JPH0740947B2 - 2−ケトグルコン酸の製造方法 - Google Patents
2−ケトグルコン酸の製造方法Info
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- JPH0740947B2 JPH0740947B2 JP759786A JP759786A JPH0740947B2 JP H0740947 B2 JPH0740947 B2 JP H0740947B2 JP 759786 A JP759786 A JP 759786A JP 759786 A JP759786 A JP 759786A JP H0740947 B2 JPH0740947 B2 JP H0740947B2
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- Japan
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- acid
- ketogluconic
- ketogluconic acid
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- Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は発酵法による2−ケトグルコン酸の製造方法に
関する。
関する。
更に詳しくは、2−ケトグルコン酸発酵培地に炭素数6
〜12の脂肪酸又はその誘導体を添加し、2−ケトグルコ
ン酸生産菌を培養し、2−ケトグルコン酸の生産速度を
著しく増加させることを特徴とする2−ケトグルコン酸
の製造方法に関するものである。
〜12の脂肪酸又はその誘導体を添加し、2−ケトグルコ
ン酸生産菌を培養し、2−ケトグルコン酸の生産速度を
著しく増加させることを特徴とする2−ケトグルコン酸
の製造方法に関するものである。
2−ケトグルコン酸は種々の商業的な用途を持つ。例え
ば、カルシウム塩として写真、特に現像液製剤に用いら
れる。また他の商業的に有益な物質、例えばフルフラー
ル、エリソルビン酸、D−アラビノース、D−リブロー
スに容易に変換できる。また食品の防腐剤として有益で
ある。
ば、カルシウム塩として写真、特に現像液製剤に用いら
れる。また他の商業的に有益な物質、例えばフルフラー
ル、エリソルビン酸、D−アラビノース、D−リブロー
スに容易に変換できる。また食品の防腐剤として有益で
ある。
グルコースから2−ケトグルコン酸を発酵により生産す
ることはよく知られている(米国特許第3282795号、同
第2277716号明細書参照)。従来の方法では、発酵液中
に反応中間体であるグルコン酸が多量に蓄積し、2−ケ
トグルコン酸への転換を短時間に終了させることができ
なかった(Lockwood L.B.,Microbial Technology 2nd E
d.Vol.1,383〜385.AP)。
ることはよく知られている(米国特許第3282795号、同
第2277716号明細書参照)。従来の方法では、発酵液中
に反応中間体であるグルコン酸が多量に蓄積し、2−ケ
トグルコン酸への転換を短時間に終了させることができ
なかった(Lockwood L.B.,Microbial Technology 2nd E
d.Vol.1,383〜385.AP)。
グルコースからのグルコン酸への酸化反応を促進させる
ために酸素濃度を増加させることが知られている。しか
し、グルコン酸から2−ケトグルコン酸への反応促進方
法については従来まったく検討されていなかった。
ために酸素濃度を増加させることが知られている。しか
し、グルコン酸から2−ケトグルコン酸への反応促進方
法については従来まったく検討されていなかった。
従って、グルコースあるいはグルコン酸から2−ケトグ
ルコン酸製造の効率化を行うためにはグルコン酸から2
−ケトグルコン酸への反応を促進させる必要がある。
ルコン酸製造の効率化を行うためにはグルコン酸から2
−ケトグルコン酸への反応を促進させる必要がある。
本発明者らは上記の問題点を解決するため鋭意検討の結
果、グルコン酸から2−ケトグルコン酸への酸化反応を
促進させる方法を見出し、本発明を完成した。
果、グルコン酸から2−ケトグルコン酸への酸化反応を
促進させる方法を見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明はセラチア属に属する2−ケトグルコン酸
生産菌を培地に培養して2−ケトグルコン酸を生成蓄積
せしめこれを採取する方法において、発酵培地に炭素数
6〜12の脂肪酸又はその誘導体を添加することを特徴と
する2−ケトグルコン酸の製造方法に係わるものであ
る。
生産菌を培地に培養して2−ケトグルコン酸を生成蓄積
せしめこれを採取する方法において、発酵培地に炭素数
6〜12の脂肪酸又はその誘導体を添加することを特徴と
する2−ケトグルコン酸の製造方法に係わるものであ
る。
本発明で用いる事のできる微生物としては、2−ケトグ
ルコン酸を生産するセラチア属に属する微生物であれば
いかなる微生物でもよく、例えばセラチア・マルセッセ
ンス(Serratia marcescens)などが挙げられる。より
具体的にはセラチア・マルセッセンスIAM12143、セラチ
ア・マルセッセンスIAM1105などがある。
ルコン酸を生産するセラチア属に属する微生物であれば
いかなる微生物でもよく、例えばセラチア・マルセッセ
ンス(Serratia marcescens)などが挙げられる。より
具体的にはセラチア・マルセッセンスIAM12143、セラチ
ア・マルセッセンスIAM1105などがある。
本発明において培地に添加剤として使用する炭素数6〜
12の脂肪酸又はその誘導体としては、飽和或いは不飽和
の脂肪酸、又は脂肪酸塩、脂肪酸エステル、脂肪酸アミ
ドなどがある。具体的には、カプロン酸、エナント酸、
カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデシル
酸、ラウリン酸などの遊離の脂肪酸や、これら脂肪酸の
ナトリウム塩、アンモニウム塩などの脂肪酸塩、ソルビ
タンモノラウレートなどの脂肪酸エステム等が挙げられ
る。これらの添加剤の培地への添加量は、菌の生育に阻
害とならない濃度であればよく、好ましくは0.01%以
上、より好ましくは0.05%以上で添加することができ
る。培地への添加時期は、培養の最初又は培養の途中の
いずれでも良い。
12の脂肪酸又はその誘導体としては、飽和或いは不飽和
の脂肪酸、又は脂肪酸塩、脂肪酸エステル、脂肪酸アミ
ドなどがある。具体的には、カプロン酸、エナント酸、
カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデシル
酸、ラウリン酸などの遊離の脂肪酸や、これら脂肪酸の
ナトリウム塩、アンモニウム塩などの脂肪酸塩、ソルビ
タンモノラウレートなどの脂肪酸エステム等が挙げられ
る。これらの添加剤の培地への添加量は、菌の生育に阻
害とならない濃度であればよく、好ましくは0.01%以
上、より好ましくは0.05%以上で添加することができ
る。培地への添加時期は、培養の最初又は培養の途中の
いずれでも良い。
本発明の製造方法により2−ケトグルコン酸を製造する
には、先ず2−ケトグルコン酸生産菌を培地に培養し
て、培養物中に2−ケトグルコン酸を蓄積せしめる。培
養方法は、細菌の一般的な培養方法が用いられる。例え
ば、使用する培地としては、微生物が資化し得る炭素
源、窒素源、無機物及び発育素、並びに炭素数6〜12の
脂肪酸又はその誘導体を含む合成培地又は天然培地が用
いられる。炭素源としては、グルコースや、グルコン酸
ナトリウム、グルコン酸カルシウム、グルコン酸カリウ
ムなどのグルコン酸塩が使用出来、窒素源としては種々
の形態の窒素化合物が使用出来、例えば硫酸アンモニウ
ム、硝酸ナトリウム、硝酸アンモニウム、尿素、コーン
ステープリカー、ポリペプトン、酵母エキス、肉エキス
などが使用出来、無機塩類としてはリン酸第一カリウ
ム、リン酸第二カリウム、硫酸マグネシウム、硫酸カリ
ウムなどが使用出来、発育素としてはビタミンB1、ビオ
チン、ビタミンB6、D−パントテン酸ナトリウム、イノ
シトールなどが用いられる。炭素源としてグルコースを
使用する場合にはグルコン酸、2−ケトグルコン酸の生
成に伴いpHが低下するため、CaCO3,NaOH,KOHなどでpHを
5〜8に調節することが必要である。
には、先ず2−ケトグルコン酸生産菌を培地に培養し
て、培養物中に2−ケトグルコン酸を蓄積せしめる。培
養方法は、細菌の一般的な培養方法が用いられる。例え
ば、使用する培地としては、微生物が資化し得る炭素
源、窒素源、無機物及び発育素、並びに炭素数6〜12の
脂肪酸又はその誘導体を含む合成培地又は天然培地が用
いられる。炭素源としては、グルコースや、グルコン酸
ナトリウム、グルコン酸カルシウム、グルコン酸カリウ
ムなどのグルコン酸塩が使用出来、窒素源としては種々
の形態の窒素化合物が使用出来、例えば硫酸アンモニウ
ム、硝酸ナトリウム、硝酸アンモニウム、尿素、コーン
ステープリカー、ポリペプトン、酵母エキス、肉エキス
などが使用出来、無機塩類としてはリン酸第一カリウ
ム、リン酸第二カリウム、硫酸マグネシウム、硫酸カリ
ウムなどが使用出来、発育素としてはビタミンB1、ビオ
チン、ビタミンB6、D−パントテン酸ナトリウム、イノ
シトールなどが用いられる。炭素源としてグルコースを
使用する場合にはグルコン酸、2−ケトグルコン酸の生
成に伴いpHが低下するため、CaCO3,NaOH,KOHなどでpHを
5〜8に調節することが必要である。
培養は、通常振盪又は通気撹拌下、好気的条件のもとに
おこなうのがよい。培養温度は菌が生育し2−ケトグル
コン酸が生産される範囲内であればいずれでもよいが、
好ましくは20〜37℃である。培地のpHは通常5〜8の範
囲が好ましい。培養時間は2−ケトグルコン酸の生産が
最大に達する時間を選べばよく、通常は7〜20時間であ
る。
おこなうのがよい。培養温度は菌が生育し2−ケトグル
コン酸が生産される範囲内であればいずれでもよいが、
好ましくは20〜37℃である。培地のpHは通常5〜8の範
囲が好ましい。培養時間は2−ケトグルコン酸の生産が
最大に達する時間を選べばよく、通常は7〜20時間であ
る。
以上のようにして得られた培養物からの2−ケトグルコ
ン酸の採取は通常行われている公知の方法で行うことが
出来る。例えば、発酵終了液を濾過または遠心分離し、
菌体を除去した後必要に応じて活性炭で脱色後濾液を濃
縮し2−ケトグルコン酸塩の結晶として採取するか、又
は濾液をイオン交換樹脂に通過させて遊離の酸として採
取することができる。
ン酸の採取は通常行われている公知の方法で行うことが
出来る。例えば、発酵終了液を濾過または遠心分離し、
菌体を除去した後必要に応じて活性炭で脱色後濾液を濃
縮し2−ケトグルコン酸塩の結晶として採取するか、又
は濾液をイオン交換樹脂に通過させて遊離の酸として採
取することができる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本
発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1〜4,比較例1 セラチア・マルセッセンスIAM12143をグルコース5%、
酵母エキス0.5%、硫酸アンモニウム0.75%、CaCO3 1.7
%を含む前培養培地100mlに接種し、30℃、24時間振盪
培養する。第1表に示した発酵培地に、カプロン酸、カ
プリル酸をそれぞれ0.04%、0.08%添加した培地に前培
養を10%接種し、30℃で15時間振盪培養した。これらの
場合の対照を100とする2−ケトグルコン酸の相対生産
速度を第2表に示した。
酵母エキス0.5%、硫酸アンモニウム0.75%、CaCO3 1.7
%を含む前培養培地100mlに接種し、30℃、24時間振盪
培養する。第1表に示した発酵培地に、カプロン酸、カ
プリル酸をそれぞれ0.04%、0.08%添加した培地に前培
養を10%接種し、30℃で15時間振盪培養した。これらの
場合の対照を100とする2−ケトグルコン酸の相対生産
速度を第2表に示した。
カプロン酸、カプリル酸を添加した場合、いずれも2−
ケトグルコン酸生産速度は増加した。収率はいずれの場
合も約90%であった。
ケトグルコン酸生産速度は増加した。収率はいずれの場
合も約90%であった。
実施例5〜6,比較例2 実施例1と同様の方法で、脂肪酸誘導体の一種であるソ
ルビタンモノラウレートを第3表に示すような濃度で添
加し、培養を実施した。これらの場合の結果を第3表に
示した。
ルビタンモノラウレートを第3表に示すような濃度で添
加し、培養を実施した。これらの場合の結果を第3表に
示した。
第3表から明らかな如く、ソルビタンモノラウレート0.
5〜1.0%でいずれも2−ケトグルコン酸生産速度は増加
した。
5〜1.0%でいずれも2−ケトグルコン酸生産速度は増加
した。
〔発明の効果〕 2−ケトグルコン酸発酵において、炭素数6〜12の脂肪
酸又はその誘導体を添加する本発明の方法により、2−
ケトグルコン酸生産速度を著しく増加させ、2−ケトグ
ルコン酸の発酵時間を著しく短縮することができた。
酸又はその誘導体を添加する本発明の方法により、2−
ケトグルコン酸生産速度を著しく増加させ、2−ケトグ
ルコン酸の発酵時間を著しく短縮することができた。
Claims (1)
- 【請求項1】セラチア属に属する2−ケトグルコン酸生
産菌を培地に培養して2−ケトグルコン酸を生成蓄積せ
しめこれを採取する方法において、発酵培地に炭素数6
〜12の脂肪酸又はその誘導体を添加することを特徴とす
る2−ケトグルコン酸の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP759786A JPH0740947B2 (ja) | 1986-01-17 | 1986-01-17 | 2−ケトグルコン酸の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP759786A JPH0740947B2 (ja) | 1986-01-17 | 1986-01-17 | 2−ケトグルコン酸の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS62166894A JPS62166894A (ja) | 1987-07-23 |
JPH0740947B2 true JPH0740947B2 (ja) | 1995-05-10 |
Family
ID=11670212
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP759786A Expired - Lifetime JPH0740947B2 (ja) | 1986-01-17 | 1986-01-17 | 2−ケトグルコン酸の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0740947B2 (ja) |
-
1986
- 1986-01-17 JP JP759786A patent/JPH0740947B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS62166894A (ja) | 1987-07-23 |
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