JPH0740815Y2 - 石油燃焼器の臭気低減装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［技術分野］ 本考案は消火時に芯より発生する気化成分（ガス）によ
る悪臭を低減する石油燃焼器の臭気低減装置に関する。

［従来技術］ 第１図は芯上下式燃焼器の要部断面図であり、１は芯外
筒、２は芯内筒で、３は芯外筒と芯内筒２とで形成され
た芯案内路４に上下摺動自在に配設された芯であり、燃
焼タンク５内の石油23を毛細管力を利用して吸い上げる
ものである。燃焼時には芯外筒１の燃焼筒（バーナ）６
を載置する燃焼筒載置面７より芯３の上端を突出させ、
吸い上げた石油23をここから蒸発させて燃焼を行う。

消火時には芯３の上端を芯案内路４内に没して空気の供
給を遮断すると共に石油の蒸発を低減して消火を行う。
この際、芯外筒１、芯内筒２の温度が高い状態では、芯
３上端でチョロ火燃焼による不完全燃焼ガスが発生し、
これらのガスが高温の燃焼筒６内を通過すると熱分解さ
れて悪臭を放っていた。そこでこれらのガスが高温の燃
焼筒６を通過するのを防止するため、消火状態における
芯３の上端より上方に位置する芯外筒１の上部に吸入管
８を設け、吸引ポンプ９等よりなる吸引装置にて上記ガ
スを吸引していた。

ところが、吸入管８の近傍の上記ガスは良く吸引される
が、吸入管８から離れた部分の上記ガスは吸引されにく
く、又、消火状態における芯３の上端より上方位置に吸
引装置（吸入管８を含む）を配設することは、芯外筒１
近傍の部品配置や部品寸法に制約を加え、設計上不利で
あった。

［目的］ 本考案は臭気低減装置においてそのガスの導出孔を、バ
ーナとカートリッジタンクの設置部との間の燃焼タンク
の上壁に設け、臭気低減の効果を高めたものである。

［実施例］ 以下、本考案の臭気低減装置の一実施例を図面に基づき
説明するが従来例と同一若しくは相当箇所には同一符号
を付し、その説明は省略する。

第２図に示す芯上下式石油燃焼器は消火動作状態にあ
り、芯案内路４内に没した芯３の上端よりやや下方に位
置して、外方に拡がる段部1aを芯外筒１に設け、芯外筒
１の全期段部1aより下方の筒径を拡げることにより、振
３との間に吸引通路10を形成している。この吸引通路10
は燃焼タンク５の内部空間と連通しており、又燃焼タン
ク５の上壁には吸入管８を設けて、吸引装置の吸引ポン
プ９により燃焼タンク５の内部空間の空気を吸引するよ
うにしている。上記吸入管８はカートリッジタンク設置
部とバーナ６との間の燃焼タンク５の上壁に形成された
導出孔8aに連結されている。

カートリッジタンクを設置する燃焼タンク５の油受皿21
には、当該石油燃焼器の燃焼時に燃焼タンク５内の空気
の熱膨張による燃焼タンク５内の内圧上昇によって燃焼
炎が立ち上がる現象を防止するため、燃焼タンク５内の
内部空間を大気と連通させて燃焼タンク５内の内圧上昇
を防ぐ連通孔22を設けている。この連通孔22が大気と連
通していると、燃焼タンク５の内部空間の空気を吸引ポ
ンプ９にて吸引しても燃焼タンク５内が負圧にならな
い。そこで連通孔22の設ける位置を、燃焼動作時には石
油23の油面より上方にあって燃焼タンク５の内部空間と
大気とが連通し、消火動作時には芯３の降下によって芯
３が石油23に浸漬した体積分油面を押し上げて連通孔22
を封鎖するように設定している。

従って、消火動作時の燃焼タンク５は芯案内路４に連通
している箇所以外は密封状態になっている。消火操作や
感震装置の作動により芯３の上端が芯案内路４に没し
て、当該燃焼器が消火動作状態になると、吸引ポンプ９
が作動し燃焼タンク５の内部空間の空気が吸い出されて
燃焼タンク５の内部空間が負圧になり、必然的に燃焼タ
ンク５の内部空間と連通した前記吸引通路10も負圧にな
り、第３図の矢印に示す如く芯３の上端部から発生する
不完全燃焼ガスや未然ガスを芯３の上部全周に亘って均
一に吸引する。

なお、吸入管８を第４図に示す如く吸引通路10に連通さ
せて芯外筒１の周側壁に設ける事も可能であるが、芯外
筒１付近の部品配置や部品寸法に制約を受けるという不
都合がある。

又、第５図は吸引装置の他の実施例を示す概略説明図で
あり、燃焼タンク５の上壁に導出孔5aを設け吸引用のフ
ァン11およびモータ12を配設し、前記モータ12を取付け
るためのモータ取付ケース13と燃焼タンク５とで排気ダ
クト14を形成して、給油タンク15の給油弁15a周囲にガ
スを排出するようにしている。尚、モータ取付ケース13
には第６図に示すようにコップ状の油受皿16が一体に形
成されており、上縁部周囲に排気孔17が複数個穿設され
ている。モータ取付ケース13はパッキン18を介在させて
燃焼タンク５に複数のビス19で取付けられ、当該燃焼器
が転倒した時の漏油を防止する。20は燃焼タンク５の給
油口5bを油受皿16とで密封する給油口パッキンである。

第５図に示す実施例であれば、給油タンク15の給油弁15
a周囲に排出したガスが給油弁15a周囲で液化して油受皿
16に還元され処理されるという利点がある。

尚、吸引通路10は芯内筒２と芯３とで形成しもよく、本
考案は上記しかつ図面に示す実施例にのみ限定されるも
のではなく、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変形して実
施し得ること勿論である。

［効果］ 本願考案は上記のように、気化成分の導出孔を上記燃焼
タンクのバーナとカートリッジタンク設置部との間の上
壁に形成し、上記吸引装置をこの導出孔に対応して上記
上壁に設置したので、バーナとカートリッジタンクとの
間の通常はデッドスペースとなるスペースを吸引装置の
収納空間として有効に利用することが出来、吸引装置を
設置しても石油燃焼器が大型化することがなく、芯外筒
近傍の部品配置や部品寸法に制約されることによる設計
上の不利をなくすことが出来、特に、導出孔、吸引装置
を、燃焼タンクの上壁の奥側に位置させた場合には、燃
焼タンクの上壁の手前側のスペースに、例えば芯上下機
構等の部品を設けることが出来、そのうえ気化成分の導
出孔及び吸引装置は燃焼タンクの上壁に設置してなるの
で、吸引装置の作動中に石油燃焼器本体に外部より強い
衝撃が加わって燃焼タンクの油面が大きく変動しても、
気化成分の吸引動作に何ら影響を受けることがなく気化
成分の確実な吸引を継続することが出来る。しかも吸引
装置により吸引された気化成分を上記バーナより離れた
位置の大気側に排気してなるので、該吸引装置による気
化成分の吸引を継続して行うことが出来るとともに、大
気側に排気した気化成分が再びバーナの熱で加熱され化
学変化をおこして悪臭となることがないという効果を奏
するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の芯上下式石油燃焼器の臭気低減装置の要
部断面図、第２図は本考案の芯上下式石油燃焼器の臭気
低減装置の一実施例を示す要部断面図、第３図は第２図
における芯上部のガス吸引経過を示す説明図、第４図は
本考案の説明に用いる要部断面図、第５図は本考案に係
る吸引装置の他の実施例を示す要部断面図、第６図は第
５図の分解斜視図である。 １……芯外筒、２……芯内筒、３……芯、８……吸入
管、９……吸引ポンプ、10……吸引通路。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭56−16028（ＪＰ，Ａ) 特公 昭52−10211（ＪＰ，Ｂ２) 実公 昭57−52491（ＪＰ，Ｙ２)

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】消火時に、芯より発生する気化成分を吸引
   装置により上記燃焼タンク内を介して当該タンク外へ導
   出してなる石油燃焼器の臭気低減装置において、上記気
   化成分の導出孔を上記燃焼タンクのバーナとカートリッ
   ジタンク設置部との間の上壁に形成し、上記吸引装置を
   この導出孔に対応して上記上壁に設置し、上記吸引装置
   により吸引された気化成分を上記バーナより離れた位置
   の大気側に排気してなる石油燃焼器の臭気低減装置。