので、カメラポジションによっては 、この切換スイッチの操作がしにくいという問題が指摘されている。
【0005】 この為、本願出願人は、MFとAFとの切替えをレンズ側で行うことが出来る と共に、MF時にマニュアル操作を可能とするフォーカシングリングが、AF時 には回動しない使い勝手のよいレンズ鏡筒を発明し、特願平3−337497号 として平成3年5月21日付けで特許出願し、この特許出願は既に、特開平5− 34568号として平成5年2月12日に出願公開されている。
【0006】 この先願発明によれば、MFとAFとの切替えをレンズ側で行うことが出来る 為、極めて使い勝手の良いものであるが、しかしながら、この先願発明に開示さ れた第3の実施例においては、AF−MF切換環が前方のAF位置にあるときに は、AF−MF切換環に対してフォーカス環の回転を自在にし、後方のMF位置 にあるときには、AF−MF切換環とフォーカス環とを回転方向に関して一体化 する様に構成された第1のクラッチ機構として、ロックピニオンとラック状ロッ ク溝部との係合・非係合によりAF−MF切換環とフォーカス環とを一体化・別 体化する様に構成している。
【0007】
【考案が解決しようとする課題】
ここで、上述した様に、ラック状ロック溝部は、フォーカス環の外周に形成さ れ、また、ロックピニオンはAF−MF切換環に回動自在に支持される様に構成 している。従って、このAF−MF切換環の光軸に沿う前方への移動を規制する 為、即ち、AF−MF切換環のフォーカス環から前方への抜け落ちを防止する為 のストッパリングの取り付けようとすると、このストッパリングを取り付ける為 の固定部材(固定環)を、フォーカス環の内周に配設し、且つ、その先端をピニ オンよりも前に伸ばさなければならない事になる。このような固定部材(固定環 )を配設しなければならない為、この先願発明においては、レンズ鏡筒の外径寸 法を大きくせざるを得ず、小型化の観点から改善が要望されていた。
【0008】 この為、ロックピニオンをフォーカス環の外周に取り付け、ラック状ロック溝 部をAF−MF切換環の内周に形成する事により、上述した固定部材を省略させ て、フォーカス環の前端をロックピニオンよりも前方に伸ばして、ここにストッ パリングを取り付ける事が可能となる。即ち、この固定部材を省略させることが 出来る分、レンズ鏡筒の外形寸法を小さく設定することが出来る事になる。しか しながら、AF−MF切換環に対して、内周にあるフォーカス環にピニオンや板 ばねを単に取り付けるだけでは、組立作業性が悪くなる問題点や部品の加工作業 の作業性が悪くなる問題点が新たに発生し、改善が要望されている。
【0009】
【考案の目的】
この考案は、上述した事情に鑑みなされたもので、この考案の目的は、組み立 て作業性を向上させた状態で、しかも、レンズ鏡筒の外径寸法を小さく設定して 、小型化を達成する事の出来るカメラのレンズ鏡筒を提供する事である。
【0010】
【課題を解決する為の手段】
上述した課題を解決し、目的を達成する為、この考案に係わるカメラのレンズ 鏡筒は、回動に伴いフォーカスレンズを光軸方向に移動させるフォーカス環と、 このフォーカス環を、モータの駆動力によって回動させるためのオートフォーカ ス手段と、前記フォーカス環の外周に嵌合し、光軸方向のオートフォーカス位置 とマニュアルフォーカス位置とへの手動直進移動操作および前記マニュアルフォ ーカス位置における回動操作が可能な切換環と、この切換環が前記オートフォー カス位置に移動された場合に、前記切換環とフォーカス環とを相対回転自在に設 定し、前記マニュアルフォーカス位置に移動された場合に、前記切換環とフォー カス環とを一体化させるクラッチ手段とを具備し、前記クラッチ手段は、前記切 換環の内周面に全周に渡り形成されたラック部と、前記フォーカス環に取り付け られ、前記ラックに噛合可能なロックピニオンアッセンブリとを備え、このロッ クピニオンアッセンブリは、一対の取り付け片が形成され、前記フォーカス環に 取り付けられる取り付け本体と、各取り付け片に形成された支持孔に挿通される 回転軸と、この回転軸に回転自在に取り付けられるピニオンギヤと、このピニオ ンギヤが前記ラックに近接する方向に前記回転軸を移動付勢する板ばねとを備え 、前記ラックは、前記切換環が前記オートフォーカス位置に移動された場合に前 記ピニオンギヤと非係合となり、前記切換環と前記フォーカス環との相対回転を 許容させるアンロック部と、前記切換環が前記マニュアルフォーカス位置に移動 された場合に前記ピニオンギヤと係合して前記切換環と前記フォーカス環とを一 体回転する様に結合するロック部とを備える事を特徴としている。
【0011】
【実施例の説明】
以下に、この考案に係わるカメラのレンズ鏡筒の一実施例の構成を、自動焦点 一眼レフレックスカメラの交換レンズ、特に、交換ズームレンズに適用した場合 につき、添付図面を参照して詳細に説明する。
【0012】 先ず、図1及び図2を参照して、この一実施例の交換ズームレンズ10の構成 を詳細に説明する。ここで、この交換ズームレンズ10は、手動でのピント位置 合わせ(マニュアルフォーカス:MF)と、自動のピント位置合わせ(オートフ ォーカス:AF)とを、交換ズームレンズ10側で選択して実行する事の出来る 様に構成されている。
【0013】 即ち、この一実施例の交換ズームレンズ10は、図示しないカメラボディへの 装着マウント12を後端部に有する外側固定環14を備えている。この外側固定 環14の前部内周には、フォーカス環16が光軸回りに回動自在に、且つ、光軸 方向に沿って移動可能に嵌合している。このフォーカス環16の内周面には、光 軸方向に沿って延びる一対のガイド溝18a,18bが互いに対向する状態で( 即ち、180度離間した状態で)形成されている。また、このフォーカス環16 の内周には、フォーカスレンズ移動環20が光軸回りに回動自在に、且つ、光軸 方向に沿って移動自在に嵌合している。このフォーカスレンズ移動環20の後部 外周面には、上述した一対のガイド溝18a,18bに夫々嵌合する一対の係合 突起22a,22bが一体的に形成されている(尚、図1においては、断面位置 が異なる為、係合突起22bが嵌合するガイド溝18bが描かれていない。)。 また、このフォーカスレンズ移動環20の内周面には、一方のヘリコイド溝24 が螺刻されている。この結果、このフォーカスレンズ移動環20は、フォーカス 環16と一体的に回動されると共に、光軸方向に沿ってフォーカス環16に対し て進退自在に支持される事になる。
【0014】 一方、このフォーカスレンズ移動環20の前端内周には、前群レンズとしての フォーカスレンズL1を内周部で支持したフォーカスレンズ環26が固着されて いる。また、フォーカスレンズ移動環20の中央部内周には、ヘリコイド環28 が光軸方向に沿って移動自在に取り付けられている。このヘリコイド環28の外 周面には、上述した一方のヘリコイド溝24と嵌合する他方のヘリコイド溝30 が螺刻されている。このヘリコイド環28の内周には、カム環32が光軸回りに 回動自在に嵌合している。また、上述した外側固定環14の後部外周には、ズー ム環34が嵌合している。ここで、このズーム環34と上述したカム環32とは 、外側固定環14に径方向に沿って貫通する様に形成された透孔36を貫通する 連結ロッド38を介して互いに結合されており、この結果、カム環32はズーム 環34と常時等しく回動する事になる。
【0015】 このカム環32には、径方向に貫通した状態で第1のカム溝40が形成され、 また、カム環32の内周面には、この第1のカム溝40の後方に位置した状態で 、第2のカム溝42が形成されている。そして、このカム環32の内周には、直 進案内環44が配設されている。この直進案内環44は、その後端部で上述した 外方固定環14の内周端部に固定されており、内方固定環として規定されている 。この直進案内環44には、光軸方向に沿って延びる直進案内溝46が形成され ている。
【0016】 また、この直進案内環44の内周には、後群レンズL2を内周部で支持した後 群レンズ移動環48が光軸方向に沿って移動可能に、且つ、光軸回りに回転可能 に嵌合している。ここで、上述したヘリコイド環28の内周面には、上述した第 1のカム溝40に嵌合してこれを貫通し、直進案内溝46に嵌合する第1のカム フォロア50がねじ止めされている。一方、後群レンズ移動環48の外周面には 、この直進案内溝46を貫通し、上述した第2のカム溝42に嵌合する第2のカ ムフォロア52がねじ止めされている。
【0017】 以上の様に構成される交換ズームレンズ10は、ズーム環34を回動させると 、結合ロッド38を介してカム環32が一体に回転する。この結果、前群レンズ としてのフォーカスレンズL1は、第1のカムフォロア50と第1のカム溝40 との嵌合に基づき、先ず、ヘリコイド環28が光軸方向に沿って進退移動され、 一方、後群レンズL2は、第2のカムフォロア52の第2のカム溝42と直進案 内溝46との嵌合に基づき、第2のカム溝42のカムプロフィルに応じて、光軸 方向に沿って進退移動され、この様にして、ズーミングがなされる事になる。ま た、フォーカス環16を後述する様に手動または電動により回動させる事により 、ヘリコイド環28は固定されているので、両ヘリコイド溝24,3の螺合を介 して、フォーカスレンズ移動環20は光軸方向に沿って進退移動され、この様に して、フォーカシングがなされる事になる。
【0018】 尚、図1においては、第1及び第2のカムフォロア50,52は、直進案内環 44に形成された直進案内溝46に共に嵌合する様に描かれているが、この構成 に限定されることなく、図示していないが、直進案内環44に夫々光軸方向に沿 って延びる様に形成された2本の直進案内溝に夫々嵌合する様に構成しても良い ものである。
【0019】 このフォーカス環16の内周面の後部には、内歯歯車54が同軸に一体的に形 成されている。一方、外側固定環14には、この内歯歯車54と噛合する第1の ピニオン56を同軸に一体的に有するAF伝達軸58が、自身の中心軸線回りに 回動自在に支持されている。このAF伝達軸58は、これと平行に設定されたA F従動軸60と図示しない第1のクラッチ機構を介して一体回転する様に連結さ れている。このAF従動軸60は、周知のように、この交換ズームレンズ10が 図示しないカメラボディに装着されたとき、このカメラボディ内の図示しないA F駆動軸に結合される様に構成されている。
【0020】 外側固定環14の前部外周には、AF−MF切換環62が光軸方向に沿って直 進移動可能に、且つ、光軸回りに回動自在に嵌合している。この一実施例におい ては、このAF−MF切換環62を光軸方向に沿って後方の移動終端に移動させ た状態(図1)で、MFモードが設定され、光軸方向に沿って前方の移動終端に 移動させた状態(図3)で、AFモードが設定される。換言すれば、このAF− MF切換環62は、AFモードを設定するAF位置とMFモードを設定するMF 位置との間で光軸方向に沿って移動可能に支持されている。
【0021】 ここで、外側固定環14の前端部には、AF−MF切換環62の前方への脱落 を防止すると共に、AF位置を規定する為のストップ環64が固定されている。 また、外側固定環14の略中央部の外周面上には、MF位置を規定する為の位置 決め突条66が円周方向に渡り突設されている。一方、AF−MF切換環62の 内周面には、これをMF位置とAF位置とで位置決め停止させる為の一対の段部 62a,62bが、光軸方向の前部及び後部に夫々形成されている。即ち、図1 に示す様に、後方段部62aが突条66に当接するまでAF−MF切換環62を 後方に移動させる事により、MF位置が規定され(即ち、MF状態が設定され) 、一方、図3に示す様に、前方段部62bがストップ環64に当接するまでAF −MF切換環62を後方に移動させる事により、AF位置が規定される(即ち、 AF状態が設定される)。
【0022】 また、図1に示す様に、このAF−MF切換環62の後部内周面には、円周溝 68が形成されている。一方、外側固定環14の内周面に光軸に沿う様に形成さ れたガイド溝(図示せず)内には、上述する第1のクラッチ機構を断続制御する 為の切換制御ロッド70が、光軸方向に沿って移動可能に収納されている。この 切換制御ロッド70の前方端の外周面上には、嵌合ピン72が突設されており、 この係止ピン72は、外側固定環14に光軸方向に沿って延びる様に形成された 長溝74(図2に示す)を介して、上述した円周溝68に嵌合している。
【0023】 即ち、上述した第1のクラッチ機構は、図示していないが、切換制御ロッド7 0が後方に引き込まれてMF位置まで移動された際には、AF従動軸60の回転 をAF伝達軸58に伝達しない様に切断状態に設定され、一方、前方に押し出さ れてAF位置まで移動された際には、AF従動軸60の回転をAF伝達軸58に 伝達する様に接続状態に設定される様に構成されている。
【0024】 ここで、AF−MF切換環62とフォーカス環16との間には、第2のクラッ チ機構76が設けられている。この第2のクラッチ機構76は、AF−MF切換 環62が前方のAF位置にあるときには、AF−MF切換環62に対してフォー カス環16の回転を自在にし、後方のMF位置にあるときには、AF−MF切換 環62とフォーカス環16とを回転方向に関して一体化する様に構成されている 。
【0025】 詳細には、この第2のクラッチ機構76は、一対のロックピニオンアッセンブ リ78A,78Bとラック80とを備え、両者の係脱によりAF−MF切換環6 2とフォーカス環16とを一体化または別体化する様に構成されている。即ち、 この第2のクラッチ機構76において、ラック80は、図1及び図2に示す様に 、AF−MF切換環62の内周面に周方向の全周に渡り形成されている。ここで 、このラック80は、ロックピニオンアッセンブリ78A,78Bと係合する様 に形成されたロック部82と、非係合となる様に形成されたアンロック部84と から構成され、これらロック部82とアンロック部84とは互いに光軸方向に沿 って隣接した状態で形成されている。そして、MF状態においてロックピニオン アッセンブリ78A,78Bと係合するロック部82は、光軸方向に沿う前方に 配設され、AF状態においてロックピニオンアッセンブリ78A,78Bと非係 合になされるアンロック部84は、光軸方向に沿う後方に配設されている。
【0026】 一方、フォーカス環16には、図2に示す様に、互いに直径方向に沿って対向 する位置(即ち、180度離間する位置)に一対の開口86a,86bが夫々形 成されており、また、外側固定環14の前部には、これら開口86a,86bに 夫々対応した状態で、周方向に沿って所定範囲に渡り延びたスリット88a,8 8bが形成されている。また、各ロックピニオンアッセンブリ78A,78Bは 、図4に取り出して示す様に、取り付け基板90と、この取り付け基板90の後 端に立設された、互いに平行な一対の起立片92a,92bと、各起立片92a ,92bに図中上下方向(即ち、フォーカス環16の半径方向)に延びる様に形 成された長溝94a,94bと、両長溝94a,94bに図中上下動可能(即ち 、フォーカス環16の半径方向に沿って移動可能)な状態で回転可能に支持され た回転軸96と、この回転軸96に同軸に取り付けられたピニオンギヤ98と、 この回転軸96を図中上方(即ち、フォーカス環16の半径方向外方)に付勢す る板バネ100とを備えて構成されている。
【0027】 ここで、各長溝94a,94bの形状を説明するが、両者とも同一形状に形成 されている為、以下の説明では、長溝94aについてのみ説明し、長溝94bの 説明は省略する。即ち、長溝94aは、下部において径大に形成された径大部9 4a1 と、上部において径大部94a1 より径小に形成された径小部94a2 と を有して、所謂達磨状に形成されている。一方、上述した回転軸96は、全体と して、径大部94a1 に相当する外径を有する本体961 を備え、この本体96 1 の、一対の起立片92a,92bの配設位置に対応する部分には、上述した径 小部94a2 に夫々対応した外径を有する様に細径部962 が形成されている。
【0028】 この様に各長溝94a,94bと回転軸96とは形成されているので、この回 転軸96は、先ず、長溝94aの径大部94a1 から挿入され、その後、上方に 変位される事により、これの細径部962 が対応する径小部94a2 に嵌入する 事により、この回転軸96の長溝94a,94bからの抜けが防止される事にな る。
【0029】 一方、この板バネ100は、図4に示す様に、前端が三つ又状に先割れされ、 3つの分岐片100a〜100cを備えている。そして、両端の分岐片100a ,100cは、中央の分岐片100cよりも図中上方に偏位している。そして、 両端の分岐片100a,100cは、回転軸96の下部(即ち、フォーカス環1 6の半径方向内方に沿う部分)に当接し、中央の分岐片100bは、取り付け基 板90の上面(即ち、フォーカス環16の半径方向外側の面)に当接し、両者を 互いに離間する方向に付勢する様に設定されている。この結果、回転軸96は両 分岐片100a,100cの付勢力により、両長溝94a,94bの図中上端部 に弾性的に当接してその位置を保持される事になる。即ち、この様に回転軸96 は両長溝94a,94bの図中状態に弾性的に当接する状態で、図中下方に変位 可能になされている。また、この板バネ100は、この様な付勢状態において、 図2に示す様に、取り付け基板90に弾性的に保持される事になる。
【0030】 この様に構成された各ロックピニオンアッセンブリ78A,78Bは、図2に 示す様に、フォーカス環16の内周から、各々のピニオンギヤ98が開口86a ,86bから半径方向外方に突出され、更に、外側固定環14の対応するスリッ ト88a,88bを介して、ラック80と噛合する様に取り付けられ、この取り 付け状態で、ねじ102a,102bを各々介して、フォーカス環16の内周面 に固着される。この結果、この一実施例においては、この交換ズームレンズ10 を組み立てる際において、別途、ロックピニオンアッセンブリ78A,78Bを 事前に組み立てておくことが出来、これらロックピニオンアッセンブリ78A, 78Bを、組体として、フォーカス環16に取り付けることが出来るので、その 組立作業性が極めて向上する事になる。
【0031】 ここで、AF−MF切換環62は円筒状に構成されている。従って、ラック状 のアンロック部84の基準ピッチ線84aをこの円筒面に沿わせて回転させた円 筒面として考えた場合、その直径をφPC1 と規定し、同様に、ロック部82の基 準ピッチ線82aによる円筒の直径をφPC2 と規定することができる。尚、この ロック部82の基準ピッチ線82aを規定する直径φPC2 は、アンロック部84 の基準ピッチ線を規定する直径φPC1 より2αだけ小さく構成されているものと する。すると、このαとは、アンロック部84の基準ピッチ線80aと、ピニオ ンギヤ98のピッチ円98aとの間の隙間を示す事になる。またアンロック部8 4の外径とロック部82の内径は共にφD1とされ、互いに等しく設定されている 。
【0032】 この様に構成される第2のクラッチ機構76においては、図5に示す様に、A F−MF切換環62を前方に移動させたAFモード設定状態では、板バネ100 の付勢力によりピニオンギヤ98がその歯面をアンロック部84に噛合させるこ とになる。しかしながら、ピニオンギヤ98のピッチ円98aとアンロック部8 4の基準ピッチ線80aとの間に隙間αが存在している。このため、ピニオンギ ヤ98はAF−MF切換環62の円周方向に沿って自由に移動することが出来る 事になる。従って、AF−MF切換環62とフォーカス環16とは一体化されな いので、ピニオンギヤ98の存在に拘わらず、AF−MF切換環62とフォーカ ス環16との自由な相対回転が許容され、図示しないAFモータの駆動力により AFをすることができる事になる。
【0033】 他方、AF−MF切換環62を後方へ移動させると、ピニオンギヤ98がこの 切換環62とともにアンロック部84上を相対的に転動し、図6に示す様に、ロ ック部82に乗り上げる。この場合、ロック部82の内径はアンロック部84の それと等しく、また、ロック部82の基準ピッチ線82aによる直径φPC2 が、 アンロック部84の基準ピッチ線84cによる直径φPC1 より小さく設定されて いる。この為、ピニオンギヤ98がx1 だけ支軸77と共に押し下げられる事に なる。
【0034】 この結果、ピニオンギヤ98は、この移動量x1 に対応して撓んだ板バネ10 0から、その撓み分に対応して強くなった付勢力を回転軸96を介して受ける事 になる。これにより、ピニオンギヤ98がロック部82に対し強く押し付けられ るから、ピニオンギヤ98とロック部82の間に強い摩擦力が生じる。従って、 フォーカス環16はAF−MF切換環62に対する相対移動を阻止されて、この AF−MF切換環62と回転方向に一体化され、MF動作がなされる事になる。
【0035】 この様に構成される第2のクラッチ機構76において、フォーカス環16に対 しAF−MF切換環62を後方へ移動させるとき、ピニオンギヤ98がアンロッ ク部84、ロック部82上を転動するから、この移動方向での抵抗が極めて小さ くされる。これにより、AF−MF切換環62の操作フィーリングを向上させる ことができる。
【0036】 また、この様に第2のクラッチ機構76を構成する事により、全周に渡るラッ ク80をAF−MF切換環62の内周面に形成しているので、外方固定環14を フォーカス環16の先端位置まで伸ばす事が可能となり、この結果、AF−MF 切換環62の前方への脱落を防止する為のストッパリング64を、この外方固定 環14の先端に取り付けることが出来ることになる。この様にして、従来、スト ッパリング64を固定する為に必要とされていた部材を、省略することが出来、 これにより、上述した様に、組立作業性を向上した状態で、レンズ鏡筒10の外 径寸法を小さく設定することが出来、このレンズ鏡筒10の小型化を図る事が可 能となる。
【0037】 この考案は、上述した一実施例の構成に限定されることなく、この考案の要旨 を逸脱しない範囲で種々変形可能である事は言うまでもない。
【0038】 例えば、上述した一実施例においては、第2のクラッチ機構76をAF−MF 切換環62とフォーカス環16との間の連結を断続する為に配設される様に説明 したが、この考案は、この様な構成に限定されることなく、2つの部材の間の連 結状態を断続するものであれば、どのような部材にも適用出来る事は言うまでも ない。
【0039】 また、上述した一実施例においては、ズームレンズに適用される様に説明した が、この考案は、この様な適用に限定されることなく、単焦点レンズにも適用出 来る事は言うまでもない。
【0040】 また、上述した一実施例においては、一眼レフレックスカメラに着脱自在に取 り付けられる交換レンズに適用される様に説明したが、この考案は、この様な適 用に限定されることなく、カメラに一体的に備えられたレンズ鏡筒に適用出来る 事は言うまでもない。
【0041】
【考案の効果】
以上詳述した様に、この考案によれば、組み立て作業性を向上させた状態で、 レンズ鏡筒の外径寸法を小さく設定して、小型化を達成する事の出来るカメラの レンズ鏡筒が提供される事になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この考案に係るカメラのレンズ鏡筒の一実施例
の構成を、交換ズームレンズに適用した場合につき、M
Fモードが設定された状態で示す断面図である。
【図2】図1に示すズームレンズの構成の要部を取り出
して示す分解斜視図である。
【図3】図1に示す交換ズームレンズを、AFモードが
設定された状態で示す断面図である。
【図4】第2のクラッチ機構のロックピニオンアッセン
ブリの構成を、取り出した状態で示す分解斜視図であ
る。
【図5】第2のクラッチ機構の構成を、AFモードが設
定された状態で拡大して示す断面図である。
【図6】第2のクラッチ機構の構成を、MFモードが設
定された状態で拡大して示す断面図である。
【符号の説明】
10 交換ズームレンズ(レンズ鏡筒) 12 装着マウント 14 外側固定環 16 フォーカス環 18a;18b ガイド溝 20 フォーカスレンズ移動環 22a;22b 係合突起 24 一方のヘリコイド溝 26 フォーカスレンズ環 28 ヘリコイド環 30 他方のヘリコイド溝 32 カム環 34 ズーム環 36 透孔 38 連結ロッド 40 第1のカム溝 42 第2のカム溝 44 直進案内環(内側固定環) 46 直進案内溝 48 後群レンズ移動環 50 第1のカムフォロア 52 第2のカムフォロア 54 内歯歯車 56 第1のピニオン 58 AF伝達軸 60 AF従動軸 62 AF−MF切換環 62a;62b 段部 64 ストップ環 66 位置決め突条 68 円周溝 70 切換制御ロッド 72 係止ピン 74 長溝 76 第2のクラッチ機構(クラッチ手段) 78A;78B ロックピニオンアッセンブリ 80 ラック 82 ロック部 84 アンロック部 86a;86b 開口 88a;88b スリット 90 取り付け基板 92a;92b 起立片 94a;94b 長溝 94a1 径大部 94a2 径小部 96 回転軸 961 本体 962 細径部 98 ピニオンギヤ 100 板バネ 100a〜100c 分岐片 102a;102b ねじ

Claims (4)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】回動に伴いフォーカスレンズを光軸方向に
    移動させるフォーカス環と、 このフォーカス環を、モータの駆動力によって回動させ
    るためのオートフォーカス手段と、 前記フォーカス環の外周に嵌合し、光軸方向のオートフ
    ォーカス位置とマニュアルフォーカス位置とへの手動直
    進移動操作および前記マニュアルフォーカス位置におけ
    る回動操作が可能な切換環と、 この切換環が前記オートフォーカス位置に移動された場
    合に、前記切換環とフォーカス環とを相対回転自在に設
    定し、前記マニュアルフォーカス位置に移動された場合
    に、前記切換環とフォーカス環とを一体化させるクラッ
    チ手段とを具備し、 前記クラッチ手段は、前記切換環の内周面に全周に渡り
    形成されたラック部と、前記フォーカス環に取り付けら
    れ、前記ラックに噛合可能なロックピニオンアッセンブ
    リとを備え、 このロックピニオンアッセンブリは、一対の取り付け片
    が形成され、前記フォーカス環に取り付けられる取り付
    け本体と、各取り付け片に形成された支持孔に挿通され
    る回転軸と、この回転軸に回転自在に取り付けられるピ
    ニオンギヤと、このピニオンギヤが前記ラックに近接す
    る方向に前記回転軸を移動付勢する板ばねとを備え、 前記ラックは、前記切換環が前記オートフォーカス位置
    に移動された場合に前記ピニオンギヤと非係合となり、
    前記切換環と前記フォーカス環との相対回転を許容させ
    るアンロック部と、前記切換環が前記マニュアルフォー
    カス位置に移動された場合に前記ピニオンギヤと係合し
    て前記切換環と前記フォーカス環とを一体回転する様に
    結合するロック部とを備える事を特徴とするカメラのレ
    ンズ鏡筒。
  2. 【請求項2】前記支持孔は、前記フォーカス環の半径方
    向内方に位置する径大部及び半径方向外方に位置する径
    小部を連続した状態で備えた長溝から構成され、 前記回転軸は、前記径大部に挿通される様に形成された
    軸本体と、この軸本体の外周に、前記径小部に各々嵌合
    する様に形成された細径部とを備えて構成され、 この回転軸は、先ず、径大部に挿通され、その後、細径
    部を対応する径小部内に嵌合させる事により、前記取り
    付け本体に取り付けられる様に構成される事を特徴とす
    る請求項1に記載のカメラのレンズ鏡筒。
  3. 【請求項3】前記板ばねは、前記回転軸と取り付け本体
    との間に介設され、両者を互いに離間する方向に付勢す
    る様に先割れされた状態で形成される事を特徴とする請
    求項1に記載のカメラのレンズ鏡筒。
  4. 【請求項4】前記板ばねは、三つ又状に先割れされた状
    態で分岐され、両側の分岐片は、前記回転軸に係合し、
    中央の分岐片は、前記取り付け本体に係合する事を特徴
    とする請求項3に記載のカメラのレンズ鏡筒。
JP7467293U 1993-12-29 1993-12-29 カメラのレンズ鏡筒 Pending JPH0741512U (ja)

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