JPH074139B2 - 可食容器の製造方法 - Google Patents

可食容器の製造方法

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JPH074139B2
JPH074139B2 JP2406250A JP40625090A JPH074139B2 JP H074139 B2 JPH074139 B2 JP H074139B2 JP 2406250 A JP2406250 A JP 2406250A JP 40625090 A JP40625090 A JP 40625090A JP H074139 B2 JPH074139 B2 JP H074139B2
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禎美 伊藤
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禎美 伊藤
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明はソフトクリームやアイ
スクリーム等の冷菓子や各種食品等を入れる浅皿形やカ
ップ状の可食容器すなわち、見掛け比重が小さく多孔質
で軽質にして口当りがいわゆるサクサクすることが喜こ
ばれる可食容器の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般にソフトクリームやアイスクリーム
等の冷菓子を店頭で盛り付けて販売する可食容器や板状
の可食素地はそれぞれの製造業者が小麦粉等の原料に水
の配合量を多くして混練したいわゆる水種と称するもの
を高温の加熱板で加熱焼成した板状のもの、またはこの
加熱焼成した板状体をコーン状に成形したワッフルコー
ンやカップ状のワッフルカップと呼ばれるものやタルト
菓子などを入れる皿状の可食容器を包装してアイスクリ
ームやタルト菓子販売現場に配送している。ワッフルや
ウエハスまたはワッフルカップやタルト菓子用の可食皿
はその口当りがサクサクすることが身上であるため脆
く、少しの衝撃にも耐え難く、保管や運搬に当り破損し
やすいため焼成後の工場出荷時は勿論のこと、出荷後ア
イスクリームや菓子販売現場に至るまで取扱に難点が多
いものである。
【0003】これら各問題点を除去するために本出願人
が先に開発した特公平2−42449号公報に示される
可食容器の製造方法が開示されている。この製造方法
は、小麦粉と水とを混練した水種を加熱板上に流下延展
する工程と、この工程で流下延展された前記加熱板上の
混練物を耐の加熱板で挟んで前記混練物中の小麦澱粉が
アルファ化し、かつ前記混練物中の水分が蒸発する程度
に加熱乾燥する加熱乾燥工程と、この工程で加熱乾燥さ
れた板状形成体を乾燥状態のまま冷却する工程と、この
工程で乾燥状態のまま冷却された板状の加熱乾燥冷却済
成品をあらためて軟化する程度に加熱する仕上げ加熱工
程と、この工程で加熱軟化された加熱軟化済板状体を所
望の形状に成形する成形工程とをそれぞれ具備したこと
を特徴とする可食容器の製造方法である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記した従来の技術に
おける加熱乾燥済の板状形成体はその加熱乾燥条件や残
留水分の違いによりそれぞれ以下に示す表1および表2
のような性状を呈する。
【0005】
【表1】
【0006】
【表2】 これらの各表からも判るように残留水分が10〜12%
の板状形成体5Aと残留水分3%程度の板状形成体5Bとで
は、加熱板からの剥離性や取扱い性および仕上加熱時間
などで互いに相容れない利害得失が存在するといった問
題点が有る。またこれら各問題点を解決すべく120℃
で約150秒加熱して残留水分が6〜8%の板状形成体
を作ったが、これでもなおこの程度の温度ではデンプン
の組織と水分との結合すなわち水和が充分に行われない
ためか軟弱で焼成板から剥離しづらく、千切れ易いとい
う難点は消えない。
【0007】このような点からみて口当りがサクサクす
る成品、すなわち多孔質軽量で薄い板状成品は180℃
程度以上の加熱でデンプン質組織が完全に焼成され、油
脂分も沸点以上に至り、砂糖分は或る程度カルメライズ
し褐色をある程度帯びるようなデンプン主体の焼成食品
としての組成にならないと焼成板からの剥離は困難であ
り、たとえ剥離し得ても食品として安定化する熱処理を
受けてないためデンプン質の変質、油脂分の酸化などと
いった問題点が有る。また前掲の表1の残留水分10〜
12%の板状形成体5Aの水分はその30〜40%程度が
デンプンを主体とする組織の結合水と、砂糖と結びつい
て砂糖溶液を形成する溶液水であり、その他が自由水と
存在しているものと思われる。
【0008】したがってこの板状形成体5Aの最終仕上げ
加熱工程のための熱エネルギーは組織中に残留する水分
のうち自由水の分については水分の温度による相変化に
用いられる。つまりデンプン組織の結合水や砂糖その他
水溶性物質を溶解している溶液水(化学水)は結合の解
離等に使われるに要するエネルギーの割合が単純な自由
水の相変化に比してかなり大きい部分を消費するものと
思われる。このため仕上げ加熱工程では210℃程度で
60秒以上の加熱時間を要し、特に顧客の面前で加熱仕
上げを行う店頭ではこの仕上げ温度を上げて加熱時間を
切りつめようとすると表面だけが焦げてしまい、内部が
加熱されないという事態となり好ましくない。
【0009】また前記した結合水や化学水が多い状態で
販売してしまうと食感としてサクサクしたものになら
ず、しかも味や風味に欠けるものとなる。さらに前掲の
表2に示すように予め水種を180℃、90秒程度に加
熱して残留水分を3%程度にした板状形成体5Bは冷える
と脆くなり、ヒビ割れ欠損し易くなるので前述した通り
取扱い難いといった大きな問題点が有る。
【0010】この問題点が有る反面、上記表2に示すも
のに含まれる自由水の大部分は勿論のこと、デンプン組
成中に結合した水分、砂糖、その他の水溶性物質を溶解
した化学水のかなりの部分まで蒸発放散してしまってい
て再度吸湿してもその水分は成品内では単純な湿気、す
なわち少量の自由水であり、決して結合水等にはならな
いため、この水分は短時間の加熱で容易に放散させるこ
とができ、味覚、風味等を損うことなく復元し得るとい
った良い面も有る。いずれにしてもこれら従来技術は販
売する可食容器の外側を紙スリーブで覆うには、この紙
スリーブを別途に用意しておく必要が有り、面倒である
といった問題点も有る。
【0011】この発明は前記した各問題点を除去するた
めに、紙葉を付着した加湿済可食板を出荷することでそ
の流通過程でのヒビ割れ欠損を防ぎ、これをその出荷先
であらためて加熱乾燥軟化後皿やカップ状に成形固化す
ることで外側に紙スリーブが付いた衛生的な化食容器を
得ることを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記したこの発明の目的
は、小麦粉・砂糖・油脂などの原料と水とを混練した水
種を加熱板上に流下延展する工程と、この工程で流下延
展された前記加熱板上の混練物を他の加熱板で挟んで前
記混練物中の小麦澱粉がアルファ化し、かつ前記混練物
中の水分が蒸発する程度に加熱乾燥する加熱乾燥工程
と、この工程で加熱乾燥された板状形成体を乾燥状態の
まま前記加熱板上から剥離した後この板状形成体をあら
ためて加湿する加湿工程と、この工程で加湿された加湿
済板状成品の一面に紙葉を付着させる紙葉付着工程と、
この工程で紙葉を付着した紙葉付着済板状成品をさらに
あらためて加熱乾燥すると共に軟化させる仕上げ加熱工
程と、この工程を経た加熱乾燥軟化済板状体をその紙葉
付着面を外側にして皿やカップの形状に成形後冷却固化
することで、外側が紙葉で囲まれた可食容器に成形する
成形工程とをそれぞれ具備することで達成される。また
紙葉に文字やパターンを印刷または印書してもよい。
【0013】
【作用】170℃〜220℃程度の加熱板により水種に
よる混練物を加熱することで含水率3%程度の加熱乾燥
済の板状形成体を作ることができる。この板状形成体は
含水率が2〜6%と小さいので、加熱板上からスクレー
パなどで容易に剥離することができる。そしてこの剥離
された板状形成体はこのまま冷却すると固くなり脆くパ
リンと割れ易くなるため、特にこの発明では剥離後の例
えば1枚当り20グラムの板状形成体を加湿スプレーで
約2グラム程度の水を噴霧して含水率8〜14%度とな
るように湿気を帯びさせた後、紙葉を付着することで紙
葉付着済板状成品を作ることができる。
【0014】この紙葉付着済板状成品は湿気を帯びてい
るから柔軟で曲がる程度であるので、保管、運搬等に当
り取扱い性が良好で、欠損したりヒビ割れすることがな
い。
【0015】そして上記成品を例えば10枚単位に包装
してアイスクリーム販売業者等のユーザーに出荷し、ユ
ーザー側では運搬されて来た紙葉付着済板状成品を皿や
カップ状などに成形するためにあらためて加熱乾燥する
と共に軟化させるための仕上げ加熱を行なう。この際に
紙葉付着済板状成品の含有水は殆んど湿気の状態で組織
の表面に付着しているので、その脱水乾燥には紙葉付着
済板状成品の組織の熱変化を要しないので、もともと含
水率が10〜15%に作成した板状形成体に比較して上
記仕上げ加熱乾燥に要する時間を著減でき、1枚当りの
ヒータ電力量を3分の1程度となし得る。
【0016】そして上記仕上げ加熱乾燥と共にその含有
砂糖や油脂の軟化流動作用で軟化した直後の加熱乾燥軟
化済板状体をその紙葉付着面を外側にして皿状やカップ
状に成形後冷却固化することで、外側が紙スリーブで囲
まれた衛生的な可食容器を作り販売することができる。
【0017】
【実施例】実施例について図面を参照して説明する。こ
の発明の可食容器の基本製造方法は、先ず小麦粉と水と
を等重量ずつ混練し、かつ適量の砂糖と油脂とを混入混
合した水種2を図2に示すように加熱板10上に流下延展
する。そして前記加熱板10上の混練物2Aを他の加熱板で
図3のように挟んで前記混練物2A中の小麦澱粉がアルフ
ァ化し、かつ前記混練物2A中の水分が充分に蒸発する程
度に180℃で約90秒加熱乾燥する。
【0018】次いでこの加熱乾燥された板状形成体5を
乾燥状態のまま図1,図2に示すように、前記加熱板10
上からスクレーパSCで剥離して次の加湿工程までベル
トコンベアBにより搬送する。この搬送されて来た1枚
当り20グラム程度の板状形成体5は含水率が3%程度
であり、この発明では上記板状形成体5を図1に示すよ
うにスプレー室S内でその上下両面からスプレーノズル
SNで水約2グラムを噴霧して含水率10〜14%程度
になるようにあらためて湿気を付与することで、図4に
示すような柔軟な加湿済板状成品6を得ることができ
る。そしてこの加湿済板状成品6の一面に図1のように
周知の手段で紙葉7を付着することで図5に示すような
紙葉付着済板状成品8を作り、これを自然または強制冷
却してその表面がベタ付かないようにした後、図6に示
すように例えば10枚毎にパックしてアイスクリーム販
売業者等のユーザーに向け出荷する。そしてユーザー側
では送られて来た紙葉付着済板状成品8をあらためて加
熱乾燥すると共に軟化させるために、図7および図8に
示すような加熱乾燥用仕上げ焼成器Aを用いる。
【0019】すなわちこの焼成器Aは中空扁平直方体形
状の下部ケース11の上板11aと下板11bと後板12とにそれ
ぞれ適数の通気孔13,13をあけるとともに、前面板14の
外面に露出して設けたツマミ15aで操作される焼成温度
コントローラ16を前面板14の内面における空所17内に設
ける。そして上記下部ケース11の上板11a上に平設した
断熱保温材18上に熱線反射シート19、ヒータ20を中央に
挟んで取付けた熱板21とを備えた焼成器本体22を設け
る。またこの焼成器本体の後部上縁に対しヒンジ23で連
結した上部ケース24の下部開口部25を塞ぐように取付け
た断熱保温材26の下面に熱線反射シート27、ヒータ28を
中央に挟んで取付けた熱板29とを備えた焼成器蓋30とを
それぞれ具備することで、この発明における仕上げ加熱
工程に用いて好適な仕上げ焼成器Aを構成できる。
【0020】この焼成器Aはアイスクリームやソフトク
リーム販売店の店頭に設置され、予じめヒータ20,28を
110〜150W範囲でツマミ15aで設定制御し熱板2
1,29の温度を制御すると共にツマミ15bで所望の焼成経
過時間を発音告知設定しておく。ヒータ20,28が一定温
度例えば170〜230℃程度まで上昇した時点で、図
7に示すようにヒンジ23を介して焼成器蓋30を開け、前
記の紙葉付着済板状成品8を熱板21上に乗せ、焼成器蓋
30を取っ手30aを持ってヒンジ23を中心として閉じると
図8に示すように上記成品8は熱板21,29間で両熱板2
1,29により仕上焼成される。
【0021】この焼成時間は時間設定ツマミ15bで発音
セットされ、焼成温度コントローラ16の動作と共に常に
一定な状態に焼き上った加熱乾燥軟化済板状体9を作る
ことができ、これを直ちに図9,図10に示す状態を経
て図11に示すように成形することで図12に示すよう
に外側が紙葉7で囲まれたカップ状の可食容器Cを得る
ことができる。すなわち上記成形過程を詳述すれば図9
に示すようにカップ状の凹所31を有する雌型32の上面に
加熱乾燥軟化済板状体9をその紙葉7の付着面を下側に
して載置する。次いで上記凹所31にマッチした形状の雄
型33を図10に示す状態を経て図11に示すように下動
させると、図12,図13に示すように外側が紙葉7で
囲まれたこの発明による口当りがサクサクした可食容器
Cを得ることができる。なおタルト菓子用の皿状容器を
作るには図14に示すような浅い凹所を有する雌型34と
扁平凸面35を有する雄型36とを用いることで図15で示
すような外側に紙葉7が付着した皿状のサクサクした食
感の可食容器Cを得ることができる。なお初期加熱焼成
において、加熱板10に格子状凹凸縞4の彫刻を施してお
けば、板状形成体5や加湿済板状成品6にも格子縞模様
がつくからこれにより格子凹凸縞つき可食容器を得るこ
とができる。
【0022】この可食容器Cは成形と同時に若干冷却さ
れて成形後は硬化された状態になり、可食容器Cの形崩
れは生じないから、この可食容器にソフトクリーム等を
盛り付けて店頭販売することができ、購入者は紙葉7の
外側から可食容器Cを持つことができるので、可食容器
内のアイスクリームとかを食し終えた後も可食容器Cは
汚れることがなく、可食容器自体を後から衛生的に食す
ことができる。また加湿済板状成品6は予じめ加熱加工
されているため小麦粉澱粉はアルファ化されていて小麦
粉中のタンパク質もある程度硬化骨格化しているし、ま
た含有水分が10〜15%程度であるので、衝撃にも耐
え欠損したりヒビ割れしないため輸送時にも破損の心配
もほとんどなく配送できる。
【0023】さらに初期加熱時には水分を充分蒸発させ
て脱水させるため加熱乾燥済の板状形成体5は加熱板10
から極めて剥離し易く、しかも加湿済板状成品6や紙葉
付着済板状成品8は10〜15%重量分だけ湿気を帯び
ただけであるから、アイスクリーム販売店頭などでの仕
上げ加熱工程では脱水のための熱量は少しでよく、加熱
焼成表面の褐色変化も販売店頭で好みに応ずる程度であ
ればよいため、現場での焼成時間を大幅に短縮し得るだ
けでなく熱気放散の問題も解決する。
【0024】次に、前記実施例をより一層具体的に説明
する。 小麦粉 100 砂 糖 40 油脂(白絞油) 15 食塩 0.2 (鶏卵,牛乳,食塩,着色剤香料等若干含む) 水 110 を充分に撹拌混和した水種2を作る。
【0025】そしてこの水種2を図2に示すように縦横
10ミリ間隔の格子状凹凸縞4を彫刻した加熱板10上に流
下延展するのであるが、加熱板10は予めその表面が18
0℃〜200℃程度になるよう加熱した上に流下延展
し、他の加熱板10bをヒンジ10cを介して下の加熱板10a
の上面に押し当て双方の加熱板10a,10b間に挟まれた水
種2の温度が160℃〜180℃に一定時間保持される
ように加熱して水種2を焼成したのち、加熱板10a,10b
双方を開けて板状形成体5をスクレーパSCなどで取り
出し、これをあらためて加湿後紙葉7を付着して加湿済
かつ紙葉付着済板状成品8を得る。 (A)水種2の流下延展と加熱加工の条件としては (1)水種1回の流下量 約25cc (2)加熱板(上下1組)の温度 180〜200℃ (3)加熱板相互の間隔は流下延展した水種2の厚さを決
め、またこれが焼成品焼成素地の厚さ程度とする。 (B)加熱加工の条件 (1)加熱板間隔 これは焼成素地(円板状焼成品)の厚
さとなる。 (2)焼成温度時間180℃(焼成板面)〜190℃,時間45〜9
0秒 (3)焼成素地(円板状焼成品)の状況 (4)加熱焼成素地の残留水分(ケット社水分計使用) (5)加熱板間隔はすべて2.5m/mとする。 (6)焼成温度は170℃,190℃ 時間は170℃で60秒 190℃で45秒 (7)加熱乾燥された板状形成体5の状況と残留水分 (111)(170℃,90秒)やや桃色がかった黄,やや軟 残留水分 5.4% (121)(190℃,40秒)茶黄色,やや硬い 残留水分 3.7% いずれも両表面に高さ1.5ミリ程度の10ミリマス目の凹
凸格子ができた加熱乾燥済の板状形成体5が得られる。
【0026】この板状形成体5はこのままでも小麦デン
プンがアルファ化しているので食し得るが、この発明で
は加熱乾燥された板状形成体5を乾燥状態のまま前記加
熱板10上から剥離して次の加湿工程まで搬送し、搬送さ
れて来た板状形成体5をあらためて加湿工程で含水率1
2%程度に散水スプレーして加湿して加湿済板状形成体
5を作った後、加湿状態のままその一面に紙葉7の中心
部だけを鏝押し等の手段で付着させ、かつ表面のベタツ
キが減じた図5に示すような紙葉付着済板状成品8を作
ることができる。そしてこれをユーザサイドに搬入して
ユーザは紙葉付着済板状成品8を仕上げ加熱工程であら
ためて加熱し、仕上げ加熱することで含有砂糖や油脂の
軟化流動作用により加熱乾燥軟化済板状体9を作った直
後、これをカップ状や皿状などの形状に成形後冷却固化
すれば、口当りのよいサクサクした食感の可食容器C
(図13,図15)が得られる。成形せず冷却した円板
状の仕上げ加熱乾燥軟化済板状体9の状況は下記の如
し。 ◎焼上り及び食感(口当り)状況と残留水分の関係は下
記の表3の通りである。
【0027】
【表3】 いずれも口当りはサクサクして、美味であるがそれぞれ
の加熱条件の違いのある状況がいく分か食感として感じ
られる。また前記した板状形成体5の残留水分は3.0%
±0.5%位で、初期加熱加工時の条件が仕上げ加熱に影
響を与える傾向ははっきりと見受けられ、実験番号(12
1)の条件で加熱加工済素地は実験番号(221)の結果であ
きらかのように仕上げ加熱温度180℃ならば45秒で
製品化し得ることがわかった。なお可食容器Cとしては
カップ状のもの以外に皿や丼形等の他の形状のものとし
てもよい。
【0028】
【発明の効果】この発明は以上説明したように構成され
ているので、以下に記載する効果を奏する。170℃〜
220℃程度の加熱板10により水種2による混練物2Aを
加熱することで含水率3%程度の加熱乾燥済の板状形成
体5を作ることができ、この板状形成体5は含水率が3
%程度と小さいので、加熱板10上からスクレーパSCな
どで容易に剥離することができ、次の工程に搬送し易い
という第1の効果が有る。
【0029】そしてこの剥離された板状形成体5はこの
まま冷却すると固くなり脆弱で割れ易くなるため、特に
この発明では剥離後の1枚当り約20グラムの板状形成
体5を加湿スプレーなどにより約2グラム程度の水を噴
霧して含水率9〜14%程度となるように湿気を帯びさ
せた後、その一面に紙葉7を付着させることで柔軟な紙
葉付着済板状成品8を作ることができ、この紙葉付着済
板状成品8は柔軟で曲がる程度であるので、保管、運搬
等に当り取扱い性が良好で、欠損したりヒビ割れするこ
とがないという第2の効果が有る。
【0030】そして上記紙葉付着済板状成品8を例えば
10枚単位に包装してアイスクリーム販売業者等のユー
ザーに出荷してユーザー側に届く流通過程で、上記成品
8,8同志は紙葉7のため妄りに付着することがないの
で、ユーザサイドでは運搬されて来た紙葉付着済板状成
品8をカップ状などに成形するために一枚ずつ剥離し易
いといった第3の効果が有る。
【0031】そして上記成品8をあらためて加熱乾燥す
ると共に軟化させるための仕上げ加熱を行なう際に、紙
葉付着済板状成品8の含有水は殆んど湿気の状態で組織
の表面に付着しているだけなので、その脱水乾燥には紙
葉付着済板状成品8の組織の熱変化を要しないので、も
ともとの含水率が10〜15%に作成した前記板状形成
体5Aに比較して上記仕上げ加熱乾燥に要する時間を著減
でき、1枚当りのヒータ電力量を3分の1程度となし得
るので、ランニングコストを低減でき、経済的である等
の第4の効果が有る。
【0032】そして上記仕上げ加熱乾燥と共に軟化した
直後の加熱乾燥軟化済板状体9をその含有砂糖や油脂の
軟化流動作用で素早くカップ状や皿状に成形後冷却固化
することで、外側が紙スリーブで囲まれた衛生的な可食
容器を作り、迅速に販売することができるので、客の待
ち時間を可及的に短くすることができるし、購入者は紙
スリーブ内の可食容器を衛生的に食することができると
いったトレンディな第5の効果も有る。
【0033】請求項2によれば、可食容器Cの外面を囲
んだ紙葉7の表面にメーカ名や食品種類等を美しい模様
と共に印刷したり、製造年月日を印書したりできる実用
上の効果が付加される。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による紙葉付着済板状成品の作成手順
の説明図
【図2】この発明に用いて好適な加熱焼成器の斜視図
【図3】図2に示すものの使用例を示す一部切欠断面図
【図4】加湿済板状成品の斜視図
【図5】紙葉付着済板状成品の斜視図
【図6】図5に示すものを重合した状態の断面図
【図7】仕上げ焼成に用いる焼成器の斜視図
【図8】図7に示すものの使用例を示す断面図
【図9】成形型の分離状態を示す断面図
【図10】図9と状態を異にした断面図
【図11】図10と状態を異にした断面図
【図12】可食容器の1例を示す断面図
【図13】図12に示すものの斜視図
【図14】皿型容器の成形型の断面図
【図15】皿型可食容器の1例を示す斜視図
【符号の説明】
2 水種 5 板状形成体 6 加湿済板状成品 7 紙葉 8 乾燥整形済可食容器 9 加熱乾燥軟化済板状体 10 加熱板 C 可食容器

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】小麦粉・砂糖・油脂などの原料と水とを混
    練した水種2を加熱板10上に流下延展する工程と、この
    工程を経た前記加熱板10上の水種2を他の加熱板で挟ん
    で前記水種2中の小麦澱粉がアルファ化し、かつ前記水
    種2中の水分が蒸発する程度に加熱乾燥する加熱乾燥工
    程と、この工程で加熱乾燥した板状形成体5を乾燥状態
    のまま前記加熱板10上から剥離した後この板状形成体5
    をあらためて加湿する加湿工程と、この工程を経た加湿
    済板状成品6の一面に紙葉7を付着させる紙葉付着工程
    と、この工程で紙葉7を付着した紙葉付着済板状成品8
    をさらにあらためて加熱乾燥すると共に軟化させる仕上
    げ加熱工程と、この工程を経た加熱乾燥軟化済板状体9
    をその紙葉付着面を外側にして皿やカップの形状に成形
    後冷却固化することで、外側が紙葉で囲まれた可食容器
    に成形する成形工程とをそれぞれ具備したことを特徴と
    する可食容器の製造方法。
  2. 【請求項2】紙葉7の一面に文字や図形を印刷または印
    書したことを特徴とする請求項1記載の可食容器の製造
    方法。
JP2406250A 1990-12-07 1990-12-07 可食容器の製造方法 Expired - Lifetime JPH074139B2 (ja)

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