JPS6242246Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は燃料の供給を霧化ノズルで行うポツ
ト式の石油燃焼器に係るものであり、縦でも横で
も任意の角度で使用できるようにするものであ
る。

従来ポツト式の石油燃焼器で石油の供給を霧化
ノズルで行うものがあり、拡散板を用いる時の燃
焼の仕組みは拡散板の外方でポツト周壁の空気孔
から燃焼空気の供給を受けて可燃ガスが青炎燃焼
を行い、この燃焼が拡散板を加熱している。一方
拡散板に向けて供給される霧状の石油は拡散板内
方の高温雰囲気と、直接微粒子が拡散板に触れて
気化しており、拡散板内方は空気の供給をごくわ
ずかにして燃焼が行なわれないようにしてあり、
拡散板内方が石油の可燃ガス化空間となつて前記
拡散板外方での燃焼に可燃ガスを供給している。

ところで上記定常燃焼に移行する為点火プラグ
の火花で霧状石油に着火する時には拡散板も含め
てポツトが低温度であり霧状石油が拡散板に触れ
ればただちに液化してしまうものである。この為
液化した石油を外部へ流出させない為に拡散板を
用い霧化ノズルと対向せしめるバーナでは、燃焼
器はポツトが上方を向きに限定され、かつポツト
底面の小孔に上方向きのフランジを形成し、拡散
板で液化した石油を一時的にポツト底面に貯め少
しずつ気化させる構成が必要であつた。

この考案は以上の欠点を改善するもので実施例
である図に示す如く風胴１内に取付けたバーナポ
ツト２の底面に小孔３をあけ、かつ小孔３に霧化
ノズル４をのぞませ、該ポツト２内に拡散板５を
位置せしめ、拡散板５の外方のバーナポツト２周
壁に多数の空気孔６をあけた燃焼器に於て、拡散
板５のノズル４側には拡散板５よりも小径の筒体
７を取付け、かつ筒体７の開口は内側へ折曲げ、
更に折曲部８の内側端は拡散板５へのぞませてフ
ランジ９を形成した石油燃焼器である。筒体７の
折曲部８はスペーサ１０を介してポツト２底面に
固着されており、筒体７を取付けた拡散板５はポ
ツト２内の定位置に設置されている。１１は点火
プラグ、１２は霧化ノズル４と点火プラグを囲む
防風胴であり、前記スペーサー１０を介して筒体
７をポツト２内部に取付ける螺子によつて一緒に
防風筒１２もポツト底裏面に取付けられている。
１３は防風筒１２にあけた複数個の孔であり、風
胴１内の空気が小孔３から必要以上バーナポツト
２内に入らないように制御している。１４は風胴
背板、１５は送風フアン、１６は送風モータであ
り、燃焼空気を風胴１内に強制送風している。１
７はノズル取付板であり、風胴背板１４にあけら
れた開口と防風筒１２の開放部が一致しており、
該ノズル取付板１７が防風筒１２の開放部を封鎖
している。

以上の如き構成であるこの考案では燃焼器を横
向きに使用する時、点火プラグ１１の火花で着火
した霧状石油と燃焼炎は小孔３からポツト２内部
へ吹込まれ、未然の石油の微粒子はまだ温度の低
い拡散板５に触れて液化する。

そして液状となつた石油は拡散板５裏面を下方
に流れるが、拡散板５には小径の筒体７が取付け
られており、かつ筒体７の端は折曲部８となつて
いるから、拡散板５・筒体７・折曲部８で構成す
る空間に貯るものである。

一方燃焼器が縦向きに取付けられ、バーナポツ
ト２の開口が上方を向いている時、まだ温度の低
い拡散板５裏面に触れて液状となつた石油は拡散
板５から筒体７をつたつて流れ、やがて筒体７・
折曲部８・フランジ１で構成する空間に貯るもの
である。

従つて燃焼器の中で最も早く高温となる拡散板
５の熱が直接伝導される筒体７は燃焼の進行と共
に急速に高温となり、貯つた石油は極めて短時間
で気化して可燃ガスとなり、燃焼に供されるよう
になつた。またこの時の貯油量はポツト底面に貯
める時と比べて非常に少く、燃焼の立上り性能が
向上した。

尚拡散板５の作用は可燃ガスの滞留空間を作る
為の隔壁と、拡散板５端部とバーナポツト２との
間隙から可燃ガスを空気孔６に導びく作用を持つ
ており、筒体７が拡散板５よりも小さいこともあ
つて、拡散板５裏面に筒体７を取付けても特に燃
焼状態に悪影響は認められない。

また拡散板５取付に際して筒体７の折曲部８を
スペーサー１０を介して直接ポツト２底面に取付
けたから、ポツト２周壁の拡散板取付部品が不要
となり可燃ガスの流れが円滑になつた。更に霧状
石油が通過する小孔３にフランジがある時エゼク
タ効果によつて多量の空気が巻込まれ、必要以上
の空気が拡散板５裏面に供給されてしまうから小
孔３の径を小さくする必要が生れ、この結果小孔
３とノズル４との取付精度を高める必要があつた
が、この考案では小孔３にフランジがなく単なる
打抜孔であるから、強いエゼクタ効果も認められ
ず、比較的大径の孔でも実用となるからノズル４
の取付精度は特に重要でなくなつた。

以上の様にこの考案では拡散板の裏面に着火時
に液化した石油が貯る筒体を取付けることによつ
て、使用角度を選ばない燃焼器を実用すると共
に、液化した石油の流出防止の為の制限がなくな
り、各部構造を燃焼器の性能向上本意に構成で
き、安定した燃焼性能が簡単に得られるようにな
つた。

【図面の簡単な説明】

図はこの考案品の断面図である。 １……風胴、２……バーナポツト、３……小
孔、４……霧化ノズル、５……拡散板、６……空
気孔、７……筒体、８……折曲部、９……フラン
ジ、１０……スペーサー。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 風胴内に取付けたバーナポツトの底面に小孔
   をあけ、かつ小孔に霧化ノズルをのぞませ、該
   ポツト内に拡散板を位置せしめ、拡散板の外方
   のバーナポツト周壁に多数の空気孔をあけた燃
   焼器に於て、拡散板のノズル側には拡散板より
   も小径の筒体を取付け、かつ筒体の開口は内側
   へ折曲げ、更に折曲部の内側端は拡散板へのぞ
   ませてフランジを形成した石油燃焼器。 (2) 筒体の折曲部はスペーサーを介してポツト底
   面に固着して、拡散板をポツト内定位置に取付
   けた実用新案登録請求の範囲第１項記載の石油
   燃焼器。