JPH0741264A - エレベータのピット点検用タラップ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】かご室や昇降路の大きさに影響されることな
く、安全な姿勢で使用できるようにしたエレベータのピ
ット点検用タラップを提供する。 【構成】最下階の床持出し材１と昇降路３下部のピット
の底部11に縦部材12を回転自在に取付け、この縦部材12
に平行し、下端に車輪13を取付け、上部は乗場敷居２よ
り上方に伸びる縦部材14を配置し、この縦部材12と14の
間に縦方向に沿って適宜ピッチで複数の横部材を一体に
設けて構成し、乗場敷居２に縦部材14で動作される作業
用確認スイッチ17を設け、この作業用確認スイッチ17の
動作時に点灯する表示灯を縦部材14の上部に設ける。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、エレベータのピット点
検用タラップに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】通常、エレベータにおいては、昇降路下
部のピット内に設けたバッファ等を点検するために、ピ
ット点検用タラップを設置している。

【０００３】以下、このピット点検用タラップを図４を
参照して説明する。同図において１は床持出し材、２は
乗場敷居、３は昇降路、４はこの昇降路３内を昇降する
かご室、５はかご室４の昇降をガイドするガイドレー
ル、６はつり合いおもり、７はピット点検用タラップを
示す。

【０００４】このピット点検用タラップ７は、昇降路内
が建築工事で防水処理されているためにアンカーボルト
の打設ができず、ガイドレール５にプレート８をクリッ
プ（図示しない）で取付け、このクリップ（図示しな
い）に直接溶接等により取付けるようにしていた。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
たような取付構造では、かご室４の幅が広くなった場
合、乗場出入口からピット点検用タラップ７までの距離
が、それに比例して大きくなってしまい、ピット点検用
タラップ７まで手がとどきにくい状態になってしまい、
ピット点検用タラップ７を使用しようとするときに不安
全な姿勢にならざるを得なかった。また、昇降路３が狭
くなっている場合、ピット点検用タラップ７が横壁方向
に対して狭くなり、足のつまさきがピット点検用タラッ
プ７にかからず、転落する危険性がある。

【０００６】そこで、本発明の目的は、かご室や昇降路
の大きさに影響されることなく、安全な姿勢で使用でき
るようにしたエレベータのピット点検用タラップを提供
することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するため、最下階の乗場敷居の下方に回動自在に設け
られた第１の縦部材と、この第１の縦部材に平行して設
けられ、上部が乗場敷居より上方に伸びる第２の縦部材
と、この第２の縦部材と第１の縦部材とに縦方向に沿っ
て一体に設けられた複数の横部材とから構成したもので
ある。

【０００８】

【作用】常時は、乗場敷居の下方に収容することができ
るので、かご室の昇降には何ら支障はない。また、ピッ
ト内に設置した機器を点検する場合には、第２の縦部材
を介してピット点検用タラップをピット中央側に回動さ
せて引出すことができるので、容易にかつ安全に乗場敷
居からピット点検用タラップに乗り移り、ピット内に入
ることができる。また、第２の縦部材により動作される
スイッチを設け、このスイッチの動作時点灯する表示灯
を第２の縦部材の上部に設けることにより、ピット内に
おける点検作業を外部に表示し、安全をさらに向上する
ことができる。

【０００９】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。図１は、本発明の一実施例を示す平面図、図２
は、図１のＡ−Ａ断面図である。図１および図２におい
て、１は床持出し材、２は乗場敷居、３は昇降路、４は
かご室、５はガイドレール、６はつり合いおもり、10は
ピット点検用タラップを示す。

【００１０】ピット点検用タラップ10は、最下階の床持
出し材１と昇降路３下部のピットの底部11に、図示しな
い軸受部材を介して回転自在に取付けられている縦部材
12と、この縦部材12に適宜間隔をもち平行して配置さ
れ、下端に車輪13を取付け、上部は最下階の床持出し材
１や乗場敷居２より上方に伸びている縦部材14と、縦部
材12と14に両端を固定され、縦方向に沿って適宜ピッチ
で設けられている横部材15で構成されている。ここで、
車輪13は、図示しないばねを介して縦方向に変移可能に
構成され、縦部材14の上部に設けたレバー（図示しな
い）を操作することにより、上方に所定寸法だけ引上げ
ることができる。

【００１１】また、縦部材14の上部にはランプ16が取付
けられ、乗場敷居２の上面には縦部材14により動作され
る作業確認用スイッチ17が取付けられている。この作業
確認用スイッチ17は、動作したときにランプ16を点灯す
ると共に、図示しない機械室に設置されているエレベー
タの巻上機の電源を遮断するように設定されている。

【００１２】さらに、床持出し材１と乗場敷居２には、
ピット点検用タラップ10を使用しないときに縦部材14を
収容するための半円状の切欠部18を設けると共に、この
状態を保持させておくための止め金（図示しない）を設
け、昇降路３下部のピットの底部11には、ピット点検用
タラップ10を使用するために引出したとき、車輪13が入
り込んでこの状態を保持するタラップ固定穴19を設け
る。なお、図２に示す20は、床持出し材１に取付けられ
たトーガードを示す。

【００１３】次に、以上のように構成された実施例の作
用を説明する。まず、常時は、切欠部18に縦部材14の上
部を収容し、止め金（図示しない）でその状態を保持さ
せておくので、ピット点検用タラップ10全体が乗場敷居
２よりかご室４側に張出すことなく収容され、かご室４
の昇降には何ら支障がない。

【００１４】次に、ピット内に設置されているバッファ
等の点検を行う場合は、まず、かご室４を最下階より上
の階に停止させ、この後最下階の乗場出入口のドアを開
き、乗場敷居２から縦部材14の上部を切欠部18に保持さ
せている止め金（図示しない）を開き、縦部材14を介し
てピット点検用タラップ10を図１に一点鎖線で示す位置
まで回動させて引出す。このとき、縦部材14の下部に取
付けられた車輪13が図３に示すようにピットの底部11に
設けたタラップ固定穴19に入り込んでこの取出した状態
を保持すると共に、縦部材14の回動により作業確認用ス
イッチ17が動作してランプ16が点灯し、作業中であるこ
とを周囲に人に知らせる。

【００１５】また、作業確認用スイッチ17が動作する
と、図示しない機械室に設置した巻上機の電源が遮断さ
れるように設定されているので、安全にピット点検用タ
ラップ10を介してピット内に入ることができ、かつ同ピ
ット内で安全にバッファ等の点検作業ができる。

【００１６】点検作用が終了した後には、ピット点検用
タラップ10を介して最下階のホールに昇り、乗場敷居２
から縦部材14の上部に設けレバー（図示しない）を操作
してタラップ固定穴19に入り込んでいる車輪13を引上
げ、この後縦部材14を介してピット点検用タラップ10を
回動させて元の位置に戻し、縦部材14の上部を切欠部18
に収容してから止め金（図示しない）を閉じてピット点
検用タラップ10を乗場敷居２の下部に収容し、この状態
を保持させておく。

【００１７】

【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、最
下階の乗場敷居の下方に回動自在に設けられた第１の縦
部材と、この第１の縦部材に平行して設けられ、上部が
乗場敷居より上方に伸びる第２の縦部材と、この第２の
縦部材と第１の縦部材とに縦方向に沿って一体に設けら
れた複数の横部材とから構成しているので、かご室や昇
降路の大きさに影響されることなく、安全な姿勢で使用
できるようにしたエレベータのピット点検用タラップを
提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す平面図。

【図２】図１のＡ−Ａ断面図。

【図３】本発明の一実施例の作用を示す説明図。

【図４】従来のエレベータのピット点検用タラップを示
す平面図。

【符号の説明】

１…床持出し材、２…乗場敷居、３…昇降路、４…かご
室、10…ピット点検用タラップ、12，14…縦部材、13…
車輪、15…横部材、16…ランプ、17…作業確認用スイッ
チ。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 最下階の乗場敷居の下方に回動自在に設
   けられた第１の縦部材と、この第１の縦部材に平行して
   設けられ、上部が前記乗場敷居より上方に伸びる第２の
   縦部材と、この第２の縦部材と前記第１の縦部材とに縦
   方向に沿って一体に設けられた複数の横部材とから構成
   したことを特徴とするエレベータのピット点検用タラッ
   プ。
2. 【請求項２】 乗場敷居に第２の縦部材をピット中央側
   に回動させたとき動作するスイッチを設け、このスイッ
   チを介して前記第２の縦部材の上部に設けた表示灯を点
   灯させ、ピット内において点検作業をしていることを表
   示するようにした請求項１記載のエレベータのピット点
   検用タラップ。